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Disambig_gray.svg | この項目では、映画の『バイオハザードIII』について記述しています。ゲームについては「バイオハザード3 LAST ESCAPE」をご覧ください。 |
『バイオハザードIII』(原題 RESIDENT EVIL: EXTINCTION)は、2007年に公開されたホラーアクション映画。2002年の『バイオハザード』(以降、『I』)、2004年の『バイオハザードII アポカリプス』(以降、『II』)の続編であり、2010年の『バイオハザードIV アフターライフ』(以降、『IV』)の前作である。PG-12指定作品。
原題の「Extinction」は「絶滅」を意味する。
『I』『II』とは趣が異なる。『II』から引き続き登場する人物はアリス、L.J.、カルロス、アイザックス博士のみで、ジル・バレンタインとアンジェラ・アシュフォードは登場しない。ジルとアンジェラのその後については、『II』の最後から『III』の冒頭に至るまでの物語が補完されているノベライズ版『バイオハザードIII』(角川書店)が描く。詳細は#小説を参照。
原作の登場人物からはクレア・レッドフィールド、アルバート・ウェスカー、クリス・レッドフィールド(ノベライズ版で名前のみ)が新たに登場しているが、原作と役割上の関連は無く、名前のみのカメオ出演。
監督はラッセル・マルケイへ交代したが、脚本は『I』『II』と同じくポール・W・S・アンダーソンが担当した。
日本では、「もしも日本にバイオハザードが起こったら」という題で、エレベーター編、合コン編、渋滞編、セックスレス編、映画館編、学校編などの様々なパロディCMが製作された。また、2010年9月26日にはテレビ朝日の『日曜洋画劇場』枠で初放送された[1]。前週の同年9月19日に『II』の本編が終了した後には本作の冒頭部分が放送され、本作の本編が終了した後には当時公開中だった『IV』の冒頭部分が放送された。
前作から8年後。結局、T-ウィルス汚染は食い止められず、全世界へ蔓延してしまう。人間や動物どころか、自然をもT-ウィルスに破壊された地球は文明社会が崩壊し、膨大な数のアンデッドと荒廃した大地に覆い尽くされた死の星と化してしまっていた。
一方、アンブレラ社は豊富な備蓄のある巨大な地下施設に潜み、ウェスカーを筆頭に各支部と連携を取りながら現状の打開を模索する。アリスの血液から大量に複製した彼女のクローンを使い、アンデッドへの対抗手段や血清についての人体実験を繰り返していた。
そんな中、わずかに生き残った人々は安住の地を求め、各地を旅していた。前作の後でカルロス達から離れ、独り旅を続けながら各地を転々としていたアリスは、ふと立ち寄ったガソリンスタンドにてアラスカが安全な土地であると記されたノートを発見し、それにわずかな希望を抱く。
その後、生き残った人々やカルロス達と行動を共にしているクレアの率いる車団の通信を傍受したアリスは彼らと合流するため、駐屯先のモーテルへ向かうのだった。
詳細はバイオハザードシリーズの登場人物やリンク先の個別項目を参照。日本語吹き替えについては、「ビデオ・DVD / テレビ地上波放送」で記述する。
アリス・アバーナシー演 - ミラ・ジョヴォヴィッチ(日本語吹替:本田貴子 / 岡寛恵)本作の主人公。元アンブレラ社特殊工作員。物語の中心となるアリスは前作からの生き残りで、クローン達のオリジナルに当たる。アンブレラ社の施設に捕らえられていた頃、注入されたT-ウィルスを細胞レベルで取り込んだことから、超人的な身体能力と超能力を得た。アンブレラ社で「超能力波」と呼ばれているこの超能力は物体を浮遊させたり、火炎の動きを操ったり、飛んできた物体を目前で止めることができるといった、一種のテレキネシスである。本作でアリスは元々特殊な抗体を持っていることが判明しており、彼女の血液にはT-ウィルス感染の治療効果がある。これに伴い、他の個体に見られる容貌の変化や変質も見られない。アリスのクローン達アンブレラ社の施設に捕らえられていた頃のアリスから採取した血液のDNAを元に、大量複製されたクローン。物語序盤に登場する個体をはじめ、アイザックスのアリス計画のために多数の個体が次々と実験[2]の犠牲となり、死亡していった。遺体は血液のサンプルを採取された後、アンデッドの侵入を防ぐフェンスに囲まれた施設敷地内の素堀の窪地へ無造作に投棄されている。アリスの超能力は使えない[3]が、物語終盤において彼女の目前で起動した個体が、アイザックスとの最終決戦で勝利を得るきっかけとなる。カルロス・オリヴェイラ演 - オデッド・フェール(日本語吹替:てらそままさき / 江原正士)前作で生き延びた人物の1人。元U.B.C.S.(アンブレラ社バイオハザード対策部隊)隊長で、アリスと離れた後はクレア車団の一員となっていた。よく冗談を口にする気さくな性格で、正義感が強い喫煙者。サミュエル・アイザックス演 - イアン・グレン(日本語吹替:水内清光 / 大塚芳忠)前作終盤から登場したアンブレラ社の科学者。科学部門のヘッドであり、アリス計画の中心人物。実験に没頭するあまりウェスカーの命令に背いたり、部下を危険にさらしては見捨てるなど、性格は極めて冷酷。アンデッドを兵士や労働力として飼い慣らす計画も進めていた。アリスの血液を入手しようとするが失敗、さらにアリスの血清で強化されたアンデットに噛まれてしまい、抗ウイルス剤を投与するもタイラントに変貌してしまう。クレア・レッドフィールド演 - アリ・ラーター(日本語吹替:岡寛恵 / 林真里花)生き残った人々が集った「クレア車団」のリーダー。行動力と責任感に溢れている。アリスが提案したアラスカ行きに対しても、考えられる最悪の事態を考慮し、単なる希望にすぎないのではと慎重な態度を取っていた。ロイド・J・ウェルズ (L.J.)演 - マイク・エップス(日本語吹替:江川央生 / 高木渉)前作で生き延びた人物の1人。現在はクレア車団の一員となっている。ベティとは恋人同士。物語序盤でアンデッドに噛まれてしまう。ベティ・グリア演 - アシャンティ(日本語吹替:小松由佳 / 東條加那子)クレア車団の一員。元看護師。恋人のL.J.との仲は睦まじく、カルロスが敬遠するほど。マイケル・ファーバー(マイキー)演 - クリストファー・イーガン(日本語吹替:杉山大 / 浪川大輔)クレア車団の一員。コンピュータの扱いに長けている。対アンデッド用に防衛線を張ったり生存者に無線を使って呼びかけるなど、メンバーの中でも重要な役目を任されており、クレアからも信頼されている。Kマート演 - スペンサー・ロック(日本語吹替:小笠原亜里沙 / 弓場沙織)クレア車団の一員。本名は別にあるが気に入っておらず、クレア達と「Kマート」で出会ったことからそう名乗るようになった。チェイス・マラヴォイ演 - リンデン・アシュビー(日本語吹替:不明 / 原康義)クレア車団の一員。常に帽子を被っている。少々皮肉屋な性格だが、スーパーアンデッドに襲われた女性を助けるために自らを犠牲にするなど、正義感も持ち合わせている。L85が愛銃。オットー・ワレンスキー演 - ジョー・ハースリー(日本語吹替:鳥海勝美 / 板倉光隆)クレア車団の一員。メンバーの乗るバスの運転手。未開封の缶詰を振った時に聞こえる音だけで中身を言い当てるという、変わった技能(本人曰く「廃れつつある技術」)を持つ。冗談好きで、子どもたちに対しても陽気に接している。アレクサンダー・スレイター演 - マシュー・マーズデン(日本語吹替:内田夕夜 / 津田健次郎)アンブレラ社の科学部門部長。アイザックスの部を弁えない研究内容とその手段に対し、不信感を抱いている。アルバート・ウェスカー演 - ジェイソン・オマラ(日本語吹替:立木文彦 / 中博史)アンブレラ社の上級幹部。各支部長達から構成される委員会の議長で、自身はホログラム通信を介してアイザックスや各支部長達と接している。アリス計画などで結果を出せないアイザックスに解任を示唆する。確率や実験結果を重要視する完璧主義者。ホワイト・クイーン演 - マデリン・キャロル(日本語吹替:川田妙子 / 釘宮理恵)アンブレラ社研究施設の人工知能。白い服を着た少女のホログラムを介し、アイザックスなどと会話する。以前アリスと接触したレッド・クイーンとは別人格である模様(アリスはレッド・クイーンのことを「(あなたの)お姉さん」と呼んでいる)。物語終盤でアリスに人類を救う「アリス計画」の真意を伝え、暴走したアイザックスを倒すように祈願すると共に激励する。詳細はバイオハザードシリーズ#登場クリーチャーやリンク先の個別項目を参照。
アンデッド(ゾンビ)T-ウィルスに感染した人々のなれの果て。最も本能的な欲求である食欲に突き動かされ、生き残りの人々を次々と襲う。アンブレラ社の研究によれば、食欲はあっても活動上食べる必要はなく、飲まず食わずで10年以上は動き続けることができるという。ゾンビ犬犬(主にドーベルマン)が、T-ウィルスに感染してアンデッド化したもの。アンデッドと同じく食欲に突き動かされており、俊敏に人を襲う。クロウアンデッドの死体を食べたことでT-ウィルスに二次感染したカラス。大群で人々を襲う。名前の由来はカラスを意味する英単語「crow」。スーパーアンデッドアンデッドの強化計画において、アリスの血液から作られた血清を注入されたアンデッド。容貌はアンデッドと大差無いが、知能と敏捷度が向上されており、食欲に突き動かされるままの闇雲な行動より、対象を執拗に追い詰めて襲う行動を取るようになっている。また、体内に宿すT-ウィルスも感染力が強くなっている。タイラントスーパーアンデッドに噛まれたアイザックスが、抗ウィルス剤を大量投与したことで突然変異を起こし、クリーチャーと化した存在。負傷してもすぐ再生・強化する強靭な身体能力を持つ他、右手の指は自在に伸縮する触手と化し、口は雄叫びだけで強力な衝撃波を起こす。キース・デカンディード著、富永和子訳『バイオハザードIII』(角川ホラー文庫、2007年) ISBN 978-4-04-294302-0
『II』の最後から『III』の冒頭に至るまでの物語が補完されている。テンプレート:ネタバレアンブレラ社の追手からの逃亡中、アリスら仲間達を逃がすためにオトリとなってはぐれてしまったジルは、単身で証拠を集めてアンブレラ社の実態を世界中に伝えようとしたが、T-ウィルス感染が世界へ拡大して文明社会そのものが崩壊したため、徒労に終わってしまう。その後、ボルチモアにてショッピングモールに立て篭もって水や食料などを独占する武装集団と遭遇したジルは、生き残った人々と協力して武装集団を撃退し、ショッピングモールを奪取する。ジルは役目を終えたとその場を去ろうとするが、生き残った人々から要請され、彼らを束ねるリーダーとなった。
一方、T-ウィルスの研究にはオリジナルのアリスが不可欠であるため、彼女へのアンブレラ社の追手は途絶えていなかった。また、感染を繰り返した果てに変容してしまったT-ウィルスにアンジェラはもう実験には不要と判断したアイザックスは、アリス計画の人工衛星を介してアリスの身体を強制的に操作し、アンジェラを射殺させる。その後、自身がいつ再びアイザックスに遠隔操作されて間接的に仲間を殺しかねないと懸念したアリスはカルロス達から離れ、1人で人工衛星からの監視を避けながら行動するようになる。また、自身を使ってアンジェラを殺したアイザックスに対し、より強い敵意を持つようになった。
ちなみに、ジルも噂伝いにアンジェラの死を知っている[4]。
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