平成 27 年 7 月 14 日発表
長崎市教育委員会
国内初のティラノサウルス科大型種の歯の化石について
福井県立恐竜博物館と長崎市教育委員会は、平成 25 年度から行っている共同研究 調査により、長崎市内の長崎半島西海岸に分布する白亜紀後期の三ツ瀬層(約810 0万年前)から複数の恐竜等の化石を発見しております。今回、ティラノサウルス科 (獣脚類恐竜)の大型種としては国内初となる化石 2 点を含む 3 点の肉食恐竜の歯の 化石を発見しました。
1 発見化石(別紙1参照) ⑴ ティラノサウルス科の歯(2点) ①最大幅 38mm、厚さ 27mm、歯根を含む高さ 82mm(図左) ②最大幅 37mm以上、圧密変形以前の厚さ 22mm以上、歯の高さ 78mm以上 (図中央) ⑵ 獣脚類の歯(1点) ①最大幅 22mm、厚さ、11mm、高さ 37mm(図右)
2 発見場所 長崎市の長崎半島西海岸
3 特記事項 ティラノサウルス科はティラノサウルス上科の進歩的なグループ で、白亜紀後期の後半(約 8300 万年前~約 6600 万年前)の北米とア ジア(主にモンゴル、中国)に化石記録があります。 祖先的な種類も含むティラノサウルス上科(ジュラ紀後期~白亜紀 後期)の化石は、近年、原始的な種類の多くがアジア(特に中国)と ヨーロッパから発見されており、国内においては 5 ヵ所から発掘され た化石が知られていました。 今回発見された化石は、これまでの国内のティラノサウルス類より も新しい時代のもので、ティラノサウルス科の化石産出時代としても 矛盾はなく、大型種に属する歯の化石です。三ツ瀬層からは過去に複 数の獣脚類の歯の化石が発見されており(大型獣脚類の歯2点/平成 25年公表、小型獣脚類の歯2点/平成26年公表)、今回の化石は 北米-アジアにまたがって繁栄したティラノサウルス科の分布域と アジアでの年代を知る上で注目に値します。また、白亜紀後期の長崎 市周辺にティラノサウルス科を含むさまざまな肉食恐竜たちが生息 していたことをさらに再確認するものとなります。
長崎市の三ツ瀬層から新たに発見された恐竜の歯の化石
左・中央:ティラノサウルス科の歯 右:他の獣脚類の歯
(画像提供:長崎市教育委員会/福井県立恐竜博物館)
コメント
最新を表示する
NG表示方式
NGID一覧