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り映えしない日々に倦怠感を覚えるようにもなっていた。そんなある日、御手洗はその能力を特別業務部特別審査課（通称特四トクヨン）の宇佐美ウサミ 銭丸ゼニマルに見いだされ、銀行が秘密裏に運営している賭場へと足を踏み入れる。そこで邂逅した謎のギャンブラー、真経津マフツ 晨シン。彼との出会
り映えしない日々に倦怠感を覚えるようにもなっていた。そんなある日、御手洗はその能力を特別業務部特別審査課（通称特四トクヨン）の宇佐美ウサミ 銭丸ゼニマルに見いだされ、銀行が秘密裏に運営している賭場へと足を踏み入れる。そこで邂逅した謎のギャンブラー、真経津マフツ 晨シン。彼との出会
2．音もせず 声も夏野に 燃えあがる 鬼火は蛍 あつまりし如（喜樽）003．小夜ふけて 雨降る寺の 荒庭を 草かげ青く 鬼火燃えけり（銭廼舎銭丸ぜにのや ぜにまる）004．露とのみ 消えにしあとに 燃ゆる火は 胸のほむらの 残りなるらし（楳星うめぼし）005．夜の雨 猶燃えまさる
肥えたれど 貴たうとからざる 山男 木ある処に 住所すまゐすれども（京 花兄）012．栗柿を 好みて喰ふ 山男 顔もおのれと 渋は染めけり（銭丸）013．物言ふは 谺返しか 機嫌よく 笑ふは春の 山男かも（駿府 望月楼）014．春秋を 知らぬ裸の 山男 霞と雲の 中に生おひ出で（
となる 石の枕の ひとり旅 押しの利いたる 姥が手料理（桜の本蔭芳かげよし）023．旅人を 野辺の尾花に 招かせて 石を枕に 寐かす一ツ家（銭丸）024．其の昔 諸国をめぐる 旅僧も 咄のたねは たつた一ツ家（御薬園種芳たねよし）025．歯もなくて 人の身をこそ 食みつらめ 骨の
02．嶋田髷 みだせば紅紛べにの 半がけも ぺろりと下がる 舌長娘（弓の屋）003．ぺろり出す 娘の舌の 長襦袢 これも化物 仕立なるらむ（銭丸）004．大やまと 国内くゐち食はむとも なかるらん 唐紅からくれなゐの 舌長の姫（水遊園）005．風鈴の 舌長娘 見て凄き 年も二八に
髪切001．風凄き 秋の木の葉の 銀杏髷いてふまげ おちておどろく 野路の髪切（銭丸）002．柳散る 秋風よりも 目に見えず 切られし髪に 驚かれぬる（海樹園）003．大事がる 娘の髷も 髪切に 切られて何と 言ひやうのなき（尚丸）004．髪切に 切られし人の 影見れば 変る姿は
．奈良の町 都大路も 廻りけん 片輪車に とゞろきの橋（和風亭国吉）004．おどろきて 己おのれが捨てた 提灯も 片輪車と 廻る軒下（銭の屋銭丸）005．糸を引く 柳の馬場を 軋らする 片輪車は 誰たが押小路（南向堂）006．引手ひきてなき 片輪車の 軋れるを 見てやそのまゝ 目
蛇見る人と かへる人 後先に目を つける木戸番（東海園船唄）002．珍しと 引張ひつぱりくらや するならん 山師の見出す 両頭の蛇（銭のや銭丸）003．蟾蜍ひきがへる かたへかのまは 朽縄くちなはの 空しきかたも 腹は満ちなん（仙台松山 千澗亭）004．見世物に 出だす山師は
せば 人目大津の 壁に耳 はや触れらるゝ 陶子の口（桃太楼団子）017．父ててなしの 其の争ひも 誰彼たれかれと さらに目鼻の つかぬ陶子（銭丸）018．軽々と 産まれて見れば 陶子は 親も手足を もがれたる如（兀山人）019．陶子を 儲けし我も 人皆に 顔見られんと 手も足も出
それかあらぬか 二の足の 鷺の身の毛も よだつ寒風（注連のや春雄）015．夜明くれば 消えて行方ゆくへは 白雪の 女と見しも 柳なりけり（銭丸）016．執念も 深き越路の 雪女 凝りかたまりて 溶けぬ恨みか（桃実園）017．埋うづもれて 縮み居をるらん 山里の 身の毛もよだつ
引きこもるてふ 猫または 尾ふたつにこそ 世をも避けけれ（佐野 糸屑）017．見た人も 尾に尾をつけて 咄すらし 嘘を月夜に 踊る貍（銭の屋銭丸）018．踊りたる 事はそしらぬ 振をして 日向に丸う 昼もねこまた（青梅 旧左）019．ねこまたは 油を舐めて 行燈を 消してかたちは