デビルマン(テレビアニメ)

ページ名:デビルマン_テレビアニメ_

登録日:2022/12/15 Thu 20:14:04
更新日:2024/06/28 Fri 13:27:30NEW!
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人間に降参なんかしちゃいねぇ!


特別なんだ、美樹は!!



『デビルマン』は、永井豪原作のテレビアニメ作品。
1972年7月から1973年3月まで東映動画制作・NET(現:テレビ朝日)系で放送された。


漫画版およびそれを基にしたアニメ作品についてはデビルマン(漫画)を参照されたし。


概要

漫画版と同時期にアニメの放送が行われたが、内容は大きく異なっており、小中高一貫の学校・名門(なかど)学園に通う明ことデビルマンがデーモン族と戦う勧善懲悪の作風となっている。
原作の重要キャラであるシレーヌやサイコジェニーも一応登場するが、いずれも単なる敵役扱い*1


ストーリーについては漫画版の永井はタッチせず、脚本担当の辻真先が事実上の原作担当となった。
とはいえ、辻自身も永井作品のファンであったことから「勧善懲悪に終わらない毒のあるストーリー」「ギャグやブラックユーモアも交えた展開」など、永井作品の特色を取り入れた作風となっており、デビルマンと言えば本アニメを思い浮かべる人も多いのではないだろうか。


EDを飾る名曲「今日もどこかでデビルマン」とともに、愁いを帯びた表情で工事中のビルの鉄骨に腰かけて地上を見下ろすデビルマンの姿も非常に有名。
SNSでしょっちゅうネタにされているのを見るという方も多いのではなかろうか。


放送時間は土曜日の20時30分と、児童向けアニメとしては遅めに編成された。
これは当時NETがTBSの『8時だョ!全員集合』に対抗し「変身大会」という枠を設けていたためで、特撮ドラマの『人造人間キカイダー』とセットで構成されていた。
39話が制作されたが、編成の都合から本放送では38話までしか放送されず、39話は再放送で初公開となった。


放送終了後にはクロスオーバー作品として『マジンガーZ対デビルマン』が公開されている。


本アニメ版基点のメディアミックスとしては、秋田書店の「冒険王」誌にて連載された蛭田充によるコミカライズ版も存在。
2000年代にはダイナミックプロ関連アニメのクロスオーバー漫画作品『ダイナミックヒーローズ』にもアニメ版設定で参戦を果たしている。



あらすじ

ヒマラヤの氷の中にいたデーモン族が復活。
大学教授の父と共にヒマラヤで登山中だった高校生・不動明はデーモン族に父共々殺され、その肉体はデーモン族の勇者・デビルマンの「宿り木」(死んだ人間の肉体に乗り移ること)にされた。
だが彼は友人の牧村美樹に心を奪われ、不動明としてデーモン族の侵攻を阻むことを決意したのであった。


登場人物

  • 不動明デビルマン

:田中亮一
主人公。
意地っ張りかつ短気で喧嘩早い不良少年で、Aとプリントされた黄色いTシャツ青いジーンズを着用。
不動明本人は第1話冒頭でデーモン族の襲撃で殺害された末にデビルマンに肉体を乗っ取られているため、
本来の明としての人格や意識そのものは消滅している。(ただし明の意志がデビルマンに影響を与えている可能性は否定できない。)
つまり漫画版におけるデビルマンが「人間としての意識と心を保ったまま悪魔になった人間」なのに対し、
本作におけるデビルマンは「デーモン族としての意識を保ったまま人間になった悪魔」という違いがある。


デビルマンに変身する際は「デビール!」と叫び、相手の妖獣に合わせたサイズで戦う。
主な技はベルトのDマークから放つ切断光線「デビルカッター」、頭部の触覚から放つ電撃光線「デビルアロー」、全身を発光させ放つ熱光線「デビルビーム」
岩をも砕く「デビルチョップ」やOPで真っ先に出す飛び蹴り「デビルキック」も強力。
空を飛ぶ際には背中からコウモリのような翼「デビルウイング」を展開。背後からの攻撃から防御することも可能。
デビルイヤーは地獄耳と主題歌の歌詞にあるがそれでは意味が違ってくる。
人間体のときに負傷すると、巨大化した時に傷口が広がる弱点がある。


  • 牧村美樹

声:坂井すみ江
ヒロイン。
名門学園に通う女子高生。
父親が明の父と懇意にしていたことから、明を牧村家に引き取り同居する事になる。
男勝りの活発な性格で、「平手の美樹」のあだ名通り平手打ちが得意。いかにデーモン族きっての勇者といえどもこれを受けては頭が上がらない。
最終回では親衛隊長ゴッドに正体をばらされた明が目の前で変身しても「ゴッドの超能力で悪魔にされた」と解釈して信じず、ゴッド撃破後に変身解除した明と共に帰る際、明に「もし自分が悪魔のままだったとしたらどうする」と聞かれ、そうだとしても明は明であることには変わりないと返している。


  • 牧村健作

声:山本圭子
美樹の弟。失禁癖があるため、「タレちゃん」と周りからは呼ばれている。


  • アルフォンヌ先生

声:永井一郎
名門学園の先生。
無類の女好きでセクハラまがいのアプローチをするなど教師として問題行為も見られるが*2
明に対しては手を焼きながらもフレンドリーに接する良い教師。
本作に登場する学園関係者は、永井の初期作品『キッカイくん』からスライドする形で登場している。


氷村巌妖獣ヒムラー
声:井上真樹夫
名門学園への転入生で、何かにつけて不動明に挑発的な態度を取るライバルキャラ。
その正体はデーモン族の妖獣ヒムラーで、最後は魔将軍ザンニンとともに敗れた。
漫画版における飛鳥了に相当するキャラクターで、東映サイドからの要望で登場した。


  • 魔王ゼノン

声:柴田秀勝
デーモン族の長にして最高権力者。普段は蝙蝠のようなシルエットで登場するが、10話冒頭で本来の姿が出た。
実力者のレイコックに気配りしたり泣きわめくララに閉口して慰めたりと結構いい人。


  • 魔将軍ザンニン

声:増岡弘→中曽根雅夫
最初に人間界侵攻を命じられたデーモン族の幹部。
名前の通り残忍で傲慢なパワハラ上司で、部下からも軒並み嫌われている。
相手の攻撃を跳ね返す胴体を持つが、14話で美樹を傷つけられて怒りに燃えるデビルマンによってヒマラヤの谷底に突き落とされて死亡。
2代目声優の中曽根は初代ウルトラマンの声でもお馴染み。


  • 妖将軍ムザン

声:矢田耕司
ザンニン亡き後に人間界侵攻を命じられたデーモン族の幹部。
ザンニンに比べると失敗した部下の強化や作戦のアドバイスをするなど、ある程度いい上司。


  • 妖元帥レイコック

声:里見京子
ムザン敗北後に招聘されたデーモン族の女幹部。
デビルマン打倒の暁には魔王の座を譲り受ける条件をゼノンに取り付けるなど相当な自信家で、自身も人間の欲に付け込んだ作戦を展開する頭脳派。
全身に着飾ったアクセサリーは配下の妖獣が化身したもの。


  • 妖獣ララ

声:沢田和子
デーモン族の一員で自称「デビルマンちゃんの恋人」。ヒロインその2にしてコメディリリーフ担当。
外見は天然系の金髪美少女だが、本来は老婆のような崩れた顔を持っている。
物体を変形させたり、別の物に作り変える能力を持ち、顔もそれで整形している。
頭が悪く、自他ともに認める「バカ」であったが、ひょんなことからデーモン族を裏切ることに。
人間たちからもデーモン扱いされずただのキチガイ人間だと思われている。
明にとっては数少ない自分の正体を知る友人だったが*3、36話で妖獣マグドラーの襲撃の際に見つかり、火炎弾で攻撃され力尽きた。



余談

フジテレビで放送されていた『とんねるずのみなさんのおかげです』では、本作の公認*4パロディとして「デビルタカマン」なるコントが6話放送された。
配役は明(本編では石橋アキラ名義)/デビルタカマンが石橋、美樹(本編では細川美樹名義)が細川ふみえ、タレちゃんが番組ADの小松伸一、各種敵役が木梨。また、敵役ゲストとして飯島愛が登場する回もあった。
デビルマン役*5には顔が似ているというだけで女優の小野みゆきが起用されたのが特徴で、このネタは主題歌の歌詞にも登場する。
「ブルーバックにいる木梨を攻撃」「小野の所属事務所であるオスカープロモーションに直電」「小野がかつて出演したセクシービデオを番組内で流す公開処刑」「最終回でタレちゃんをうっかり殺害*6」等とんねるずのコントでおなじみの楽屋・内輪ネタが多々登場した。
ちなみにデビルマンを上述の通り演じる事になった小野はこの役があまりに当たりすぎてしまい、普通の女優に戻れないとボヤいたとか…。


とはいえ、ナレーションに本家のゼノン役である柴田秀勝を起用し、アニメのOP・EDを完全再現する等、あの『仮面ノリダー』にも匹敵する完成度の高いパロディとなっている。
さらに「女性のデビルマン」「実写化」と後々メディア展開される要素を先取りしていたことを考えると感慨深い。


同じくフジテレビで放送されていた『SMAP×SMAP』でも、同じく本作のパロディである「デビールマン」なるコントが数回放送された。
こちらは草なぎ剛演じるデビールマンが必殺技を使うために「デビール!」と叫ぼうとする度に、中居正広演じる親父が乱入して喚き散らしながら妨害するという内容である。
後にほぼ同じ内容で劇場版『キューティーハニー』のパロディである「キューティーツニー」も放送された。




追記・修正は顔がデビルマンに似てると言われたことがある人にお願いします。


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  • 漫画とアニメで主人公の立ち位置が違うのいいよね -- 名無しさん (2022-12-15 20:19:58)
  • デビルマンといえばアニメのプロレスパンツのイメージがあっただけに、後の原作やOVAにおいて、本来はあんなにドロッドロ且つ人の内面に切り込んだ怪作だと知ってかなり驚いたものだ… -- 名無しさん (2022-12-15 20:26:14)
  • 原作では不動明の意志、アニメではデビルマンの意志と真逆なのが印象的 -- 名無しさん (2022-12-15 20:33:01)
  • わかるマーン! -- 名無しさん (2022-12-15 20:36:14)
  • 「裏切り者の名を受けて全てを捨てて戦う男」で主人公紹介完了するのすき -- 名無しさん (2022-12-15 21:41:39)
  • アニメ版も最終的にはデビルマンが殺される結末が示唆されてるらしいし、実は漫画版に負けないくらい重苦しかったりする -- 名無しさん (2022-12-15 22:04:13)
  • ここすき ここもすき -- 名無しさん (2022-12-15 22:12:18)
  • よく勘違いされるけど永井豪の漫画版のアニメ化じゃなくて、アニメと漫画の同時進行、今でいうメディアミックスだったのよね。 -- 名無しさん (2022-12-15 23:34:25)
  • 「わかるマーン」「あぁ~ここ好き」等MADムービーのネタばかり思い出してしまうけど、あの主題歌って何気に音楽的には結構高度だよね。今なお歌い継がれているのも分かる気がする。 -- 名無しさん (2022-12-15 23:51:29)
  • TVアニメ60年のうち10年目の作品 -- 名無しさん (2022-12-16 00:00:25)
  • 何かとマンガ版よりで新作作られがちだけどこの学園ラブコメ基調のデビルマンが令和に復活しても面白いと思う。そしたらとりあえずララにも転校してきてほしい -- 名無しさん (2022-12-16 00:47:45)
  • 漫画版をゲーム化したプレステのデビルマンで裏技としてアニメ版のデビルマンになれるってのがあるらしい(ビームとか出せるので超強い) -- 名無しさん (2022-12-16 01:11:47)
  • デビルタカマンのことが載ってたのがうれしいw -- 名無しさん (2022-12-16 09:43:33)
  • 某スーパーでロボットな大戦で蠍座の副隊長さんが「裏切り者の名を受けて……」なんてやってたらまさか後に漫画版の方が本当に参戦してしまうとは誰が予想できただろうか……? -- 名無しさん (2022-12-16 13:17:02)
  • 何気に敵に女性が多いんだよね。それも美人も多い。個人的にはエバインがお気に入り。 -- 名無しさん (2022-12-17 00:58:19)
  • ララが焼け死ぬとこつれーわ… -- 名無しさん (2022-12-17 11:44:06)
  • デビルチョップはパンチ力、デビルキックは破壊力の無理やり感好き -- 名無しさん (2022-12-17 11:51:00)
  • リアタイの人だと多分こっちのデビルマンの知名度の方が高かったんじゃないか?まずこっちベースで実写化した方がまだ行けたんじゃないか -- 名無しさん (2022-12-17 20:14:14)
  • ↑13 -- 名無しさん (2022-12-19 18:46:04)
  • ミス↑14 徳間のロマンアルバムで『描き下ろし特別編・デビルマン暁に死す!』とあったので興味津々で見てみたら単に原作終盤をセル画調にしただけだった…チガウコレジャナインダヨゴウチャンツジチャン…… -- 名無しさん (2022-12-19 18:50:29)
  • ↑5 当時は魔女っ子メグちゃんでも、魔界の掟破りを庇ったメグが代わりに火炙りになりガチ炭化するまで丹念に燃やされるケースもあったからな……(まあ直後に女王様の計らいで蘇生したけど) ちなみに脚本はやはり辻真先センセ…… -- 名無しさん (2023-01-11 14:52:15)
  • 設定が真逆だが、最終回の結論は同じ(どんなに姿が変わろうと心は人間)ともとれるし逆(醜い悪魔の姿は偽りで不動明は人間であると思われる)ともとれるのは面白い -- 名無しさん (2023-01-11 15:10:38)
  • デビルマンgの記事も来るか? -- 名無しさん (2024-06-12 12:37:32)

#comment

*1 ただしシレーヌは元々アニメが初出で、永井がデザインを気に入って原作にも逆輸入した。
*2 しかも、妻子持ち
*3 「オメーはデーモン族の中で一番長生きするぜ(つまり殺す気は皆無)」と明言するほどであったが……
*4 初回のみ協力クレジットが入っている。
*5 当初は変身後だったが、第2話以降は石橋とダブルデビルマンとして登場し、人間体でも明への連絡係として様々な役で登場している。
*6 いわゆるスタッフいじりの一環で、本編内では何かととんねるずから頭を叩かれることが多かった。

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