YUGEN1262ーhhesse

ページ名:YUGEN1262ーhhesse

■▲YUGEN1262―△hhesse(自戦記:hhesse)

  • 手待ちからの仕掛け

 指定局面からの指し手
△5二玉▲7九玉△4二玉▲8八玉△6五歩▲6九飛


(1図)

 角換わり新型同型においては6八玉、および4二玉が最もバランスの取れた玉の位置とされている。金が5八や5二にいるならば囲いに近いため、玉が矢倉に潜っていっても駒の連結を気にする必要はない。

 しかしながらこの形の金の位置は4八と6二であるため、玉を7九や3一に寄せてしまうと安全度は増す一方で、金が囲いから離れてしまうというデメリットがある。また、玉の位置が中途半端なままのほうがかえって急所が絞りづらいというメリットも見逃せない。

 そうした理由からプロ間で注目されているのがあえて駒組みを発展させずに、玉を往復させながら手待ちする作戦である。当然ながら先手は千日手ではまずいためこれには追随できない。こうして先手玉を当たりの強い8八に行かせることで、バランスの悪さを突こうというわけだ。

 △6五歩のところで仕掛けずにもう一往復する作戦もある。ただし△5二玉などとしてしまうと、▲4五桂と飛ばれてしまった時にややまずい。△4四銀▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2九飛となった時に△6五歩と反撃したいのだが、玉に近い位置が戦場になってしまうため少々ためらわれるのだ。

(参考1図)
 よって△5二玉にかえて△6三銀と手待ちするのがプロでは主流だが、これも▲4五桂と飛ばれると腰掛け銀を自ら崩しているためやはり反撃しづらい。よって本譜は△6五歩と仕掛ける順を選んだ。これに対して飛車を回るのは定跡。▲6五同歩と取る手もある。

 

  • 銀出のタイミング

 1図からの指し手
△6六歩▲同飛△6五歩▲6九飛△6四角▲4七金△4四銀


(2図)

△6六歩に対しては▲同銀と取る手を予想していた。以下△6五歩▲5五銀△同銀▲同銀△4四銀▲同銀△同歩▲4五歩△5四銀▲5六銀△4五歩▲5五銀△6六銀と進むのが一例。


(参考2図)
 ▲4四銀とつなげば以下△5五銀▲同銀△6六銀▲4四銀……となって千日手だ。この形は銀をぶつけあって千日手になる変化が多い。後手から仕掛けられて、かつ先手に打開か千日手を押し付けられるのだ。

 本譜の△4四銀のところでは△3一玉としてどうか、と感想戦で指摘された。先手からは打開の筋がなくなったし、6筋に戦場ができたのに満足して玉を安全地帯に移すのは後手番らしい指し方だ。そこから頃合いを見て△4四銀でも遅くはない。

 

  • 角で取るか銀で取るか

 2図からの指し手
▲6八飛△5五銀左▲同銀△同銀▲6三銀△8六歩▲同歩△同角▲同銀△6三金▲8七歩△6二金


(3図)

 銀交換を角で取らずに銀で取ってしまったのが失着。当然ながら見逃してくれるはずもなく、この形の急所である△6三銀を打たれてしまう。非常手段として角を切ったが、こんな形になってしまうようでは形勢の傾きは明らかだ。
 ▲5五同角のあとは▲5六歩△7七角成(▲8八角もある)▲同金△7五歩▲同歩△6六銀△6七歩▲7五銀という進行が予想される。


(参考3図)
 ▲8八玉を咎める手順ではあるが、感想戦の際に△7五歩の突き捨てを手抜いて▲5五歩とされたらどうかと気づいた。△同銀と△6三銀、いずれにせよ難しい選択だ。

 

  • 自分で勝手に悪くしていく

 3図からの指し手
▲6七歩△3五歩▲同歩△3六歩▲同金△5九銀▲5八飛△4七銀▲5九飛△3六銀不成▲4五桂△同銀▲同歩


(4図)

 あとでソフトに聞いてみたところ、まだ後手にもやりようはあったようだ。たとえば△3五歩に代えて△6四銀▲2八飛△9五歩▲同歩△7五歩▲同歩△7六銀と一直線で玉に迫って、勝負形を作ることもできた。


(参考4図)
 とはいえ完全に予定が狂ってしまったため、作戦を一から練り直していく気力はなかった。ここからはほとんど先手が後手を面倒見る手順が続く。

 

  • 着々とリードを広げられる

 4図からの指し手
△6六歩▲同歩△9五歩▲3四歩△9六歩▲6三銀△6一金▲7二銀△同金▲同銀不成


(5図)

 △9五歩の突き捨ては手抜かないほうが良かったようだが、最早そんな細かいミスでひっくり返る形勢ではない。着実な指し手でリードが広げられていく。
 飛車を逃げているようでは勝負にならないので、端を使いながら一矢報いたいところだが……。

 

  • 万事休す

 5図からの指し手
△9七歩成▲同香△同香成▲同銀△9六歩▲同銀△8四桂▲8一銀成△9六桂▲9八玉△5八銀▲9二飛△5二香▲6三角△5九銀成▲5二角成△3一玉▲4二金まで103手で先手の勝ち。


(6図)

 端を使いながら手を作っていくが、▲9二飛の王手桂取りで完全に勝負あり。形作りで飛車を取った後は簡単な詰みとなった。
 せっかく研究範囲内の形になったのに、肝心な局面で手拍子で指してしまったのは悔やまれる。

シェアボタン: このページをSNSに投稿するのに便利です。

コメント

返信元返信をやめる

※ 悪質なユーザーの書き込みは制限します。

最新を表示する

NG表示方式

NGID一覧