hhesseーChryso_la

ページ名:hhesseーChryso_la

■hhesse―Chryso_la戦(自戦記:hhesse)

 

  • 位取りを拒否する

 指定局面からの指し手
△5四歩▲6八金直△1二香▲3八飛△4三銀△4六歩


(1図)

 △5四歩はかつて振り飛車対策として有力と見られた5筋位取りを拒否する手。5筋位取りの定跡は、△6四歩▲5五歩△4三銀▲5四銀△7四歩▲4六歩△1二歩▲3七桂△4一飛が進行例。

(参考1図)
 以下▲4五歩△同歩▲同銀△5一角▲7九角と仕掛けていくが、そこで6三金と悠然と上がるのが「決定版」とされている(『四間飛車の急所』第一巻p132)。以降居飛車が二筋から攻めていっても、振り飛車が軽くいなして捌けてしまうため有利になる変化が多いようだ。

 しかしながら、指定局面戦の前にChryso_la氏が▲4五歩△同歩の後、▲2四歩△同歩▲7九角という手順をソフトが示した、と報告してくれた。

(参考2図)
 狙いはシンプルに角を捌いて2筋を破ることだ。しかしながら、△3二銀▲2四角△4四角とすればすぐに突破できるわけでもない。以下は▲7九角△2三歩▲8八角△5四歩▲同歩△8八角成▲同玉が進行例。


(参考3図
 5筋位取りは角の働きを阻みつつ攻められる利点はあるが、一方で後手も低い陣形のまま待ち続けられるため、居飛車側は丁寧に抑え込んでいく必要がある。ソフトの示した手順を試しに並べ続けていったが、どうも居飛車が良いようには思えない展開が多かった(時にはソフトが一度示したはずの手順が後に疑問手として扱われることもあった)。

 研究の余地はあるにせよ、5筋位取りがプロの間で全く指されなくなってしまった現状、深く掘り下げられることはなさそうだ。

 本譜は鷺宮定跡の進行となった。

  • 亜急戦

 1図からの指し手
△2二飛▲4五歩△同歩▲3三角成△同桂


(2図)

 1図では△3二飛か△6四歩を予想していたのだが、△2二飛は全く想定していなかった。しかし、これも定跡の範疇と感想戦で教えてもらった。

 △2二飛以下、▲3五歩△同歩▲同飛△3四歩▲3八飛△2四歩が定跡となる。対局中もこの順は読んでいたのだが、これ以降どう指していいかわからなかった。▲2八飛△2五歩▲3七桂△3五歩▲2五飛△3六歩▲2二飛成△同角▲2三飛△3三角▲2一飛成△3七歩成▲同銀が進行例。


(参考5図)
 この場合△1二香がタダで取れる形になっているので先手が良い。

 もっとも、定跡を知らなかったなりの指しようはあった。△2二飛に対しては素直に▲2八飛と戻ってよさそうだ。ここから▲3七桂~▲4五歩と早仕掛けに合流すれば既知の形になる。1一角があるので2二飛にはこだわれない。

 

  • 角の打ち所

 2図からの指し手
▲3一角△2一飛▲8六角成△6四角▲同馬△同歩▲3五歩△同歩▲同飛△4四角▲3九飛△3八歩▲同飛△9九角成

 ▲3一角は悪手。代えて▲1一角と打つべきだった。一見狭い角ではあるがすぐには取れない。これなら1二香型を咎められた。本譜は△6四角を見落としていたので一気に悪くした、と感じたのだが、角交換後▲6六角と打てばまだ戦いようはあったらしい。
 しかし計画が狂うと次々に悪手が重なるのは前局で見た通り。一方、▲3九飛に対して△3八歩が落ち着いている叩きだ。

  • 形勢は明らか

 3図からの指し手
▲3四歩△3二歩▲6六角△同馬▲同歩△2五桂▲3三歩成△同歩▲同飛成△3二香▲2二歩△3三香▲2一歩成△3八香成▲5九銀△4九銀

(4図)

▲2二歩は▲4四歩が勝った。以下△3三香▲4三歩成△同金▲3二銀となればまだ恰好はつく。
本譜はこの最後のチャンスを逃してしまったので、以降はじり貧の戦いが繰り広げられるのみ。

  • 実力も研究も負け

4図からの指し手
▲2二飛△9八飛▲6七玉△8八飛成▲1二飛成△8九龍▲7八角打△9九龍▲4八銀△9六竜▲7七金△8五桂▲6八金△4八成香▲同銀△7九銀▲8六歩△6八銀成▲6八玉△7七桂成▲同玉△9九角▲8八香▲同玉△同角成▲同玉△8六龍▲8七歩△7七金▲7九玉△6八金打

(5図)

 もともと相手とは棋力が離れているので、せめて一矢報いるなら事前の研究で中盤くらいまでは五分に持っていければ、と考えていたが、一手知らない手を指されただけで予定が破綻してしまった一局だった。

 序盤研究はもちろんのこと、知らない局面に誘導された時の指し手を磨かなければならないと思いを新たにした。

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