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USSエンタープライズ(NCC-1701-E)は、宇宙暦49027.5に地球軌道上のサンフランシスコ造船所で建造された。
就役は先代のUSSエンタープライズDの損失からおよそ一年後であり、艦長であったジャン=リュック・ピカード大佐以下の同艦の元クルーがこの艦の乗員として再度選任された。(スタートレック:ファーストコンタクト)[1]
建造当初の構成では、全長685mでデッキ数は24。武装はフェイザー・アレイを12基と魚雷発射管を5基搭載していた。
メイン・ブリッジ
2379年までにエンタープライズは一次改装を受け、フェイザー・アレイを4基、魚雷発射管を5基追加された。また、デッキが5デッキ追加され合計で29デッキ構成と変更された。(スタートレック:ネメシス)
艦内のセクションには、ディフレクター・コントロール室、星図作成室、水耕栽培室及び医療室が含まれており、機関室がデッキ16に位置した。(スタートレック:ファーストコンタクト)
新システムとして、メイン・ブリッジには操舵システムの一つとして手動操舵を行う手動操縦コラムが装備されていた。また、医療室にはEMHが装備されており、EMHを採用した最初のエンタープライズでもあった。(スタートレック:ファーストコンタクト、スタートレック:叛乱)[2]
シャトルベイ
エンタープライズEの搭載している艦載機には、ワープ能力を持つ艦長専用艇「クストー」の他に、タイプ11・シャトルクラフト他の多数のシャトル・クラフトが搭載されている。また、特別任務用のシャトルであるアルゴも新たに搭載された。(スタートレック:叛乱、スタートレック:ネメシス)
乗員は人類、ヴァルカン、ベイジョラン、ベタゾイド、ボリアン及びトリル等多数の種族が乗務している。
就役後、約1年間試験航海を続けていたが、ボーグによる第二次太陽系侵攻が開始された際にはロミュラン中立地帯の監視を命令された。宇宙艦隊は可能な戦力をすべてボーグとの決戦のために集結させた。同時に宇宙艦隊は、集結させた際に生じる戦力バランスの不均衡を突いたロミュランによる侵攻を阻止するという目的を公式にはエンタープライズに命じたが、本来の目的は一度ボーグに同化された本艦の艦長、ピカードの存在が不安要素であったため、彼をボーグから遠ざけるためこの任務を命じたのであった。
セクター001の戦いに加わるエンタープライズ
しかし、タイフォン・セクターで開始された戦況を傍受し、ボーグが宇宙艦隊の防衛ラインを破ったことを知ると、ピカード艦長は艦隊の命令に背き、独断でボーグとの戦いに参戦を決めた(ブリッジクルーの中でこの決断に異を唱える者はいなかった)。エンタープライズが駆けつけたセクター001の戦いにおいて、ピカードのボーグに関する知識のお陰で戦力的に押され気味であった宇宙艦隊はボーグ・キューブの破壊に成功するが、破壊の間際にボーグ・スフィアが脱出した。彼らの目的は2063年にゼフレム・コクレーンが人類初のワープ飛行実験を阻止し、人類が宇宙進出を果たす前に地球をすべて同化し、惑星連邦設立を歴史から消し去ることであった。エンタープライズはスフィアが作り出した時空の渦を通り、ボーグを追って2063年にタイムスリップを行った。
2063年に到達したエンタープライズはスフィアを破壊し、スフィアによる攻撃で故障したワープ実験船"フェニックス"を修理するために上陸班を派遣した。
だが、艦のセンサーは時空の渦を通過した影響で故障しており、スフィアが破壊される直前に複数のボーグ・ドローンがエンタープライズに転送されていたことに誰も気付かなかった。そして、ボーグはデッキ16の機関室を占領し、多くのクルーを同化した。また、ボーグは同時代のボーグ集合体とコンタクトを取るためにエンタープライズのディフレクターを改造し、インタープレクシング・ビーコンの組み立てを開始していた。
幸い、ピカード艦長によって率いられたチームがこれをディフレクターから切り離して破壊することに成功した。しかしながら、ボーグはその後も艦内を侵攻し続け、大半をすでに同化していた。ボーグの侵攻を阻止することはできないことを悟ったピカード艦長は、乗員の艦外退避と艦の自爆を命令した。
自爆シークエンスを起動後、ピカードは単身ボーグ・クイーンに謁見し、ボーグとの戦闘中に捕らえられたデータ少佐の解放を要求した。そこでデータの機転により、自爆シークエンスを解除し、機関室のプラズマ冷却剤を使用してボーグの有機コンポーネントを破壊することによって艦内のボーグ集合体の中枢を破壊することに成功した。
そのため、ボーグの計画は失敗しコクレーンのワープ実験は成功をおさめ、人類とヴァルカンのファースト・コンタクトは無事に成功した。この侵略を阻止したエンタープライズは再び24世紀の時代へと戻った。
量子魚雷ランチャー
2373年のボーグの事件以降、エンタープライズは若干の改装を受け、ブリッジのビューワーが壁面に映し出される方式から固定式ディスプレイを用いる方式に変更されている。2375年、ドミニオン戦争中にエンタープライズはエヴォラとの外交任務及びゴラン星系の紛争調停の任務を予定していたが、茨の草原(ブライアー・パッチ)と呼ばれる領域に存在するバクー星に派遣されていたデータ少佐が突如、異常な行動を起こしたことを、ソーナと、彼らに協力しているマシュー・ダワティ中将から知らされ、急遽バクーへ進路を取った。
ピカードは、データの暴走を一時的に乗艦していたウォーフ少佐と共に阻止するものの、真相を究明するにしたがって、ダワティとソーナのアーダー・ルアフォらが、バクー人の強制移住計画を企んでいたことを突き止める。
宇宙艦隊からの命令に逆らうことは反逆となるが、そもそもこの強制移住計画が宇宙艦隊の最優先指令に違反していると判断したピカード他上級士官は艦隊を除隊し、惑星へと降り立ってバクー人を守りつつ、共にソーナと戦う。また、エンタープライズは連邦評議会にこの事態を報告するため、副長ウィリアム・T・ライカー中佐の指揮下で現地を離れた。
亜空間断裂が間近に迫るエンタープライズ
ライカーはピカードからバクーの現状を連邦評議会に伝えることを命令されて通信可能圏に向かう途中、ルアフォが派遣した二隻の巡洋戦艦と茨の草原内で戦闘状態になった。ソーナ巡洋戦艦はエンタープライズを妨害するために光子魚雷などで執拗に攻撃してきたが、ついにはキトマー条約に違反する亜空間兵器までをもエンタープライズに使用してきた。アイソリティック・バーストによる亜空間の裂け目に対してエンタープライズはカスケード中和を起こすため、ワープ・コアを射出し攻撃を防ぐことに成功した。
しかし、依然追ってくるソーナ艦に対抗するためライカーは周囲に存在しているメトリオン・ガスをバサード・コレクターで収集し、収集したガスをソーナ艦に向けて放出した。
ソーナ艦は攻撃を再開したが、エンタープライズによって放出されたガスに武器が引火し、一隻は即座に轟沈し、もう一隻の艦も爆発に巻き込まれ致命的な損害を受けこれ以上の追跡が不可能となった。後にこの作戦は「ライカー作戦」と呼ばれた。
ライカーは無事に連邦評議会に連絡を取り、バクー移住計画を再考させることに成功した。そして、この叛乱行為に対して宇宙艦隊からエンタープライズは罰を受けることはなかった。(スタートレック:叛乱)
2376年、宇宙艦隊本部のパスファインダー・プロジェクトにおいてUSSヴォイジャーとの接触に成功した時期にエンタープライズは地球を訪問していた。また、その後ヴォイジャーとの定期通信が確立した頃には、エンタープライズは地球からおよそ7光年の位置で任務を遂行していた。(VOY:遥か彼方からの声、VOY: ジマーマン博士の屈辱)
この時期に、エンタープライズは各種改装を受けた。光子魚雷発射管はブリッジ後部のシャトルベイ上部に4基が新たに追加された。また、ブリッジ内には手すりが追加され、コンソールが更に追加された。また、エンジン・ナセルを支えるパイロンは新しいものと交換された。その他にフェイザー・アレイも4基が追加された。
2379年、改装後のエンタープライズ
2379年、エンタープライズはウィリアム・T・ライカー中佐とディアナ・トロイ中佐の結婚式のために地球へ帰還した。結婚式の後にベータゼットでのベタゾイドの伝統的な結婚式に出席するためにエンタープライズはベータゼットへ向かった。
しかし、その途中にスン型アンドロイドのプロトタイプであるB-4のポジトロニック反応をロミュラン中立地帯に近いコラリン星系で発見したため、予定を変更しコラリン星系で調査を行ったところ、ロミュラン帝国の新しい政務長官であるシンゾンから惑星連邦に対して和平予備交渉の申し出が入った。そのため、キャスリン・ジェインウェイ中将からロミュラスに最寄りの艦であったエンタープライズにロミュラスへの派遣が命じられた。しかし、B-4の発見とロミュラスでの和平予備交渉はすべてシンゾンによるピカード大佐の拉致と宇宙艦隊の戦術情報の収集が目的であったことが判明した。
USS_Enterprise-E_and_Scimitar_following_collision_extraction.jpgシミターと対峙するエンタープライズ
シンゾンの真の目的が、惑星連邦壊滅及び地球への攻撃であることが判明するとエンタープライズはただちに宇宙艦隊戦闘グループ・オメガと合流するためにロミュラスを離れたが、バッセン断層でシミターに追いつかれ戦闘が行われた。
シミターの圧倒的な戦力の前にエンタープライズは満身創痍となるが、ピカードは最後の手段としてエンタープライズをシミターに激突させた。この攻撃でシミターも致命的なダメージを受けたが、依然としてセラロン兵器は有効であったためデータ少佐が自らを犠牲にしてセラロン放射装置を破壊することに成功した。この戦いでデータ少佐は殉職するが、シミターの破壊に成功し、シンゾンの計画は未遂に終わらせることに成功した。(詳細はバッセン断層の戦いを参照)
USS_Enterprise-E_in_drydock_2.jpg地球のドライドックで修理を受けるエンタープライズ
この戦いの後エンタープライズは地球へ帰還し、ドライドックで数週間の大規模な修理作業と改修を受けた。[3](スタートレック:ネメシス)
宇宙艦エンタープライズ |
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地球連合: USSエンタープライズ(XCV-330) • エンタープライズ(NX-01) |
惑星連邦: USSエンタープライズ • USSエンタープライズA • USSエンタープライズB • USSエンタープライズC • USSエンタープライズD • USSエンタープライズE • USSエンタープライズF • USSエンタープライズG • USSエンタープライズJ |
惑星連邦(新時間軸): USSエンタープライズ • USSエンタープライズA |
テラン帝国(鏡像宇宙): ISSエンタープライズ(NX-01) • ISSエンタープライズ(NCC-1701) |
エンタープライズEは、ジョン・イーブス(全体的なデザイン)とリック・スターンバック(機関ディティール)によってデザインされ、1995年秋に産声を上げた。イーブスはUSSエクセルシオのデザインを採り入れ、「パワフルかつ頑丈でワープ・スピードを感じさせる流線形の、エンタープライズ的進化に則ったもの」というコンセプトのもとに洗練されたデザインを完成させた。イーブスによれば、エンタープライズDを優雅なキャデラックだとすると、エンタープライズEはポルシェを目指したという。そのかいあって、エンタープライズEは幅よりも長さを強調した、速さと勇猛さを感じさせる精悍なデザインとなった。
エンタープライズEのドーサルネックがないデザインは、実はUSSヴォイジャーに倣ったわけではない。イーブスがエンタープライズEのラフデザインをしていた段階では、彼はヴォイジャーのデザインを見ていなかった。イーブスは『カーンの逆襲』で敵のフェイザー攻撃を受ける初代エンタープライズを見た時から「細い首は危険だ」と考えていた。リック・スターンバックは意図せず似たようなデザインが出てきたことに対し、「新しい宇宙艦デザインの流れとして悪くない」とコメントしている。
なおディフレクター盤の色が黄色くなり、サイズが小さくなったのは『ファーストコンタクト』の脚本上、実寸大のセットを組まなければならなかったためであるが(ディフレクターの光が青いと、緊張感のある画面効果が生まれない)、その難しい制約条件を美しいデザインに昇華させたイーブスのセンスは賞賛に値するものである。
ミニチュア[] ファイル:Enterprise E saucer in Regeneration.jpg雪に埋もれた模型
ミニチュア制作はILM社で、8フィートモデルが作られた。しかしミニチュアのエンタープライズEがメインで使われたのは『スタートレック:ファーストコンタクト』のみで、以降の『スタートレック:叛乱』『スタートレック:ネメシス』はCGIによる宇宙艦表現となっている。『ファーストコンタクト』でもミニチュアはエンタープライズEとボーグ・キューブ、ボーグ・スフィアのみであり、その他の宇宙艦はすべてCGIである。なお『ネメシス』ではシミターとの激突シーン等にミニチュアが使われているが、それは円盤部の前方のみのミニチュアであった。余談ではあるが、ENTの『覚醒する恐怖』冒頭に登場するボーグ艦の残骸の中に、このミニチュアが雪に埋もれてこっそり顔を出している。
非正史[]エンタープライズDが喪失するまで、ソヴェリン級の二番艦は、元々USSホノリウスとして建造が進められていた。
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