『おぼろ』所属の生きる夢たち

ページ名:group homes
 

ここでは東京都██市に存在する、生きる夢とその宿主専用グループホーム『おぼろ』と、そこに所属する生きる夢を記載しています。

-グループホーム『おぼろ』
『おぼろ』は東京都██市郊外に存在する認知症老人向け介護施設である。6名のダイブ能力のある特殊心理対策局局員と、12名の生きる夢、10名の宿主が共同生活を送っています。同地域に大手の介護施設が建設された際に、それを隠れ蓑とするように運営が開始され、高齢の宿主を保護し、生きる夢のデータを収集する目的で現在も運営は継続されている。大手介護施設の存在により同地域における同施設の認知度は低く、新規入居者の受け入れもしていないこと、また認知症を発症した高齢者の生活する施設であるという性質上、滅多に地域の住民が立ち寄ることはない。

以下は施設に所属する10名の生きる夢の概要である。


No.1

名前:ロングハウル

性別:♀

年齢:不明

現実の姿:三毛猫、バス

夢の姿:猫耳の女性

災害等級: -

傾向区分:アローン - ネイバー

属性区分:生物的

宿主:賽山信弘

設定:
ロングハウルは『おぼろ』に登録されている生きる夢のリーダー格の生きる夢である。愛称はハウル。名前のロングハウルとは長距離輸送を意味する。性格は極めて気まぐれで老獪であり、コミュニケーションを行う際は彼女のペースに乗せられないよう注意すること。

ロングハウルは1945年に██氏(当時9歳)の生きる夢として誕生した。██氏は当時「ミケ」という名の雌の三毛猫を飼育していたが、戦後の騒乱で飼い猫が行方不明になってしまった。██氏は飼い猫が死亡したと思い、そのことで失意に沈んだ███氏によりミケの記憶と形状を引き継いで作り出されたのがロングハウルである。ハウルは行方不明のミケの代わりに██氏の飼い猫の霊として付き添い、貧しい暮らしをする██氏とその家族の心の支えとなっていた。

誕生から3年後の1948年7月。いつものように目覚めたハウルが目にしたのは、生還したミケの姿だった。彼女はそのことで自身の存在価値が喪失したことを悟り、██氏家族の前から姿を消した。一方で██氏は生還したミケを受け入れ、ハウルのことは「行方不明中のミケの生霊」として認識し、ミケが生還したことで見えなくなったと解釈した。ハウルは宿主が飼い猫と再会するのを見届けたあと、彼女は静寂の中で消滅するために人気のない場所を探して歩き続けた。そして町から離れた場所で、当時戦災孤児となっていた現在の宿主である賽山氏と出会い、意気投合した二人は生きる夢と宿主という関係を結んだ。

それから数10年が経過したある日、賽山氏とハウル宛に██氏を発見したという内容の連絡が届いた。さらには癌を患っているとも。別に探していたわけではない最初の宿主を発見したという一報にハウルは困惑したが、賽山氏の勧めで様子を見に行くことにした。指定された場所は病院だった。賽山氏は██氏の親戚として処理されたが、病室の██氏は既に衰弱しており、話すこともままならない状態であった。さらに独身であったため看取る親族もいないという状況だった。ハウルが██氏の傍らに座ると、██氏は目を薄く開き涙を流した。「迎えに来てくれたのね、ミケちゃん」と語り掛けた元宿主にハウルは猫として言葉は話さず、息を引き取るまでただ『ミケとして』彼女に寄り添った。

━━ああ。信じてくれなくてもいい。美談だと笑えばいい。だけれどね、私は確かに見たんだ。ミケがあの子の傍らにいるのを。あの世からあの子を迎えにきたんだ。そして少女とミケは私に礼を言って、共に去って行ったのさ。


 


ネイバー アローン 生物的

シェアボタン: このページをSNSに投稿するのに便利です。

コメント

返信元返信をやめる

※ 悪質なユーザーの書き込みは制限します。

最新を表示する

NG表示方式

NGID一覧