人外特区世界観用語説明

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「人外種」

2019年に突如世界各国に出現したモンスターたちの事。出現当初は「特殊生命体」と呼ばれることが多かったが、いつ頃からかこの呼称で統一されるようになった。

大多数の個体は人類とよく似た見た目をしており、人類のこれまでの民話や伝承に登場するモンスターに非常に近似した姿をしている。これにも例外はあり、見た目がヒト型ではない種もそれなりにおり、「異形類」という分類がなされる。

人類はおろか、この世界の進化体系や系譜とは異なるカテゴリに入る生命体であり、また科学的に解明できない要素も多分に含んだ生態をしている。ごく一部には「魔導」と呼ばれる超自然的能力を有した個体も存在しているとされるが、発見例もごく僅かなため詳細は分かっていない。

人外種の出現した頃、人類側は未確認生物が大量発見されたという形で大々的に知られるようになり、捕獲と研究の対象として、はたまた狩猟して売買する業者なども現れ始めた。

しかし人類とほとんど知能の変わらない人外種らはこれに大きく反発。人類と同じような権利を認める行動に出るようになる。

人類側からもそれに賛同する組織や個人も現れたものの、概ねこれを無視し続けたため、ついには各地でテロ活動が発生し、全面戦争の走りとなっていく。これが後に第三次世界大戦と呼ばれることとなった。

この戦争自体は人外種側が最初から劣勢であったこともあり、結果的には人類側が勝利する形で終結。各国で人外種を隔離する人類側の運動が激化し、「コロニー」の形成が加速した。

後述の亜人類解放団の関係者や、人類に抵抗の意を示す人外種は、「人外種」という呼びを嫌い、自らのことをを「亜人類」と名乗っていたりする。

「特区」

第三次世界大戦に敗戦した人外種たちを収容し隔離するために建造された人工島で、正式には「人外種特別保護区域」と呼ばれる。この呼称は主に日本国内で使用されている表現であり、海外では同様の隔離区域を「コロニー」と呼んでいる。また人外種たちからは「菱目崎」という地名で特区が表現されている。

日本で建造された特区は東京湾に位置しており、巨大企業「Hexacle」が100%出資して運営されている。特区内だけで人外種らによる経済活動が行えるようなサービスやシステムが構築されている。

そのため、他の国で作られたコロニーよりも遥かに環境や生活水準は良く、またその独立して機能するようにシステムが構築されているがゆえに「自分たちで自立した生活を送っている」と勘違いしている人外種も少なくはない。

「Hexacle」

日本国内では最大規模の事業体として存在するコングロマリットであり、特区の主な運営団体である。正式には「ヘキサクル・ホールディングス(Hexacle HD inc.)」という社名。

特区の運営に関わる以前から巨大企業であったHexacleは、もとより日本政府と軍事面で強く癒着した関係を持っていた。

人外種と積極的に関わりが増えたのは大戦が終結した2020年6月、日本では政府傘下の「特定生命体群調査機構(Specified Life Group Survey Organization, SLGSO(サルガッソ))」と呼ばれる団体が政府から売却され、Hexacleのいち部門に移設されて以降となる。同機構は突如出現した人外種を積極的に捕縛、解剖、調査、研究を行っていたとされる。

各地で戦火を上げる人外種の暴走の長期化と泥沼化を避けるべきと判断した日本政府は、ある種の対応案として同機構の研究業務を全て凍結し、民間企業に売却。「国内の人外種の居場所を確保し(資産的な意味で)保護する」ことを目的として特区建造計画を立案した。それが現在の特区の成り立ちとなっている。

本社は東京都に所在するが、特区全域の管理は「Hexacle菱目崎支社」に一任されている。菱目崎支社は社員全てが人外種によって賄われており、ある種の別体制で運営されている組織と言える。

ただしこれはあくまで建前上の話であり、実際のところ特区の権限は自動管理システムであるHEXASに依存している。
最悪の状況を想定し、特区全域には自爆システムが搭載されている。

「HEXAS」

HEXASは、特区で運用されている総括的な管理AIの事を指す。「Hyper EXtension Assistant System」の略。特区での人外種の生活上の監視や、背反的行動の発生を未然に防いだりなどを請け負う。50ものセキュリティファイアウォールを備え、3つの同期された同一システムによる相互監視によって、いかなる不正な変更をも受け付けず、自己修復機能さえも備える鉄壁なシステムとして構築される。亜条の話し相手としても知られている。

「処理班」

・処理班
Hexacle本社が管轄している、同社の特務部門。特区で人外種が不穏な行動を起こした際に秘密裏に捕縛・処理することを目的とした部門であり、事態によっては武装も許可されている。正式には「特区治安警備部」ないし「Hexacle Assault Team (H.A.T.)」と呼ばれるが、慣例的に処理班と呼称される。

人外種に対する非人道的行為も辞さない行動を度々取るため、所属班員は血の気の多い者が少なくはない。目撃者や関係者の記憶を除去する「M.E.S.(記憶除去システム, Memory Elimination System)」と呼ばれる装置を有している(彼らは「メスを入れる」と表現している)。

「亜人類解放団」

亜人類解放団は、特区で密かに活動する反特区組織であり、特区からの人外種の開放と権利の獲得を望む人外種で構成される。自らを「亜人類」と名乗り、「人外種」という語は人類が勝手に命名した差別語であると定義している。

先の戦争の件から人類に対して敵対的であり、外から赴任してきた人間にも攻撃を仕掛けてくる。HEXASに最優先排除対象としてカウントされている。

「環境維持課」

環境維持課は、特区におけるありとあらゆるコミュニティの問題に対応・相談する役目で創設された部課である。しかし、今現在特区で運用されているHEXASによる治安維持能力は人・人外種の手を介在する必要もない程に自動化・効率化されており、それらの問題はほぼ皆無と言っても過言ではないだろう。つまり、もはや彼ら環境維持課は袋小路と呼べるもので、いわば「何でも屋」的な扱いを受けることもしばしばあるようだ。

だが、機械の愛情というのはかくして受け入れがたいと思う者も少なくはない。そんな愛情を求めて対等な相談や解決を求める人外種に向けて、環境維持課はこんにちも街へ出向くのである。

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