ほぼミリ 迷彩解説編

ページ名:ほぼミリ 迷彩解説編

ほぼミリシリーズ


Twitterの迷彩解説講座を移植したものです。


迷彩の種類
迷彩にはいろんな種類があり、大きく分けると

  • 敵から身を隠す迷彩
  • 敵を混乱させる迷彩(見つけられる前提)

があります。


敵から身を隠す迷彩
単色迷彩
敵から身を守るために自然色に合わせた単色を塗るのが単色迷彩です。
以降に解説するより複雑な迷彩より価値の低いもの(トラック等)に用いられることが多いです。
砂漠色や森林色、雪の白、珍しいところでは砂漠用にピンクを塗る場合もあります。


2色迷彩・3色迷彩
単色迷彩より色数を増やして隠密性を増した迷彩が2色迷彩、3色迷彩です。
色数が増えて景色と調和しやすくなるだけでなく、車両などの角(エッジ)が目立ちにくくなることで更に見つかりにくくなります。
陸上迷彩や航空機の海上迷彩、制空迷彩などがあります。


デジタル迷彩
大まかには3色迷彩などに含まれますが、パターンに四角形が目立つのは特にデジタル迷彩と呼ばれます。
複雑な塗り分けで情報量が増え、単純な3色迷彩などより欺瞞効果が高まります。
米軍や自衛隊などの軍服などに用いられたり、航空機にも用いられます。


見つけられることを前提とした迷彩
「敵に見つかったら終わり」と思うかもしれませんが、敵に発見された後の攻撃回避などにおいて有利になります。
主に、

  • ダズル迷彩(艦船に用いられることが多い)
  • フェリス迷彩(航空機によく用いられる)

があります。


ダズル迷彩
ダズル迷彩は主に艦船に用いられ、敵に距離や大きさ、速度などを誤認させることを目的としています。
基本的に白と黒で構成されていますが、他の明度差が大きい色で構成されることもあります。


フェリス迷彩
三角形などの幾何学的模様で構成され、ダズル迷彩と同様の効果をもたらします。


また、ダズル迷彩、フェリス迷彩以外でも見つかることを前提とした迷彩は多数存在し、面白い例では機体の上下を誤認させるために偽のキャノピーを描くこともあります。


迷彩に使われる色
敵から身を隠す場合、環境に合った色を用いることが多くなります。
森林迷彩なら濃いめのグリーンやブラウン系、砂漠なら薄茶色…といった具合です。
色の決め方は様々で、WW2くらいまでは実物の模型に塗装して試してみてみたり、最近ではコンピュータ処理も用いられます。


迷彩の適用基準
どの軍がどの兵器にどの迷彩を適用するかはその兵器の想定される戦場による場合がほとんどです。
陸自であれば日本の森林の場合が多く、米軍は中東の砂漠が多いです。
また、WW2期の局地戦用兵器など、ごく小範囲での使用が想定される場合はその範囲に合わせたものが使用されます。


WW2以降、近年では想定される戦場の広域化・国際化に伴い国防軍でもなければ「無難な迷彩」を採用することが多いです。
戦闘機ひとつとっても、低高度かつ森林上空でしか効果を発揮しない森林迷彩より薄いグレー系、濃いグレー系、薄いブルー系などどこでも目立ちにくい塗装が多くなっています。


国籍・部隊マークについて
迷彩とは少し離れますがついでに。
兵器に用いられる国籍表記や部隊表記も、最近は地味なものが多くなっています。もちろん迷彩効果を高めるためです。
「国籍表記なくしちゃえば?」と思われるかもしれませんが国際法上国籍表記は義務なのでそういう訳にもいかないんです。
これもまた余談ですが、米軍が派手なカラーリングを禁止したら士気が下がったので仕方なく規制を緩和した、という話があります。
士気と生存率、どっちを取るかの選択に迫られる方も大変そうですね…。


執筆:紫の13


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