押井守

ページ名:押井守
おしい まもる
押井 守
本名押井守
別名丸輪零
野村和史
名輪丈
小川守弘
岩崎宏
生年月日1951年8月8日(71歳)
出生地日本の旗 日本・東京都大田区
民族日本人
職業映画監督
ゲームクリエイター
小説家
脚本家
漫画原作者
劇作家
ジャンルアニメ、実写、SF
活動期間1977年 -
配偶者あり
家族押井友絵(娘)
乙一(娘婿)
公式サイトガブリエルの憂鬱
主な作品
『うる星やつら』
『機動警察パトレイバー』
攻殻機動隊

押井 守(おしい まもる、1951年8月8日 - )は、アニメや実写映画を中心に活動している日本の映画監督。その他にも、ゲームクリエイター、小説家、脚本家、漫画原作者、劇作家、大学教授と活動は幅広い。

目次

概要[]

東京都大田区出身。東京都立小山台高等学校、東京学芸大学教育学部美術教育学科卒。静岡県熱海市在住。2008年度より東京経済大学コミュニケーション学部の客員教授に就任。

代表作に『うる星やつら』『機動警察パトレイバー』『攻殻機動隊』など。アニメ映画『イノセンス』(カンヌ国際映画祭コンペ部門出品作品)により、日本SF大賞を受賞した。大賞でアニメ映画が対象となったのはこれが初めてであった(星雲賞では過去に例がある)。

個人事務所は、有限会社八八粍。事務所所在地は、東京都港区虎ノ門。押井自身の全額出資によって設立された。

作風[]

押井守が多く用いる映像表現として、アニメにレンズの概念など実写的要素を取り入れたレイアウトシステムの導入、2Dの手描きのアニメと3DのCGIの融合、更にそれら素材にデジタル加工を施し、手描きの絵やCGIでは得られない質感を加えたり、画面全体に統一感を持たせるエフェクト処理(ビジュアルエフェクツ)などがある。これらの手法は全てが押井の独創ではないが、現在の漫画・アニメ界に関わる多くの人に影響を与えている(押井のこれらの手法の使い方が印象的であることの証明ともいえる)。また「映画の半分は音である」と語るほど音響と音楽を非常に重視[1]しており、近年の大作では音響作業を米国のスカイウォーカー・サウンドで行い、音楽は『紅い眼鏡』以降すべて川井憲次に任せている。もはや川井憲次の音楽表現は押井作品と切り離せないと言える。その映像センスと音楽表現、そして時には「ギャグ」、時には「衒学的」「哲学的」に語られる独特の長台詞回し(「押井節」とも呼ばれる)は、一部から高い評価と支持を得ている。

一般的には映画を構成する要素(A『キャラクター』・B『物語』・C『世界観』)はA→B→Cの順番で構築されるケースが多いが、押井作品では逆にC→B→Aとなることが多く、まず『世界観』ありきでそこから無理の無い『物語』・『キャラクター』が逆算で割り出される。

押井の永遠のテーマとも言えるシナリオの方法論として、「虚構と現実・真実と嘘の曖昧さ」がある。これも上記と同じく押井が源流ではない(前例として古くは荘子、近年では楳図かずお、フィリップ・K・ディック等が挙げられる)。これに付加して、同じ状況を何度も繰り返すなど「永遠性」を意識した演出も多用される。

映画は単に映像の快感原則の連続によってのみ成立するのではなく、あえて流れに逆らう部分が必要という考え(「ダレ場理論」と呼ばれる)から、押井作品には多くの割合でストーリーの進行とは直接関係ないダレ場(ある意味、眠気を誘うシークエンス)が挿入される。

押井は自らを「娯楽作品をつくる商業監督である」と語っているが、一方で「自分の作品の客は1万人程度でいいと思っている」、「1本の映画を100万人が1回観るのも、1万人が100回観るのも同じ」といった発言[2]があることから大衆・万人に受け入れられる作品づくりにはあまり興味がない模様である[3]。また、それに関連して「自分が普通の映画を撮ったところでなんら存在意義が無く、映画を発明するのが自分の役割」として、特に実写作品では実験的側面が強い傾向にある。

職業監督として制作に入った作品は決められた予算でキッチリ納期までに仕上げることをポリシーとしていて、現に(現場が動き出す前に頓挫した作品を除き)殆どの作品で予算と納期を守る優れた管理能力を示している。しかしそうしたスタンスのため、公開に間に合わなくなると判断したシーン[4]は、たとえそれが作画作業中であってもカットすることが少なくない。また、上映時間は90分前後から最長でも120分未満を理想としているため、ストーリー上余分と判断したシーン[5]はコンテ段階で極力省かれる[6] そうした、ストーリー的な解りやすさよりも映画の完成度を優先する姿勢が、結果的に観客に難解な印象を与える要因の1つとも言える。 また、「映画は一回観ただけで解ったつもりになる必要があるのか?」と疑問も呈しており、「観るたびに違う印象を与えるように心掛けている」と語っている。

1度完成し、公開された作品の映像に新たに手を加えることを好まず、ビデオソフト化においても本編に未公開シーンを加えた完全版などは基本的に制作されなかった。[7]しかし2007年末、『ブレードランナーファイナルカット版』の上映に伴うトークセッションにおいて「以前だったら絶対やらなかったと思うんだけど、ある作品は、今作り直す価値があるんじゃないかと考えている」と発言しており、『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』の制作発表時にも見られた信条の変化が伺われる。

経歴[]

1970年、東京学芸大学入学後すぐに「映像芸術研究会」を設立[8]、実写映画を撮り始める。この時期、いくつか映画を製作するが、完成したのは卒業制作の一本のみであったとのこと。学生時代は塾の講師を2年務めていた。卒業間近に映画監督への道を諦めて小学校の図画工作の教員になる予定だったが、教員試験の願書の提出を頼んでおいた友人が提出することを忘れていたために受験が不可能となってしまい、映画関係の会社に就職活動するも全社不採用となる。

1977年、ラジオ制作会社に就職して番組を制作していたが、給料が少なく生活が辛かったので半年で退社。「ひたすら毎日プラモデルを作るなどして暇をもてあましていた」(本人談)時に、電柱に貼ってあった求人広告を見てタツノコプロの面接を受ける[9]。当初は事務雑用を担当していたが、演出の人手不足からアニメ演出を手掛けるようになり、やがて、2年早く入社した西久保瑞穂、真下耕一、うえだひでひとと共に「タツノコ四天王」の異名を取るようになる。なお、西久保と真下が演出助手から始めたのに対して、押井はラジオでのディレクター経験を買われ、最初から演出を任されていた。独特のギャグの才能をタツノコプロ演出部長の笹川ひろしに買われて、『タイムボカンシリーズ』を長く担当。タツノコプロ退社後もアルバイトで絵コンテを描き、後には持ちネタのひとつとした「立ち喰い」ネタをこの時すでに『タイムボカンシリーズ』に盛り込んでいる。

1980年、私淑する鳥海永行に続く形でスタジオぴえろに移籍。テレビアニメ『ニルスのふしぎな旅』のレギュラー演出家として鳥海の下につく。タツノコプロ時代よりこの頃の押井はギャグを得意とすると見なされており、ぴえろ社員として『まいっちんぐマチコ先生』の絵コンテを1本描いたこともあった。

翌1981年、テレビアニメ『うる星やつら』のチーフディレクターに抜擢。当初は低視聴率に苦しみ、フジテレビ側との軋轢も生じたが、原作の的確なアレンジ、千葉繁演じる「メガネ」などの押井の分身とも思えるサブキャラクターの熱演、若手スタッフの登用と彼らによる“暴走”と呼ばれる作画、映画や漫画のパロディや前衛的な内容などが視聴者に支持され、やがて高視聴率を挙げるようになる[10]。その後、劇場版第1作『うる星やつら オンリー・ユー』、さらに劇場版第2作『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』で単なるアニメ演出家というよりも映像作家として認知されるようになる。なお『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』は1984年キネマ旬報読者選出ベスト・テン第7位(邦画)という快挙を成し遂げている(同年の1位は『風の谷のナウシカ』)。

虚構性をテーマとする押井の作風が確立したのはこの頃からである。1984年、『うる星やつら』を降板すると同時にスタジオぴえろを退社[11]。以後フリーランスの演出家となる。

1984年に宮崎駿、大塚康生の誘いもあり、『ルパン三世』の映画第3作の監督の依頼を受ける。ところが、半年間考えた脚本を東宝と読売テレビのプロデューサーから没にされて製作は中止[12]。その後、同映画のスタッフだった天野喜孝とともに、徳間書店・『アニメージュ』のバックアップにより、スタジオディーンの制作でOVA『天使のたまご』(1986年)を完成させる。なお、『天使のたまご』には、のちの劇場アニメ『機動警察パトレイバー the Movie』にも共通する、幻となった押井版『ルパン三世』で押井が描こうとしたテーマが根底に流れているといわれる。また、同年『アニメージュ』誌で初の漫画原作作品『とどのつまり…』連載を開始。作画は『うる星やつら』の作画を支えた森山ゆうじが担当した。

『天使のたまご』以降は作家性の強いマニアックさが災いして5年ほど干された(本人談)。最初の1年目は毎日ひたすらTVゲームをして過ごしていたが、2年目は貯えも底を突き、さすがに危機感を覚え、企画書を書いて持ち込んでは断られという毎日だったという。そこに、スタジオぴえろ時代の同僚である伊藤和典より『機動警察パトレイバー』の企画を進めていた「ヘッドギア」への参加依頼を受け、押井曰く「しょうがなく」参加する。

1987年、タツノコプロで同僚だった西久保瑞穂が監督を務めた『赤い光弾ジリオン』に参加。絵コンテ2本のみだったが、この作品がきっかけとなって、後に活動の拠点とするProduction I.Gとの付き合いが始まる。同年、声優・千葉繁のプロモーションビデオを自主制作する話が発展し、『うる星やつら』も担当した音響制作会社オムニバスプロモーションの製作による実写作品『紅い眼鏡』を監督。この映画の予算は「こんな低い制作費で作れるわけがない!」と関係者が叫んだほどの安さで、自主製作映画に近いものだった[13]。しかし、その低予算ゆえのユニークな演出が一部で高い評価を受ける。これ以後、アニメのみならず、実写にも活動の場を広げる。

1988年にはOVA『機動警察パトレイバー』を監督して第一線に復帰。続けて1989年に公開された劇場アニメ『機動警察パトレイバー the Movie』で第7回日本アニメ大賞を受賞し、メジャーシーンに返り咲いた。スタジオぴえろから独立後、OVAシリーズ『機動警察パトレイバー』まで、押井はスタジオディーンと組んで仕事をすることが多かったが、『機動警察パトレイバー the Movie』を契機として、活動の拠点をProduction I.Gへと移した。以後、Production I.Gにはフリーでの参加ながら、企画者育成のために「押井塾」を主宰するなど、中心的役割を担っている。

1995年の『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』で海外から注目を浴び、同映画を収録したビデオはアメリカ『ビルボード』誌のホームビデオ部門で売上1位を記録した[14]。これは日本アニメ史上初の快挙として、国内で大きく報道された。スティーブン・スピルバーグやジェームズ・キャメロンなどに絶賛され、ウォシャウスキー兄弟の『マトリックス』はその影響を強く受けている。兄弟は来日した際、押井に面会に行き「パクリじゃないですから」と言ったほどである。押井本人にそのような実感は無く、ビルボードさえ知らなかったと話す。

1997年に織部賞を受賞。2004年には『イノセンス』が第57回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門にノミネートされた。カンヌ国際映画祭のコンペ部門に日本のアニメーション作品が出品されるのはこの作品が初めてであった(宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』はベルリン国際映画祭に出品)。

2005年の愛知万博にて、中日新聞プロデュース共同館「夢みる山」で上映した映像作品『めざめの方舟』の総合演出を担当した。

学生時代はSF小説家も志望していたが、ほぼ同い年である山田正紀のデビュー作『神狩り』を読んで才能の差にうちのめされ、「小説家になるのを諦めた」といくつかのインタビューで語っている。なお、山田は小説『イノセンス After The Long Goodbye』の執筆も手がけており、同作品内で押井は寄稿文を寄せている。

2008年、『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』がヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門ノミネート。フューチャー・フィルム・フェスティバル・デジタル・アワード受賞[15]。第41回シッチェス・カタロニア国際映画祭で批評家連盟賞とヤング審査員賞を受賞。

2009年は、6月公開の『宮本武蔵 -双剣に馳せる夢-』で、原案・脚本を手がけた[16]。12月には単独作品としては8年ぶりの実写映画となる『ASSAULT GIRLS』が公開された。

人物像[]

本人について[]

  • 遠浅の東京湾が埋め立てられていく過程を見て育ったためか、埋立地への嫌悪を隠そうとしない。『機動警察パトレイバー』シリーズでは「予算の都合から(作画の手間が少なくて済む)埋立地を舞台にした」としているが、押井が担当したエピソードでは人間が持つエゴイズムの象徴として描かれる傾向がある。また『パトレイバー』に限らず、いくつかの作品では埋立地のゴミ処分場がラストシーンになっている。
  • 高校時代、羽田闘争に触発されて学生運動に参加[17]。押井の大学入学時に学園紛争は終息に向かうが、学生運動は押井の原風景となって、いくつもの作品に顔を出している。後に押井自身は自らの世代を「(学生運動という祭りに)遅れてきた世代」と語っている。
  • 大学の同窓生によれば卒業制作は絵画・彫刻によるとされているにもかかわらず、ただ一人映画製作をし、強引に卒業作品として教授に認めさせ卒業してしまったという(使用したカメラはNHKから安く手に入れたベル&ハウエル)。教員免許は小学校1級、中学校2級を所持していて、学生時代は何度も教育実習に行ったので子供の扱い方には慣れていると話す。なお、押井が現在の道に進むきっかけを作った「押井の教員試験の願書の提出を忘れた友人」は、自分の教員試験の書類は提出していたという。
  • 大学時代は毎日のように名画座に通い、映画館でバイトをしつつ年間1000本の映画を見たと言う。この時に影響を受けた映画監督はジャン=リュック・ゴダールやイングマール・ベルイマン、鈴木清順など。才能があると感じる監督にリドリー・スコット、デヴィッド・リンチ。逆に苦手な監督にウディ・アレン、ティム・バートンを挙げている。その他、多くの映画監督の影響を受けている。一度見た映画は3カット見れば思い出すが、日常生活での約束や用事はすぐに忘れてしまうと語る。つまらない映画ほど記憶には残るという。
  • 無類の犬好きで、犬を飼うためだけに熱海へ引っ越したと公言している。魚、鳥とともに犬を作品のモチーフとし、自らの愛犬を作品によく登場させる。愛犬雑誌の『WAN』(ペットライフ社)に連載「熱海バセット通信」を執筆した。本人の自画像などにも犬を用いるが、これはアンドレイ・タルコフスキーの『ストーカー』によるものらしい。好きな犬種はバセットハウンドとシェーファーフント(シェパード)。愛犬はバセットハウンドのガブリエル(通称ガブ・♀ 2007年4月3日 永眠)と雑種のダニエル(通称ダニィ・♂ ダニだらけだったからダニィということもある)。『イノセンス』の制作中ガブリエルがヘルニアを患ったため引越しをし、さらに看病のために仕事を休んだため、一時は監督解任かと騒がれたという逸話がある。また、完成した絵コンテにはハンコが捺印されるが、その絵柄も犬である。猫も嫌いというわけではなく過去には愛猫「ねね」(2000年 夏 永眠)、現在「水無月」がいる。
  • 話し方は基本的に独白で、自分の考えを包み隠さずに話すので毒舌に聞こえる(行定勲の談)。初対面の人間ともよく喋るが敬語を使うことは少ない。耳の聞こえが良くないので早口で小声である。この為、邦画より字幕つきの洋画を好んで鑑賞する。『アヴァロン』を海外で撮影した理由のひとつは字幕が出る方が好都合だと判断した為。なお、字が汚く、師匠筋にあたる鳥海永行から「よくこの字で大学を合格できたな」と言われたこともある。そのため近年の絵コンテには写植が施されている。
  • ゲーム雑誌『コンプティーク』および『電撃王』にエッセイ『注文の多い傭兵たち』を連載。製作に関わったゲームには、ファミコンゲーム『サンサーラ・ナーガ』、スーパーファミコン『サンサーラ・ナーガ2』、メガドライブ『機動警察パトレイバー 〜98式起動せよ〜』、そして昨今ではPSP『機動警察パトレイバー かむばっく ミニパト』がある。またコンピュータRPG『ウィザードリィ』の影響を強く受けており、『機動警察パトレイバー2 the Movie』には「トレボー」「ワイバーン」など『ウィザードリィ』にちなんだ名前が劇中に登場する。『アヴァロン』に至っては、『ウィザードリィ』を押井が独自の解釈で映像化したものであり、押井が脚本を担当した『パトレイバー』TV版の『地下迷宮物件』および『ダンジョン再び』は、エピソードそのものが『ウィザードリィ』のパロディとなっている。パソコン通信を嗜んでいた時期もあり、アスキーの運営する『アスキーネット』に書き込みをしたことがある。
  • 戦車や銃、戦闘機を愛好し、深い知識を持つ生粋のミリタリーマニアである。アルバイトで加わったアニメ『名犬ジョリィ』では、必要以上にガンの描写にこだわった絵コンテを切った。下でも触れているが、人手が足りない『うる星やつら』初期に、戦車の原画を描いたことがあった。『うる星やつら』の演出を担当した最後の話では、第二次世界大戦時代の戦車や航空機を用いて攻防戦を描いた。特に好きな航空機は、旧日本陸軍の戦闘機「飛燕」[18]。映画『ミニパト』でも銃について薀蓄を披露している。初のOVA『ダロス』製作時には、作画スタッフをビルの屋上に集めて目の前でモデルガンを撃ち、薬莢は均一に飛ばないことを力説した。
  • アニメのキャラクターデザインのモデルになったことがある。スタジオぴえろ時代にアルバイトで参加した『逆転イッパツマン』では「若作りの丸輪さん」。アニメ『うる星やつら』の脚本の伊藤和典とキャラクターデザイナーの高田明美が参加した『魔法の天使クリィミーマミ』では「星井守ディレクター」、「日高守少年」。伊藤と高田はアニメ雑誌『アニメージュ』で押井を主人公にした4コマ漫画を連載したこともある。『ゼンダマン』や『タイムパトロール隊オタスケマン』、『ヤッターマン(第2作)』に登場する「惜しい」を連呼するマスコット「オシイ星人」も押井から取られたもの。「ミニパト」の中でも押井をモデルにした犬「オシイヌ」が登場する。
  • 『G.R.M. THE RECORD OF GARM WAR(ガルム戦記)』の凍結解除を執念深く待ち続けている。デジタルの登場により、実写とアニメーションは融合して区別できなくなる、というのが年来の押井の持論である。『ガルム戦記』において、その自身の理論を現実に展開するはずであった。ただ、『ガルム戦記』パイロット版の制作で得たノウハウは、後に『アヴァロン』に活かされている。
  • アニメにおけるレイアウトシステムの重要性を訴え、大量のレイアウトを解説した『METHODS 機動警察パトレイバー2 演出ノート』を著している。
  • 制作した作品は暴力的なシーンが多い。これについては「僕らの仕事は暴力とエロを表すことだ」という考えに基づくものだと言う[19]。しかし、押井自身は血を見ることが嫌いであり、『ケルベロス-地獄の番犬』 の撮影中、銃撃シーン用に用意された大量の血糊を見て気分が悪くなり、その大半を廃棄させたこともある。
  • 夫人の影響で、最近はサッカー観戦も趣味となった。ご贔屓のクラブチームはジュビロ磐田。チェルシーFCとその元監督ジョゼ・モウリーニョのファンであり、UEFAチャンピオンズリーグも非常に楽しみにしている。ドイツも好きらしくワールドカップではドイツを応援し、日韓共同開催の際にドイツ対イングランドをスタジアムで観戦した。その影響は作品にも現れ『ケルベロス 鋼鉄の猟犬』作中の実在していない人物の名前は、サッカー選手から採られていたり、『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』では戦争請負会社の社名『ロストック』『ラウテルン』はブンデスリーガのクラブ名から採られている。
  • 中高時代に柔道をやっていたので身体は丈夫で、腐りかけた牛乳を飲んでも身体を壊すことは無いという。一人の時の食事は5分以内に済ます。日本酒については熱燗派で、夏でも冷酒は飲まないとのこと。
  • 『うる星やつら』での制作に「懲りて」今後は一生テレビアニメ制作はしないと心に決めている。これは宮崎駿に「テレビシリーズであくせくせずに自分の作りたいものを作れ」と助言されたことも一因だという。以来テレビアニメには脚本・絵コンテ・企画の監修程度しか関わっていない。『機動警察パトレイバー』のTV化に「シリーズ化なんだ、あんたがやるのが筋だろう」と監督を依頼されるも、何とか粘って断ったという過去がある。
  • NHKの番組に出演した際、最も気に入っている作品はどれかと聞かれ、「繰り返して観るのは『御先祖様万々歳!』」 「自分で映像的に満足できた作品は『アヴァロン』」と答えた。
  • 原画製作の経験もあり、『うる星やつら』の制作時、戦闘機・戦車が書けるアニメーターがいなかったために押井が描いていた(「さすがに旋回シーンは書けなかった」(本人談)。『ダロス』制作時にも最終話のレーザービーム発射シーンの2・3カットは押井が書いていた。尚、どちらの作品でも「原画」としてのクレジットはされていない。
  • 「SFの匂いのする作品を追いかけて観ていた」という高校時代『ウルトラセブン』、特にアンヌ隊員を演じたひし美ゆり子に憧れを抱く。NHKの『週刊お宝TV(2006年5月19日放送)』に出演した際ひし美のサイン入り写真集(『セブン』時代のもの)を贈られ感激、さらに『真・女立喰師列伝』では「鼈甲飴の有理」役、『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』では「ユリ」役にひし美を起用、演出している。
  • Production I.G(現IGポート)の大株主の1人でもある(2008年1月現在、全株式の0.8%所有)。
  • 小学生時代はパイロットを目指していたが、運動神経が良くなかったため断念。体育の成績だけが、1か2だったと語っている[20]。他の学科の成績は全て5であったという。
  • 『ケルベロス-地獄の番犬』のロケハンで移動中、台北へ向けて搭乗するはずだった飛行機が墜落、乗員・乗客全員死亡という惨事が起こるが、予算の都合で飛行機を諦めてクルマで移動することに変更したことで難を逃れている[21]
  • 犬好きであり、かつて犬(バセットハウンド)の絵柄がデザインされたTシャツやトレーナーを好んで着用していた[22]

家族・親族[]

兄、姉の三人兄弟の末っ子。血液型O型。姉は舞踏家の最上和子。父は興信所で私立探偵業を行なっていた。映画ライターの押井友絵は前妻との間にもうけた長女。押井は友絵から取材を受けたことがあり、その際は「妙な気分だった」と語っている。押井友絵は作家の乙一夫人となり、押井の映画『立喰師列伝』ではハンバーガー店の店員として出演している。『スカイ・クロラ』の企画を持ち込まれた際に、娘がその企画に興味を示したことが『スカイ・クロラ』の監督を受けるきっかけとなったと押井本人は語っている。

人間関係[]

宮崎駿[]
  • 宮崎駿と親交があり「宮さん」と呼んでいる。押井は宮崎駿がかねてよりその才能を認めていた数少ない同業者の一人であり、『ルパン』製作に押井を推薦するなどしている。対談でも圧倒的な論理を展開する宮崎に対して押井も独自の理論を展開して応戦するなど負けていない。過去の企画では顔を合わせるとほぼ必ず意見が食い違い、はたから見ればほとんど喧嘩をしているような空気になったという。宮崎は自分と対等に理論的に話せる相手を欲している、と最初に二人を引き合わせた鈴木敏夫は語っており、押井はその数少ない一人だったといえる。また、二人の作品には共通点もあり、例えば戦車や飛行機など軍用機器や車、バイクを出すのが好きであること、モブシーンが多いこと、時折難解で長い文章を人物に話させること、高度なカメラワーク、そしてアニメ界屈指の演出能力の高さ、オチの付け方などである。
  • 初の対面は『うる星やつら オンリー・ユー』制作後に当時アニメージュ編集者であった鈴木敏夫の引き合わせによって実現した対談の場である。その対談で宮崎は初対面であるにも拘らず『うる星やつら オンリー・ユー』についての疑問点を容赦無く押井にぶつけ、押井自身もそのことを承知していただけに大変悔しい思いをしたと語っている(宮崎は相手に才能がなければこのような質問はせず、それだけ押井の才能を認めていたから細かい部分が気になり、『うる星やつら』における仕事について「竜之介初登場の回は面白かった」などと賞賛し、原作者(高橋留美子)は女性だから、自分ら男性にはラムの心はなかなかわからない、などと同情もしている)。押井は「1は自分の思い通りにできなかったけど、2は絶対リターンマッチしてみせる」と意気込んでおり宮崎も励ましていたが、次回作『ビューティフルドリーマー』に対し、「何がいいのかわからない」と評した[23]。その後の『天使のたまご』や『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』などにも否定的な意見を述べている。押井もここ最近の数本は基本評価しないと語る。
  • スタジオぴえろを退社した押井は、一時宮崎の個人事務所「二馬力」に机を置いた。宮崎は東京ムービーからの『ルパン三世』監督の依頼に対して、自分の代わりに押井を紹介。「押井版『ルパン三世』」頓挫後にはスタジオジブリで宮崎プロデュースによる押井監督作品を準備するなど、才能を認め合う仲である。しかしその一方で、考え方の上での二人の対立(科学文明への賛否や環境保護の有り方など)溝は深いとも言われる。宮崎のワンマン体制であるスタジオジブリの制作システムについて「クレムリン」、「KGB」、「道場」と評している。またこれらにちなんで、宮崎駿を「書記長」、高畑勲を「ロシア共和国の大統領」、鈴木敏夫を「KGB長官」と評している。この意見に対して宮崎も報復的とも受け取れるコメントを寄せているが、本当に仲が悪いのではなく基本的には友達であるという。なお、犬は屋外で飼って餌は残飯で充分だという宮崎に激怒したことがある。なお、宮崎は押井を見かけると3時間は話し続けるという。
  • 兵器に並外れた拘りを見せる押井が、「誰もやったことのない空中戦」を見せると意気込む『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』の会見で「空中戦に関しては、はっきり言って宮さんより自信があります」と語ったように、親しみも敬意も対抗意識も見られる関係ながら、『スカイ・クロラ』について語られる端々に表れる「若い人に」という言葉は子供達の将来を案じる宮崎の姿勢に近づいて来ていることを窺わせる。宮崎が『千と千尋の神隠し』で、押井が『イノセンス』などでCGと作画を駆使し情報量に拘わり抜いた後の新作(『崖の上のポニョ』と『スカイ・クロラ』)では作画を担当する優秀なアニメーターが育っていない現状についてそれぞれ対照的ながら答えを出すという共通点がみられた。また、押井はポニョを「老人の妄想」「面白いが伏線が重要な映画としてはダメだ」宮崎駿はスカイクロラを「こんな戦闘機は無い」とまたもやそれぞれ否定的な見方で互いの作品を評している。
その他[]
  • 大学時代に主宰した「映像芸術研究会」は、既存の大学の映画研究会と喧嘩別れした押井が新たに作ったもの。このサークルには後に映画監督となる後輩の金子修介や、『機動警察パトレイバー 2 the Movie』に登場する自衛官・荒川茂樹のモデルとなる一橋大学の学生が所属していた。本人は童顔のため、少年役で出演することが多かった。
  • 高畑勲についてはその作品に「ちょっと血が通っていないという部分を感じる」「描写にこだわるが、それが全部理屈に見える」という理由であまり共感できない模様である。しかし、演出的な意味では宮崎作品よりも、高畑の『赤毛のアン』などの作品から受けた影響の方が大きいと語っている。具体的には30分の日常を30分で描いていることに対して。しかし、高畑との対談でこれを伝えると、「あなたの言う日常とは何なんですか!?」と返され、口を詰まらせたエピソードがある(ジブリ汗まみれ、庵野秀明のゲスト回より)。
  • 宮崎の紹介で『ルパン三世』の監督就任があっさりと決まったのは、当時の東京ムービー社長・藤岡豊が「押井守っていう天才少年がいるそうじゃないか」「『うる星やつら』はうまい・動きが冴えてる」と押井の評判を知っていたからである。
  • 近年になり再び『ルパン三世』の監督オファーの話があったものの、その際は押井の側からNGを出して断ったと言われている。残念がる周囲の人間には「腕毛が生えているのが気に入らないから断った」などと冗談交じりに嘯いているという。
  • 宮崎駿の長男宮崎吾朗とは彼が高校生の頃から面識があり、当時の吾朗には父の作品『風の谷のナウシカ』より押井の 『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』の方が面白かったという[24]。ボツになった企画『アンカー』の会議にも顔を出しており、押井が参考に持っていったTVドラマ『安寿子の靴』に感動していたという。月刊誌『サイゾー』での対談では「宮さんに引導を渡せ」「それは僕らの役目ではなく、やっぱり息子である吾朗くんの役目であり、義務なんだよ。」と迫っている。宮崎吾朗はスタジオジブリ公式サイトの『ゲド戦記』監督日誌で押井について「私に対して一方的な親近感をもってくれているらしく」「もうひと花咲かせてほしいと思っています」とコメントしている。スカイ・クロラ公開時には、庵野秀明や京極夏彦等と共に、公式パンフレットにコメントを寄稿した。
  • 大塚康生とは宮崎駿が縁となり知り合う。実写映画『紅い眼鏡』では「対話タクシーの運転手」役としての出演、撮影用に「ジープ」を貸してもらうなどの親交がある。 押井は大塚から「理屈が自転車に乗っているような人間」と例えられている[25]
  • 庵野秀明は、押井のスタジオぴえろ退社とほぼ同時期にやはり宮崎駿の元に身を寄せていた時期があり、『天使のたまご』制作にいったんは参加したものの、想像を絶する仕事量による「修行僧の世界」に耐えかねて二週間で逃げ出したという[26]。また、押井の作風を「衒学的」と評したこともあったという。しかし、『逆襲のシャア』の同人誌で庵野が押井にインタビューを行ったり(詳細は後述)、『新世紀エヴァンゲリオン』制作前に押井に聖書関連の参考文献についてアドバイスを求めに来たことがあったり、親しい関係である。『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』制作時、Production I.Gには『新世紀エヴァンゲリオン』TVシリーズの制作の打診もあり、石川社長は受けるかどうか迷っていたが、押井は庵野に直接会い(石川に無断で)断りを入れている。『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』ではエンドテロップの「special thanks」の中に名前が挙げられている。
  • 樋口真嗣に対して「日本のリドリー・スコットになりうるセンスの持ち主」「邦画界でデジタルな映像技術から何ができるかを考えられる数少ない存在」と評価しているが、同時に「リドリー・スコットのように戦う姿勢が無く、周りのスタッフやプロデューサーや役者に負けちゃってる」「愛の鞭どころか『愛の拷問』にかけてやりたい」と辛口な発言をしている。
  • 新海誠やインディーズアニメなどの個人によるアニメ制作に関しては、「まわりの人間から何も吸収しなくなってしまう」「(新海が儲かったことで)アニメーターが俺もそうすれば儲かると考えて辞めてしまう」などと、限定的な評価に留まっている。
  • 邦画のシステムに対して不信感を抱いており、金子修介との対談の際「邦画というシステムは一度崩壊した方がいい」「(アニメをおだてておきながら)アニメを映画として認めてこなかった。現に日本アカデミー賞にはアニメーション映画部門がない」(対談当時。2006年に新設された)との発言をしている。
  • 高橋良輔との多くの対談において「『ボトムズ』を見たときには血が逆流した」「僕がやりたかったことの先取りだった」「『ボトムズ』は軍事をアニメに持ち込んだエポック的作品だった」などと、高橋の代表作『装甲騎兵ボトムズ』へ熱い賛辞を述べている。押井のレイアウトシステム確立に不可欠だった『機動警察パトレイバー』『攻殻機動隊』『イノセンス』のキーアニメーターで作画監督を務めた黄瀬和哉・沖浦啓之はともに、『ボトムズ』を始め1980年代の高橋作品の作画の中核を担った作画スタジオ、アニメアールの出身者である。
  • 富野由悠季作品の中では『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』を評価しており、『機動警察パトレイバー 2 the Movie』はオマージュ的な側面もあると語っている。庵野秀明らによって出版された同人誌『逆襲のシャア友の会』で、庵野を聞き手に押井守が作品について多くを語っている。別の誌面での富野との対談時、押井は本人にその旨を伝えたが、富野の方は「お世辞だと思って聞き流した」とのこと(ただしこれがホンネかどうかは不明)。ただしガンダムそのものに対しては、「僕は『ガンダム』にはものすごく違和感を覚えるんだね。僕個人の志向性、戦争とか暴力とかの敷居の上にはあるんだけど。『コナン』なんてのは自分の抱えている世界とはかなり違うから、素直に入っていったのかもしれないけどね」と語っている[27]
  • 安彦良和はかつて押井を非常に高く評価し、『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』を見たときには「引退を考えるほどの衝撃を受けた」と語っている[28]。ただし、2007年には雑誌のインタビュー記事で『機動警察パトレイバー2 the Movie』以降の作品については違和を感じていることを表明しており、「今度会ったら『俺、あんたの作品嫌いだよ』と言ってやるつもりだった」とも述べている[29]
  • 出崎統監督作品『劇場版エースをねらえ!』のビデオを何度も繰り返し見て「アニメを映画にする方法を学んだ」と発言している[30] 。『うる星やつら』では「ニャオンの恐怖」で止め絵演出など出崎統調の演出スタイルで絵コンテを描き、結果的に出崎統演出の『あしたのジョー』のパロディーとなった[31]。『うる星やつら』「竜之介登場!海が好きっ!!」には同じく出崎監督のアニメ映画『エースをねらえ!』を彷彿とさせるシーンが登場する。
  • 実写の映画人では、北野武に関心を持ち、作品のソフトはすべて所有している。一方、たけしは自らが審査委員長を務める東京スポーツ映画大賞の作品賞に『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』、主演女優賞に草薙素子を選出したことがある。
  • 少年時代からSF作家の光瀬龍のファンであり、所属していた図書委員会の「図書新聞」の取材のためと題し光瀬をインタビューしている。ファンレターを書いていたこともきっかけとなり、それ以降自宅に何度も訪問するまでになった。しかし、当時押井もかかわっていた学生運動について意見が対立し、それ以降は長く接することがなかったという。『天使のたまご』を制作した際に押井の希望で対談により約20年ぶりの再会を果たし、確執は解けた[32][33]。光瀬が亡くなった時に押井は『アヴァロン』の撮影で海外へ渡航中であり葬儀に出席できなかった。このことを押井は大変悔いていた。光瀬が亡くなった翌年(2000年)の日本SF大会(ZERO-CON)で押井が光瀬との思い出を語る企画が設けられた。その際、「今でも『百億の昼と千億の夜』は映画化したいと思っている」と発言している(企画書を書いたこともあったという)。この後2005年の日本SF大会(HAMA-CON2)においても企画に参加している。押井は2008年より『月刊COMICリュウ』で連載の始まった『夕ばえ作戦』の漫画版で脚色を担当し、初めて光瀬の作品を手がけることになった。新装版『百億の昼と千億の夜』では解説を書いている。
  • 『ガルム戦記』企画の際、当時はまだ知る人ぞのみ知る存在だった細田守の才能をいち早く見抜き、デジタル監督に抜擢した。結局は上述の通り凍結してしまうものの、それが縁となり交流が始まる。『時をかける少女』に関して「『トキカケ』とかけて『葱ぬきのカケ』と解きます。そのココロは-どちらも出来立ての熱いのを戴くのが一番。茹で過ぎに注意。期待してます。」と早く見ることを勧めるコメントを残した。公開直前、細田・樋口・秋山貴彦と座談会を行う。[34]その後押井の娘と乙一の結婚披露宴の際、細田に記念映像の制作を依頼する。

映画作品[]

アニメ[]

  • 1982年 『劇場版ニルスのふしぎな旅』 (絵コンテ・演出(案納正美と共作)、諸事情で公開されず、野田真外曰く「事実上押井さんが監督」)
  • 1983年 『うる星やつら オンリー・ユー』 (監督・脚色・絵コンテ、実質上劇場監督デビュー作)
  • 1983年 『ダロス』(脚本・監督・絵コンテ。世界初のOVA作品、一部地域で小規模の劇場公開を行った)
  • 1984年 『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』 (監督・脚本・絵コンテ)
  • 1985年 『天使のたまご』 (原案・監督・脚本OVAとして制作されたが東京・東映ホール、大阪・梅田東映ホールで劇場公開された)
  • 1989年 『機動警察パトレイバー the Movie』 (監督・絵コンテ)
  • 1990年 『Maroko / 麿子』 (原作・監督・脚本)
  • 1993年 『機動警察パトレイバー 2 the Movie』 (監督・絵コンテ)
  • 1995年 『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』 (監督・絵コンテ)
  • 1997年 『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊 インターナショナル・ヴァージョン』 (監督)
  • 2000年 『人狼 JIN-ROH』 (原作・脚本) (監督は沖浦啓之)
  • 2002年 『ミニパト』 (脚本・音響プロデュース・演出コンセプト) (『WXIII 機動警察パトレイバー 』の併映。監督は神山健治
  • 2004年 『イノセンス』 (監督・絵コンテ・脚本)
  • 2008年 『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊2.0』 (監督・監修)
  • 2008年 『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』(監督・絵コンテ)
  • 2009年 『宮本武蔵 -双剣に馳せる夢-』 (原案・脚本) (監督は西久保瑞穂)
  • 2010年 『Je t'aime』(短編アニメーション映画、GLAYとのコラボレーション)

実写[]

  • 1970年 『屋上』(大学時代の自主映画)(撮影・出演、TV番組『ソリトン』でダイジェスト的に放送された、現在、音声は紛失している)
  • 1987年 『紅い眼鏡/The Red Spectacles』(監督・共同脚本・絵コンテ)
  • 1991年 『ケルベロス-地獄の番犬』 (原作・監督・脚本)
  • 1992年 『トーキング・ヘッド』 (監督・脚本・絵コンテ)
  • 2001年 『アヴァロン』 (監督)
  • 2003年 『KILLERS キラーズ』 (「.50 Woman」の監督・脚本)
  • 2007年 『真・女立喰師列伝』(原作・総監修・OP、『金魚姫鼈甲飴の有理』、中CM、『ASSAULT GIRLケンタッキーの日菜子』監督・脚本)
  • 2008年 『斬〜KILL〜』 (総監修・『ASSAULT GIRL 2』監督)
  • 2009年 『ASSAULT GIRLS』 (監督・脚本)
  • 2010年 『28 1/2 妄想の巨人』 (監督・脚本)

オシメーション (スーパーライヴメーション)[]

「オシメーション」とは、デジタルカメラで撮影した俳優の写真をデジタル加工し、アニメのパーツとして使用する技法のこと。従来からアニメーションの技法のひとつとして、実写の人間をコマ撮りする、「ピクシレーション(en:pixilation)」がある。このピクシレーションをさらに発展させたものが、「オシメーション」である。

「オシメーション」という名称はProduction I.G社長石川光久が「押井守の原点にもどって作ってもらおうということで」「原点の赤ちゃんになってもらって、押井監督がおしめをはくような作品」という理由で命名し、『立喰師列伝』の制作会見の席上で西尾鉄也によるデフォルメ調の「おしめを穿いた押井守のイラスト」と共に発表された。以後、あまり浸透せず宣伝等では「スーパーライヴメーション」という名称で紹介されることが多い。

  • 2006年 『立喰師列伝』 (原作・監督・脚本)
    • 第63回ヴェネツィア国際映画祭オリゾンティ部門に出品。

TVアニメシリーズ・OVA・ラジオドラマ・CDドラマ・ゲーム[]

TVアニメシリーズ[]

  • 1977年 『一発貫太くん』 (13・28話絵コンテ、28話・29・41話演出、演出デビュー作)
  • 1978年 『ヤッターマン』 (55・59話絵コンテ、後半以降総助監督、野村和史名義)
  • 1978年 『科学忍者隊ガッチャマンII』 (6・10・17話演出、6話絵コンテ)
  • 1979年 『魔女っ子チックル』 (43話絵コンテ、名輪丈名義)
  • 1979年 『ゼンダマン』 (3・7・10・16・18・24・25・28・32話演出、3・10・18・24・25・28・32・34・38・50話絵コンテ、30話修正絵コンテ)
  • 1980年 『ニルスのふしぎな旅』 (6・9・10・13・17・18・23・27・32・34・36・40・41・43・46・49・51話演出、9・17・18・19・23・27・32・36・40・41・46・49話絵コンテ)
  • 1980年 『オタスケマン』(14・31・37・41・44・48話絵コンテ、丸輪零名義)
  • 1981年 『ヤットデタマン』(3話演出、丸輪零名義)
  • 1981年 『名犬ジョリィ』 (21・23話演出・16・23話絵コンテ・21・23話演出助手、小川守弘名義)
  • 1981年 『ゴールドライタン』(27・33話絵コンテ)
  • 1981年 『まいっちんぐマチコ先生』(3話絵コンテ)
  • 1981年 『世界名作ものがたり』 (オープニング演出・絵コンテ)
  • 1981年 『うる星やつら』 (チーフディレクター・43・49・64・78・79・83・104話脚本、1・2・5・9・15・19・20・27・34・35・39・43・44・49・56・59・62・66・72・75・84・86・87・91・99・100・116・126・127・129話演出、1・2・5・9・15・19・20・27・34・35・43・44・45・46・59・66・84・87・94・99・102・104・106・113・116・127話絵コンテ)
  • 1982年 『ダッシュ勝平』(21話絵コンテ、丸輪零名義)
  • 1982年 『逆転イッパツマン』 (10・14・17・21・27・33・39話絵コンテ、丸輪零名義)
  • 1983年 『スプーンおばさん』 (54話脚本・絵コンテ)
  • 1983年 『子鹿物語』 (7・12話絵コンテ)
  • 1987年 『赤い光弾ジリオン』 (2・15話絵コンテ、丸輪零名義)
  • 1989年 『機動警察パトレイバー』 (3・9・14・29・38話脚本)
  • 2004年 『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』 (ストーリーコンセプト)

OVA[]

  • 1983年 『ダロス』 (監督・脚本・演出・絵コンテ(鳥海永行と共作))(日本初のOVA)
  • 1985年 『天使のたまご』 (原案・監督・脚本)
  • 1987年 『トワイライトQ 迷宮物件 FILE538』 (原案・監督・脚本)
  • 1988年 『機動警察パトレイバー』 (旧OVA・前期OVA) (監督・絵コンテ)
  • 1989年 『御先祖様万々歳!』 (原作・監督・脚本・絵コンテ)
  • 1990年 『機動警察パトレイバー』 (新OVA・後期OVA) (6・8・10・13話脚本)
  • 2010年 『Halo Legends』 (クリエイティブディレクター)

ラジオ[]

  • 1987年 『紅い眼鏡を待ちつつ』(脚本)
  • 2006年 『ケルベロス 鋼鉄の猟犬 / Kerberos Panzer Jäger』(脚本)
  • 2007年 『acht acht / アハト・アハト』(脚本)
  • 2007年 『押井守の世界 シネマシネマ』

CDドラマ[]

  • 1992年『ゲーデルを夢見て〜録音監督1993年』
  • 1992年『しあわせのかたち 水晶の滑鼠』
  • 1996年『不帰の迷宮‐THE GREAT MAZE OF OVERKILL』(伊藤和典・千葉繁との3人によるリレー脚本)

ゲーム[]

  • 1990年『サンサーラ・ナーガ』(監督)
  • 1992年『機動警察パトレイバー 〜98式起動せよ〜』(監督)
  • 1994年『サンサーラ・ナーガ2』(監督・マッピング)
  • 2001年『サンサーラナーガ1×2』(監督)
  • 2005年『機動警察パトレイバー かむばっくミニパト』(総監修)

その他のメディア/監修・企画協力のみの作品[]

  • 1981年 『りゅうの目のなみだ』 (演出・絵コンテ学研からフィルム販売された)
  • 1982年 『関西電力』(CM絵コンテ×2本)『うる星やつら』のキャラクターを使ったもの
  • 1985年 『つくば万博』用上映アニメーション(監督)
  • 1985年 『八岐之大蛇の逆襲』(DAICON FILMの自主映画)(機材協力)
  • 1991年 『DOG DAYS』(監督)『ケルベロス-地獄の番犬』アップグレード版特別付録LDに収録
  • 1996年 『宇宙貨物船レムナント6』(総合監修)(監督は万田邦敏)
  • 1998年 『バトルトライスト』(アーケードゲーム、エンディング絵コンテ)
  • 2000年 『BLOOD THE LAST VAMPIRE』(企画協力)(監督は北久保弘之)
  • 2003年 『DOG DAYS AFTER』(監修)(『Mamoru Oshii Cinema Trilogy / 押井守シネマトリロジー』特別付録DVD)
  • 2003年 『東京スキャナー』(監修・CGパート絵コンテ)(監督は松宏彰)
  • 2003年 『東京静脈』(監修)(監督は野田真外)
  • 2004年 『球体関節人形展 - DOLLS of INNOCENCE - 』(監修)
  • 2004年 『風人物語』 (監修)
  • 2005年 『BLOOD+』 (企画協力)
  • 2005年 『ローレライ』 (「B-29〈ドッグ・スレー〉号機体マーク」デザイン)
  • 2005年 『めざめの方舟 「靑鰉 SHO-HO (しょうほう)」「百禽 HYAKKIN (ひゃっきん)」「狗奴 KU-NU (くぬ)」』(総合演出)(en:Mezame No Hakobune、愛知万博)
  • 2005年 『アイオーン』(演出、愛知万博公開、舞踏・最上和子、音楽・川井憲次)
  • 2006年 『ズームイン!!SUPER』(CM演出)
  • 2006年 『女立喰師列伝 ケツネコロッケのお銀 -パレスチナ死闘編-』(原作・脚本・監督)
  • 2007年 『夢のロボット舞踏会』(総合演出、国立科学博物館『大ロボット博プレミアムナイト』で公開、舞踏・最上和子、太鼓演奏・茂戸藤浩司)
  • 2007年 『PROJECT_MERMAID』 (監督、「アニクリ15」提供作品、出演:兵藤まこ、技法はオシメーション(スーパーライヴメーション)に属する)
  • 2008年 『スッキリ!!・クロラ The Sukkiri Crawlers』(監修、スッキリ!!内での放送)
  • 2008年 3D仮想空間『meet-me』仮想都市『TOYOTA METAPOLIS』(現・GAZOO METAPOLIS)(監修)
  • 2008年 NHKスペシャル『沸騰都市』OP・ED(監修)
  • 2008年 『ケータイ捜査官7』(19・20話監督・19・20・35話脚本)
  • 2008年 MELL『KILL』PV(監督)
  • 2009年 『舞台鉄人28号』(演出・脚本)
  • 2010年 『サイボーグ009』(監督、短編3Dアニメ、「CEATEC JAPAN 2010」での上映)

著書など[]

  • 1985年 『天使のたまご 少女季』 (あらきりつこ・天野喜孝 共著)
  • 1986年 『天使のたまご 絵コンテ集』 徳間書店 ISBN 4-19-720230-X
  • 1994年 『Methods 押井守「パトレイバー2」演出ノート』
  • 1995年 『注文の多い傭兵たち』
  • 1995年 『攻殻機動隊絵コンテ集』 (士郎正宗 共著)
  • 2000年 『犬の気持ちは、わからない 〜熱海バセット通信〜』 (表紙、挿絵:桜玉吉 )
  • 2004年 『押井守の映像日記 TVをつけたらやっていた』徳間書店
  • 2004年 『これが僕の回答である。1995-2004』
  • 2004年 『イノセンス創作ノート 人形・建築・身体の旅+対談』
  • 2004年 『すべての映画はアニメになる 【押井守発言集】』 徳間書店 ISBN 4198618283
  • 2004年 『押井守・映像機械論 【メカフィリア】』 (竹内敦志 共著)
  • 2005年 『「イノセンス」 METHODS 押井守演出ノート』
  • 2006年 『勝つために戦え!』(イラスト:西尾鉄也)エンターブレイン ISBN 4757726686
  • 2006年 『立喰師、かく語り』
  • 2008年 『戦争のリアル』(岡部いさく 共著)
  • 2008年 『他力本願-仕事で負けない7つの力 』 幻冬舎
  • 2008年 『凡人として生きるということ』 幻冬舎新書
  • 2008年 『アニメはいかに夢を見るか 「スカイ・クロラ」制作現場から』 岩波書店(編著)
  • 2008年 『スカイ・クロラ-The Sky Crawlers- 絵コンテ』 (竹内敦志 共著)
  • 2010年 『勝つために戦え! 〈監督篇〉』 (イラスト:西尾鉄也)徳間書店
  • 2010年 『押井守の映像日記 実写映画 オトナの事情』徳間書店
  • 2010年 『勝つために戦え! 〈監督ゼッキョー篇〉』 (イラスト:西尾鉄也)徳間書店

小説[]

  • 1994年 『TOKYO WAR - 機動警察パトレイバー(前・後)』 富士見ファンタジア文庫/富士見書房(前) ISBN 4829125527 (後) ISBN 4829125683
  • 2000年 『獣たちの夜 BLOOD THE LAST VAMPIRE』 角川書店 ISBN 4043666012
  • 2000年 『Avalon 灰色の貴婦人』 メディアファクトリー ISBN 4840101574
  • 2003年 『Avalon 灰色の貴婦人』 MF文庫J/メディアファクトリー ISBN 4840107424
  • 2004年 『立喰師列伝』 角川書店 ISBN 4048735160
  • 2005年 『TOKYO WAR MOBILE POLICE PATLABOR[35]』 エンターブレイン ISBN 4757723660
  • 2006年 『雷轟 rolling thunder PAX JAPONICA』 エンターブレイン ISBN 4757726694
  • 2008年 『Avalon 灰色の貴婦人』 エンターブレイン ISBN 4757740689
  • 2009年 『ASSAULT GIRLS AVALON(f)』 徳間書店 ISBN 4198628769
  • 2010年 『ケルベロス 鋼鉄の猟犬』 幻冬舎 ISBN 9784344017870
  • 2011年 『番狂わせ 警視庁警備部特殊車輛二課』角川春樹事務所 ISBN 9784758411707

漫画原作[]

  • 1982年 『うる星やつら〜番外編〜父たち』 (原作) (作画は高田明美)『少年サンデーグラフィックうる星やつら3』に収録
  • 1984年 『とどのつまり…』 (原作・絵コンテ) (作画は森山ゆうじ)
  • 1987年 『西武新宿戦線異状なし[36]』 (原作)(作画は近藤和久)
  • 1988年 『犬狼伝説 Kerberos Panzer Cop』 (原作)(作画は藤原カムイ[37]
  • 1992年 『西武新宿戦線異状なし DRAGON RETRIEVER[38]』 (原作)(作画は大野安之)
  • 1994年 『セラフィム 2億6661万3336の翼』 (原作・序章〜第12回 / 原案・第13回〜第16回) (作画は今敏)
  • 1999年『犬狼伝説 Kerberos Panzer Cop 完結篇』 (原作)(作画は藤原カムイ)
  • 2002年 『殺人者たち The Killers』 (原作)

読切短編。最初は神崎将臣作画で掲載されたものの、押井・神崎とのストーリー構成の意見の食い違い、ファンから「押井らしくない」と批判があったため、後に杉浦守作画で再掲載。前者は単行本未収録であり、後者は「RAINY DOGS 紅い足痕 / 犬狼伝説 紅い足痕」の単行本巻末に収録。

  • 2002年 『西武新宿戦線異状なし 番外編』 (原作)
  • 2003年 『RAINY DOGS 紅い足痕 / 犬狼伝説 紅い足痕』 (原作)(作画は杉浦守)
  • 2006年 『ケルベロス×立喰師 腹腹時計の少女』 (原作)(作画は杉浦守)
  • 2008年 『夕ばえ作戦』 (原作は光瀬龍、押井は脚色を担当)(作画は大野ツトム)

没企画[]

『シャーロック・ホームズ』奇しくも登場人物が犬という設定が『名探偵ホームズ』より前に企画されていた。ただ、ここでの本筋はギャグの度合いが大きいという。押井は絵コンテ担当であった(パイロットフィルムも存在する)。『フルムーン伝説 インドラ』(キャラクターデザイン・高田明美、美術監督・中村光毅、小説版執筆・鳥海永行)英名「THE FULLMOON TRADITION INDRA」。押井は企画・原案・絵コンテ・演出としての参加だった。世界展開を予定していたがイタリアとの制作方針が合わずやむなく中止に。その後、鳥海が小説としてまとめた。『アンカー』(企画、監修、脚本・宮崎駿、小説版執筆・夢枕獏)平凡な浪人生が謎の少女を守って東京を冒険するというストーリー。1987年頃押井はジブリからの誘いに乗り、東京を謎に溢れた暗号化した街として再構成するアイデアを考え、プロットまで作ったが、宮崎所有の山荘で行われた高畑勲、鈴木敏夫(当時高校生だった宮崎吾郎も同席)も交えた企画会議の席上、高畑、宮崎と物語の展開の仕方で大口論になってしまい、結局その段階でお流れになったという。『墨攻』これもジブリからの誘いだが、話が食い違い流れる。『突撃!アイアンポーク』(原作・企画・監修・宮崎駿)『宮崎駿の雑想ノート』6「多砲塔の出番」を原作とし、押井は監督として参加してOVA化する予定だったが、諸事情により中止に。『押井版ルパン三世』『魔法のフェアリー ドリーミィパック』(キャラクターデザイン原案・桜玉吉)正確にはアニメージュ誌上に掲載されたフェイク企画。 卵から生まれた夢の妖精パックが夢を失った人たちや悪夢に苦しむ子供たちを救うために現世にやってくる。 パックは魔法の力で、卵の中で生まれ変わって変身する。 卵は魂の再生と復活のシンボルであるとのこと。『押井版銀河英雄伝説』キャラクターから艦までデザインを変更してもよいという条件で2〜3ヶ月付き合ったが結局断っている。『押井版鉄人28号』劇場アニメ化の企画が舞い込んだ際、「戦争の兵器として作られた28号が、平和の祭典である東京オリンピックの開会式で上空を飛ぶ」というエンディングを予定していたという。また原作のメカ造形が気に入ったこともあり、白紙になっても企画再開の機会を窺っていた。後に舞台化として結実。『最後の立喰い -LAST TACHIGUI HERO- 』TV番組『ソリトン』で公表、当初は『トワイライトQ』の一作品になるはずであった。『スクランブル1987』これも『トワイライトQ』の一作品として企画した。『連続ドラマ 御先祖様万々歳』(脚本・じんのひろあき)『実写映画強殖装甲ガイバー』実際に制作された実写映画とは別企画で、台湾にあるオープンセットを使用して撮影する計画だったが、結局流れてしまい落とし前として『ケルベロス-地獄の番犬』が制作されることになる。『D』(脚本・伊藤和典)樋口真嗣曰く「巨大怪獣もの」だという。大筋は「翼竜の大群が襲ってきて、自衛隊の新兵器がそれを撃墜する」というもの。樋口によると「とある怪獣映画の因縁を感じる」とのこと。 この企画が流れたことで落とし前として5千万円の予算を出すから好きな映画を撮ってもいいという条件で『トーキング・ヘッド』が制作されることになる。『犬狼伝説 OVA』後に『人狼 JIN-ROH』の原型となった。『ガメラ2 レギオン襲来』「自衛隊のシーンを監督してほしい」と金子修介からオファーがあり押井も乗り気だったものの、スケジュールが合わず断念。『G.R.M. THE RECORD OF GARM WAR(ガルム戦記)』 今でも再開のチャンスを窺っている。『PATLABOR LIVE ACTION MOVIE』(実写版『機動警察パトレイバー』)『アヴァロン』と同時に企画を提出し、こちらが採用されると思っていたが予想に反して没になる。『NEXT〜未来は誰のために』樋口曰く「巨大スーパーヒーロー物」らしい。企画自体は1992年頃から存在しており、『ガルム戦記』頓挫後に『ガルム』で表現しようとしたテクニックを使い始動しようとするもほどなく白紙になった。『押井版南総里見八犬伝』『イノセンス』企画立案時、同時に候補として挙がっていた。『パリ、ジュテーム』監督の一人として参加する予定であったが流れてしまい、後にその時に設定された舞台・プロットを一部変更して、『Je t'aime』が制作された。『エルの乱 鏖殺の島』(監督・深作健太)押井は原作・脚本を担当、監督のスケジュール等により製作延期

御用達声優[]

千葉繁しかし、『立喰師列伝』のイベントで、「もう押井作品に出演することはないかも」と千葉が発言し押井も「そうだねぇ、もう千葉君も演出家だからね」とコメントしている。玄田哲章容姿を押井に気に入られ、それ以来キャラクターデザインのモデルにされることが多い。一例として『犬狼伝説』の室戸文明。古川登志夫『うる星やつら』以来の付き合いだが、近年の作品での出演は多くない。立木文彦実写では主役に負けないほどよくしゃべる役が多いが、アニメでは台詞の短い脇役(整備員の一人など)が多い。大塚明夫山寺宏一押井曰く「彼の最大の欠点は、(演技や声色が多彩すぎて)誰も彼の本当の声を知らないことである」とのこと。田中敦子竹中直人『パトレイバー2』の荒川役で仕事をした後、対談し「また一緒にやりましょう!」と意気投合。『ミニパト』を製作する際、再び荒川を登場させるべく押井は竹中に連絡を取ろうとしたが、知らない間に携帯の電話番号が変わっており、その時は実現しなかった。だが、のちに『イノセンス』では連絡が取れ、出演が実現している。兵藤まこ声優デビュー作となった『天使のたまご』以来、大半の押井作品にアニメ・実写問わず出演している。『アヴァロン』制作時に、「ゴースト役が決まらなかったら彼女を起用する」と言うほど押井に惚れ込まれている。『ミニパト』の企画に関しても、彼女に主題歌を歌わせてそれをCD化できることが引き受けた大きな目的だったと語っている。榊原良子キャラクターの表現方法の意見の食い違いで一時期絶縁したが、後に和解する。押井は映画を支えてくれる守護神のような存在と評し、彼女無しでは映画を作る気がしないとまで語る。

脚注[]

  1. 限りある予算の中で同じ額を費やすなら、ある一定のレベル以上の映像のクオリティを追求するより、その分を音の方へまわした方が費用対効果が大きいとして予算の面でも音響・音楽のウエートは大きい
  2. 発言の真意は「映画は公開された時に勝負が終わる訳ではなく、むしろその後の方が重要」という考えによる。
  3. 書籍『押井守全仕事』において、押井のアニメ業界での師匠であるアニメ監督の鳥海永行や、身内とでも言うべきほどに近しい北久保弘之から、こうした姿勢に苦言を呈されてもいる。また、作画監督の黄瀬和哉からは宮崎駿の『千と千尋の神隠し』の試写の後「あんたにはああいう映画は作れない」、『イノセンス』制作後のインタビューで「たけしでさえ『座頭市』を撮ったのに…」とのコメントがあった。
  4. 犬が登場するシーンも含まれる。
  5. 『機動警察パトレイバー 2 the Movie』ではかつての特車二課第二小隊の面々のエピソード、『イノセンス』では前作『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』の回想シーンがカットとなっている。
  6. 中には『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』の諸星あたるが幾多の夢を迷走するシーンの一部や、『アヴァロン』の冒頭、装甲ヘリが 爆撃態勢に入るカットなど、ほぼ完成していながら本編に入らなかった例もある。
  7. 例外に森本晃司が手がけたシーンを加えた『うる星やつら オンリー・ユー 完全版』、音声を5.1chにサウンドリニューアルした『機動警察パトレイバー the Movie』 『機動警察パトレイバー 2 the Movie』がある。
  8. 後に『平成ガメラシリーズ』を監督する金子修介はこの時のメンバーで、押井の直接の後輩である。
  9. この時、タツノコプロの制作した全ての作品を見ていると語って入社したが、実際は『ガッチャマン』を数回見た程度だった。
  10. ただし、あまりにも原作とかけ離れたオリジナルの回の放送直後に呼び出しを受けるなど、局側との軋轢は続いた。
  11. 当時『アニメージュ』のプレゼント色紙に「玄界灘」というコメントとともに崖に立つ自画像を描いたこともある。
  12. NHKの番組『ソリトン』に出演した折の発言によると、その脚本とは「ルパンなる人物は実は存在しない」という内容だったという。詳細は押井版『ルパン三世』を参照のこと
  13. 出演者の大半が手弁当だったという。
  14. 押井守が言うには、「年間」ではなく、「週間」の最大瞬間風速でしかない。アメリカでの上映時のフィルムの状態がひどく悪く、鮮明な画質で見たい人たちが発売と同時に購入した。実は既に、成人向けアニメが1位を記録していた、とのこと。
  15. ヴェネツィア国際映画祭の協賛団体フューチャー・フィルム・フェスティバルが優れたデジタル技術を使った作品に贈る賞
  16. 押井守:劇場版最新作は「宮本武蔵」
  17. 本人の履歴書より。ただし、羽田闘争は1968年ではなく1967年の10月、11月に勃発している
  18. 『笑っていいとも』(フジテレビ)2008年7月3日、テレフォンショッキングのコーナーにて本人が発言。
  19. 『サンサーラ・ナーガ1×2必勝攻略法』より
  20. 2008年7月3日放送の『笑っていいとも』出演時のコメント
  21. 参考文献 DVD-BOX『押井守シネマ・トリロジー初期実写作品集』解説書「押井守の《映画》をめぐる冒険」間宮庸介インタビュー
  22. 現在、公の場では靴下や下着、ブローチなど目立たない部分のみに止めている。
  23. この評は息子の吾朗が自作の『風の谷のナウシカ』より面白いと言ったことも影響している。
  24. 逆に押井は娘から『紅の豚』のセル画が欲しいとせがまれている
  25. 参考文献 キネマ旬報(第1166号) 臨時増刊 1995年7月16日号『宮崎駿、高畑勲とスタジオジブリのアニメーションたち』 押井守インタビューより
  26. 「現代の肖像(押井守)」『AERA』2001年4月30日号
  27. 宝島MOOK『昭和探偵倶楽部』(宝島社、2003年)
  28. 『機動戦士ガンダム20周年トリビュートマガジン-G20』☆Vol.4 特集:安彦良和 - アニメの終わりと物語の始まり(エンターブレイン、2005年)
  29. 「歴史の忘却と捏造に抗して 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』 という挑戦」(更科修一郎によるインタビュー)『ユリイカ』2007年9月号(青土社)
  30. 「でかいTVと映画の違いは何なんだ」って、ずっと考えてたんです。「どうやったらアニメーションは映画になるんだろうか」って。自分がやった最初の映画はね、どう見ても映画に見えなかった。ところが、大して動いていない——3コマで時々動いているだけ、カメラだけはよく動いてる——そんな、出崎さんの『エースをねらえ!』は、映画の迫力に満ちててね、映画を観たという実感が感じられた。感動したと言ってもいい。それで何か秘密があるはずだと思って何度も観たんです。『オンリー・ユー』から『ビューティフル・ドリーマー』に至る間の話ですよ。(アニメスタイル 2000 第②号 美術出版社 『ロングインタビュー 押井守のアニメスタイル』 66頁より引用)
  31. 『アニメージュ』1982年12月号、徳間書店、pp.70-71。
  32. 押井守『すべての映画はアニメになる』徳間書店、2004年、pp.117-118。
  33. 『キネ旬ムック 押井守全仕事 増補改訂版 「うる星やつら」から「アヴァロン」まで』キネマ旬報、2001年、p.39。
  34. アニメや特撮においてCGがこれからもたらすもの
  35. TOKYO WAR - 機動警察パトレイバーを加筆・修正したもの
  36. 『B-CLUB』誌16〜21号に掲載されるが、序盤途中で頓挫。
  37. かわぐちかいじが担当するプランもあった。
  38. 基本プロットは近藤版と共通ながら、一部キャラクターの性別や車両の設定が変更された。こちらは無事完結し単行本化されている。

関連項目[]

  • ケルベロス・サーガ
  • Production I.G
  • 宮崎駿
  • 鈴木敏夫
  • 金子修介
  • 伊藤和典
  • 高田明美
  • 樋上晴彦
  • 出渕裕
  • ゆうきまさみ
  • 高橋留美子
  • 黄瀬和哉
  • 沖浦啓之
  • 野田真外
  • 神山健治
  • 大川俊道
  • 本広克行
  • 納富貴久男
  • 藤木義勝

外部リンク[]

  • 押井守公式サイト ガブリエルの憂鬱
  • IMDb: Mamoru Oshii(英語)
  • DEIZ (『めざめの方舟』『立喰師列伝』などの制作に携わったプロダクション)
  • 押井守レトロスペクティヴ(パイロットとプロモーション)
  • TheBassetHound.net - A Mamoru Oshii Fansite(英語)
  • ムービーコレクション(「妄想は人間だけができること」押井監督が『アサルトガールズ』を語る)
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