牛鬼(うしおに、ぎゅうき)

ページ名:牛鬼

凶暴、残忍な妖怪。
見た目は、牛のような顔に蜘蛛の体が一般的。
昆虫のような羽があるものもいて、これは空から飛んでくる。
また、鬼の顔の牛、又は逆の姿ともされる。
体が柔らかく、足音がしない。
砕け散った塵輪鬼の一片が牛鬼へと再生することもある。


海底、山奥、滝などに住んでいて、近く人間を食べる。
食べられなくても、人間の影を舌で舐めることで、魂を抜き取って殺す(もしくは仮死にする)
ことができるほか、口から猛毒の霧を放出して殺すこともできるため、無事に逃げるのは難しい。


牛鬼は、発見しただけで病気になるとされ、弓などで殺してしまうと、祟ってさらに病気を
悪化させたり、殺したりするという。


時には、女に化けて油断させ、丸呑みにするということをすることもある。



しかし、珍しい例として、人を助けた牛鬼の例がある。


青年が空腹の女性に弁当を分けたところ、その女性は淵の主の牛鬼の化身で、2ヶ月後に青年が大水で流されたときに、牛鬼に姿を変えたその女性に命を救われた。
だが牛鬼は人を助けると身代りとしてこの世を去るという掟があり、その牛鬼は青年を救った途端、全身から、真っ赤な血を流しながら体が溶けて、消滅してしまったという。


また、高知県では、2-3間の深さのすり鉢状の穴に落ち抜け出せずに泣いている牛鬼を、屋地に住んでいる老婆が助け、それ以来牛鬼はその土地の者には祟りをしなかったという。



正体は、古い椿の根が化けたものとされている。

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