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更新日:2024/05/16 Thu 12:53:04NEW!
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チェンソーマン ダークファンタジー チェーンソー 悪魔 週刊少年ジャンプ 集英社 デビルハンター ノーベル賞 グロテスク シリアスな笑い 漫画 鬱展開 mappa 少年ジャンプ+ ドロヘドロ シリアスな笑いの宝庫 22年秋アニメ アニメ 瀬古浩司 ポップ ダークヒーロー 魔人 永久機関 kick back 鬱展開の嵐 メンヘラ メンヘラづくし 悪魔をもって悪魔を制す コミカルな外道 傑作or問題作 黒い集英社 藤本タツキ 何も見たくねえ… 未来最高! 邪悪なフリクリ ポップなアバラ 中山竜 チェンソーの悪魔 コミカルな外道づくし
…これは契約だ
私の心臓をやる かわりに……
デンジの夢を私に見せてくれ
「チェンソーマン」とは週刊少年ジャンプで連載されている漫画。
作者は少年ジャンプ+で『ファイアパンチ』を連載していた藤本タツキ。
◆目次
◆概要
悪魔がはびこる世界を舞台に、悪魔に変身するデビルハンターとして活躍する少年・デンジの物語を描く。
舞台は1997年の日本だが、作中で年代が言及されるまではソ連がまだ健在なことからソ連崩壊前(1991年以前)だと言われていた。
「主人公が悪魔の力をもって悪魔を退治する」とだけ書けば勧善懲悪バトル漫画のように思えるが、その中身は死と狂気とブラックユーモアに満ち溢れている。
頭蓋骨を突き破ってチェーンソーが飛び出してくる主人公を筆頭に、四肢切断、内臓をぶちまける描写など、B級ホラー映画を思わせる安っぽいグロ描写・ホラー描写が特徴。
有名なB級映像作品をパロったような構図等もあり、その手の映画に触れた事のある人ならクスリと笑えるかも。
また、作品の随所に風刺めいた描写を頻繁に差し込んでくるため、「作品上では陰鬱なはずのシーンで読者だけが笑ってしまった」という罪作りな体験をさせてくる漫画でもある。
おバカで純真無垢とは言い難い煩悩まみれの主人公をはじめとする個性豊かな登場人物達や、大見開きでの迫力あるアクションシーンなどから人気は高く、「第5回次にくるマンガ大賞 2位」などの賞を受賞している。
第一部「公安編」は週刊少年ジャンプ2019年1号から2021年2号まで連載され、2022年7月からは少年ジャンプ+で第二部「学園編」が連載中。
第一部が最終回を迎えたと同時に、TVアニメ化も決定した。制作は『ドロヘドロ』『呪術廻戦』のMAPPA。スポンサーもMAPPAの100%独占出資。
2022年10月から12月まで放送された。
劇場版『チェンソーマン レゼ篇』の制作も決定している。
◆あらすじ
『ファイアパンチ』の鬼才、新時代を切り開くダークヒーロー漫画で週刊少年ジャンプに初登場!!
騙され借金まみれで、貧乏な生活を送っていた少年デンジ。
チェーンソーの悪魔のポチタと共にデビルハンターをしながらどうにか生きていたが、ある日残虐な悪魔に狙われてしまい...!?
(公式サイトより)
◆用語
- 悪魔
世界中に蔓延る超常存在。
個体差こそあれ殆どが人間に敵対的で、人間社会を脅かし続ける。殆どの悪魔は本能として人間に対しては嫌悪感や、殺人衝動を持っているらしい。
全ての悪魔は「○○の悪魔」という名前を持ち、動植物から人工物、概念的なものまで様々なモノを司る。
悪魔は人間の恐怖心を原動力にしており、自分が司るモノが人間に怖れられている程力を増す。さらに人間から直接恐怖を向けられれば向けられる程に強くなる。
また生物の血を飲むこと、あるいは強力な悪魔の一部を食らうことで自身の強化や傷の回復ができる。ただし、この回復力に関しても個体差によって変わってくる。
概ね異形の姿をしているが中には人間に近い容姿の悪魔も存在し、その容姿が人間に近ければ近いほどその悪魔は人間に友好的だという。
…ただし、あくまで本人の主観ではの話であり、必ずしもそれが人間にとって益にはならない。
- 魔人
人間の死体に取り付いた悪魔。容姿は人間に近い…というか首から下は完全に人間のものだが、角が生えている、目が4つある、脳みそがこぼれているなど、頭部に何かしらの特徴が現れるので、そこで判別可能。
一部の例外を除いて基本的に人格は悪魔のものであるため理性はピンキリ。死体の脳の状態によっては人間時代の記憶を部分的に保持してその影響を受ける個体もいるが、それでもあくまで人格は悪魔である。また戦闘力は悪魔の時に比べて弱くなるらしい。
悪魔の方が強い力を持つのに、何故わざわざ魔人という形態をとるのか不明であったが、「死にそうな悪魔が緊急避難的に手近な人間の死体に取り付いて生きながらえる」といった場合があるらしく、さらに外伝小説によるとその悪魔と同じような性質を持った人間に引き寄せられ、その死体に宿る場合も中にはあるらしい。
悪魔からは普通に同族と認識されており、人間側からも魔人も悪魔の一種としてカテゴライズされている。後、変な名前した奴らが多い。
- ????
人間の心臓に武器を司る悪魔が融合したことで誕生した、悪魔でも魔人でもない特異な存在。
なお、作中ではデンジ以前にも存在していた事が示唆されているが、都市伝説扱いされるレベルの知名度であり、あまりにも類例が少なすぎてこの存在に対する固有の名称やカテゴリーすらまだ与えられていない。なので読者間でも呼び方がまちまちである。
魔人とは違って人格も姿も人間そのものだが、各々特定の動作をすることで悪魔の姿に変身する。ちなみにデンジとポチタの場合は、悪魔であるポチタ側の意識や人格もしっかりとデンジの中に残っているが、他の該当する者達と融合した悪魔も同様なのかは不明。
悪魔の姿になると、各々が融合した悪魔の司るものを模した頭部になることが特徴で、まさに人間と悪魔が融合したような姿になる。
不死身の肉体を持ち、致命傷になろうが即死しようが、血が足りてさえいれば変身時の動作によって再生して蘇生する。さらに老化もしなくなる。
しかし、逆に血が不足していると変身が不完全となり、さらに消耗するとやがて変身ができなくなってしまう。また、変身動作が取れない場合は、普通の人間と変わりないので戦闘力は人並みである場合が多く(クァンシのように人間状態でも強い者もいるが)、さらに本人が死んで意識が無い場合は、当然ながら変身動作が取れないので、第三者が蘇生してくれない限りはそのまま死んだままである。
また、彼等も悪魔同様に心臓が急所であり格なので、心臓を抜き取られた場合は蘇生も再生もできず死に至る。
なお、彼らの血は悪魔達からすればとても不味いらしい。
ネタバレ
その正体は「人でも悪魔でも魔人でもない者達」。
……何の説明にもなっていないかもしれないが、つまるところ彼らの「名前」は本来の「チェンソーマン」に食べられたことでこの世界から消滅してしまったのである。
デンジ、サムライソード、レゼ、クァンシの4名以外に西洋剣、鞭、槍、火炎放射器の能力を持った人物の存在が確認されている。
また、「この存在の悪魔」がチェンソーマンに食べられてしまったにもかかわらず、何故か存在自体は消えることなくこの世界に残っている。
サブタイトルでは「武器人間」と称され、ファンの間でも同様に呼ばれている。この言葉が作中で使われたことはないが、これが食われた名前なのか便宜上の呼称なのかは定かでない。
- デビルハンター
悪魔を退治する職業。公安所属と民間の2種類に大別される。
公安は給与を初めとした福利厚生の待遇が非常によく人気のある職業だが、性質上殉職者や離職して民間に移る人間が後を絶たない。
殆どのデビルハンターは悪魔と「契約」を結ぶことで、何かしらの代償(寿命や身体の一部など)と引き替えに、悪魔の力を借りて戦う。ただし、下記する契約の代償の関係から、一人のデビルハンターが同時に契約できる悪魔は2~3体が上限らしい。
また、公安の実験的な部署である公安対魔特異4課には悪魔や魔人そのものが所属しており、同族である悪魔達と戦っている。
普通の人間では悪魔に対し多かれ少なかれ恐怖心を抱いてしまうため、恐怖を力に変える悪魔とは相性が悪い。
そのため、何を考えているか分からないような「頭のネジがぶっ飛んでいる」精神性を持つ人間こそが才能あるデビルハンターだといえる。
- 契約
人間と悪魔が結ぶ約束事。
内容や条件に制限はなく、契約と明言した上で内容についてお互いが合意しさえすればどんな内容であっても「契約した」とみなされる。
ただし、通常の約束とは異なって悪魔が使う契約という言葉には強い力が宿っており、内容を反故にしたり守れなかったりで不履行を起こした場合、破った方は問答無用で死ぬという重いペナルティがある。力で劣る人間が悪魔を使役できるのはこのペナルティのおかげ。
人間側から「人間の身体をやる、だから悪魔の力を使わせろ」という交渉をして、悪魔側が了承すれば成立するのが一般的だが、両者が合意した約束事であれば有利不利や内容は問われないため、ポチタとデンジの「お前を生き返らせてやるから、お前は夢を叶えて幸せになってくれ」のようなほのぼのとした漠然とした内容の契約や、アキと未来の悪魔の「おまえ気に入った!おまえが死ぬところ見るまで俺の未来予知能力使わせてやるよ!お代はいらないぜ!」のような人間にやたら有利な内容の契約が発生する事もある。
契約の代償の内容も悪魔が決めるもので、基本的にはより強力な悪魔の力を借りようとする程に要求される代償は重くなるのだが、上記のように悪魔側が比較的軽い代償で力を貸すパターンもあるので、結局この辺は悪魔側の匙加減次第である。ただし、流石に弱い悪魔が一方的に重い代償を要求するといったことは無理な模様。
契約もざっくりと分けると、「一度の契約と代償で永続的に力を貸す契約」と「その都度代償を要求して力を貸す契約」の2つのパターンの契約があり、前者の契約は代償は1度で済むものの比較的重い代償になり、後者の代償はその都度払わなければならない代わりに比較的軽い代償で済むという傾向がある。ただし、後者の契約の場合は力を貸していない間は実質フリーなので、悪魔側の機嫌を損ねると今後の契約を一方的に拒否されるリスクもある。嫌に人間臭い
契約の内容や期間は契約者間でマチマチで、同じ悪魔相手でも人によって代償や対価が異なりそれによって与えられる力が異なる場合がある*1。ちなみに悪魔同士での契約は不可能。そのために、悪魔の一種である魔人も悪魔との契約はできない。
相手を洗脳するタイプの能力を持った悪魔の中には、自身に有利な契約を一方的に結ばせたり、契約の代価として与えた力で契約者を変異させて操ったりする者もいるので、多くの契約は対等な内容とはとても言い難い。
- 地獄
死んだ悪魔達が蘇るという異世界。
その風景は長閑な花畑に空を埋め尽くす多種多様なデザインの扉という、一般的な地獄のイメージからかけ離れたあまりに異様な光景。
地獄で死んだ悪魔は人間世界へと転生し、人間世界で死んだ悪魔は地獄に再転生するという輪廻転生を繰り返している。つまり地獄と人間界を行ったり来たりするわけだが、記憶や人格は殆ど引き継がれることはないため、転生した悪魔は基本的には同じ能力を持っているだけの別人である。
ただし、作中には明らかに地獄での記憶を持ち越している悪魔も存在するため、中には記憶を保有したまま転生する悪魔も稀にいる模様。地獄の悪魔やプリンシの能力のように死以外の方法で両世界を行き来する方法も少なからずあるようである。
この地獄の世界には、まだ一度も死んだ事が無い「根源的恐怖の名を持つ悪魔達」が存在し、彼等は「超越者」と呼ばれ他の悪魔や魔人から恐れられながら、絶対の存在として地獄に君臨している。
なお、特異課所属の悪魔・魔人達は皆地獄で死ぬ瞬間チェンソーのエンジンを吹かす音を聞いたという。
◆登場人物
第一部
◇公安対魔特異課
CV:戸谷菊之介
本作の主人公。歳は16で年齢的には中学三年生。
幼い頃に母親が病死、父親が借金を残して自殺し、偶然出会った瀕死のポチタと契約を交わして、ヤクザ子飼いのデビルハンターとして生計を立てていた。
金がないために義務教育も受けられず、家はボロ倉庫、借金の形に臓器を売る、一日の食事は食パン一枚と、かなり悲惨な生活を送っており、「普通の生活をして普通に死ぬ」というささやかな夢を抱いてポチタと共に生きていた。
そんなある日、悪魔と契約した貸主のヤクザに、用済みとして殺されバラバラにされるが、夢の中でポチタと「自分の心臓を与える代わりにデンジの夢を見せて欲しい」という契約を交わし、ポチタが心臓となることで蘇生、チェンソーの悪魔に変身する力と不死身の身体を得て、悪魔らを皆殺しにした(因みにこの時欠損していた右目や臓器も再生している)。
その後は、マキマに拾われて公安対魔特異4課所属のデビルハンターとなり、人生で初めて優しく接してくれたマキマに恋心を募らせつつ「マキマさんの胸を揉ませてもらいたい」「マキマさんにエッチなことさせてもらいたい」「彼女になって欲しい」といった、年齢相応の不純極まりないがある意味健全な動機で戦う。
そして、さらにそのマキマと「銃の悪魔を倒せばなんでも一つ言うことを聞いてあげる」という約束したことで、以降は銃の悪魔の討伐を目標として活動をすることとなる。
表面上は「バカで単純」という主人公にはよくいるタイプに見えるのだが、決して純粋無垢等ではなく、バカ故かあるいは元々の素養故か、敵と読者の理解を置き去りにする滅茶苦茶な戦法や思考で戦うことが多い。少なくとも少年漫画ではあまり類例がないタイプの主人公である。
しかし、そういった常人の域を軽く超えた精神性こそ、岸辺等からは「デビルハンターに向いている」「銃野郎を倒せるかもしれない」と可能性を見出されている。
詳細は個別項目を参照。
CV:楠木ともり
公安退魔特異4課を取り仕切るリーダーであり、内閣官房長官直属のデビルハンター。
賛否両論の最も激しい本作の(一応)メインヒロイン。
基本的には優しい雰囲気だが、どこか神秘的な空気もまとったミステリアスな美女であり、デンジやアキからは好意を抱かれている。アキにとっては「恩人」になるらしい。
デンジを始めとする4課内の悪魔達にも寛容に接するが、使えなかったり逃げた場合は処分されることを遠回しに告げ、敵には一切容赦しない冷酷な部分も目立つ。
銃の悪魔討伐を目標として掲げているものの、予め知っていた4課への襲撃をわざと見逃した節がある等その行動には謎が多く、岸辺からは何か別の目的があると確信に近い疑惑を持たれており、完全に敵視されている。
また、その契約悪魔やデビルハンターとしての実力も謎であり、作中では生贄として囚人を使い、彼等に名前を呼ばせた相手を遠隔で捻り潰すという能力を見せた他、銃で全身を撃たれたにもかかわらず、何故か平然と生きているなど不死身と思しき描写もある。
彼女の契約悪魔や能力は一般のデビルハンターは知ることも許されておらず、彼女が能力を行使したり戦闘を行う場面では、必ず周囲のデビルハンターは目隠しをすることが義務付けられている。
詳細は個別項目を参照。
CV:坂田将吾
デンジの3年上の先輩である、チョンマゲのような髪型が特徴的な青年。狐の悪魔も認める公式イケメン。
デンジ及びパワーの監督役であり、有事の際は2人の殺処分も任されている。後に特異4課の事実上の副隊長の立場になる。
かつて両親と弟のタイヨウを銃の悪魔に目の前で殺されており、復讐のためにデビルハンターとなった。公安に入ったのは銃の悪魔の肉片を所持することが日本で唯一許可されているため*2。
そのような経歴から悪魔に対しては強い憎悪と敵意を抱いており、強くなるためには危険な代償も厭わない。一方で、仲間や後輩が死んだ時には影で人知れず泣いたりする等、仲間に対する情は非常に厚い。
その性格といい戦う動機といい、ファンからは「デンジよりも王道主人公っぽい」と言われることもしばしばある。
戦闘では、契約悪魔の他に主に刀を使って戦っており、小説版によると研修時代から刀を扱うのを最も得意としていたらしい。純粋な戦闘力は流石に人外組には及ばないものの人間組の中では高い方であり、特に未来の悪魔と契約して以降はサポート面でも高い能力を発揮している。
当初は、軽い性格でチンピラのような態度のデンジを軽蔑しており、下記するパワーについても悪魔ということもあって、いざという時は殺すとまで述べていたが、マキマとそういう行為をするために銃の悪魔を倒すと言い放ったデンジの気概に触れたり、義務教育すら受けていないデンジの境遇に衝撃を受けたり、デンジやパワーと同居するうちに、彼等をデビルハンターとして家族として認めるようになった。
というか、社会常識がほぼ皆無なデンジと野生児そのものなパワーに終始振り回される、本作屈指の苦労人ポジションである。
詳細は個別項目を参照。
- パワー
CV:ファイルーズあい
4課に所属する「血の魔人」。
見た目は角の生えた巨乳の美少女。実は胸パッド。
一人称は「ワシ」で老人のような口調で喋る。
性格は好戦的ながらも幼稚で我が儘。その上重度の虚言癖があり、日常会話では息を吐くように適当なことばかり喋る。
さらに自身が不利な立場になれば周りに責任を押しつけるし、人間に対して差別的な言動が目立つなど難が多い性格で、デンジ達とは度々トラブルを起こす。一方で、マキマのことだけは非常に怖れており、彼女に対しては従順で強い苦手意識を持っている模様。
人間のことは悪魔の本能で一方的に嫌っており、唯一の友達は猫の「ニャーコ」。
自身の血を武器に変えて戦う能力を持つ。普段は手首を切った血から生成するが、事前に血を容器に貯めてから操作することも可能。能力の応用で他者の血流も操作可能で、止血などの応急処置もこなせるが、自身の血を操るよりは難易度が高い模様。
弱点は、能力によって血を使いすぎると貧血を起こしてしまうこと。逆に血を獲得し過ぎると角が大きくなって力も強くなるのだが、強くなり過ぎると危険なために、定期的にマキマに「血抜き」をされているらしい。
強敵が相手だとすぐ逃げたり死んだフリをして戦闘には殆ど参加しないので、仲間内からはあまり戦力として期待されていない節がある。その癖格下が相手の場合は気高く勇ましく戦う。
ナルシストかつ自己中で虚言癖があり、人類差別主義者でおまけに戦闘ではほぼ役に立たないしウンコも流さないと、主人公サイドのキャラクターとはとても思えないが、読者からは絶大な人気を誇り人気投票では堂々の1位。ウンコを流さなくても差別主義者でも、人気さえあればヒロインになれるのがこの漫画である。
- ポチタ
デンジが一緒に暮らしていた悪魔。チェンソーの悪魔である。
外見はデフォルメされた四足動物のような姿をしたチェンソーで、本作のマスコットキャラ。
父親を失ったばかりの幼少期のデンジと死にかけていた時に出会い、デンジから血を貰う代わりに彼を助けるという契約を交わして、以降借金返済のためにヤクザ子飼いのデビルハンターとなったデンジの武器として共に戦う。
デンジとは単純な契約関係以上の絆で結ばれており、家族として苦楽を共にしてきた。デンジの前では「ワン」と鳴いて犬のように振る舞ってきたが、実際は人間や普通の悪魔と変わらない知性を有しており、言葉も喋ることができる。
悪魔としての能力は見た目通りのチェンソーであり、その刃は悪魔を容易く切断できる程の切れ味を持つ他、普通のチェンソーのように木の伐採も当然でき、デンジはそっちの仕事でもポチタを活用していた。ちなみにポチタを使う際は普通のチェンソーのように頭の取手を掴んで手で持って使い、尻尾がスターターになっている
第1話でデンジとともに致命傷を負うがデンジの血を飲んで復活。そしてデンジの心臓と融合して精神世界の中で「私の心臓をやる代わりにデンジの夢を見せてくれ」という契約を交わし、デンジを蘇生させた。それによってデンジはチェンソーの悪魔に変身できる能力と、不死身の身体を手に入れた。
ちなみにポチタ自身は死んではいないらしく、デンジの心臓となっているもののしっかりと人格も意識も残っており、時折デンジの夢の中や精神世界などに現れて会話をすることもある。
しかし、デンジがチェンソーマンになって以降、その心臓=ポチタを狙う刺客が続々と現れたり、逆にビームのようにポチタを信奉する魔人が現れたりと、ポチタ自身も非常に謎が多い。
また、何故かデンジの精神世界にある扉を守っており、夢の中でデンジに「絶対に開けてはいけない」と告げるが…
- 姫野
CV:伊瀬茉莉也
アキの先輩にしてバディである右目の眼帯が特徴の女性。
明るい性格で誰にも別け隔てなく接する。また酔っ払うとキス魔になる。その一方で、これまで死んでいったバディの墓参りに欠かさず来ているなど、内心は情に厚く繊細な部分もある。その二面性故に「外面サックリ内面ドロドロの銀だこ女」と呼ばれている
ちなみにアキにタバコを教え、ピアスを開けさせたのはこの女である。
元々は、アキ同様に銃の悪魔への復讐のために公安に来たようだが、多くのバディを失い憔悴していたところで、師匠の岸辺に紹介される形でアキと出会う。
以降、数年に渡ってアキと共に活動し、彼の優しさに触れてやがて好意を抱くようになるが、一方で、アキを失うことに強い恐怖を抱くようになり、アキを辞めさせようと度々民間に誘っていた。
デビルハンターとしては、かなりの実力と実績があるらしく、下記する悪魔の力でその辺の雑魚悪魔なら瞬殺できる。一方で、身体能力は人並みで特筆して高い訳ではない。
永遠の悪魔に閉じ込められた際も、最も冷静さを保っており経験値の高さが窺えた(アキが刺されたことで一気に錯乱状態になったが)。アキと共に民間からかなりの好条件で引き抜きの声がかかったりと、業界内ではかなりその実力を認められていたらしい。
永遠の悪魔を倒したデンジにご褒美として、ディープキスと同時にゲロをプレゼント。
デンジにトラウマを刻み込んだ。
悪魔の力、およびネタバレ
- 幽霊の悪魔
姫野が契約している悪魔で、通称「ゴースト」。
一見笑顔のように見えて目と口を縫われた女性の首が花畑のような花の塊から生えており、そのの下からは足代わりの無数の腕が伸びるというグロテスクな姿の悪魔。
見た目の通り目が見えないが、代わりに相手の恐怖心を視ることで敵を認識できる。
右腕は強大な膂力を持ち、不可視の上触ることもできない。強力な能力な分代償も大きく、姫野は右目を差し出した代わりに幽霊の悪魔の腕を一本操れる。
ただし、彼女(?)が自分より強いと敵を認識した場合、「怖い」と言い張って腕を貸してくれない事もある。さらに弱点としては使えるのが腕一本だけなので、質量の大きい敵や同時に多数の敵を相手するのは物理的に限界がある。
ゲロキスの翌日にサムライソードの襲撃を受け、アキを守るために自身の全てを差し出す契約で幽霊の悪魔の全身を用いる。自らの命を賭した攻撃によってサムライソードは形勢を崩すが、沢渡が操る蛇の悪魔の奇襲によって倒されてしまう。
その後、幽霊の悪魔は沢渡に操られるも、その中には幽霊が奪った姫野の遺志がまだ残っていたらしく、姫野がアキから預かっていたものを彼に返した。そして幽霊の悪魔の弱点を思い出したアキによって幽霊は首を落とされ、その中に残った姫野の最後の遺志──彼女の幽霊も完全に消滅した。
- 荒井ヒロカズ
CV:八代拓
4課の新人の一人。狐の悪魔と契約している。戦闘描写はないが容姿が普通なので、おそらく貸し出されているのは足のみである。
生真面目な性格であり、やる気はある反面トラブルに弱いところがある。
当初は悪魔であるデンジには難色を示していたが(姫野を巡る対抗心もあった)、永遠の悪魔との戦闘後開催された飲み会では、ゲロキスかまされて嘔吐しているデンジを介抱する優しい面を見せ、そこで普通の少年のような言動をするデンジに安堵したような様子を見せていた。
しかし、コベニと聞き込みをしている最中、サムライソードの刺客(老女)に撃たれて死亡した。
- 東山コベニ
CV:高橋花林
4課の新人の一人。契約している悪魔は不明。
貧乏な家庭出身で、優秀な兄を大学に行かせるために、自身も大学に行きたかったにもかかわらず、親にデビルハンターか風俗働きかの2択を強要された不憫な子。
他にも、ソフトクリームを人生で2回しか食べたことが無いと語るなど、家庭事情に多大な問題を抱えている。
そんな事情もあってか現場では常にビクビクしており、荒井以上にトラブルに弱い。メンタルも弱く、永遠の悪魔に追い詰められた時には真っ先に錯乱し、出刃包丁を持ち出してデンジを殺そうとした。なお、この後の戦いでも武器にしている事から、狂気の演出とかではなく日頃から包丁をメインウエポンにしている様子。もうちょっとましな武器ないの?
しかし、伊達に4課に引き入れられた訳ではなく、いざ戦闘になると悪魔の力も見せずにサムライソードと沢渡アカネを肉弾戦で圧倒するなど、戦闘力はとても高い。姫野からも「コベニちゃんはかなり動ける」と評されている。
特筆すべきはその身軽さで、
- 目の前に突然出現した悪魔の攻撃を容易くかわす
- 拳銃を向けられても包丁で相手の手首を切り落として奪い取るあるいは転がっていたデンジの死体を盾にして防ぐ
- 後ろ向きのまま相手を見ることなく拳銃も銃弾を全弾急所に撃ち込む
- 本人に気取られもせず沢渡を背後から近づいて殺しかける(というかアキに止められなければ実行していた)
など人間キャラの中では随一の身体能力や戦闘センスを見せる。
暴力しか仕掛けてこない悪魔には滅法強い反面、メンタルが弱すぎるので精神攻撃を仕掛けるタイプの悪魔には、滅法弱いというかなりピーキーなスペックである。なお、人気投票では自分の愛車に負けた。
- 黒瀬ユウタロウ/天童ミチコ
CV:河西健吾(黒瀬)/上田瞳(天童)
京都公安のデビルハンター。バディ同士でプライベートでも付き合いがあったらしい。
サムライソードらによる襲撃を受けて、東京公安の人間組相手のキャリア相談のために東京を訪れ、公安に残る意思を示したアキに新たに未来の悪魔との契約を斡旋した。
元々は、彼等も銃の悪魔への復讐心から公安に来たようだが、既にその気概は無くしており、襲撃事件があった東京公安からはなるべく早く離れようとするなどメンタルは普通。
そのため、特に黒瀬は当初は銃の悪魔討伐をあくまで目指すアキに反感を抱いていたが、彼の覚悟に触れたことでアキを応援すること決め、別れ際には「公安にはまともな奴はいないから気を付けろ」という忠告を改めてアキに贈った。
その後、世界各国の刺客からのデンジの護衛に際して、上司であるスバルと共に東京へ向かった。
悪魔の力
- 罰の悪魔
二人が共に契約する悪魔。
詳細は不明。
- 岸辺
CV:津田健次郎
公安対魔特異1課所属のデビルハンターであり、アキや姫野の師匠。左頬の縫い跡が特徴の壮年の男性。後に再編成された特異4課の隊長に就任する。
本人は「最強のデビルハンター」を自称しており、実際悪魔の力を使っていないにもかかわらず、デンジとパワー二人を軽く圧倒する力を持つ。
常に無表情だが、デンジ達を玩具呼ばわりするなど過激な言動が多い。
デンジとパワーの指導員として招聘され、2人に超スパルタ特訓をつける。不死のチェンソーマンと半不死の魔人相手という事もあり致命傷に至るような攻撃(というかデンジの場合は本当に何度も死んでいる)も全く躊躇なく行う程。
実際の所、死んだ弟子達の墓参りを欠かさなかったり、玩具扱いするのは情が移らないようにするためだったりと過激な言動とは裏腹に本質的には優しい人間である。姫野や死んだ弟子達のことを「まとも」と指摘していたが、そう言いながら彼自身も死んだ弟子一人一人の名前をアルコールでやられた頭でもしっかりと覚えているなど、本質的には似た者師弟である。
マキマの正体を知る人間で、彼女には何か別の目的があると疑っており、元バディのクァンシと再会した際には、「協力してマキマを殺さないか」と持ちかけていた。
因みに若かりし頃は中々精悍な顔立ちをしたイケメン。
結構なプレイボーイだったようで、バディとなったクァンシに惚れ事ある毎に口説いていたが、最終的にクァンシがレズビアンだった事から失恋し続けた。
悪魔の力
- 爪の悪魔
- ナイフの悪魔
- 針の悪魔
岸辺が契約している悪魔達。姿や能力はいずれも不明だが、ピンツイ曰く物騒な悪魔ばかり。
ピンツイの見立てでは、もう悪魔に支払う代償が残ってない程に、身体の中身がスカスカな状態らしい。
- ビーム
CV:花江夏樹
4課所属の「サメの魔人」。
普段は額からサメのヒレが飛び出した男の姿をしているが、魔人でありながら短時間なら悪魔の姿になることも可能で、悪魔の姿は六つ目で足の生えた巨大なサメ。
地面や壁を水のように泳ぎ回ることが可能で、戦闘では頭部を悪魔の状態に変えて敵に食らいつく。
あまり知能は高くなく喋りは片言で、非常に凶暴で戦闘では敵味方関係なく食らいつこうとする危険な面があり、公安所属の人外組の中では取り分け制御ができておらず、そのせいか特定の人間のバディとなる事はなかった様子。
その一方で、地獄にいた頃の記憶が残っている稀有な個体であるらしく、チェンソーの悪魔を信奉しており、ポチタの心臓を持つデンジを「チェンソー様」と呼び慕い、デンジの言うことは素直に聞く忠臣。
ポチタの過去や銃の悪魔とその仲間達の内情にも詳しいようだが、マキマとの約束で口にすることはできない。マキマのことは「マキマ様」と呼んでいる。
- ガルガリ
CV:内田夕夜
4課所属の「暴力の魔人」。
ガスマスクとペストマスクを合わせた薄緑色の仮面を付けた長身の男性。
この仮面からは常に毒が出ており、魔人になっても強すぎる彼の力を制御している。
戦闘では主に蹴り技を主体としており、手足の筋肉を肥大化させることで膂力を底上げすることが可能。
その「暴力」という物騒な名に反してとても友好的な性格をしており、アキをして「初めて悪魔とダチになりたいと思った」と言わしめる程。
その理由は、魔人としては珍しく取り付いた死体の記憶が色濃く残っていてその影響を受けているからしく、人格は普通に人間寄りになっている。本人曰く「暴力なんて好きじゃないぜ」との事で、下手すればパワーより理性はしっかりとしている。
素顔は目が4つあり、マスクを外して素顔を出すと理性を失い上半身の筋肉が膨張し、叫び声と共に文字通りの「暴力」を敵へと振るう。
この素顔は荒井のものに酷似している。彼と入れ替わりで登場したこと、アニメOPの集合シーンでも荒井と並ばないこと、コベニへの態度などから彼は荒井の死体から作った魔人だという説があるが…
- プリンシ
CV:後藤沙緒里
4課所属の「蜘蛛の悪魔」。
顔を真っ二つに分けるファスナーの付いた女性の上半身と蜘蛛のような下半身を持つ。
戦闘ではこの脚を敵に突き刺して攻撃する他、ファスナーを介して遠隔地や別世界にいる味方すら呼び寄せることができる。
人間に近い容姿の悪魔なため比較的人間には友好的とのことだが、悪魔故に癇癪で人を殺すこともあるらしい。丁寧な物腰だが会話時には全く口を開けておらず、ずっとしかめ気味の無表情なためにどこか不気味である。
実はマキマの側近であり、ビーム同様にマキマのことは「マキマ様」と呼んでいる。ビームとは違って最初から明確にマキマの指示で陰で動いていた模様。
- エンジェル
CV:内田真礼
4課所属の「天使の悪魔」。
その名の通り天使の羽根と輪っかを浮かべた中性的な美青年。ちなみに左利きである。
実力は岸辺に次ぐNo.2との事で、登場後はアキのバディとして活動する事になる。
人に直接触れることで、その人の寿命を吸い上げ武器に変換する力を持つ。彼が生み出した武器はそれぞれが特殊な力を持ち、より多くの寿命を使う程に強力な武器になる。呪いの悪魔の釘刀を没収されて以降、アキが使っている刀も彼が造った物。
「働くぐらいなら死んだ方がまし」という程の怠けたがりで、やたら「死にたい」と公言する。そのメンタルからNo.2とされる程の実力をあまり活かしきれていない。
本人曰く『天使である前に悪魔』であり、人間に対しては「苦しんで死ぬべき生き物」と述べる。
しかし、作中の行動を見る限り人間嫌いではなく、死にゆく者に同情し慈悲的な目で見たり、自分のために寿命の少ないアキが触れないよう死のうとしたりした。
実際の所は、過去に住んでいた村の住民全てを意図せずして殺してしまった事がトラウマになっており、それ以降人間を遠ざけるようにしている様子。
怠け癖も自分の能力を嫌っている故と考えられる(彼が働く=人が死ぬため)。
- 日下部/玉置
宮城公安対魔2課のデビルハンター(バディ同士)。
対人護衛のプロであり、マキマの要請でデンジの護衛を主導した。
悪魔の力
- 石の悪魔
日下部の契約する悪魔。外見は典型的なガーゴイル。
日下部らに陣の上から対象に息を吹きかける事で石化させる能力を貸す。
ただし、陣の上にいないと使用できないため、待ち伏せできない状況や多人数の相手は不得手。
石の悪魔は気まぐれらしく、たとえ味方でも陣の近くにいると巻き込まれて石にされてしまう危険がある。
- 吉田ヒロフミ
民間のデビルハンターながら、マキマから名指しでデンジ護衛に召喚された。
本人自称は三流だがハンターとしての実力は非常に高く、体術でもクァンシの体術に拮抗できるほど。マキマの盗聴能力を熟知しており、ポジションとしてはマキマの信者ではなく岸辺寄りの中立ポジション。
ちなみに外見が若い頃の岸辺と酷似しており、作中で岸辺と親しげに話していた事から、岸辺の親戚ではないかと考察されている。
そのイケメン具合と絶妙な雰囲気から、読者間では「DVとかしてそう」「女殴ってそう」「ヒロフミの女」といったあんまりな風評被害がネットミームとして流行している。実際クァンシを殴ったが。クァンシ様を女と言っていいのかはともかく…
実はこれでも高校生であり、受験勉強を控えているとの事。
第二部では、ある組織に所属しており、チェンソーマンとして活動するデンジを監視するためにアサと同じ高校に転校してきた。
悪魔の力
- 蛸の悪魔
吉田が契約している悪魔。
巨大な蛸足を出現させる事で近接格闘の補助をさせたり、墨を噴き出して牽制に利用したりする。
自律して活動でき、自主的にヒロフミの戦闘サポートを行うなどヒロフミへの好感度は高い様子。
防御も索敵もこなせたりと多岐に渡り利便性の高い能力を持つ。
性別は雌ではないかと推測されており(吸盤が綺麗に並んでおりこれは雌蛸の特徴)、そのために読者間では吉田ヒロフミのファンの自称として「メスダコ」がミームとして流行している。
- 中村
デンジを狙う刺客に対処するため、デパートに配置されていたデビルハンターの一人。
狐の悪魔と契約しており、足の使用だけを許されている。人形の悪魔の人形達を退ける活躍を見せるも、直後に襲来するクァンシの猛スピードには対処できず首を落とされてしまう。
作中での扱いはただのモブAなのだが、作中キャラ達からも「誰だお前?」と言われるモブっぷりがファンの間でネタにされ、一部で根強い人気を獲得している。
要はサイコロステーキ先輩枠である。
第二部
- 三鷹アサ
第二部「学園編」の(実質的)主人公。
デンジが通う第四東高等学校の生徒で典型的なぼっち少女。
幼少期に両親を悪魔に殺された関係で悪魔を嫌っており、英雄視されるチェンソーマンも嫌っている。
作中基準で見ても美人なようで、本人も容姿には自信があるような発言が見られる。が、他者とのコミュニケーションを交わしてきていなかった影響からか絶望的なまでに協調性に欠け、空気の読めない言動が目立つ残念な美人。
本人も気にしており、不器用ながらも歩み寄ろうとしているがどうにも上手く行っていない。
「正義の悪魔」と契約した委員長の策略でクラスに馴染んだ鶏の悪魔(コケピー)を死なせてしまい、更に委員長に直接襲撃され瀕死の重傷を負ったところを戦争の悪魔に助けられ、身体を共有することになる。
悪魔の力
死体に悪魔が憑依した状態だが一般的な魔人と異なり人間の人格は残っており、銃の魔人等とも違い悪魔側の人格も残っているため、これまでにない形態である。
デンジ達通称武器人間とも異なる存在であり、憑依した悪魔が意図的に人格を残している事から、明言は無いが特殊な魔人と考えられる。
- 戦争の悪魔
アサの身体を乗っ取った悪魔。後にヨルと名乗るようになる。
力を使う際にはアサの身体を乗っ取り顔に傷のある姿で魔人化する。
なお、身体を乗っ取っていない時は上記の姿をした「幻」としてアサとしか会話ができない(「幻」として登場する際は、普段のアサと異なり髪を結んでいない姿となる)。
アサを乗っ取る前はヨタカに似たキモカワイイ不気味な姿だった。
かつてチェンソーマンに敗北して、彼に喰われた事で力の大部分を失う。さらにチェンソーマンに「第2次世界大戦」や「核兵器」も喰われて消滅したことから、チェンソーマン世界では最早人間同士の戦争自体が過去の概念になりつつあり、その影響もあってその辺の雑魚悪魔と変わらないレベルまで弱体化している。
現在は、チェンソーマンを倒して核兵器を生み出し、かつての力を取り戻すことを目的としている。
「所有物」と認識した物体・生物を「武器」に変える能力を持つ。生物の場合は「アサに好意を持つ者」が「所有物」の基準で、劇中ではアサを内心狙っていた田中先生を「田中脊髄剣」に、田中脊髄剣で切断した委員長の腕を手榴弾に仕立て上げ委員長を倒した。
また、「武器」の強さは契約者たるアサが対象に抱く罪悪感に比例するらしい。
一度能力を発動すると高い攻撃力を行使できるが、その条件が特殊な上にアサが怯えていると身体を乗っ取れないのが欠点(能力はアサも使うことが出来るが、魔人化していないこともあって格闘能力がほぼ皆無なために武器の威力に依存することになる)。
性格は尊大だが、内心アサを気遣ったり、「馬鹿」呼ばわりされるとムキになって否定するなど人間臭い面も多い。読者からは「パワー2号」と呼ばれている。
- ユウコ
アサの同級生で、デビルハンター部の入部試験時に知り合う。
復活したコウモリの悪魔に襲われた際アサによって庇われ、
やがてコケピーを死なせた件でいじめられたアサに靴を貸すなど交流を深める。
アサにとっては初めての友達といえる存在となったが……。
- キガ
デビルハンター部に所属する謎の少女。マキマやヨルと同じ瞳の模様を持つ。
ヨルを「妹」と呼ぶ、悪魔を生き返らせるなど得体の知れない行動を取る。
※その正体
デンジをデートと称し誘き出し武器として利用しようとしてつまらない話で作戦を大失敗させていたアサの前に現れ、「飢餓の悪魔」を名乗る。
「キガちゃんって呼んで」と自分から言いだす等、言動の掴みどころのなさは相変わらず。
一部読者からは、「戦争の悪魔」であるヨルの姉であると称していたことや上記の特徴的な瞳の件より、第一部でマキマから示唆された『ヨハネの黙示録』に登場する「黙示録の四騎士」になぞらえた四姉妹、「戦争」「支配(=マキマ/ナユタ)」以外の2つである「飢餓」「死」のどちらかの悪魔であると予想されていたが、前者であった。
- 伊勢海ハルカ
デビルハンター部部長兼生徒会長。
胸にはなぜかデンジと同じようなスターターロープが生えている……のだが、実は手術で取り付けたもの。
- 亜国セイギ
学生帽を被った大柄な青年。武器はメリケンサック。
ある悪魔との戦闘で右目を負傷し、以降は眼帯を着けている。
- 東山ノバナ
髪に大量のヘアピンをした小柄な少年。
コベニそっくりの顔立ちと態度で、弟もしくは近親者と見られている。
- ナユタ
デンジと同居している悪魔の少女。
鎖のような発射して生物を思うままに操る能力を持つ。
※ネタバレ
その正体は第一部で倒されたマキマ(=支配の悪魔)が転生した姿。前世と違いデンジのことを純粋に慕っているが、裏でキガと繋がっているなど不審な部分もある。
- 三船フミコ
吉田がデンジの護衛として寄越した長髪の女。デンジのことを「先輩」と呼び性的に誘う。そのため名前が明かされる前は「チン子」と呼ばれていた。
正体は公安対魔特異7課所属のデビルハンターでデンジより年上の22歳。
- 釘の魔人 (仮)
公安対魔特異7課所属の魔人で、脳が露出した中性的な男。ハンマーが武器のほか、その名の通り釘を射出して戦う。
かなり気分屋な性格のようで、チェンソーマン教会の学生に優しく接したかと思いきや、
敬語を使わないとキレて撲殺したりする。
- ギロチン
キガが使役する「ギロチンの悪魔」。鳥人間のような風貌だが、胴体は骸骨という独特の外見を持ち「ギョニー!」と鳴く。
不可視の斬撃を見舞い、一瞬で大量の敵の武器と服を破壊する高い戦闘能力を見せるが、
「皆殺しにして」という指示を無視するなど言うことは聞かない(どうやら本来の力を発揮できていないとのこと)。
◇主な敵対者
第一部
- ゾンビの悪魔
CV:宮田幸季
デンジを雇っていたヤクザが契約した、トルソーのような悪魔。
自身の契約者を自身の力でゾンビに変えて完全に支配する事が可能で、さらにゾンビに噛まれた者もまたゾンビになるので際限なく手駒を増やせる。
ちなみに一般的に悪魔の能力はその悪魔が死ねば消えるのだが、ゾンビにされた人間は当然ながらもう死んでいるため、彼が生み出したゾンビは彼自身が死んだ後も元に戻らず存在し続ける。後に登場した人形の悪魔などを見ても、どうやら悪魔の力で完全に変異させられた人間は悪魔の能力が切れてもそのままな模様。
デビルハンターを敵視してそのためにヤクザ達と契約し、彼等の子飼いのデビルハンターだったデンジをゾンビに変異させたヤクザ達を使って殺すも、チェンソーの悪魔として蘇生したデンジに配下のゾンビ諸共倒された。
ただし、ゾンビには借金を返済できなかった債務者で作った生き残り生きてないけどがおり、ゾンビに噛まれた人間をゾンビ化させる特性を利用して増やしたゾンビ軍団は、後にサムライソード一派によって活用される。
※ネタバレ
終盤復活したパワーに対抗すべく、マキマの手駒の悪魔の一体として再登場。
ゾンビの悪魔自身は第1話で死んでいるのだが、マキマがその力を利用する場面で具現化されて召喚され(マキマは一度支配下に置いた悪魔は、死んだ後もその悪魔の姿を具現化させて力を操る事ができ、作中では他にも天使など複数の既に死んでいる悪魔の姿が召喚されていた)。持ち前のゾンビ化能力で公安職員をゾンビに変えてゾンビの軍勢を生み出し、マキマをそれを自身の兵士として操っていた。
デンジとの決戦でも墓場というフィールドを利用して、死体をゾンビに変え軍勢を作り上げている。
これらの描写から、ゾンビの悪魔は最初からマキマの支配下の悪魔だったと見てまず間違いなく、第1話でヤクザ達と契約してデンジを襲ったのも、マキマの差し金だと考えるのが自然である(マキマ自身も第1話では「ゾンビの悪魔を倒しに来た」と発言しており、ここからもマッチポンプだったことが窺える)。おそらくマキマとしては第1話でデンジを殺害してポチタを奪うつもりだったのだが、デンジとポチタが契約してデンジがチェンソーの悪魔となったことから、計画を変更せざるを得なくなったのだろう。
- 銃の悪魔
全世界のデビルハンター達が「銃野郎」と憎んで追い続ける作中最強だと思われる悪魔。
世界中で銃を用いたテロが多発し銃が怖れられるようになった13年前のアメリカに突如出現し、世界各地を超高速で飛び回り、たった5分で120万もの人々を殺戮した。後に姿を消して現在は消息不明である。
その姿形は明らかになっていないが、高速移動した際に摩擦で身体の一部が焼け落ちて、弾丸のような外見の肉片を世界中に無数に飛散している。
この肉片には「元の銃の悪魔に戻ろうとする性質」があり、肉片同士を集結させることでより強く回帰しようとする。公安では肉片を集めてその特性を利用して本体の居場所を特定しようとしている。
作中世界ではこの悪魔の力を弱めるべく、各国で悪魔に関する報道管制だけでなく世界的な銃規制と無断での銃所持の厳罰化をしている。
また、この悪魔の影響で悪魔そのものへの恐怖が高まり、全ての悪魔の力が増加している他、さらに上記した肉片は取り込むことでどんな悪魔も力を増してしまう。
そして、アキを初めとしてこの悪魔に復讐するためにデビルハンターを志す者が世界的に増加するなど、作中世界に与えた影響はとても大きい。
現在は表には出ずにチェンソーの心臓を狙っており、沢渡を仲介に現金2万円と引き換えに銃を売ると言う契約でヤクザ達に大量の銃を流すなど、人間社会に根を張って暗躍しているようだが目的は不明。他にもボムなども銃の悪魔の仲間だと言われているが詳細は不明。
ちなみに当初は、この銃の悪魔が最強の悪魔の一角だと作中世界の多くの人間キャラや読者からも認識されていたが、実際はあくまで人間世界にいる認知されている悪魔の中ではという話であって、地獄には根源的恐怖の名を持つ超越者と呼ばれる銃の悪魔など比較にもならない程の力を持った上位の悪魔達が存在する。
さらに終盤には、支配の悪魔や完全体となった「全ての悪魔が最も恐れる悪魔」など銃の悪魔より遥かに強い悪魔達が普通に登場しており、悪魔全体のヒエラルキーの中では銃の悪魔ですら特筆して高い位置にいる訳ではない。
各国がこの悪魔を危険視し、狙っている様だが……?
実は物語開始以前に既に何者かに倒され拘束されている。13年前の段階でソ連軍が人類史上初めて目視で確認した時点で、何者かの攻撃で倒されて既に意識の無い状態で発見されており、現在は主要各国が回収した銃の悪魔の肉体をバラバラに分割して保有している。
現在の銃の悪魔は、意識の無い生きた肉塊にような状態であると思われ、アメリカが20%、ソ連が28%、中国11%、その他の国が4%を保有し、核兵器に変わる新たな抑止力として利用される存在に成り果てている。残りの37%分の身体が肉片となって世界中に飛散して各地の悪魔が保有している。
なお、各地で違法に出回っていた銃火器は全て製造禁止を宣言した国が密造したものを裏で流通させていただけで、銃の悪魔は一切関係ない。銃犯罪が未だ収まっていない理由も「銃の恐怖を得られば自分達が持つ銃の悪魔の力が強まる=他国に強く出られる」という国同士の思惑によるものである。沢渡が銃の悪魔と繋がっていると言う話も、当然ながら彼女の本当の背後関係を隠すための嘘であり、明言はされていないが彼女はおそらくソ連と繋がりを持つ工作員である。ちなみにレゼの方はビームが言っていたのはあくまでボムの話なので、全くの嘘でもないと思われる。
人類に危機を齎す最悪の悪魔は、最早この世界のシステムの一部として人間の都合によって永遠に生かされ続け、滅ぼすことは不可能となっている。
公安が掲げていた「銃の悪魔討伐作戦」の正体も銃の悪魔の肉の争奪戦で、その内情は日本から他国への侵略作戦である。つまりアキを初めとした世界中のデビルハンター達が目指す「銃の悪魔討伐」などとうの昔に終わっており、彼等は全く無意味な一人相撲をしていたに過ぎなかった。
劇中では、マキマ抹殺のために米大統領が電話で、アメリカ全国民の寿命1年分を捧げる代わりにマキマを殺すという契約を行ったことで顕現する。
その見た目は、絡まった弾帯の下半身に無数の銃で形作られた両腕と翼を持ち、自動拳銃を模した意匠のある髑髏頭の異形の怪物で、胸元から腹にかけて苦悶や哀しみや恐怖、驚きの表情を浮かべた夥しい数の人間の生首が並んだ悍ましい姿をしている*3。
他の悪魔とは違って明確な人格や知性のようなものは確認できず、作中ではただ大統領との契約に従って殺戮を行いながらマキマに向かって直進するのみであり、一応は生物でありながらひたすら無機質で、その有り様は悪魔と言うよりは最早ただの兵器である。
発動させた能力は「一定範囲内にいる『指定した条件*4』を満たした対象の脳や心臓に銃弾を撃ち込み殺害する」ことで、召喚された瞬間に、周囲1500m以内の男性や子供の頭を瞬時に撃ち抜き、マキマがいる地点に向けて移動する際にも周囲の建造物を無差別に破壊しながら周囲1km以内の生物の心臓に風穴を開けながら駆け抜けていくという凄まじい暴れっぷりを見せ、彼によって殺害された沢山の犠牲者の名が淡々と読み上げられるモノローグも手伝い、当時は先に上位の存在である闇の悪魔が登場したことや、13年前にとっくに倒されて利用されていた事実が明らかになったことで銃の悪魔に対する評価が下がりつつあった読者に圧倒的な恐怖とトラウマを刻み込んだ。*5
しかし、そのいずれの攻撃もマキマには一切通用せず、逆にマキマが事前に支配していた悪魔の力を合わせた極大の一撃で、あえなく返り討ちにされてしまった。先程まであれ程圧倒的な力で大量虐殺を行っていた銃の悪魔が、あっさりと返り討ちにされてしまったことも多くの読者に違う意味で衝撃を与えることになった。
- 永遠の悪魔
CV:近藤浩徳、駒谷昌男、斉藤こず恵、篠原侑
都内のホテルに現れた悪魔で、銃の悪魔の肉片を取り込んでいる。
地獄にいた頃の記憶をそのまま保有しているらしい稀有な悪魔で、生前はチェンソーの悪魔に殺害されたらしく、チェンソーの悪魔の心臓を狙っている。
最初は人間の生首のような小さな姿で現れ、パワーにあえて瞬殺されて見せるも、閉じ込められて恐怖に取り憑かれたコベニ達の恐怖心を取り込み、無秩序に肥大化し続ける巨大な肉塊のような姿に変貌し、無数の頭と口で無数の声で喋るようになる。しかも、この肉体には永遠の悪魔の急所である心臓はなく、心臓は別の場所に分離して守っている。
チェンソーの悪魔の力は警戒しており、デビルハンター達を追い詰めてフロアからの開放と引き替えに彼等にデンジを殺すよう契約を持ちかけるなど、非常に狡猾な悪魔である。
限定的ながら時空間を操る力を持ち、デンジ達をホテルの8階フロアに閉じ込めた(なお支配領域のフロア内では時間も流れない)。エンドレス8階(直球)。
空間を隔絶することで外部から悪魔を召喚することを不可能にしている上に、どんな攻撃を受けても本体は空間の外にいるため滅ぼすことはできない。
しかも他の悪魔とは違って、血の補給無しでも肉体を無制限に再生でき、実質不死身の存在である。ただし、これについては銃の悪魔の肉片で強化された結果であるらしく、第二部に登場した転生した別個体はそこまでの生命力は持っていなかった。
しかし、姫野の攻撃に対する反応で痛覚自体は存在することに気づいたデンジによる「死にたくなるまで痛めつけて自殺させる」という、少年漫画の主人公とは思えない戦法によってひたすらに切り刻まれ続ける地獄を味わう。
そして、永遠の悪魔の肉を喰らって回復し永久機関を完成させたデンジによって、三日間切り刻まれた結果、最終的には心が折れて自ら心臓を差し出して死を望みデンジにトドメを刺された。
第二部では転生した別個体が登場。こちらは転生前と違い、無数の手に覆われた細見の巨人のような姿をしており、口も声も一つだけである。*6能力は殆ど同じだが肉片を持っていないので第一部の個体よりは弱体化している。
キガと協力してデンジやアサ達を自身の能力で水族館に閉じ込める。しかも今回はチェンソーの心臓が目的ではなかったので、本体は一切姿を見せずに潜伏してしまい、デンジをしてお手上げだと言わしめた。
しかし、アサが水族館で回収した100万円で水族館を買ったと自己認識をし、水族館自体を武器化したことで脱出されたばかりか、本体を水族館から引きはがされて排出される。
そして、動揺しながら戦闘をしようとするも、吉田の蛸によって腕を千切られ、ヨルに完成した水族館槍で心臓を貫かれてあっさりと倒された。
- サムライソード
CV:濱野大輝
沢渡と組んだヤクザ一派の若頭で、正体は1話に登場したデンジを雇っていたヤクザの孫。 ボリュームのあるモミアゲが特徴的な中年気味の青年。
サムライソードは公安に付けられた通称で本名は不明だが、他作品コラボやグッズ展開などでは「モミアゲマン」という直球過ぎる名前が良く用いられる。
祖父のことを敬愛しており、祖父を殺したデンジに恨みを抱いている。
しかし、祖父が行っていた人殺しや薬物の売買などの行為を「必要悪」として全肯定した上で、祖父を「み〜んなに好かれた江戸っ子気質のいい人だった」と述懐するなど、その本性はただの倫理観の歪んだ悪党*7。
自分のことは真っ当な価値観を持った人間として自認し、デンジのことを「人殺し」「人の心を失っている」などど宣うも、自身は目的のためなら民間人はおろか部下を殺す事も厭わない。
沢渡の手によって心臓を刀の悪魔の心臓と融合させられており、それによってデンジと同様に悪魔に変身することができる他、デンジ同様にどんな傷も再生して死んでも蘇生できる不死身性を有している。
作中では、デンジ達をラーメン店で襲撃する形で登場。
最初の銃撃でデンジを殺害し、姫野に重傷を負わせて、アキの召喚した狐の悪魔に飲み込まれるも、悪魔に変身することでその口から脱出する。そして呪いの悪魔の刀を使ったアキに一時は倒されるか、後から現れた沢渡に蘇生させられ、アキに居合で重傷を負わせる。
さらに姫野が完全顕現させた幽霊の悪魔に苦戦するも、こちらも沢渡のヘビの攻撃で逃れる。そして姫野が最期の力で蘇生したデンジと戦い、デンジを人質にされた部下ごと真っ二つにして倒す。
デンジを移送しようとするが、マキマの攻撃とコベニの奇襲で既に力を使い果たしていたこともあって瀕死に追い込まれ、沢渡によって回収されて撤退した。
その後は、自らのアジトで公安を迎え撃ち、再びデンジと交戦するも、最終的にはデンジの策に乗せられて居合を乱発した結果カウンターを食らい、真っ二つにされて敗北する。
そしてその後は拘束された状態で、デンジが開催した最強の大会の犠牲になった。
悪魔の力及び終盤のネタバレ
- 刀の悪魔
左手を鞘のように引き抜くことで変身する。
軍帽を被った皮膚むき出しの頭部に刀が突き刺さった、デンジにも劣らないインパクトある頭部が特徴。
両手から生えた刀を用いた居合が必殺技で、その速さは驚異的でデンジやアキも初見で躱すことができなかった程。さらにその刀は人間の胴体を容易く真っ二つにできる切れ味を持つ他、本来は物理的には干渉できない幽霊の悪魔のような悪魔も斬れる特性も持つ。
ただし、動きが直線的で読まれやすいという弱点があり、初戦ではデンジを圧倒したものの再戦時には受け止められ、あえて油断させて居合を誘うデンジの策に嵌った上で、前述した通りカウンターを決められてしまった。
その後は、警察に逮捕され消息は不明だったが、終盤になって再登場。
何とマキマの支配下に置かれて記憶操作された上で、公安対魔特異5課のメンバーになっていた。かつてのアキのように、マキマを恩人と称して慕い戦うその姿は、まるで改心した元敵キャラさながらであり、読者をこの漫画名物のシュールな笑いに誘った。
- 沢渡アカネ
CV:大地葉
元民間のデビルハンターの女性。
現在は詳細は不明だが銃の悪魔と裏で繋がっており、その契約を仲介して銃をばら撒いている。さらに何故かチェンソーの悪魔の心臓を狙っており、日本のヤクザ達に銃を流して上記のサムライソードを刀の悪魔の心臓と融合させて改造し特異課を襲撃させた。
さらに明言はされていないが、彼女達の拠点には大量の銃の悪魔の肉片も保管されており、永遠の悪魔を初めとした日本の悪魔達に肉片をばら撒いていたのは彼女達だった模様。
作中では、呪いの悪魔によって倒されたサムライソードを助ける形で登場。その後は姫野が完全顕現させた幽霊の悪魔をヘビの力で取り込んで援護し、一時はデンジの殺害に成功してその身体を運ぼうとする。
しかし、マキマの攻撃やコベニの強襲でデンジを奪還されてしまい、形勢不利を悟って逃走。
その後は、公安にアジトを突き止められたことを知った上で、デンジ奪取のために迎え撃つことを決め、潜入してきたアキに対して精神攻撃も狙って幽霊の悪魔を吐き出させて攻撃させるが、結果的にはそれが仇となって幽霊の悪魔に残っていた姫野の遺志や、姫野から聞かされていた幽霊の悪魔の弱点を突いたアキによって、動揺している間に倒されてしまう。
慌ててヘビで攻撃しようとするが、背後から忍び寄ったコベニによって拘束され敗北。連行中に口封じのために予め仕込んでいた契約が自動的に発動し、ヘビによって頭を食い千切られて死亡した。
悪魔の力及び終盤のネタバレ
- ヘビの悪魔
沢渡が契約している、人間の腕を絡めたような頭と鱗の無い胴体が特徴的な巨大な大蛇のような姿の悪魔。主に契約者の爪を代償に顕現させるが、使う技によって消費する爪の量や代償は変わってくる。
主にはその巨体を生かした物理攻撃を得意とするが、悪魔を飲み込んだり飲み込んだその悪魔を使役する力も持つ。この飲み込み攻撃は悪魔の存在自体を取り込むので、幽霊の悪魔のような物理的に干渉できない悪魔にも有効である。
ちなみに後に明かになった銃の悪魔の現状を見ても分かるが、彼女が銃の悪魔と繋がっているという話は彼女の真の背後関係を隠すための嘘であり、実際は彼女は国が密造した銃の販売を仲介する人間だった。
彼女の正確な背後関係やチェンソーの悪魔の心臓を求めていた理由は不明だが、銃の悪魔の名前を使って銃の密売を仲介していたことに加えて、肉片を大量に保有しサムライソードを生み出す技術を持っていたこと、さらにはその直後に動き出したレゼの存在等から、彼女もまたソ連と繋がりを持つ工作員だったのだろうとファンからは考察されている。
終盤に、マキマに操られる形でまさかの再登場を果たす。
首は元通り繋げられて、ご丁寧に公安の制服を着せられた姿で登場。作中では生前の契約悪魔のヘビの力を引き出すために利用され、アメリカが差し向けた銃の悪魔を倒す力の一部にされた。
この描写から元々その可能性は示唆されていたが、彼女自身も最初からマキマによって無自覚に操られており、序盤の公安襲撃事件自体がマキマによって仕組まれたマッチポンプだった可能性がより高まった。
- レゼ
CV:上田麗奈
カフェでバイトをしている美少女。紅い頬が特徴。
人懐っこい性格で、偶然出会ったデンジを気に入り、一緒に夜の学校や縁日に出かけたりと積極的にアプローチを仕掛けてく。
デンジも最初はいつもの調子でコロっと惚れてしまうも、一緒に接する次第に本当に好きになっていく。
その正体は、彼女もまたチェンソーの心臓を狙う刺客の一人にして、ビーム曰く「銃の悪魔の仲間」との事だが…
本来の彼女は、躊躇なく人殺しができる冷酷な性格で、デンジに近づいてからの言動も全て訓練によるもの。と語るが…?
デンジやサムライソード同様に悪魔に変身できる人間であり、心臓を爆弾の悪魔の心臓と融合させられており、通称ボムに変身する力を持つ。その火力でデンジや対魔2課のデビルハンター達を苦しめた。
最後は、デンジの奇策の前に相討ちとなり、デンジから共に逃げる事を提案されるもそれを一蹴しどこか遠い土地に身を隠そうとする。
しかし、脳裏にデンジの姿と言葉が浮かんだ彼女は、逃げる事を止めデンジの元に向かい……
悪魔の力及び終盤のネタバレ
- 爆弾の悪魔
首筋についたチョーカーのピンを引き抜くことで変身する。
落下弾を模した頭部を持ち、手足には導火線を纏い、ダイナマイトで出来たチャイナドレスのような服を身につけている。何故か変身の数話後からパンツを履いた。
自身の身体を自由に起爆させる能力を持ち、基本は触れている相手に零距離で起爆して攻撃する。
足下を起爆させての高速移動や、指を鳴らすことで火花を生み出し触れたものを起爆する力や、手足の導火線を絡めてロケットを生成しより強力な爆破や移動を行うなど、非常に多彩な力を持つ。
単純な身体能力も優れており、暴力の魔人の全力蹴りを軽く受け止めて彼から驚愕されている。
彼女の正体は、ソ連が養成した少女兵士兼工作員にして人と悪魔の融合実験のモルモットであり、沢渡が持っていたサムライソードを生み出した技術も彼女の実験データを流用したものではないかと考察されている。
彼女が銃の悪魔の仲間と言う話については、終盤に武器悪魔はかつて共にチェンソーの悪魔と戦ったことが明かされたので、ビームが言っていたのは爆弾の悪魔がかつて銃の悪魔の仲間だったという意味だったと思われる(実際に、ビームが言っていたのはあくまでボムの話であってレゼの話ではない)。
最終的には、デンジの元に辿り着く前に最初から全てを把握していたマキマによって追い詰められ、腕を切断されて変身を妨害され、最期は天使の槍によって心臓を貫かれて死亡した。
それで死亡したと思われていたが、終盤にてまさかの再登場を果たす。
公安対魔特異5課のメンバーとして登場し、サムライソードらと同様にマキマに支配されて記憶操作をされた結果、マキマを恩人として慕っている。
- 台風の悪魔
レゼを襲撃した殺し屋と契約していた悪魔。
元々レゼとは見知った間柄で詳細な関係性は不明だが、彼女の事は「レゼ様」と呼んで慕っている。どうやらレゼと同じ勢力に属している訳ではないようだが、契約者がレゼを襲った失態から当面の間はレゼに使役されることになった。
レゼなどと同様に彼もチェンソーの悪魔の心臓を狙っている。
外見は、頭の上半分がなく脳が剥き出しになった巨大な赤子に、膨大な数の腸が竜巻のように周囲を旋回する醜悪なもので、太く巨大な脚で二足歩行を行う。
高速旋回する腸を触手のように伸ばしたり、高速回転に巻き込む形で物質を粉砕するパワーファイターであり、周囲を嵐で包み暴風雨を引き起こす能力を持つ他、渦を巻いて回転する物体を介して姿を見せずとも会話を行える。
戦闘では、主にレゼをサポートする形で立ち振る舞うも、最終的には悪魔化したビームを乗りこなしたデンジによって、胴体を切り裂かれて倒された。
第二部でも転生した台風の悪魔と思しき悪魔が登場しているが、こちらは老人のような外見をしている。
- アメリカからの刺客
アメリカで殺し屋紛いの仕事を営むデビルハンターの三兄弟。次男の名はジョーイ、三男はアルド。
その界隈では比較的有名な兄弟だったのか、特異課にも素顔を知られていた。
銃の悪魔が自分達のいた家を通り過ぎて他の家族が家ごと吹き飛ばされたり、三人一緒に悪魔に食われたりしても生き残ったという幸運から「俺達は不死身」と自慢げに豪語しており、国からの200万ドルという破格の報酬の代わりにデンジの暗殺と確保を目論み来日。
京都公安対魔課の3人を、所持していた銃であっさりと射殺して姿を奪い、任務を遂行しようとした矢先に、不運が重なりあっという間に長男と次男が死亡。
ただし、彼らが生き残った時は「三人一緒に」災いに襲われていること、長男と次男が死んだのは三男から離れている時であること、三男だけはクァンシも人形の悪魔も地獄の悪魔も紙一重で回避して生存したことから、元々幸運なのは三男だけだったという解釈もできる。
現に三男は最後まで死にはせず退場した、のだが…
ある意味その末路は死んだ方がマシだったかもしれない。
悪魔の力
- 皮の悪魔
三兄弟が契約した悪魔。
触れた死体の姿をコピーして変身することができ、声色まで変えられるようだが方言などの細かい癖は契約者の努力で補わなければならない。
当然コピー対象が契約した悪魔もコピー不可能で、死ぬと変身が自動的に解除される。
アメリカと言えば、当然ながら皮膚の色による差別等が厳然と残り問題視されている国であり、その関係から生まれた悪魔ではないかと考察されている。
刺客編に登場した他の刺客達と比べて印象が薄いと言われがちだが、刺客編の刺客達の中でも最も暗殺に特化した能力を持っていたのは間違いなくこの三兄弟であり、実際に偶然が重なって長男が死ななければ普通にデンジの喉元にまで潜入されていたので、相当危険な兄弟だったことは疑いようもない。
さらに長男の偽装も、面識があったアキですら一切違和感を抱かないレベルであり、アサシンとしても高い技術を持っていた。
- ドイツのサンタクロース
デンジを狙ってドイツから来日したデビルハンター。
頭頂部のハゲた高齢の老人だが、岸辺やマキマがデンジを狙う刺客の中で最も危険視している存在。作中の台詞や小説版の描写から本編の数十年前から活動している古株のデビルハンターである模様。
暗殺の報酬として契約に使うために3人、趣味のために1人の計4人の美男美女を養子に迎える。そして人々を人形に変える能力を使って、デンジ達を追い詰めるが…
※ネタバレ
その正体はドイツのサンタクロースたる「精巧な人形」の一人。
彼自身も人形の悪魔の契約者であると同時に、人形の一人である。
サンタクロースの正体とはそもそも個ではなく、人形の悪魔の契約者とその力で人形になった者達と人形の悪魔自身の総称である。彼も彼が人形にした者達も全員含めて「サンタクロース」。
表向きは彼が「人形の悪魔の契約者・サンタクロース」として活動しており、外見年齢的にも一番最初に人形の悪魔と契約したサンタは、実際に彼だったのではないかと考察されている。
最終的には、養子として迎え入れた3人と自分自身の命を代償にして、地獄の悪魔の能力を発動して公安のメンバーを地獄に堕とした。
- トーリカ
容姿端麗な狩人の青年。雪山の奥地で師匠と共に生活していた。
冷徹で感情を出さず、人も動物も同じ様に殺すことが出来ると語るが、その言葉の裏には余命幾ばくもない師匠を引退させ穏やかに過ごさせてやりたいという優しい思いが隠れている青年。
デンジを呪い殺した際も罪悪感を抱いていたようだが……
※ネタバレ
彼の正体は、サンタクロースの趣味として育てられた人間の一人であり、サンタクロースの「精巧な人形」の候補者。
最終的には、サンタの一人である師匠によって人間しか抱かない思い=罪悪感を抱かされ、精巧な人形に作り変えられてサンタクロースの一人となった。
その後は、地獄の悪魔によってわざと地獄に一緒に堕とされた上で、闇の悪魔の元にデンジを契約通り届ける役割を担い、彼を通して闇の悪魔の肉片を師匠の元に送り届ける。
そして、闇の悪魔によって首をすっぽ抜かれるが、マキマによって操られて地獄の悪魔と再契約をさせられ、生き残った者達を人間界に戻す代償として己の全てを地獄の悪魔に捧げて消滅した。
- トーリカの師匠
トーリカと共に来日したデビルハンターで、黒髪ロングの美人。
彼の育ての親の様な存在でもあり、弟子であるトーリカに「初めての人殺し」「初めての悪魔殺し」を経験させ、己の後を継がせるためにデンジ暗殺任務を受けた。
悪魔との契約の影響か既に余命が半年になっており、さらに作中で呪いの悪魔を使用した結果五感のいくらかを奪われてしまう。それでもデビルハンターとしては非常に強力な実力者であるらしく、作中では呪いの悪魔の釘をデンジ本人や周囲の護衛も誰も認識できない程の速度で3回刺すと言う離れ業を見せている。
その一方で、文明的な生活にはあまり慣れてないらしく、ハンバーガーを初めて食べた時には「思わず踊り出したい」と微笑ましい反応も見せるが……
※ネタバレ
その正体はドイツのサンタクロースたる「精巧な人形」の一人。
トーリカのことも「新しい精巧な人形」という、最初に老人のサンタクロースが言っていた「趣味」の対象として大切にしていたに過ぎない。
サンタクロースの人形の中でも、特に高い実力を持っていたらしく、ドイツからの真の依頼である「マキマの抹殺」を、闇の悪魔の肉片を摂取して進化することで達成するという最も重要な役割を担っていた。
ちなみに闇の悪魔の契約時に人形のトーリカが自分を「人形の悪魔」と自称していた事や、肉片を取り込んだ彼女自身の身体が異形へと変じている事、さらに彼女の最後の話から推測するに、サンタクロースとは人形の悪魔とその契約者と彼等が作った人形達全てのことである。
誤解されがちだが、彼女がサンタクロースの本体という訳ではなく、彼女もまたサンタクロースという巨大なネットワークを構成する一人に過ぎない。一応彼女やトーリカや老人の描写を見る限り、彼等には個々の人格はあるようだが、彼等の意識はサンタクロースというネットワークの中で一つに統合されている。そのために、後述する契約悪魔も全てのサンタクロースが共有している。
ちなみにその端麗な容姿から、元々は彼女自身もサンタクロースの趣味の犠牲者の一人だと思われる。
闇の悪魔との契約で自身が強化された際には、人形の頭が連なった足と背中から生えた無数の腕を持つ異形の姿へと進化し、また闇の中では無限に再生する能力を獲得した。
本性を露にした後は他者を見下すような言動が増え、当然デンジの事も散々バカにしていたが、最終的には自ら炎をまとったデンジの光の力(※自称)によって爆散され焼き尽くされる。
しかし、その後も自分が死んだとしても世界中に「サンタクロースたる人形」がいることや、闇の悪魔の力を使って今後も進化し、今度はデンジの身近な人間を人形化させて「新たなサンタクロース」にして襲わせ続けることを宣言するが、最終的にはコスモの全力の精神攻撃を受けて、サンタクロースのネットワークそのものに宇宙の全情報を流し込まれて、ハロウィンの事しか考えられなくなり発狂。世界中にいた人形達も全て発狂しサンタクロースは全滅した。
- 人形の悪魔
サンタクロースが契約している悪魔の1体、或いはサンタクロースそのものである。
契約者のサンタクロースと同化しているらしく、契約者自身を人形化させる。さらに契約者のサンタクロースが触れた人間を、マネキンのような人形に変貌させ意のままに操る。その人形達も全てサンタクロースである。
服に触れられてもアウトだが、真の恐ろしさは人形もサンタクロースなので同じ能力を持っており、人形が新たな人形を生み出し続け、ねずみ算のように手駒が増えていく性質を持つ。前述したゾンビの悪魔とは異なり、明確な本体などは存在せず配下の人形達もその一体一体がサンタであり人形の悪魔で、自身の存在を無尽蔵に増殖させられる。
人形化した人間はその時点で死亡扱いとなり、腕を刃のように変化させられるなど肉体構造は人間と逸脱したものへと変わる。
外見はオンオフが可能で、やろうと思えば普通の人間と変わらない外見に戻し、生前の人格を取り戻させて相手の情を揺さぶる狡猾な使い方も行使できる。ただし、これについてはクァンシはあくまで表面上人間の姿に戻して人間のような言動をさせているだけだと認識していたが、どちらが正しいのかは不明。
更に「敬愛、崇拝、哀憐、罪悪感」のような人間だけが持つ感情を抱き、その思いを込めて人間に直接触れることにより、その相手を人間と全く区別がつかない「精巧な人形」に作り変えられる。
この精巧な人形は、見た目が人間と変わらないばかりか、人間らしい思考や人格もしっかりとあって感情や表情も変化させられ、さらには食事などもでき人間時代の寿命もそのまま引き継ぐ模様。最初の老サンタのことを考えると下手すれば老化もする。本当に人間と全く変わらない人形である。
ただし、あくまで人形なのでその気になれば上記の普通の人形のように、腕を変形させたり人形そのものな外見に変貌することも可能。
サンタクロースの司令塔としては、主にこの「精巧な人形」達が使われる他、契約上でも彼等は人間として扱われるらしく「サンタクロースが契約した悪魔」は精巧な人形達の間で共有されており、互いに契約の代償を肩代わりすることで、本来は代償が重すぎて使えないような強力な悪魔との契約も実質ノーリスクで行える。
さらには悪魔である人形の悪魔が悪魔と契約することもできる。
欠点は、人間しか対象にできないので魔人やデンジのような存在には効かない事だが、闇の悪魔によって強化された後は死体であれば魔人でも人形化できるようになった。*8
- 呪いの悪魔
アキと同様の契約悪魔。彼女の余命が半年なのはこの悪魔との契約代償だと思われる。
彼女の場合は、普通の掌サイズの釘を対象に刺す事で能力を発動させる。
能力は同じだが、アキとは違って自力でしっかりと四回釘を刺しており(作中では最後の一回は試験としてあえてトーリカに刺させた)、そのためか既に代償として取れる程の寿命が残っていなかったためか、作中では契約代償は指の感覚等の五感を取っていた。
- 地獄の悪魔
地獄の名前を司る悪魔であり、対象者を地獄に堕とす能力を持つ。
空に扉を形成してそこから超巨大な6本指の腕を伸ばし、その腕で掴んだ対象を地獄に堕とす。召喚された間にデンジ達特異課の面々とクァンシ一行を地獄へとまとめて堕とした。
非常に強力な能力な分、代償も作中屈指レベルで重く契約者自身を含め複数人の命を要求する。作中では老人のサンタが報酬として受け取った3人の養子の子供と、契約者である老人のサンタ自身の命を契約代償として捧げた。マキマが能力を取り消して地獄に堕ちた者達を元に戻した際には、サンタの一人たる精巧な人形となったトーリカを操って、彼に己の全てを代償として捧げる契約をさせて元に戻した。
後に本体が登場するが、燃え盛る炎をまとったケンタウロスのような風貌であり、頭はどこなくエイリアンを思わせるデザインをしている。
ちなみに巨大な腕は本体には見られなかったため、彼が能力で召喚したものである模様。
- クァンシ
デンジを狙って中国から来日したデビルハンター。
見た目は眼帯で片目を覆った銀髪美女で、レズビアンであり4人の魔人の女性を侍らせハーレムを構築している。任務報酬は仲間の4人の魔人に人権と義務教育を与えることであるなど、4人のことは何よりも大切に思っている。
ちなみに初登場の時点で仲間4人とレズセックスに励み、見開きセンターカラーでフルカラーの5Pレズセックスを披露したとんでもない人物。
因みにパワーもタイプだったのか劇中ではパワーと話す時だけ穏やかで丁寧な口調になっている。
元々は、公安のデビルハンターとして所属し若い頃の岸辺と10年近くもバディだった女性で、当時から凄まじい猛者として裏世界では名を馳せていたらしく、岸辺曰く「全人類が集まって素手で殴り合う競技があったら一位」とのこと。
その実力はと言うと、双剣を構えてアキの居る地点まで不可視の速度で駆け抜け、彼女が走った軌道上とその周囲にいた存在全ての頭を一瞬で切り落とす程。
アキの未来視を以てしても対応しきれない程の速度で動き、その一撃をまともに受ければ大の男が吹き飛ばされる程で、彼女の攻撃力には双剣の方が耐え切れないらしくすぐに壊れてしまうので、多くの剣を同時に装備している。
当時の岸辺からは好意を向けられていたが、自身がレズビアンという事に薄々気づいた事もあって彼を約10年間暴力と共にフり続けた。ちなみに小説版で公安時代の彼女が掘り下げられているが、バディの岸辺に限らず男に対しては一切容赦がない。
知らない事は知らないままでいる方が幸せ、細かいことを考えずに馬鹿になれが持論であり、これらの言葉は後にデンジに影響を与える事になる。後者の方については本質的には岸辺の「最強のデビルハンターは頭のネジが飛んでいるヤツ」という持論と同じである。
そして彼女自身もデンジ、サムライソード、レゼと同じ悪魔の力を持つ者である。若い頃の岸辺とバディだったにもかかわらず、現在に至るまで作中で全く歳をとっていないのはそのため。小説版の台詞等から岸辺とバディを組んでいた頃から既に悪魔と融合した身体だった模様。
トーリカの師匠から「始まりのデビルハンター」と呼ばれていた事からも、実年齢はかなり高齢であることが窺える。
闇の悪魔にバラバラにされて殺されたように見えたが、ツギハギが生首状態の彼女の眼帯を外し、眼窩から一本の矢を引き抜いた事で変身。首から下の肉体を(全裸の状態で)瞬時に再生させた。
悪魔の力及び終盤のネタバレ
- 名称不明
眼帯を付けている眼窩から矢を引き抜くことで変身する。
頭や手足に矢・弓・ボウガンを思わせる意匠があるため、「矢の悪魔」ないし「弓の悪魔」だと思われる。
その見た目通り、無数の矢を超高速で連射でき、発射された矢は人形の群れやトーリカ師匠を一瞬で蜂の巣に変える程の威力を持ち、上記の人間離れした超高速ダッシュも同じく悪魔の力だと思われる。
ただし、人間の状態でも凄まじい戦闘力を持つことから、彼女が変身するような機会自体が滅多にないらしい(実際に小説版でも、人間のままでマネキンの悪魔を瞬殺している)。
作中では、ピンツイやロンを殺されたことで、サンタクロースへの復讐のためにデンジと一時共闘する。デンジがサンタを倒した後は共闘は終わりとして背後からその首を一瞬で切り落とし、コスモに命じてサンタを彼女の全力の精神攻撃で精神崩壊させた。
しかし、その直後にマキマが現れて対峙することとなり、勝ち目がないことを悟ってすぐに降伏して魔人達の助命を嘆願するが、次の瞬間にはマキマに魔人達とまとめて首を切り落とされて死亡した。
それで死亡したと思われていたが、終盤に再登場。
マキマの支配下に置かれて記憶操作され、レゼやサムライソードと共に公安対魔特異5課のメンバーになっていた。元々レズビアンなのもあって他のメンバーより輪をかけてマキマに対して好意を抱いているらしく、マキマにセクハラをしながら登場するというある意味衝撃的な再登場を果たした。
仲間(クァンシの女)の魔人達
- ピンツイ
ポニーテールがそのまま蛇のような怪物となっている魔人。本名判明前の人気投票では「フタクチ」という仮称で呼ばれていた。
後述の面々と比べても、作中に登場した魔人の中ではトップクラスに頭が良く知性的で、口数も非常に多くとても人間的である。そして一番小柄。
ただし、その状況で一番聞きたくないトリビアを言うなど、悪魔らしい嫌な性格もしている。
頭にくっついた蛇のようなものをレンズ状に変形させ、それを介して見た相手の情報や契約悪魔を読み取る能力を持つ。
クァンシらと共に地獄に堕とされて、超越者たる闇の悪魔に見られていることを悟って錯乱し、クァンシに自殺の許可を嘆願するほどに追い込まれ、最終的には闇の悪魔にロンとまとめて一瞬で切り刻まれて死亡した。
その後、死体は闇の悪魔の力で進化したサンタクロースによってロンと共に人形化され、クァンシに精神攻撃を仕掛けて彼女を抑えるのに使われるが、最終的にはクァンシによって破壊された模様。
- ロン
尖った二本角が特徴的な魔人。無口で大人しい。本名判明前の仮称は「ツノあり」。
しかし、クァンシと『お楽しみ中』の際や外出時には手錠を付けられていたり、回転寿司では皿を噛み砕いて食べる等、何処か危ない雰囲気を漂わせている。
そのツノの形や欲しい物が「血」である事から、パワーに似ているのだが特に作中で言及はなかった。
口から爆炎を放つ攻撃を行ったため、炎に類する能力を持つと思われる。
クァンシやピンツイと共に地獄に堕とされて、ピンツイ程ではないが錯乱。最終的には闇の悪魔にピンツイと共に一瞬で切り刻まれて死亡した。
その後、死体は闇の悪魔の力で進化したサンタクロースによってピンツイと共に人形化され、クァンシに精神攻撃を仕掛けて彼女を抑えるのに使われるが、こちらも最終的にはクァンシによって破壊された模様。
- ツギハギ(仮)
体中に縫い跡がある魔人。ロン以上に無口で殆ど喋らない。というか口も縫われているので喋れない模様。
彼女だけ戦闘描写が存在せず能力は不明。名前も最後まで明かされなかった。
しかし、危機的状況でクァンシの首を回収して、彼女を変身させて蘇生するなど知性はちゃんとある。
コスモ同様に地獄行きを免れていたことから助かり、上記の通り闇の悪魔に殺されたクァンシを蘇生する。
最終的には、デンジを殺害したクァンシと合流し、サンタクロースの精神崩壊を見届けるが、その直後にマキマと対峙することとなり、クァンシが即座に降伏して彼女らの助命を嘆願するも聞き入れられず、一瞬でコスモと共に首を切り落とされて死亡した。
- コスモ
頭半分が砕け、脳髄と片目がこぼれ落ちているというインパクト抜群な風貌の魔人。流石に多少デフォルメされてはいるが。本名判明前の仮称は「ゾンビ」。
知能は3人の中では最も低く、「ハロウィン」としか喋ることが出来ない。
クァンシの言うこともあまり聞かないようで、クァンシ達がデンジを襲撃している最中に一人だけ抜け出して、東京観光を満喫していた。まあそのおかげで地獄へ行かずに済んだのだが。
彼女の言葉を復唱した者の精神に働きかける能力を持ち、彼女と数回言葉を交わした人間は語尾に「ハロウィン」と付けて喋るようになり、正常な判断力を失い彼女に洗脳される。
……その内容は、「人智を超えた叡智を授け、相手を発狂させる」。簡単に言えば対象のSAN値を吹き飛ばす強烈な精神攻撃。その叡智を与えられた者はハロウィンのことしか考えられなくなり、「ハロウィン」と連呼し始めるのである。
彼女の正体は「宇宙の魔人」であり、本来の性格は思慮深く冷静な知識人で、どこか俯瞰的な視点を持つ魔人。普段の知性のない振る舞いについては、精神世界で本を閉じた瞬間に流暢に喋り始めたことから、普段は自分自身すらも処理落ちしているのかもしれない。
仲間の死にも大して悲しむことはなく、本人曰くそういった感情そのものを持っていないらしく、「それは仕方のないことでした」と淡々と告げるのみである。
本気で精神攻撃を行う場合は、相手を大量の本が敷き詰められた巨大な本棚で囲まれた図書館のような精神世界に引きずり込み、そこで直接そこにある本の中の全宇宙の知識を強制的に相手に流し込む。その威力は絶大で知識を流し込まれたトーリカの師匠を介して、彼女を含めた世界中にいる全サンタクロースの人形を、まとめて一瞬で精神崩壊させ発狂させる程。
最終的には、デンジを殺害したクァンシと合流し、クァンシの指示で全力の精神攻撃を行い上記の通りサンタクロースを精神崩壊させるが、その直後にマキマと対峙することとなる。コスモは精神攻撃をしかけるがマキマには効かず、クァンシが即座に降伏して彼女らの助命を嘆願するも聞き入れられず、一瞬でツギハギと共に首を切り落とされて死亡した。
- 闇の悪魔
地獄に座す超越者と呼ばれる「根源的恐怖の名前を持つ悪魔」の一体。
縦に4つ並んだ人間の頭、その上に置かれた山羊のような頭蓋骨、そして無数の痩せこけた腕で構成された体にマントを羽織った、魔王のようにも奇怪なオブジェのようにも見える異様な姿をしている。
銃の悪魔など比較にもならない程の強大な力を持っており、魔人や悪魔達が「敵意を向けられた瞬間に死ぬ」と戦う前から戦意を喪失し、自殺の許可を嘆願する程に恐れられる絶対的な存在。
顕現時には、上空の扉から雫のような形状となって落ち、同時に周囲一帯を闇で埋め尽くし、祈りを捧げる上半身と下半身が真っ二つになった無数の宇宙飛行士がアーチのように並ぶ空間を展開するというインパクト溢れる登場をした。そのために、明言こそされていないが宇宙の闇すら司る存在ではないかとも考察される。
その戦闘能力は、ぶっちゃけ底知れないとしか言いようがなく、戦っている描写はあるのだが、カエルが一鳴きするという意味不明な演出を挟んで地獄にいたほぼ全員の腕を切り離す、指差すだけで魔人を輪切りにしたり目や口から出血させて殺す、黒い剣で相手を貫き鈴の音と共に破裂させるなど、作中で披露した能力のいずれもが作中キャラはおろか、読者ですら何をしているのか理解すらできない程の超常的なものばかりである。
他にも、契約者を介して石の悪魔本体を一瞬で手元に引き寄せ、石の悪魔自身の能力で逆に契約者ごと石化させて殺害したが、この能力の詳細も不明。
攻撃を仕掛けられるまでは腕を落とすことしかせず、戦ってはいるのだがそもそも力の底など微塵も見えず、また不死身のデンジはともかくアキ達も結果的には生き残ったことから、地獄での公安組との戦闘は彼にとっては敵意も殺意もない戯れでしかなかったと思われる。
サンタクロースに授けた力を見るに、闇の中にいる限りあらゆるダメージを無効化する不死身の身体を持つ模様。ただし彼の場合は彼自身が常に闇をまとっているので、事実上常時いかなるダメージも通らないというチート過ぎる状態になっていると思われる。実際にマキマの攻撃で負ったダメージも次のコマでは回復していた。
闇の悪魔の肉片を取り込んだサンタクロースは、「全てを理解できる」と自称する程の力を手に入れて人形と融合して大幅なパワーアップを行い、さらに闇の中にいる間限定で不死身の肉体を会得するという進化を果たしている。
悪魔の肉片と言えば銃の悪魔の肉片が既出だったが、あちらが元々の悪魔の能力をブーストする程度の効果しかなかったのと比べると、闇の悪魔の肉片が一欠けらすら途方もない力を宿していることが窺える。
本人の性格や人物像等も不明で、台詞が無い…というよりは人類に理解できないおそらくは悪魔の言語しか喋らないのだが、作中の様子からチェンソーの悪魔やマキマを敵視している模様。
また、サンタクロースと契約して彼にデンジを連れてこさせ、その見返りとしてマキマ殺害を目論むサンタに自分の力を与え、さらにデンジを人質にマキマを誘き寄せようとするなど、その圧倒的な力に反して狡猾でかなり頭も回る。
作中では、上記の通り地獄に来たデンジ達を一蹴してマキマを誘い出そうとし、プリンシを介して現れたマキマと交戦。互いに理解不能な攻防を見せながら、彼女をも劣勢に追い込むが、トーリカが自身の全てを代償に地獄の悪魔と再契約させられたした結果、地獄の悪魔の力でマキマ達を人間界に取り逃がしてしまった。
決着こそ着かなかったが、あのマキマが完全に逃げを選んだことから、ほぼ不死身の彼女にとっても闇の悪魔は脅威である様子。
ファンの間では、主要キャラ以外の悪魔・魔人の中でもトップクラスの人気を誇っている悪魔であり、特にビジュアルに関しては「この作品の全悪魔の中で一番カッコイイ」という賞賛の声が多く、初登場シーンに至っては「芸術的」とまで評されている。作者の藤本氏本人も「本当にカッコイイ」とそのビジュアルをかなり気に入っている模様。
- 支配の悪魔
本作の物語の全ての裏に存在する悪魔。
内情を知る各国が真に恐れ警戒している最悪の悪魔である。
支配という人類が有史以来恐れ憎みがらも、多くの者が服従しあるいはその上で快楽を貪ってきた、その概念を名に持つ悪魔だけあって絶大な力を有しているらしく、刺客編が失敗し最早止める術はないと悟った多くの国が抵抗を諦めた程である。
そんな中でアメリカの大領領だけは、この抵抗すらもかの悪魔の予定調和である可能性を理解しつつ、それでも最後の抵抗を決意し自国が保有する肉体から銃の悪魔を復活させ差し向けるが……
※ネタバレ
その正体は、日本国内閣官房長官直属のデビルハンターたるマキマ。
序盤から得体のしれない力を行使し、契約悪魔も不明のままの彼女だったが、彼女は悪魔と契約しているのではなく、彼女自身が悪魔だったのである。
その力は自分が格下だと認識した相手を支配下に置くという能力であり、人間・魔人・悪魔問わずどんな相手でも支配下に置くことができる。そのため、契約をする際も相手を支配して、自身に一方的に有利な契約を結ばせることもできる。しかも彼女の能力は支配対象が死んだ後も縛り続け、デビルハンターを支配下に置いた場合は、その人物の生前の契約悪魔の能力を引き出して操ることができ、そして悪魔を支配下に置いた場合は、その悪魔が死んだ後もその悪魔の姿を顕現させてその能力を操ることが可能である。
実質、際限なく自身の能力や手数を増やすことができるチートとしか言いようがない能力であり、さらに支配下に置いた悪魔達の能力を一つにまとめて放つことも可能で、作中ではその一撃で銃の悪魔をあっさりと返り討ちにしてみせた。
弱点としては、支配できるかは彼女自身の自己認識に全面的に依存しているので、どれだけ実力が彼女より下の相手であっても、彼女自身が様々な事情から格下だと心から認識できなければ支配はできない。
さらに内閣総理大臣との契約によって、自身が受けた攻撃によるダメージは全て日本国民の適当な病気や事故などに置換され、肩代わりさせることでダメージを無効化することができる。即ち彼女にはあらゆる攻撃が通じず、コスモの精神攻撃も効いていなかったことから、おそらく彼女には攻撃と認定されるものは物理攻撃のみならず精神攻撃であろうが効かない。
他にも、鳥やネズミなどの下等生物と聴覚を共有でき、これによって世界中のあらゆる場所の会話を常時盗聴して情報を収集できる。しかも支配下に置いた小動物達を集結させることで、その場所に空間転移することも可能。
加えて、睨んだり指差した相手を出血させて殺したり、指で銃を作って相手に向けて「バン」と言うことで相手を破裂させることができる能力もある。特に前者の能力については闇の悪魔も同様の能力を使っていたことから、ファンからは超越者かそれに近い上位の悪魔達が共通して持つ基礎能力ではないかと考察されている。
おまけに純粋な体術なども桁違いであり、剣の扱いにも長けているらしく、その実力は彼女が現れただけで、体術は人類最強と呼ばれるクァンシですら戦闘を諦めて降伏した程で、終盤ではチェンソーマンを純粋な体術だけで一方的に圧倒した。ただし、本人は「私との殴り合いなんかで負けてもね」と嘆息するなど、これでも別に体術が得意という認識はない模様。
このように、あらゆる面で規格外として言いようがない存在であり、超越者であるかどうかは明言されていないが、少なくとも超越者に限りなく近い力を持つ悪魔であることは疑いようもない。
そんな彼女自身は、ある悪魔の信奉者であり、その存在を復活させ自身の支配下に収めるために、暗躍を続けていたことが終盤に明かになった。
- 死の悪魔
第一部で存在を示唆された悪魔。
まさしく全ての生物が恐れる「根源的恐怖」そのものであり、おそらく闇の悪魔と同格かそれ以上の力を持つ超越者たる悪魔だと思われるが詳細は不明。
また、支配、戦争、飢餓の悪魔との関係が示唆されており、作中の台詞などから彼女らは黙示録の四騎士に相当する姉妹同士であり、死の悪魔は彼女達の長女ではないかと考察されている。
▼全ての悪魔が最も恐れる悪魔(※重要なネタバレ注意)▼
助けて チェンソーマン
- チェンソーマン
ポチタことチェンソーの悪魔の本来の姿であり、未来の悪魔が示唆した「全ての悪魔が最も恐れる悪魔」の正体。
頭部のチェンソーはそのままに体躯は黒く二回り以上大きくなり、腕は4本に増えてそれぞれにチェンソーを生やし、腹を裂いて飛び出した自らの腸を首にマフラーのごとく巻きつけた、これまで以上の異形の姿である。
戦闘力も規格外であり、支配の悪魔であるマキマですら、まともに戦おうとすれば能力を使う暇すらなく瞬殺される程。その経緯から過去には超越者クラスの悪魔達とも真っ向から戦ってきたであろう凄まじい実力を持つ。
マキマ曰く「地獄のヒーロー」。かつて地獄でその名を轟かせた最恐にして最凶の悪魔であり、地獄で助けを求めるとやってきて、叫ばれた悪魔をチェンソーで殺し、その後に助けを求めた悪魔もバラバラにして殺す。
その無茶苦茶な暴れぶりから、多くの悪魔から敵視され殺されるが、その度にエンジンを吹かせて何度でも復活し逆襲を繰り返す。
そんな圧倒的な戦闘力と、理解不能な凶暴性とを併せ持った不屈のチェンソーマンに、ある悪魔は怒り、ある悪魔は恐れ、ある悪魔は崇拝した。実は現在公安に所属している悪魔や魔人達は、パワー=血の悪魔も含めて全員がチェンソーマンの元眷属であり、全員が自覚無自覚問わずマキマによって支配され、チェンソーマン復活のために活動していた。
そして、チェンソーマンが全ての悪魔達から最も恐れられる理由はその能力であり、チェンソーマンに喰われた悪魔は、その名前の概念ごと存在そのものが全ての世界から完全消滅する。チェンソーマン世界が現実世界とは明らかに異なる歴史を辿っているのはこのためであり、例を挙げるとチェンソーマン世界はその名前を冠する悪魔が喰われた結果、「第2次世界大戦」や「核兵器」そのものが存在しなかったことになっている。
詳細はデンジの項目を参照。
第二部
- 正義の悪魔
第二部最初の敵悪魔。アサのクラスメイトの学級委員長と契約した。
どうやら人形の悪魔やゾンビの悪魔のように、契約者を自身の力で変貌させるタイプの悪魔であるらしく、委員長が力を行使した際は顔を無数に増やし、足はなく代わりに巨大な腕を足代わりにし、おまけに全身を腸のような肉塊をこねくり回して形作った醜悪なビジュアルに変貌した。
戦闘の際には、圧倒的な腕力でアサを殺そうとしたが、アサの身体を乗っ取った戦争の悪魔によって田中脊髄剣で切り裂かれて、切り裂いた肉片から作った手榴弾で爆破されて倒された。
※ネタバレ
後に、ユウコが新たな正義の悪魔の契約者として登場。アサを虐めていた者達を抹殺するべく暴走する。
その言動から正義の悪魔は対象を洗脳する能力を持っているらしく、ユウコは契約の見返りとして「ピカピカの正義感を貰った」などと発言する等、自分に一方的に都合が良い契約を結ばせている模様。
- 火の悪魔
「正義の悪魔」と呼ばれていた者の正体。「正義の悪魔」というのはチェンソーマンを信奉する宗教団体である「チェンソーマン教会」の流布したカバーストーリーであり、「契約者を悪魔に変身させる」というのはこの悪魔の力だったことが判明する。この変身の内容は契約者のリクエストに沿ったものとなる。
また、自身との契約者の数に比例して力を増す特性もあり、これで大量の契約者を用意することこそがチェンソーマン教会の目的。
つまりは、銃の悪魔同様、人間の都合で利用されていた悪魔ということになる。
本物の「正義の悪魔」は第二部の事件とは無関係だったが、後に、「落下の悪魔」から食事(=三鷹アサ)を供されていた芋虫のような姿の悪魔が「正義の悪魔」だったことが判明。
その「正義の悪魔」はナユタの介入で味覚を変えられ、食事を吐き戻したことで落下の悪魔の逆鱗に触れ殺されている。
- 落下の悪魔
闇の悪魔と同じ「根源的恐怖の名前を持つ悪魔」の一体。
本体は首がなく、両足も手に置き換わった裸体の女のようなルックス。後にコックのような衣装をまとい、犠牲者の首を本来首がある位置に掲げて持つ『地獄の料理人』スタイルになった。
「地獄の料理人」になってからのデザインの評判が高く、闇の悪魔に並ぶ人気となった。
『地獄の料理人』を自称し、重力による攻撃や相手のトラウマを思い起こさせ「上空に落とす」ことで人間を「料理」しており、アサとデンジを襲撃する際には大量の人間を死に追いやり悪魔の客に振る舞った。
- 偽チェンソーマン
チェンソーマンの姿をした謎の悪魔。
制服を着た背の高い少年のようだが、全ての悪魔を討伐を最終目標に掲げた。そして本物のチェンソーマンであるデンジに「違ーう!」と突っ込まれた。
※その正体
正体はおそらく正義の悪魔と契約した人間で、ユウコと違い人間の姿とチェンソーマンの姿を使い分ける事ができる模様。
また、人間を見捨てて猫だけを救出したチェンソーマンはデンジではなく彼ではないかという考察も一部ある。
- ウエポンズ
チェンソーマン教会の主要メンバーであり、かつてマキマに洗脳されていた武器人間達。
詳細はマキマの項目の「公安対魔特異5課」を参照。
(また、同じ武器人間のサムライソードやレゼやクァンシは参加していない)
須郷ミリのようにデンジの友達になりたい者から危険思想を抱えるバルエムまでそれぞれの思惑は違う模様。
- 眼帯の男 (仮)
公安第7課に所属するデビルハンター。眼帯をしているが姫野と違い負傷で目を失った模様。
デンジを助け出そうとしたアサの眼の前で「正義の悪魔」によりチェンソーマンもどきと化した妻を前にうなだれていたが、
その実他の女性と不倫していた上、第7課が使役する悪魔に対して非常に横柄だったりと褒められない人格をしている。
◆余談
作者によると、「邪悪なフリクリ*9」「ポップなアバラ*10」を目指して創作したとのこと。
また、アニメ化が決定した際は「ドロヘドロと呪術廻戦のパクリみたいな漫画です」という自虐コメントを残している。
追記修正は悪魔と契約してからお願いします。
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*2 銃の悪魔は強力なために、肉片が本体へ移動して再生しようとする特性があり、それを利用して公安では銃の悪魔の本体を追っている
*3 その姿から、現在の銃の悪魔は過去に銃で死んだ世界中の人々の思念の集合体となっているのではないかとファンからは考察されている
*4 例:0〜12歳の子供、男性、特定の誕生月
*5 犠牲者のリストのなかに何故かゴールデンカムイ(漫画)の作者である野田サトルの名前があり話題になった
*6 もっとも前回見せた姿は本体でなかった可能性もあるが。
*7 彼の上司に当たる組長も「俺たちヤクザは必要悪。いなくなったらソ連と中国のマフィアが日本にやってくる」など仮にそうだとしてもデンジや殺された公安のデビルハンターの関係者etcからしたら到底納得できない論理を宣っていた。マキマ曰く「悪事を正当化するための言い訳」。
*8 ちなみにデンジのような存在にこの手の能力が効き難いのは、人形の悪魔の能力だけに限った話ではないらしく、後に登場した戦争の悪魔もデンジを武器化できておらず、小説に登場したマネキンの悪魔もクァンシの身体を「コピーしにくい」と発言している
*9 GAINAX・Production I.Gにより製作されたOVAアニメ。全6話
*10 『ウルトラジャンプ』で連載されていた漫画。作者は弐瓶勉で全2巻
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