登録日:2021/06/25 (金曜日) 00:19:36
更新日:2024/05/27 Mon 13:51:16NEW!
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本日この場にて…拳願会会長の名においてーーー
「拳願絶命トーナメント」開催を宣言する!!!
&{拳願絶命トーナメント}とは『ケンガンアシュラ』にて行われた裏格闘技トーナメント。
続編の『ケンガンオメガ』でも語られている。
●目次
【概要】
日本最大の裏格闘技団体にして名のある商人たちが所属する拳願会の会長の座を賭けて行われるトーナメント。
開催地は片原滅堂のプライベートビーチとなっている「願流島」。
作中では乃木グループ会長・乃木英樹が発起人となり拳願会50名の賛同を得て開催が決定した。
【特徴】
トーナメント自体は会長が変わる度に行われているが、作中のトーナメントは拳願仕合で上位の成績を残した「拳願会企業序列」上位28社と予選を勝ち抜いた5社(後に4社)が出場する拳願会史上最大のトーナメントとされる。
また、闘技者も拳願仕合初出場な者が多く参加していることも特徴となっている。
多数の有力企業が参加しており、勝ち抜いた企業が日本経済界に大きな影響を及ぼすことが予想されることから、凄まじい数の拳願会員、更に各国首脳陣までもがトーナメントを見届けに決戦の地、巌流島に訪れている。
ちなみに観客は会員や秘書、雇用している闘技者以外にも会員の愛人、ボディガード、私的な友人まで含まれるため、総勢2000人近くに上る。
なお、安易な参加を防ぐという観点から、参加には高額な参加費を払わねばならず、またトーナメントの発起人となった者はそれに加えて更なるリスクを背負う義務が課せられる。
作中の例でいうと、トーナメントの参加費は50億円、乃木の場合は優勝できなければ乃木グループが即解散、という形でリスクを負っている。
また半世紀以上前に滅堂が発起人となった際も全財産と会員権、滅堂自身の命を担保にすることでトーナメントを開催している。
が、これに参加すること自体が一種のステータスとされるため仕合の勝敗にかかわらず新たに契約が決まることもあり、出資分を取り返すことも不可能ではない*1。
【ルール】
従来は一般的なトーナメントだったが、現会長の片原滅堂から様々なルールが提示されているが、それらのルールには不正を行う余地が含まれている。具体的には、
- 優勝した企業には「会長職指名権」が与えられる。つまり、自分の息のかかった企業が複数出場すれば有利となる。
- 他企業の経営者を買収・恐喝することで、その企業が優勝した際に自分を会長に指名させる。
- 願流島に向かう船内での闘技者同士の私闘は御法度だが、闘技者ではない者と闘う事はお咎め無し。つまり他企業に刺客を差し向けて闘技者枠を奪う。
このため闘技者同士のステゴロ勝負だけではなく、経営者同士の知謀・策謀もトーナメントの醍醐味となっている。
【作中での流れ】
予選
エントリーした151社のうち、予選を免除された企業序列上位28社は豪華客船「拳願号」に先に乗船し、残り123社は貨物船「絶命号」で行われたバトルロワイヤル方式の予選に参加し、勝ち残った5名が本戦出場権を得られる。
十鬼蛇王馬や理人以外にも沢田慶三郎やハサド、原田徳次郎や後田武郎、アキ斉藤など名のある闘技者達が参加したが、僅か15分足らずで王馬、理人、沢田、賀露、ハサドが本戦出場を勝ち取るが、予選後にハサドが滅堂に絡んだことで「護衛者」に粛清されて脱落し、結果4名が本戦出場となる。
船旅〜トーナメント組合せ決定
予選後に滅堂から「出場闘技者登録は島に着いてから」「闘技者同士の私闘はご法度」とのルール説明を受けるが、このルールの裏をかき、代表闘技者の座を狙う者たちが暗躍するようになる。
義伊國屋書店の代表闘技者だった氷室涼は同社会長の大屋の友人として付いて来た金田末吉に敗れ、東洋電力会長の速水勝正に雇われた刺客5人も暗躍を開始し、阿久富士夫は今井コスモに、禍の人は若槻武士に、マスクの人は御雷零に倒されるも、二階堂蓮が白夜新聞の武本久安を、目黒正樹が海一証券の乾町三をそれぞれ撃破して代表闘技者の座を2枠奪い取っていた。
願流島に到着後は1日の休日が設けられており、その夜にトーナメント組み合わせの抽選会が行われている。
また予選敗退組は船を乗り換えなかったため、上位28社と予選通過組よりも半日早く願流島に到着している。
本戦
1回戦、2回戦、3回戦(準々決勝)・準決勝・決勝をそれぞれ1日ずつかけて行い、中日としてそれぞれ1日のインターバルが設けられている。
これは名目上は闘技者の休息のためということになっているが、実際には企業同士の裏工作を自由に行わせる目的もある。
司会進行は片原鞘香、解説は飛び入りで予選敗退闘技者のジェリー・タイソンが担当。
1回戦
※内容
- 第一仕合アダム・ダッドリー(ボスバーガー):今井コスモ(西品治警備保障)vs…勝者:今井コスモ
序盤はコスモが寝技で圧倒するも、アダムがマウントポジションを強引に解き、打撃戦にに持ち込むなどして善戦し、そのパワーの前にコスモは得意の絞め技を封じられてしまうが、コスモが「ゾーン」を解放することで前腕にヒビが入るなど満身創痍となりつつもアダムを撃破した。
- 第二仕合:河野春男(NENTENDO)vs阿古谷清秋(若桜生命)…勝者:阿古谷清秋
機動隊vs自宅警備員の対決。
序盤は圧倒的なパワーで春男が攻め立てるが、檜山と連携していた阿古谷に間を読まれすべての攻撃を捌かれ終始圧倒される。
しかしレフェリーストップ直前に春男が闘争本能のみで立ち上がり、攻撃の質も変わったことで檜山の解析が役に立たなくなり殺人衝動に呑まれかけるが、自滅に近い形で春男が戦闘不能となったため、阿古谷がほぼ無傷で勝利する。
- 第三仕合:呉雷庵(アンダーマウント社)vs茂吉・ロビンソン(セントリー)…勝者:呉雷庵
序盤は茂吉が「バリツ」による西洋武術中心の立ち回りに圧倒されたかに見えたが、「外し」を使用した雷庵が桁外れな力で蹂躙し、最終的には生来の耐久力でほとんど無傷のまま茂吉の首をへし折り勝利し、会場の全勢力を挑発する行為に出る。
- 第四仕合:因幡良(ペナソニック)vs十鬼蛇王馬(山下商事)…勝者:十鬼蛇王馬
身体能力では王馬が優っていたが、序盤は因幡流の「髪」を使うトリッキーな戦法に翻弄されるも、最終的には「前借り」を使用した王馬が圧勝。
ちなみに仕合前に山下一夫はペナソニック社長の瓜田から「山下商事が勝利したらペナソニック株10%(2800億円相当)を譲渡する代わりに、山下商事に敗北したら10%相当の金額を支払う」という賭けを行っていたが、仕合後に王馬の一言でその賭けが有耶無耶になってしまった。
- 第四仕合終了後
雷庵に殺されたと思われた茂吉は英の処置で一命をとりとめ、同時刻に島に侵入していた暗殺者集団「黒使」は護衛者別働隊・殲滅部隊によって壊滅させられるが、その裏で複数の侵入者が島に潜り込んでいた。
- 第五仕合:室淵剛三(ユナイテッドクロージング)vs若槻武士(古海製薬)…勝者:若槻武士
室淵は速攻で勝負を決めようとするが先手を取られ、序盤から若槻が圧倒するも長年続けてきたクラウチングスタートからの飛び膝蹴りで一矢報いたかに見えたが、鳩尾に渾身の右正拳突きを喰らい吹き飛ばされ若槻が勝利する。
アニメでは仕合シーンは大幅に省略されており、室淵がワンパンで倒されたかのように描写されている。
- 第六仕合:沢田慶三郎(マーダーミュージック)vsユリウス・ラインホルト(東洋電力)…勝者:ユリウス・ラインホルト
東洋電力の脅迫行為によりマーダーミュージック社長の戸川が棄権を表明したことでユリウスの不戦勝となる。
直後そのことを知った沢田は通路で目黒と交戦し、一時は圧倒するも、目黒が暴走しかけたことで本来闘う予定のユリウスと闘うが、急所の首筋を狙った渾身の右回し蹴りが鎧のような僧帽筋で受け止められてしまい、足を掴まれ圧倒的な力で床に叩きつけられて戦闘不能になり、そのまま右足を折られ敗北する(ユリウスは止めを刺そうとしたが山下らが偶然通りかかったことで撤退している)。
序盤は目黒が相手がノーギで自分に不利な状態ながらもムテバを投げ倒した上にマウントポジションを取り、一度は追い詰めたかに見えたが、本気を出したムテバにより右目と右耳、気道を潰され、首をへし折られ、眼窩から脳を貫手で直接攻撃されるという急所への連撃を受け死亡した。
- 第八仕合:関林ジュン(ガンダイ)vs鬼王山尊(禍谷園)…勝者:関林ジュン
プロレスと相撲の異種格闘技戦。
プロレスラーとしての信念から防蟻や回避を一切行わない関林を鬼王山が終始を圧倒するも、関林の耐久力の高さから長期戦にもつれ込み、切り札の「古代相撲」まで解禁するが倒し切れず、最後は自身の持つ格闘技に対する信念の差が現れる形で、必殺の「激旺」を受け返され膝をついたところで関林が渾身のパワーボムを喰らわせて勝利した。
関林はすべての攻撃を受け切っていたため実際はかなりのダメージを受けていたが、その姿に感銘を受けた河野春男は仕合後に関林に弟子入りした。
なお、この仕合はウェブ投票でベストバウト第1位に選出されている。
- 第九仕合:鎧塚サーパイン(夜明けの村)vs賀露吉成(あじろ水産)…勝者:鎧塚サーパイン
対戦企業が共に東洋電力傘下ということもあり、夜明けの村が勝利するという八百長が行われていたが、賀露が速水への謀反からサーパインを潰すため本気で仕合に臨む(サーパインは八百長のことは知らなかった)。
賀露が漁の技術と身体能力を駆使して頑丈なサーパインとの幾多の攻防の末、サーパインの頸椎への肘打ち下ろしが決め手となりサーパインが掌理した。
仕合後、八百長を破ったあじろ水産社長の網代は夜明けの村村長・鎧塚実光の勧めで逃亡するも、東電に雇われていた蕪木に拘束される。
- 第十仕合:根津マサミ(栃木ディスティニーランド)vs御雷零(ゴールドプレジャーグループ)…勝者:御雷零
御雷が文字通り一瞬で勝利を収め、それまでハサドの持つ拳願仕合最短決着記録を更新した。
根津は本来拳願会、煉獄に次ぐ裏社会3位の規模を誇る裏格闘技団体「毘沙門」で絶対王者として君臨していた程の実力者だったが、夢の国と信じていた栃木ディスティニーランドが東洋電力の傘下に入る裏取引をしていることを知ってしまい、どこからも自由だった栃木ディスティニーランドを夢のまま終わらせようとしていたが、内心では葛藤が残っていたため実力が出し切れる精神状態ではなかった。
また単行本のプロフィールによれば、スピード重視の御雷とぶつけると相性の問題からどうしてもいい勝負とならなかった事も理由だった。
また栃木ディスティニーランド社長の夢野は「速水の背後に潜む者達」とのコネクションを得るために敢えて東電の傘下に入っていたが、仕合に負けたことで蕪木に拘束される。
当初黒木は理人を「実力差すら弁えない弱者」と見ており、終始理人を圧倒して殆どダメージのないまま初戦を突破する。
その夜、理人からの弟子入り懇願を拒否したが、その代わりに経験値を埋めるために闘技者を観察するよう助言している。
- 第十二仕合:二階堂蓮(白夜新聞)vs桐生刹那(皇桜学園グループ)…勝者:桐生刹那
開始早々桐生が二階堂の左肩を破壊し優位に戦いを進め、二階堂の奥義「奇龍」を食らったものの、その際に「降魔」の発動が可能になり、これにより相手の攻撃を完全に見切り、羅刹掌を心臓に撃ち込んで圧勝する。
- 第十三仕合:千葉貴之(義武不動産)vs初見泉(乃木グループ)…勝者:初見泉
初見は当初複数の格闘家の技を使う千葉を警戒していたが、千葉が相手の合気道の技を使うというミスを犯し、それを見逃さず僅か26秒で勝負を決めた。
ちなみに王馬が辛勝し理人が敗退したことで、乃木は義武に刺客を放っていたが、義武の護衛として雇われていた予選敗退の闘技者に倒されている。
しかしその刺客は乃木の推薦で拳願会会員となっていたため、事実上義武が乃木の罠に嵌まったことになった。
- 第十四仕合:英はじめ(帝都大学)vs坂東洋平(十王通信)…勝者:坂東洋平
医者と元医学生の死刑囚との戦い。
英は死刑執行してもなお生き延び続けている坂東洋平を始末するため、日本政府によりトーナメントに送り込まれた。
抽選の結果1回戦からターゲットと戦うこととなり、禽拿術が通用しないと分かると骨剣など様々な仕込を利用して坂東を致死性ウイルスに血液感染させるも、首をへし折られ仕合自体には敗北した。
しかし強制的に心肺を動かし続ける仕込みと太宰の施術で無事蘇生した。
- 第十五仕合:ガオラン・ウォンサワット(八頭貿易)vs金田末吉(義伊國屋書店)…勝者:ガオラン・ウォンサワット
ガオランは当初前の2仕合が変わり者同士の対決だったこともあり、この大会は見世物だと失望感を感じていた。
しかし実力差を知りつつも真正面から食い下がる金田を「戦士」と認めつつも実力差の余り金田を殺してしまうことを懸念して手加減していたが、最後は彼の叫びに答える形で「闘技者」として迎え撃ち、本気の攻防を繰り広げて勝利した。
表格闘技界と裏格闘技界の絶対王者同士の対決。
全ての能力と技術においてアギトが大久保を上回りながら、大久保の総合格闘技で培った複合技に苦戦するが、大久保が放った頭部へのサッカーボールキックがきっかけとなりアギトが「狂獣」に変化し、その後大久保から学習した「複合」の技術を使用し圧勝する。
1回戦終了後・中日
※内容
1回戦終了後のパーティーにおいて、滅堂から「2回戦以降一度だけ闘技者の変更を認める(人選は本人の合意があれば一切自由)」との新ルールが発表された。
これにより他企業の闘技者を引き抜くことが可能となり、本人の合意さえあればトーナメントを勝ち進んでいる他社の闘技者を自社に移籍させることさえ可能となった。
また1回戦の間に願流島北部に漂着したタンカーに100人以上乗船していた痕跡が見つかったことから、護衛者の半数を北部森林地帯に派遣し侵入者の捜索を行うこととなる。
2回戦
※内容
- 第一仕合:今井コスモ(西品治警備保障)vs阿古谷清秋(若桜生命)…勝者:今井コスモ
コスモは序盤からあえて打撃技のみで攻め立て、一瞬の隙を突いて「ゾーン」を開放するが、殺人衝動により暴走した阿古谷に力技で技を解かれ、組み伏せられて肋骨を折られるなどの拷問を受ける。
コスモは激痛から失神した時に師匠である暮石の言葉の真意を悟って土壇場で覚醒、咬傷による左大腿動脈損傷、肋骨3本の骨折など重傷を負いながらも執念でフロントチョークを決め辛勝。
しかしそのダメージは大きく、コスモはしばらくは安静を強いられ車椅子で移動していた。
- 第二仕合:呉雷庵(アンダーマウント社)vs十鬼蛇王馬(山下商事)…勝者:十鬼蛇王馬
王馬は1回戦後に精神を統一した結果、アギトに匹敵するレベルまで体のキレが増すも、呉一族の身体能力の前には通じず、「前借り」を発動しても「外し」を使用した雷庵に決定打を与えられなかったが、幻覚の十鬼蛇二虎との対話で自分自身の二虎流を見つけ出し、わずかな勝機を逃さず満身創痍の状態で辛勝する。
しかし深刻なダメージを負ったことで、英の治療により一命をとりとめたものの仕合後すぐに意識を失い、3日目が終わる頃になってもまだ目を覚まさなかった。
- 第三仕合:ユリウス・ラインホルト(東洋電力)vs若槻武士(古海製薬)…勝者:若槻武士
ドーピングによる超筋力と先天的な超人的筋力を持つ者による対決。
序盤から怪獣映画に例えられる程の殴り合いを繰り広げるが、骨格で若槻を上回るユリウスが徐々に優位になり、劣勢を覆すために繰り出された若槻の切り札である「爆芯」も頭脳戦で見切り、若槻の頭を掴み壁に擦り付けて右顔面の皮膚を損傷に加え右目も失明させ、「爆芯」の代償で足首の古傷まで悪化するが、最後は戦術の差が出た形となり、「爆芯」を囮に放った回し蹴りで辛うじて若槻が勝利した。
- 第四仕合:ムテバ・ギゼンガ(岩美重工)vsマーヴェラス・セキ(ガンダイ)…勝者:ムテバ・ギゼンガ
ガンダイが闘技者交代権を使用し、関林に代わり彼が魔界から召喚された極悪非道のデスマッチレスラー……という設定を引っさげた関林がマーヴェラス・セキとして出場。
ムテバは目突きをセキが受け返されて以降は体格差もあって圧倒され、両耳を潰される痛手を負ったが、研ぎ澄まされた嗅覚を頼りに戦闘を続け、目突きを多用することで生じさせた意識の隙を突いて決定打となる「心臓抜き」を放つ。
それでもなお立ち上がられ、一撃を食らわされたことで失明以来初めて「戦士」としての本能が疼くこととなったが、セキがすでに戦闘不能であることを察し、彼が貫いた「プロレスの流儀」に敬意を表し、裏投げからの3フォールを決めて勝利を飾った。
- 第五仕合:鎧塚サーパイン(夜明けの村)vs御雷零(ゴールドプレジャーグループ)…勝者:御雷零
御雷は序盤から執拗にサーパインの頭部へ攻撃を集中させたものの、サーパインは自身の頑丈さを活かして一発逆転を狙ってカウンターの大技を繰り出すなどしたため、思うように打撃の効果を与えられず苦戦を強いられる。
しかし御雷は大技の隙を見逃さずカウンターを放ち、脳へのダメージを狙って攻撃を繰り出し、手足の骨に大きなダメージを負いながらも勝利し、相手を殺さず倒せたことに達成感を覚える。
実はサーパインは2回戦前に東電や行政の思惑によって夜明けの村の土地が発電所開発のため失われようとしていることを知り、村と兄弟達を守るために勝利を誓っていたが、仕合後、村を守れなかったことで失意のどん底になり、ガオランからの励ましにも応じることが出来なかった。
- 第六仕合:黒木玄斎(モーターヘッドモータース)vs桐生刹那(皇桜学園グループ)…勝者:黒木玄斎
黒木は旧友・平良厳山の仇であり、平良を上回る技を使い、二虎流の技まで使って見せた桐生に驚かされ、桐生が仕合中に新たに開発した技により、貫手が貫通した手で右手の指をへし折られるという大ダメージを負ったが、彼の使う技が基本の2つ以外は全て付け焼き刃でしかないことを見抜き、左手を囮にして折られた右手で決定打となる一撃を心臓の真上から加え勝利する。
桐生は貫手で貫かれた直前で自身の心臓に対して羅刹掌を放ったことでわずかに心臓の位置を動かして致命傷を回避、仕合直後に蘇生するが、これ以降徐々に暴走を開始する。
- 第七仕合:初見泉(乃木グループ)vs坂東洋平(十王通信)…勝者:初見泉
実はトーナメント組合せ決定後に乃木は帝都大学と手を組みいざという時には初見に坂東を殺させようとしていた。
坂東は英に仕込まれたウイルスで死を待つだけとなっていたが、古海製薬の協力で治療を終え、そのまま続投。初見は事前に坂東の奥の手について考察していたおかげで間合いを計りつつ必殺の一撃を回避し続け、坂東の油断を誘って腕の骨をへし折り、最後は百会投げを使って勝利する。
この直後、十王通信社長の高田は東電守護者の龍旼の接触を受けたのを最後に続編に至るまで一度も再登場していない。
- 第八仕合:ガオラン・ウォンサワット(八頭貿易)vs加納アギト(大日本銀行)…勝者:加納アギト
アギトは当初ガオランのスタイルに合わせボクシングで打ち合いをした後、特注でガオラン用の戦法を編み出したことでストライカーとしての真価を発揮する戦闘スタイルまで引き出させ、苦戦の末に1回戦で習得した「複合」の技術を使ってガオランを撃破する。
2回戦終了後
※内容
東洋電力によるクーデターが勃発。
詳細はこちらを参照。
3回戦(準々決勝)
※内容
- 第一仕合:今井コスモ(西品治警備保障)vs十鬼蛇王馬(山下商事)…勝者:十鬼蛇王馬
互いに満身創痍とは思えない猛攻を繰り広げ、コスモは「先読み」により王馬を苦しめ意地から躊躇なく骨を破壊しにかかるが、王馬はあえて体力を使い尽くすことで死の淵でさらなる戦闘力を発揮。
コスモは折れた肋骨によって内臓が傷つきながらも「先読み」と「ゾーン」で勝利を確信したが、王馬にその裏をかかれ、「水鏡」により絞め落とされ敗北。
またこの仕合はトーナメント最終日ということで観客のテンションもMAXであり、仕合が膠着状態となっただけでかなりの野次が飛び交っていた。
- 第二仕合:若槻武士(古海製薬)vsムテバ・ギゼンガ(岩美重工)…勝者:若槻武士
ムテバは2回戦以降、岩美重工が開発した振動感知・赤外線感知など5種類のモードを使い分けられる新型義眼を提供されており、被験者第一号として仕合中にモニタリングを行っていたが、この頃には義眼にも慣れつつあり、若槻の隠し球の1つである組み技を経穴を突くことでかわす一方で、圧倒的なパワーへの警戒から一進一退の攻防を繰り広げる。そんな中若槻はムテバの目が見えていることに気づき、鼻を狙っていると錯覚させることで急所への攻撃を誘い、ムテバの油断をついて爆芯を放ち右腕を破壊する。
しかし本業への影響を考慮したムテバが棄権したことで若槻が勝利したが、足の古傷への負担を重ねてしまった。
- 第三仕合:御雷零(ゴールドプレジャーグループ)vs黒木玄斎(モーターヘッドモータース)…勝者:黒木玄斎
御雷は倉吉理乃の「命令」で暗示を強化することで自身の限界以上の速度を発揮し、黒木の動体視力を超えたものの「先読み」で完璧に対応されてしまい、その速度が仇となって痛烈なカウンターを受けてしまう。極限状態の中で全ての縛りを忘れ手数で押す作戦に移行したが、黒木の渾身の下突きを心房の位置に打ち込まれ意識を失い敗北し、黒木が勝利した。
一方で完全に正気を保てなくなった桐生が仕合前に二虎と誤認した相手を無差別に襲う連続殺人を犯し始め、ゴールドプレジャーグループが用意していたリザーバー3人と仕合開始を告げに来た護衛者を殺害した。
- 第四仕合:初見泉(乃木グループ)vs加納アギト(大日本銀行)…勝者:加納アギト
ガオラン戦で危うさが露呈したアギトは3回戦前に代表闘技者の座をかけて先代「滅堂の牙」王森正道と戦って勝利し、初見も王馬の協力で絶好調の状態で仕合に臨んでいた。
仕合では無数の選択肢をあえて捨てることで初見の攻撃に対応し、立ち上がりこそ絶妙な膝の運用に翻弄されたかに見えたが、この戦いで「羽化」を果たし結局は手加減する余裕すら残してほぼ無傷のままハイキックで初見を撃破して勝利を飾る。
3回戦終了後
※内容
完全に正気を失った桐生が護衛者2名と戦い負傷しながらも殺害し、一夫を避難させる途中で彼を二虎と錯覚して殺そうとしたため王馬に制止される。
桐生は王馬の「神」を目覚めさせようとしたが自身が否定した二虎流の技だけで圧倒され、「鬼鏖」を受けて戦闘不能となるが、「本物の二虎」に人生を狂わされた被害者でもあったということから情けをかけられ、異常を来たしていた自律神経を「絶氣」で治療されて命を見逃され、血痕を辿ってきた殲滅部隊に身柄を拘束される。
準決勝
※内容
- 第一仕合:十鬼蛇王馬(山下商事)vs若槻武士(古海製薬)…勝者:十鬼蛇王馬
当初は互いの所属企業の目的が同じだったことから八百長の指示が出され、若槻が決勝に進める方向が決まりかけていたが、山下商事側がそれに抵抗したことで正々堂々勝負することになった。
仕合本番では若槻は王馬を評価して油断することなく猛攻で王馬を圧倒したが、「鬼鏖」で必殺の一撃を不完全ながら返されたことでより慎重になりふり構わず機動力を奪おうとするが、「鬼鏖」が自分が苦手とする無形の技であることまでは見抜けず、カウンターで強力な前蹴りが顎にクリーンヒットして大ダメージを受けたにも関わらず立ち上がって継戦の意思を示したが、限界を迎えて敗退する。
- 第二仕合:黒木玄斎(モーターヘッドモータース)vs加納アギト(大日本銀行)…勝者:黒木玄斎
序盤から互いに「気の起こり」を読んで壮絶な攻防を繰り広げ、黒木が魔槍で先制のするも、進化を果たしたアギトの「武」と「無形」の組み合わせにより、右手第2〜第5指を折られ、左肘を脱臼するほどのダメージを負う。
しかし黒木はそれにも怯むことなくAアギトの戦法の切り替わりのタイミングを的確に見切り、「虚」を突くことで打撃のダメージを蓄積させ、龍弾を見切り小手返しで相手の右手首を完全に破壊、左肘の脱臼や右手指を全て折られたとは思えないような猛攻でアギトに勝利する。
決勝
※内容
- 十鬼蛇王馬(山下商事)vs黒木玄斎(モーターヘッドモータース)…勝者:黒木玄斎
黒木は自分の知らない二虎流を完成させた王馬の動きをも徐々に見抜き、先代を上回る操流の技量に決定打を欠きながらも次第に優勢に立ち、最後は決死の覚悟で放たれた「鬼鏖」を右腕を犠牲に防いで即座に左腕で痛打を加え、黒木が勝利する。
決着後
※内容
会長指名権はモーターヘッドモータース社長の鷹風に与えられたが、彼は自分には荷が重すぎるとして乃木に拳願会会長の地位を譲り、正式に乃木が拳願会会長となる。
その一方で拘束されていた東洋電力守護者にして「蟲」の一員だった蘭城が何者かに毒殺され、逃亡していた同じく「蟲」の龍旼も海岸で何者かに殺害された状態で発見される。
更に拘束されていた桐生も収容施設の壁を破壊して逃亡するなど多くの謎を残したままトーナメントは閉幕した。
続編の『ケンガンオメガ』でもトーナメントは関係者の間で語り草になっており、本選出場者は「レジェンド」と呼ばれている。
続編のネタバレ
王馬は二虎流の酷使により肉体が限界を迎えており、絶命トーナメント後に息を引き取った…
…と思われていたが、続編の『ケンガンオメガ』において…実は何者かが王馬の体組織から器官培養されていた心臓を英に届けており、移植手術を受けたことで一命を取り止めていた。
しかし、その異常な事情に一夫や楓を巻き込む訳にはいかないと考え生存を隠しており、その間は呉の里に身を寄せ、驚異的な治癒力によってわずか1年で手術前と同じ水準の力を取り戻した。
そして2年が経過したある夜、夏忌とその弟子に襲われていた一夫の前に同じく消息不明となっていた雷庵と共に健在な姿で現れ、圧倒的な力で蹂躙した。その足で呉の里へと向かい、一夫に事情を説明した後で対抗戦に出場する意思を表明し、蟲に生存が知られたこともあって拳願会にも生存を公表した。
また収容施設を脱走していた桐生は煉獄との対抗戦の最中、成島光我との約束を破って殺人を犯してしまい消沈していた臥王龍鬼の前に現れている。
【余談】
1回戦終了後に滅堂が提示した闘技者交代権は一度も使われることはなかったが*2、『ケンガンオメガ』単行本13巻にて作者からその背景が語られている。
というのも当初の展開では「蟲」が同盟を結んでいた東洋電力に助力する形で介入し、2回戦第三仕合で東洋電力が交代権を使用してユリウスに代わり飛王芳が若槻と戦う予定だったとのこと。
結局都合により展開が変わったため交代権は作中で一度も使われなかったが、当初の飛vs若槻のネームの一部は「ケンガンオメガ」での煉獄との対抗戦で一部再利用されているとのこと。
【アニメ版】
原作では司会のテンションが高い以外は派手さはないが、アニメでは入場シーンがカットされた若槻と室淵を除いた闘技者30名分の入場テーマ曲が個別に用意され、モニターやフィールドにデカデカと闘技者紹介VTRが流れるなどかなり凝った演出が施されており、「煉獄」並の派手さとなっている。
一方で仕合は若槻対室淵の仕合が大幅に簡略化されている他、理人対黒木、二階堂対桐生の仕合順が入れ替えられている。
また原作ではトーナメント1回戦は1日で全試合を行い、休息日を1日挟んで2回戦が行われていたが、アニメではA・BブロックとC・Dブロックをそれぞれ1日(計2日)かけて行われている他、東洋電力のクーデター関連がカットされているためか、蕪木浩二、串田凜、片原烈堂など一部のキャラが登場していない。
追記・修正はトーナメントで優勝してからお願いします。
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▷ コメント欄
- 表舞台で活躍する正統派な人から、裏の世界の強さを持つ人、英先生や千葉みたいなイロモノ枠 -- 名無しさん (2021-06-25 00:38:25)
- とかなりキャラクターのバランスが良かった印象 -- 名無しさん (2021-06-25 00:38:46)
- 煉獄との対抗戦の死者数が殺しOKの絶命トーナメント超えてんのホント笑う -- 名無しさん (2021-06-25 19:46:03)
- たまに思うんだけど、氷室や武本久安(二階堂に負けた人)、乾町三(目黒に負けた人)がトーナメントに出てたらどこまで進めてたんだろう。氷室は強豪闘技者扱いで武本は表の世界ではそれなりの強者だったらしいけど。 -- 名無しさん (2021-06-25 20:30:03)
- それぞれの緒戦がガオラン、刹那、ムテバと劇中屈指のチートキャラだし流石に勝ち上がりできるイメージは湧かないかなぁ……全員相性次第で何とか、って相手じゃないだろうし -- 名無しさん (2021-06-26 06:10:54)
- 作者曰く可能性があるというアギトと雷庵の優勝ルートが見てみたい -- 名無しさん (2022-08-30 23:10:59)
#comment(striction)
*2 2回戦第四仕合でガンダイが権利を使用しているが、そもそも関林とマーヴェラス・セキは同一人物で闘技者が入れ替わっているわけではないため、権利は使われていないこととなる。
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