書庫

ページ名:書庫

「……は、はい?なんですかぁ?」


「……わた、わたし、に、はなしかけてますかぁ?んぇ……」
「ここは書庫ですよぉ?本を読みましょうよ。目録ならそこにありますから勝手に見て読みたい本探して……」


「……も、文字読めないのぉ?んぇ……はぃ……そんな目で見ないで…………」
「わかりました、わかりましたからぁ……説明すればいいんでしょぉ、全部……ついてきてください。できるだけ静かに」



ここは?

「……ここは第46層、書庫ですよぉ。そしてわたしは司書……」
「見つかった本をたくさん置いておく場所です。……本ってわかりますかぁ?んーと……」
「……見てください。これが文字で、これを覚えればおしゃべりしなくてもいろんなことを知れるんです。最高ですよねぇ」
「こっちは絵です。あなたは読むならこういうのですかねぇ……こ、これは絵本って言うんですけどぉ」
「こういう、面白いものが本ですよぉ。見つかった本の中で、所有者がいないものをここに集めてます。あと誰かが書き写したものとか……」


読みたい!

「じ、じゃあルールを説明しましょうかぁ……まず、絶対に本を汚しちゃいけませんよぉぉ!
「いいですか!折り曲げるのもダメ!お菓子食べながら読むのもダメ!ちぎるなんてもってのほかぁ!!」
「本を大事にしなかったら罰を受けてもらいますよぉぉぉぉ!!!


「ハァ……ハァ……」


「…………すみませぇん、ちょっと気合い入れて脅かしすぎましたぁ?あなたくらいの小さい子って扱いが雑だから、最初に驚かすことにしてるんですぅ……んへへ……」
「ま、まずは文字のお勉強からですかねぇ?んと……こちら、どうぞ」
「文字のお勉強用におすすめの絵本ですよぉ。……まあ、わたしに聞いていただければ、確かに探してる本はすぐにお教え、できますけどぉ」
「さっさと文字を覚えて目録見て探せるようになってくださいねぇ……面倒なので……」


どこで読む?

「な、名前と本を教えていただければ、持ち出してもいいんですけどぉ……」
「あっちの……来てください」


「……ここです。この机と、椅子のところなら好きに読んでていいですよ」


「でもここ、他の人も本を集中して読みたかったりするのでぇ……くれぐれも人の邪魔にならないよう、静かに!」
「ま、まあそんなにここで読んでる人いないですけどぉ……あ、あそこのアカシさんはいつもいますけどね」


あと……

「も、もういいですかぁ?あとは好きに文字覚えてがんばってくださいねぇ。……え、わたしは教えません。じゃ」

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