体験版 ポケットモンスター 金・銀

ページ名:体験版 ポケットモンスター 金_銀

登録日:2018/07/17 Tue 23:41:28
更新日:2024/02/26 Mon 13:59:53NEW!
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体験版ポケットモンスター金・銀とは、1997年11月*1に幕張メッセで開催されたイベント「任天堂スペースワールド」でプレイできたポケットモンスター金・銀の体験版である。


概要

大ブームを巻き起こした「ポケットモンスター 赤・緑」の続編「ポケットモンスター2(仮称)」は、発売から間もない1996年春には早くもコロコロコミック等で開発中である事が公表されていた*2
当時の誌上では、ホウオウという新ポケモンが第一陣として公開され、次いでドンファンヤドキングデンリュウの新ポケモンや、主人公がスケボーで移動する姿、はじまりの街「サイレントヒルズ」、和風な塔の建つ街「オールドシティ」の画像などが掲載された。
そしてこれ以外に、新作に関する情報はほとんど何も公表されていなかった。
当時は現代のような情報社会ではなく、ゲームの事前情報の公開は極めて限定的であったのだ。
1997年12月発売とされていた発売予定日が、1998年3月に延期されたという不吉な情報のみが公表され、少年たちの心に不安を抱かせていた。
「任天堂スペースワールド」において、「ポケットモンスター金・銀」をプレイできる初のイベントが開催されることが公表されたのは、そんな時であった。


新情報に対する飢餓状態にあったポケモン少年たちは、血に飢えたゴルバットのような目で[要出典]幕張メッセへと殺到。
「ポケモン」ブームの真っ最中という事も手伝い、体験版プレイイベントは大盛況となった。
体験版の中では、最初にオーキド博士からもらえるポケモン「ハッパ」「ホノオグマ」「クルス」、そして「ハネコ」「キリンリキ」「マリル」といった誰も見たことのない新ポケモンが続々と出現。
更にポケモンが「そうび」したアイテムを使うという新システムも度肝を抜いた。
ポケモンを愛する少年たちは夢のような時間を過ごし…そして夢は余りにも短く醒めた。
「ポケモン」の凄まじい人気ゆえに、1人あたりのプレイ時間はわずか10分に制限されていたのだ。


子供たちは大興奮のまま帰途に就き、そして学校で新たなポケモンを大いに語った。
会場での発表によれば、すでに開発率は80%。完成は今や目前である。
彼らはハッパ、ホノオグマ、クルスに再び会える日を夢見て、1998年3月の発売日をキリンリキのように首を長くして待った。
そして…






ハッパ、ホノオグマ、クルスが子供たちの前に現れることは、二度となかった。







開発の遅れから、「ポケットモンスター金・銀」の発売は更に延期された。
この間にも、任天堂はブームの火を消さぬようピカチュウバージョンやピカチュウげんきでちゅう、ポケモンスタジアム等を発売したが、これらは基本的に151匹の「初代」に登場するポケモンのみが登場するゲームであり、「金・銀」に関する情報は途絶えた。
1998年に公開された新情報は、アニメに「トゲピー」「マリル」「ブルー」が登場した位しかない。
この間の新情報の少なさは当時としても異常であったようで、少年たちに広がる不安を抑えるため、公式にポケットモンスター金銀は本当に発売しますという声明が出るほどであった。
結局、体験版から大幅にブラッシュアップされた製品版が世に出たのは、最初の予定日から2年弱も経過した1999年11月の事であった。
だが、製品版での最初のポケモンは「チコリータ」「ヒノアラシ」「ワニノコ」の3匹であり、ハッパ、ホノオグマ、クルスは影も形もなかったのである。


1997年の体験版で初登場したポケモン達は、このイベント以外の場で公表されることが一切なかった。
そのため、これらのポケモンに関する情報は、実際にプレイした人々の記憶と、プレイ画面を撮影したわずかな写真・数秒の映像しか存在しない。
今なお「体験版金銀」の全貌を探ろうと調査を続ける人々は存在するが、今や新たな情報の発掘は絶望的であり、全ては時の流れの彼方へと消え失せようとしている。




追記・修正は体験版ポケットモンスター金銀を発掘した方にお願いします。



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おっと! こんな ところに
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きどうしてみよう ポチっとな! ▼






2018年6月1日、体験版ポケットモンスター金銀は発掘された


英語圏では現在レトロゲーム収集ブームが発生しており、
おそらくはそうしたコレクターの1人が入手したのではないかと思われるが、経緯は不明。
「体験版金銀」はネット上にROMとプレイ動画が公開され、永遠に明らかにならないと思われていたその詳細が、白日の下に晒されたのである。


なおこのバージョンについてのネット上での呼称は「体験版」だったり「ベータ版」だったりとネット上でも一致していないが、本項では一貫して「体験版」と呼称する。


そしてその中身は、極めて驚くべきものであった…!


+ 目次-

ポケモンについて

体験版の時点で、既に100種類の新ポケモンのデータが入っていた事が判明。
ただしその大半は製品版では全く別のポケモンと変更、もしくは名前の変更、大小のデザイン変更が行われている。
何の変更もなく製品版に登場できたのは既にアニメ・映画への登場が決定していたであろうトゲピー等を除けば、エーフィネイティハガネールなどごく少数である。
つまるところ、約90種類という過去に類を見ない量の没ポケモンが発見されたのだ。



「チコリータに似ている」という情報があった御三家ポケモン「ハッパ」は、チコリータと完全に同一のデザインであった事も判明した。
また最終進化系メガニウムも「ハナリュウ」という名前で既にデザインが固まっている。
一方で、中間進化系の「ハナモグラ」は製品版のベイリーフとは似ても似つかない「大きな花の中に糸目のハニワみたいなヤツが入っている」という衝撃的なデザインであった。そりゃボツになるよ


最も驚かれたのは、ポリゴン2が「ミスタードーナツ」のイメージキャラクター・ポン・デ・ライオンそっくりである事だろう。
ポン・デ・ライオンの初出は2003年であり、1997年制作のこの体験版時点ではポン・デ・ライオンは世に出ていない。
「ポケモン2」と「ポン・デ・ライオン」の両方の企画に関わった人物がおり、没になったデザインを再利用したのではないか等の説もあるが、
「ポン・デ・ライオン」も「まあポン・デ・リングでキャラクターを作るとそうなるよね」的なあまり捻った部分のないキャラクターという事もあり、偶然の可能性も否定できない。


ヤドキングの頭に噛み付いているアレ』が「ターバン」という独立したポケモンになっている点も注目を集めた。
開発側もうすうすやっぱアレシェルダーじゃねえだろと思っていたようである。


新ポケモンには、既存のポケモンの進化前のポケモン、いわゆる「ベイビィポケモン」がやたらと多いのも特徴。
製品版ではピチュー・ピィ・ププリン・エレキッド・ブビィ・ムチュール・バルキーの7種であったが、
体験版時点では、これに加えニャース・パラス・ロコン・ガーディ・ポニータ・ドードー・トサキント・モンジャラ・ベトベター・バリヤードの10種類の進化前に当たるベイビィポケモンが用意されていた。
新システム「タマゴ」を全面的に押し出そうとしていた事が分かるが、正直な所ベイビィポケモンは「クリアだけしたい人は興味なし」「普通の人は図鑑を埋めるだけに1匹だけ産んで後はボックスの肥やし」「対戦する人には育てる手間が増える面倒な要素」とゲームの面白さにあまり貢献できるシステムではないため、半分以下に減らしたのは賢明な判断と言えよう。
このうちバリヤードのベイビィは後に「ダイヤモンド・パール」でマネネとして登場することになった。


100種類の追加ポケモンの種族値についてはその多くが未設定であり、全能力が50になっているものが大半を占める。
「体験版」のシナリオ内で登場するものの一部や、伝説のポケモンについては設定済みとなっている。
また、新ポケモンのポケモン図鑑のデータは未設定であり、身長や体重、分類などは空欄、解説は「はっけんされた ばかりの ポケモン。 げんざい ちょうさちゅう」で統一されている。


新ポケモン一覧


No名前タイプ1タイプ2進化備考
152ハッパくさ草御三家。チコリータと同一デザイン
153ハナモグラくさ衝撃的なデザインを持つ後のベイリーフ。
体験版プレイ中に進化してしまうとネタバレになるためか、
体験版に登場するポケモンは基本的に進化の設定が削除されている。
154ハナリュウくさハナモグラLv32メガニウムと同一デザイン。
155ホノオグマほのお炎御三家。クマという名前ではあるが、
どちらかというと初期のピカチュウのような体型。
四足歩行。
156ボルベアーほのおまず間違いなくホノオグマの進化系。背中が燃えているクマ。
157ダイナベアほのおボルベアーLv32ホノオグマ系最終進化。
ほのおタイプ御三家には「最初は四足歩行でも進化すると立つ」
というジンクスがあるが、コイツは最後まで立たなかった。
全体的にはブースターに近い見た目。
158クルスみず水御三家。アザラシのようなデザイン。
159アクアみず会場で公開された図鑑画面を見た人により、
アクエリア共々以前から名前だけは報告されていたが、
クルスの進化系との情報は初出である。
160アクエリアみずアクアLv32首が伸びてプレシオサウルスめいた体型になる。
161ホーホーひこう製品版と異なり、頬にそばかすのような点がある。
ノーマルタイプはついていない。(登場していたらトルネロス涙目)
162ボーボーひこう恐らくホーホーの進化系。ヨルノズクとは異なり、
ホーホーをそのまま縦に引き伸ばしたような外見。
163パチメエでんきメリープと同一デザインだが、色がピンク。
164モココでんきパチメエLv16
165デンリュウでんきモココLv32当時情報誌で公開されていたポケモン①。
166ミコンみずLv13でロコンロコンのベイビィポケモン。
ロコンのポケモン図鑑の設定通り、しっぽが少なく3本しかない。
タイプ設定はミスか。
167モンジャくさLv22でモンジャラモンジャラのベイビィポケモン。
鬼太郎に似ている。
本作ではモンジャラの進化後もいるので、仮にボツにならなかったらダイヤモンド・パールのロゼリアより前に進化前後の同時登場が実現していたことに…
168ジャランラくさモンジャラLv44実際にモンジャラが進化するのはダイヤモンド・パールのモジャンボを待つこととなった。
モジャンボと異なり目はツルに隠れており、
ユキワラシのような口がある。
169ハネエイみずひこう後のマンタインか。
背中に恐ろしい顔が描かれたデザインだった。
170プクーみずハリーセンとデザインは同一。
171シビレフグみずプクーLv18瞳孔が開いた巨大なハリセンボン。
頭部にカミナリの模様があるが、電気タイプはついていない。
ちなみにシビレフグというフグの形をした玩具は現実で存在するが、どうやって遊ぶかというと
いきり立ったムスコ♂をその麗しい口の中へ入れて…
と早い話大人のおもちゃである。
ポケモンには結構な下ネタが仕込まれている時があるが、その中でもトップクラスにエグいネタであろう。
そりゃボツにもなるさ…。
結局ハリーセンの進化系構想は22年後LEGENDS アルセウスでのハリーマン登場を待つこととなった。
172ピチューでんきLv12でピカチュウ製品版と異なり、頭部と胴体に明確な区別がない。
初期のいわゆる「デブなピカチュウ」の影響が強いデザイン。
173ピィノーマルLv12でピッピおおまかに星型である点は同じだが、
頭がアンテナのような形状に。
174ププリンノーマルLv12でプリン頭のてっぺんのモコモコがない。
175ミズウオみずヌオーと同一のデザイン。
製品版「金銀」にも「ミズウオ」の登場する没セリフがあるため、
開発のかなり後期の段階までこの名称で残っていた模様。
ヌオーの分類「みずうおポケモン」にその痕跡を残す。
176ネイティひこうエスパー製品版と変化なし。
177ネイティオひこうエスパーネイティにこころのいし製品版とはやや異なり、胴体部分の模様が細かい。
背中にも目のような模様が描かれている。
178ギョピンみずLv16でトサキントトサキントのベイビィポケモン。誰得。
179マリルみずデザインは製品版と同一だが色がピンク色。
180マンボー1みずマンボウのポケモン。
名前の由来は恐らくマンボの名曲「マンボNo.6」
181イカリみずメタルマンボー1Lv19サメの上半身に船のイカリがくっついたようなデザイン。
サメのポケモンの本格登場はルビー・サファイアのサメハダーまで待たれることになる。
182グロテスみずメタルイカリLv38フウセンウナギのポケモン。
ルビー・サファイアのハンテールを思わせる見た目。
183エクシングどくひこうゴルバットLv44後のクロバットとほぼ同一のデザイン。
184パラむしくさLv12でパラスパラスのベイビィポケモン。キノコの上に虫が乗っている。
185コクモむしどく後のイトマル。
足がイトマルより生物的な点だけが異なる。
186ツーヘッドむしどくコクモLv23後のアリアドス
胴体部が明確に鬼の顔のような模様になっている一方、
本物の顔の方はアリアドスより愛嬌がある。
187ヨロイドリひこうメタルエアームドと同一のデザイン。
長らく名前とタイプは明らかになっていたが、
今回姿がエアームドである事が確定した。
エアームドの分類「よろいどりポケモン」に痕跡がある。
188アニモンノーマルメタモンにメタルコート溶けかかったろうそくのような形になったメタモン。
目は相変わらず点だが、口が真四角に空いている。
189ヒナーズノーマルひこうLv16でドードードードーのベイビィポケモン。
1つの巣から3羽の鳥の頭が出ている。
進化する時頭1つどこいくんだろう。
190サニーくさエスパー後のキマワリ
足が地面に埋まっている点が異なる。
191パオンじめん後のゴマゾウ。
「ダンボ」を意識したような模様が体表面にある。
192ドンファンじめんパオンLv33当時情報誌で公開されていたポケモン②。
193ツインズあくノーマル双頭のゴースのような外見。
194キリンリキあくノーマルツインズLv29製品版と異なり、下半身にも上半身と
同じ大きさの頭部がある。下半身の頭部は
上半身と異なりかなり凶暴そうな外見。
195ペインターノーマルドーブルと同一デザイン。
196コーニャノーマルLv14でニャースニャースのベイビィポケモン。
頭部の小判が穴の空いた小銭になっている他、
頭の上にも小銭が浮いている。
197リンリンあく黒いネコのようなポケモン。しっぽが鈴になっている。
198ベルルンあくリンリンLv28ネコのようなポケモン。しっぽが鐘になっている。
199ニョロトノみずニョロゾにこころのいしカエルである点は同一だが、
目が上に飛び出している点など、
製品版のニョロトノとは大幅にデザインが異なる。
200ヤドキングみずエスパーヤドランにおうじゃのしるし当時情報誌で公開されていたポケモン③。
ヤドンではなくヤドランの進化系である。
201アンノーンノーマル「めざめるパワー」ではなく「サイコウェーブ」だけを覚える。
なお、技「めざめるパワー」は既に存在している。
202レディバむしひこう体験版に野生で出現するため、進化の設定が削除されている。
203ミツボシむしひこう恐らくレディバの進化系だが、レディアンとは異なる。背中には3つだけ★の模様がある。
204プチコーンノーマルLv20でポニータポニータのベイビィポケモン。
ポニータをそのまま縮小したようなデザイン。
205エーフィエスパーイーブイにこころのいししっぽが直接2本生えている以外はデザインに大きな違いはみられない。
石で進化するため「なつき進化」の概念はないようだ。
206ブラッキーどくイーブイにどくのいし外見に変化はないがタイプが異なる。
図鑑説明にその痕跡が見られる。
207ターバンみずヤドランのしっぽに噛み付いているアレ。
デザイン自体はヤドランのシェルダーなのだが、背面にはヤドキングのシェルダーにある宝石がついている。
シェルダー系との進化関係は設定されていない。
208ベトベビーどくLv19でベトベターベトベターのベイビィポケモン。
手がなく地面にへばりついている。
209テッポウオみず製品版よりもリボルバー銃がモデルであることが分かりやすいデザイン。
210オクタンみずテッポウオLv34製品版と異なり、「戦車」がモチーフであることが明確。
タコの口を主砲に、脚部をキャタピラーに見立て、
頭部に鉄かぶとを被せて回転砲塔に見立てた秀逸なデザイン。
前後して海外展開が決定したためか、製品版では兵器性が大幅に削られ、
ただのタコになってしまった。
211ゴングかくとうLv15でサワムラー
またはエビワラー
またはカポエラー
後のバルキー。某ネズミーランドのネズミの
ような耳があるなど、
デザインは大きく異なる。
212カポエラーかくとう製品版とは色合いと逆立ちしているようなシルエット以外ほぼ別人。
目つきもサワムラーに似て鋭い。
213プディほのおLv13でガーディガーディのベイビィポケモン。
目が小さいガーディといった趣き。
214ハネコくさひこう後のハネッコ。手足がなく体色が黒い。
215ポポネコくさひこう後のポポッコ。手足はないがネコの耳と
しっぽがあるなど、よりネコ要素が強い。
216ワタネコくさひこうポポネコLv40後のワタッコ
ポポネコと同様ネコ感が増している。
217バリリーナノーマルLv15でバリヤードタマゴに手足が生えたようなデザインで、
後に登場したバリヤードの進化前であるマネネとは
全くデザインが違う。
218リップこおりLv15でルージュラ後のムチュールだが、ルージュラ
そのまま縮小したようなデザイン。
219エレベビーでんきLv15でエレブー後のエレキッド。頭部はコンセントではなく、
マイクのプラグのような形状。目つきも悪くない。
220ブビィほのおLv15でブーバー製品版のブビィとは頭部のデザインが異なり、目つきも進化後に近い。
221キレイハナくさどくクサイハナにどくのいし製品版と概ね同一だが、体色が黒い。
黒人差別への配慮からか、アニメや製品版では
体色が緑に変更されている。
ただし公式イラストは変更前に描かれたためか
黒い体色であり、暫くデザインが統一されていなかった。
222ツボミットくさどくウツドンにどくのいしウツボットと対になるウツドンの分岐進化体。
マダツボミの茎が太くなったようなデザイン。
223ミルタンクノーマルデザインに変化はないが、
製品版ではドットが打ち直されている。
224ボムシカーみずほのお炎の塊を鼻に乗せたアシカのようなデザインで、
名前は「ボム」+「アシカ」か。
ボルケニオンに大幅に先駆けて存在していた
みず・ほのお複合。
225ギフトみずこおり後のデリバードだが、
頭部がよりサンタ帽に近いなどややデザインが異なる。
「プレゼント」以外の技も自力で覚える。
226コトラでんき丸い体型のトラのポケモン。
227ライトラでんきコトラLv35大きくなって目つきが若干変わった以外、
コトラと変化がない。
228マダームノーマルひこうカモネギLv24まさかのカモネギの進化系。
目つきが鋭く首が長くなった*3ほか、ネギにはネギ坊主がついている。
おそらくモチーフは「買い物帰りのおばちゃん」+「魔女っ娘(ポワトリン?)」と思われる。
カモネギの長過ぎる受難は
ここで進化できなかった時から始まっていたといえよう。

しかし、実に20年もの時を経た第8世代において、カモネギはついに公式に進化系を獲得することとなる。
229ノロワラゴースト釘が刺さった藁人形というそのまんまなデザイン。
230キョンパンゴーストキョンパンLv1パンダのキョンシーのようなデザイン。
進化レベルは明らかに未調整。
231ヤミカラスあくひこう製品版よりも頭部が尖ってちょっと
折れ曲がっており、より「魔女の帽子」が
モチーフであることが分かりやすい。
232ハッピーノーマルラッキーLv45後のハピナス。頭部にデカい
ハートがついており、タマゴ袋が
お腹の左右に2つあるなど、デザインは
大幅に異なる。
233シザースむしひこうストライクLv41後のハッサム
体色が黄色いほか、頭部がほぼ
ストライクそのままであるなど、微妙な違いがある。
234プラックスむしカイロスLv42なんとカイロスの進化系。
顔面は仮面のようなものがついているだけで怖い。
235デビルほのお後のデルビル。デザインはほぼ同じ。
236ヘルガーほのおデビルLv35あくタイプがついていない。ただしヘルガーを
「新しいタイプのポケモン」として紹介する人物が
体験版シナリオのポケモンセンターに居るため、
既にあくタイプを付けることは決定していた模様。
237ウルフマンこおりプリンないしカービィのような体型だが、
オオカミの頭部を模した毛皮を被っている。
口の部分から白い目が覗く。
238ワーウルフこおりウルフマンLv35ウルフマンを拡大したような姿。
239ポリゴン2ノーマルポリゴンにアップグレードまんまポン・デ・ライオン。
色も黄色・オレンジ系で同一である。
240ナメールノーマルベロリンガLv32後のベロベルトだが、ベロベルトよりも
愛嬌のない顔をしている。
241ハガネールメタルじめんイワークLv38デザインに一切の変更はない。
242キングドラドラゴンみずシードラにりゅうのうろこ製品版より頭部が東洋竜に近い。
243ライでんきライコウに相当する伝説ポケモン。
黒地に白の縞模様で、ゼブライカに近い。
244エンほのおエンテイに相当する伝説ポケモン。
ヒトカゲよろしくしっぽに火が付いており、ポーズも相まって
「やべぇしっぽに火がついてる!」と驚いている犬にしか見えない。
なお種族値はC125もある。
これなら唯一神とか言われずに済んだろうに…。
245スイみずスイクンに相当する伝説ポケモン。
水色の犬だがヘアースタイルが鬼太郎。
246ニューラあく製品版のニューラとは全く異なるかわいい姿。風来のシレンに出てくるコッパではない。
どちらかというとコジョフーに似ている。
247ホウオウひこう当時情報誌で公開されていたポケモン④。炎タイプは付いていない。
ただしオープニングではホウオウの周りを炎が舞っており、
タイプ変更の予定があったのかも。
248トゲピーノーマル変化なし。とげキャノン等を覚えた。
249ブルーエスパータイプ以外変化なし。
250テイルノーマルしっぽが手のようになっているサル。
エイパムの原型と思われるが、
全面的にリデザインされている。
251リーフィくさイーブイにリーフのいし後のリーフィアと見て間違いないだろう。
体にリーフィアにはない黒い線があるなど、
デザインは変更されている。
なおイーブイにリーフのいしを使えば普通に進化できるので、
幻のポケモンではなく、開発の都合でたまたま
251番に配置されただけと見られる。

一方、カントー地方のポケモンについては設定が既に固まっているためか、ちゃんとした図鑑説明文やグラフィックが用意されている。説明文の大半は赤・緑、青の流用又は改編となっているが、一部は新たに書き下ろされている。
グラフィックは新規のものと青のものが混在している。特にピカチュウラッキーに関しては同一のグラフィックがポケットカメラでも使用されている。


舞台について

冒険の舞台は日本全国である
はじまりの街「サイレントヒル*4」は、和訳すると「静かな丘」になる事から分かる通り、日本地図の静岡に位置している。
北は北海道、西は九州まで、日本全国が1枚のマップに収まっているのだ。
マップは概ね完成しており、デバッグモードで北の方の街へ行くと雪が積もっている様子を確認できる。
なお、同じくデバッグモードで確認できるタウンマップと実際のマップを照らし合わせてみると、一部の道路の繋がりが一致しておらず、途切れている部分があるのが分かる。


ただし、舞台を大幅に広げたしわ寄せにより、赤・緑の舞台であった「カントー地方」は猛烈に縮小。様々な街や施設が殆ど原型を留めていない。
製品版のカントーは「サファリゾーンやハナダの洞窟は閉鎖」「シルフカンパニーやポケモンタワー(現ラジオ塔)は1階だけ」「オツキミ山が超狭い」など、容量削減のために様々な物が削られている事で知られるが、体験版のカントーと比べるとそのクオリティは天地ほどの開きがある。
製品版はすべての街と道路が、縮小化こそあれ前作の面影を残しており、容量ギリギリという事情を加味すると、とても再現度が高いと言わざるを得ない。


地名一覧

  • サイレントヒル

上記の通りはじまりの地で、現実世界の静岡県に位置しており、製品版のワカバタウンになったと言えるだろう。
ポケモン研究所の他に、のちのBW2のヒオウギシティに先駆けポケモンセンターが備えられている。
西の1番道路*5にはそのままズバリ「しずかなおか」なる丘が別マップとして設置されている。


ここからは体験版では行けなかった土地。NPCのセリフは用意されていない。


  • オールドシティ

現実世界の京都府〜奈良県に位置する、五重塔がそびえ立つ古風の街。その特徴からのちのエンジュシティやキキョウシティに繋がったとされる。
街中のとある建物にはマサキらしき人物がいる。


  • ウエスト

現実世界の大阪府に位置する、ラジオ局や大型ショッピングセンターが建ち並ぶ大都会。施設の類似点からコガネシティに引き継がれたか?
ラジオ局内はロケット団が占拠しており、この頃からラジオ局乗っ取りイベントは企画されてた模様。最上階にはあのお方の姿も…


  • ハイテク

現実世界の四国地方にあたる。街の南西にある水族館が特徴的。
製品版のタンバシティと照らし合わせても特に類似点は見当たらない。


  • フォント

現実世界の島根県〜山口県にあたる。
中央に遺跡らしき建造物がたたずみ、そこにはアンノーン文字とみられるものが刻まれている。
余談だが島根県出雲市には数多くの史跡が残されており、それを意識したのではと思われる。


  • バードン

現実世界の鳥取県にあたる。
街の名前も鳥取モチーフか。鳥取砂丘をイメージしたのか、砂漠地帯にある街で、東も砂漠が広がっている。
街の真ん中には井戸がある。


  • ニュータイプ

現実世界の新潟県にあたる。
街のど真ん中には信濃川がモチーフとみられる川が流れている。
中には道場と思わしき施設が存在する。


  • シュガー

ニュータイプの北に位置する小さな島。佐渡島がモデルだろう。
洞窟が島の北東にあるが、残念ながら中には入れない。


  • ブルーフォレスト

ネーミングからしてまんま青森県。
北国らしく雪が積もっており、針葉樹が生えている。北西には洞窟があるがこちらも入れない。
ある建物内にキクコと思われるNPCがいる。


  • スタンド

現実世界の宮城県〜福島県にあたる。
西側には赤緑のセキチクシティよろしくポケモンが野外におり、サファリゾーンらしき施設が備えられているが、中には入れない。


  • [[カントー>カントー地方(ポケモン)]]

サイレントヒルの東に位置する。
上記の通り製品版よりも大幅に縮小された。
一応 マサラタウンだけはほぼそのまま残っているものの、それ以外の全てが猛烈に圧縮&簡略化及び削除されており、言われなければカントーには見えないレベルになっている。
残された施設はマサラタウンの他にシルフカンパニー(1階のみだが製品版のそれとは違い内装は再現されている)、タマムシデパート、タマムシマンション、ロケットゲームコーナー、ポケモンタワー(入り口はなし)が挙げられる。むしろこれらがなければ到底カントーとは感じさせない。
ニビシティに相当する位置にあるジム内にはあの人の姿も…


  • サウス

九州地方にあたる、火山らしき山が点在する南国の街。
実際に九州がモデルとなったホウエン地方にも火山のえんとつ山が中央にそびえ立っている。


  • ノース

北海道がモチーフとされる最北端の雪国。
北には洞窟がある。例によってここも入れない。その街の構造からして、どことなくキッサキシティに似てなくもない。


  • プリンス

サイレントヒルのちょうど真北にあるが、直接アクセスする通路はない。モチーフは静岡県富士市か。
街の北には滝があり、ここから後述のフジヤマへ行く予定だったとされる。
また、他の街とは違いポケモンセンター含め建物内に入ることはできない。


  • フジヤマ

文字通り富士山がモチーフなのは明白だろう。後のシロガネ山か。
開発段階らしくプリンスとはマップタイルが途切れており、山の入り口らしきものも見当たらない。



この他フィールドマップから直接アクセスできないダンジョンとして、線路が敷かれた廃坑やロケット団のものとみられる発電所やアジト、後のアルフの遺跡に類似した遺跡のマップがある。中にはヤドンの井戸もあるが、製品版のそれとは全く異なった構造をしている。


アイテムについて

「もちもの」システムが登場したのは金・銀からだが、体験版時点では一貫して「もちもの」ではなく「そうび」と呼ばれている。

てきの キャタピーは そうびしていた
きのみで たいりょくを かいふくした! ▼

内部データには「そうびするとこうげきが10あがる」などのポケモンらしからぬ説明文のアイテムが大量に存在している。
また、特定タイプの攻撃を強化するアイテムだけでなく、特定タイプの攻撃を弱体化させる後の「オッカのみ」系列のようなアイテムも実装予定があったようだ。


気になるアイテム

  • たべのこし:HPを毎ターン30回復するという驚異的な性能。実物は毎ターン1/16回復なので、最大HPが480以下のポケモンは実物より回復量が上回る事になる。HP240以下のあらゆるポケモンは、たべのこしを持たせて「みがわり」と「まもる」をしているだけでHPが減らない。
  • にげあしのハネ:「そうびすると 1ターン かけないで ほかの ポケモンと こうたいできる」という、間違いなくバトルに革命をもたらしたであろう性能。
  • ながいした/ながいツタ:「そうびすると ポケモンの ほかくりつが あがる」という、伝説ポケモンの捕獲時にぜひとも欲しい効果。
  • みえないカベ:「そうびすると とくしゅこうげきの ダメージが はんぶんになる」という、後のとつげきチョッキが可愛く見える驚異のオートひかりのかべ。強い。強すぎる。
  • メタルコート:製品版ははがねタイプの技の与ダメージを上げるほか、ハガネールやハッサムの進化に必要なアイテム。一方こちらは「そうびすると ふつうこうげきの ダメージが はんぶんになる」。こちらもオートリフレクターというぶっ壊れ効果。コレを持ったハピナスとか絶対相手にしたくない。
  • どさくさのツメ:「そうびすると せんとうのまえに てきに ダメージをあたえる」。どの程度ダメージを与えるのかは効果未実装のため不明だが、実装されていれば「がんじょう」や「きあいのタスキ」潰しとして後の世代で重宝されただろう。
  • ふしぎなちから:「そうびすると すべての タイプこうかが むこう」。タイプ相性の優劣がなくなると思しき凄いアイテム。でもどうやってバッグに入ってるんだろう。ヌケニンに持たせたいアイテム筆頭。
  • かみなりのつばさ:素早さ10アップ。
  • アップグレード:ポリゴン2の進化に必須なのは変わらないが、全能力5アップの効果も兼ね備える。
  • はかいのいでんし:製品版は即座に攻撃2段階アップと引き換えに混乱もしてしまうものだったが、こちらは全能力10アップの効果。「竜舞1回で遺伝子130族抜き調整」とかS調整がアツそう。
  • はんげきのうでわ:「そうびすると 4ぶんの1で てきに はんげきする」という一体何が起こるのか良くわからない解説。1/4の確率で反撃が発生するのか、受けたダメージの1/4のダメージを常に与えるのか?効果が実装されていないためさっぱり分からない。
  • あなほりのツメ:「そうびすると せんとういがいで あなをほるが つかえるようになる」…という事は、このアイテムを入手しないと「あなをほる」での洞窟脱出ができない予定だったのか?
  • クリィテカッタークリティカッターじゃないの!?一応赤緑にもクリティカッターはあったが…

わざ・タイプについて

新技についても一通り実装済みだが、製品版とは仕様等が異なるものも多い。
「せいなるほのお」はホウオウの専用技ではなく、ひるみの効果がある威力80のほのお技で、ガーディ系や初代での鬱憤を晴らすかのごとくファイヤーなどが覚える。ダイヤモンド・パールで物理攻撃に分類されたのは、本作でひるみ効果を設定しようとしていた名残だろうか?
威力90・命中100のいわ攻撃「いしあたま」の存在は全国のストーンエッジを外しまくっているいわタイプ使いに涙を流させた。ワロスエッジよりこっちください
他にも興味深いところでは、製品版ではむしタイプの高威力技であった「メガホーン」はこちらだと騒音を立てて相手の特攻を1段階下げるノーマルタイプの変化技という、角の「ホーン」ではなく文字通り「メガホン」由来の全くの別物であった。


内部データ的には、レベルアップで覚える技は全ての新ポケモンに設定済み。
わざマシンの使用可・不可の設定も存在するが、ミュウとキャタピーの設定が逆転していてキャタピーが万能になっているなど、明らかにデータが不完全である。


わざマシンの中身は1~50まで全て新しい技になっている。
ただし「スケッチ」や「テクスチャー2」といった限定技がマシンになっているなど不自然な点もあり、このまま使用する予定だったのか、ひとまず全て新技と紐付けしていたのかは不明。


ひでんマシンも全て新技となっているが、いずれも製品版のひでん技と同じ効用と思われる。
製品版と異なり、どの秘伝技もなぜか威力30程度で非常に弱い。
「とびはねる」に至っては正式版(ルビー・サファイア)ではそらをとぶ由来の効果だが、本作では「はねる」と同じ効果しかない
ひでんマシン01「ひっこぬく」=「いあいぎり」
ひでんマシン02「かぜにのる」=「そらをとぶ」
ひでんマシン03「みずあそび」=「なみのり」
ひでんマシン04「てつわん」=「かいりき」
ひでんマシン05「ひかりゴケ」=「フラッシュ」
ひでんマシン06「うずしお」
ひでんマシン07「とびはねる」=「たきのぼり」


一方タイプ面はというと、この時点でははがねタイプが「メタル」タイプという名称であり、タイプ相性も新タイプのあく・メタルを中心に製品版との差異が見受けられる。

 
×
×
×
×
×
×

※縦軸:使用する技のタイプ 横軸:防御側のポケモンのタイプ
○…等倍
◎…効果抜群
△…効果今一つ
×…効果なし
赤字…体験版と製品版で変わった相性


この中で特に注目すべきなのはあくタイプの弱点とメタルタイプの耐性だろう。なんとこの時点ではかくとうタイプではあくタイプの弱点を突けず、ノーマルタイプで効果抜群ということになっている。ドラゴン同様あく同士でも抜群を取れるのも興味深い。また、エスパータイプは無効化ではなく半減という形になっている。
メタルタイプの耐性に至っては製品版のはがねタイプとは(いわ半減を除き)全くの別物と言っても過言ではない。多くのタイプを半減できるはがねタイプとは異なり、こちらは対照的に多くのタイプが等倍となっており、みずとでんきが弱点。それぞれ錆びたり電気を通すイメージからきているのだろうか?
一方はがねタイプの弱点となっていたほのお・かくとう・じめんは等倍ないしは半減、メタル同士だと効果なしとなっている。
また、既存タイプの相性にも一部変更がされており、でんきがみず技を半減したり、ゴースト同士が抜群から等倍になっている。なお、第1世代の時点でバグがあったとされるどくとむしとの相性関係はここではまだ修正されていない。
もしこのままのタイプ相性で通っていれば、後の世代の対戦環境が今とは大きく変化していたことは想像に難くないだろう。


シナリオについて


体験版としては、既にハッパ・ホノオグマ・クルスのいずれか1匹を連れている主人公が、隣の「1番道路」へ出てバトルするだけ。
全滅するか、次のマップへ出てライバルに話しかけると強制的にタイトル画面に戻り終了する。
全滅すると表示される主人公の「つぎは がんばるぞ!」のメッセージが侘しい。
なお、ポケモンセンターの回復マシンやパソコンのボックス機能はそれぞれ故障中・調整中とのことで、利用はできない。


体験版用ではない本編のデータも内部には入っているが、ごく序盤のシナリオまでしか作成されていない。


  • 主人公

サイレントヒル在住の少年で、デザインは既に製品版と同じ。ポケモン史上類を見ない事に兄のケンが居る。
オーキド博士から新種のポケモンを含めたポケモン図鑑の作成を依頼され、パートナーポケモンと共に旅立つ。
母親の呼び方を自由に決められるというまったく新しいシステムが搭載されており、フリーワード入力も可能なので好きな女性の息子になる事が可能
ララァ・スンを私の母にできるかもしれないシステムだった・・・!


主人公のライバル。目付きの悪いロン毛(死語)の少年で、製品版「金銀」のライバルと全く同じデザイン。
だが「研究所からポケモンを盗み出した住所不定無職の不良少年」である製品版と異なり、ただの口の悪い主人公の幼馴染であり、サイレントヒルに普通に自宅がある。
初代のライバルから「ボンジュール!」と「バイビー!」を抜いたものを想像して頂ければ大体合ってる。


新種のポケモンを求めて家族と共にサイレントヒルに研究拠点を移したポケモン研究者。
ラジオでは「オーキド博士が行方不明になった」というニュースが聞けるため、周囲には行き先を告げずに出奔してきた模様。
セリフは概ね初代と同じ。「わしも もう じじい!」


ぼくは かつて ポケモントレーナーの 
ちょうてんを めざしたことが あるんだ
そのとき いいきに なっていた ぼくの てんぐのはなを
へしおった やつに きみは どことなく にている
あいつの おかげで ぼくは こころを いれかえて 
じいさんの けんきゅうを てつだうように なったのさ ▼

「ポケットモンスター赤・緑」における主人公のライバル。
製品版「金銀」ではトキワシティのジムリーダーを勤めているが、こちらではオーキド博士の助手になっている。
1年前に初代主人公に負けた影響で性格がとても丸くなっている。
何しろ一人称が「ぼく」。ドット絵は変わっていないので違和感が凄い。
前作で自由に名前をつけられるキャラだったためか、自分の名前を名乗ったり、他人から名前を呼ばれたりするシーンがない。
オーキドからは「まご」、姉のナナミからは「おとうと」と呼ばれるなど慎重に名前が出ることを避けているが、不自然なためか製品版では結局デフォルト名の1つであるグリーンになった。


1年前に150種類のポケモンを集めたという設定になっている。


上記の初代主人公とは別人。
TVを調べるとサトシを主人公とする「ポケモンアニメ」が放送されているのだ。
時間帯によって異なる回が見られる。


  • その他、人物いろいろ

デバッグモードではトレーナーのグラフィックを確認可能。
ジムリーダーも一部デザインされており、後のアサギシティジムリーダーミカンが既に登場している。
髪型は製品版のデコちゃんと異なり、ポケモンシリーズで言うならゴチルゼルに近いものになっている。
この他にもハヤトは正体不明の鳥を肩に乗せていたり、ツクシは完全に大人の容姿に仕上がっており、マツバに至っては「エノキ」という全く別の名前だったりする。
また、四天王と思しき領域にはカンナ・シバ・カスミ・ワタルが並んでいる。


ロケット団やサカキ様の名前もあるので、サカキ様がロケット団を再建し逆襲を図るようなシナリオが予定されていたのかもしれない。
また、ゲルゲだんいんという正体不明のトレーナー名も用意されている。


ちなみに製品版と異なり、道路に立っている一般トレーナーの個人名はひらがなで表示される。

まいこはんのたまおが
しょうぶを しかけてきた! ▼

その他

  • 音楽はまだ作られていない模様。
    街ではトキワシティ、戦闘ではジムリーダー戦など、「赤・緑」の既存の音楽が流れる。
    ポケモンの鳴き声も作られておらず、ほとんどの新ポケモンはニドラン♂の鳴き声を短くしたような音声(初代の一部バグポケのアレ)が流れる。

  • ポケモンリストを見た方は気づいたかと思うが、ルギアは居ない。
    タイトル画面は金・銀のどちらのバージョンもホウオウが表示される。
    元々ルギアは完全に映画オリジナルのポケモンとする予定であり、ゲームに出す予定はなかったのである。
    開発が遅れに遅れた結果、映画と製作が重なったことで登場させることが可能になり、「銀」バージョンのパッケージポケモンを射止めた形となった。

  • タイトル画面で放置していると、「ダッシュするピカチュウを操作し、プリンが出す音符を取るミニゲーム」が始まる。
    製品版金銀にある「歌っているプリンにピカチュウが体当たりして画面外に押し出す」シーンは、このミニゲームの名残である。

  • 開発中のソフトなのでデバッグモードが搭載されており、任意の街に飛んだり、任意のポケモン同士を戦わせたり、スロット等のミニゲームを遊んだりできる。

  • タマゴを入手する方法は育て屋…ではなかったようで、こづくりやという衝撃的な名前の店の存在が内部データから確認できる。
    それでは こづくりします!
    それとされるマップは製品版でも残されている模様。

  • 当時のTV番組での紹介映像をよく見ると樹木を飛び越えて移動しているのだが、どうやらマップに当たり判定を実装していない状態で映像を作ったらしく本ROMでも同じ動きになる。

  • 「ポン・デ・ライオン」と「ポリゴン2」の類似性について。
    2000年代に放送されていた「ポン・デ・ライオン」の登場するクレイアニメのCMは、NHKの「ニャッキ!」等で知られるアニメーション作家の伊藤有壱氏が作成していた。
    そして伊藤氏は、1990年代に放送されていたNECのキャラクター「バザールでござーる」のCMにも関わっている。
    更に、「ポケモン」の開発元であるゲームフリーク社は、1996年に「バザールでござーる」のゲーム「バザールでござーるのゲームでござーる」を作成している。
    この事から、「ポケモン」と「ポン・デ・ライオン」には伊藤氏を通じて繋がりがあるのではないか、との説が流れた。
    ただし、伊藤氏はあくまでポン・デ・ライオンのクレイアニメ制作を行った人物である。
    「ミスタードーナツ」の運営企業であるダスキンはポン・デ・ライオンのデザイナーについて「非公開」「無名の人物」としており、真相は誰にもわからない。

  • 天才ゲームプログラマーとして知られ、後に任天堂の社長を務めた故・岩田聡は、「ポケットモンスター金・銀」にポケモンのグラフィック圧縮ツールを開発して提供した事が知られている。
    体験版では「日本全国と無理やり縮小されたカントー」が強引に1枚のマップに収まっているのに対し、製品版では「ジョウト地方」と「若干縮小されたカントー地方」の2つのマップを用意できたのは、グラフィックを圧縮したことでROM容量に余裕が生まれたから、すなわち岩田氏の功績ということになる。

2020年の発掘

2020年4月、今度は1999年の没データが大量に発掘。
同年内に製品版が発売されることもあってか1997年版のボムシカー等のように製品版に影も形も残っていないポケモンは存在しない。
一方この時点ではまだ名前・姿の固まっていないポケモンや1997年版の見た目のままのポケモンも存在し、マスターアップの数か月前にも関わらずかなりギリギリまで調整していたことを伺わせる内容となっている。


なお、一口に1999年版と言ってもビルド時期が異なる複数のROMデータが発見されており、それぞれ微妙に異なるポケモンが存在するため、ここでは1999年に開催された任天堂スペースワールドで展示された体験版を軸に、各備考欄で補足する。



新ポケモン一覧


Noデータ上の名前
(空欄のポケモンは
製品版と同一)
製品版の名前備考
152 チコリータ名前が製品版と同一に。
153 ベイリーフ名前・デザインが製品版の物に。
154 メガニウム名前が製品版と同一に。
155 ヒノアラシホノオグマ系統と入れ替わりで御三家に。
これより以前のデータにはヒノアラシが単体で収録されており、背部のデザインがとげとげしいものも存在する。
156 マグマラシ同上。
157 バクフーン同上。
158 ワニノコクルス系統と入れ替わりで御三家に。見た目は製品版と同一。
159 アリゲイツ同上。
160 オーダイル同上。
銀板は製品版と異なる四足歩行のグラフィックでかっこいい。
が、デバッガーに疑問を呈されたためか製品版では変更されている。
161 オタチ
162 オオタチ製品版と違い縞模様が無くピンク色。
しっぽもオタチのそれに近い。
163 ホーホーデザインが製品版の物になった。
164 ヨルノズク名前・デザインが製品版と同一になった。
165 レディバ
166 レディアン名前・デザインが製品版と同一になった。
167 イトマルデザインが製品版と同一になった。
製品版金銀のイトマルのドットの色はなぜか公式絵と異なる紫系の配色なのだが、この時点でも紫系の色合いになっている。恐らく旧デザインのコクモの名残だろうか。
168 アリアドネアリアドス見た目は1997年版のツーヘッドと同じ。
ここからさらに変更が入って製品版のアリアドスになったと思われる。
169 クロバット名前が製品版と同一になった。
170 ヤンヤンマ1997年版には存在しなかったが、製品版と同一の名前とデザインで存在している。
171 みてい03チョンチー製品版と異なり目の周りが黄色ではない。
ヤンヤンマの進化系用のデータとして設定されているデータも存在し、この頃からメガヤンマの構想があったようである。
172 ピチュー金版は製品版と同一。
銀版は1997年版とも異なる卵型で耳が飛び出たようなデザインになっており、恐らくこのデザインを経由して製品版のピチューになったと思われる。
173 ピィデザインが製品版の物になった。
174 ププリン製品版に近くなったが、頭のてっぺんのもこもこが小さい。
175 トゲピ―
176 トゲチック1997年版には存在しなかったが、製品版と同一の名前とデザインで存在している。
177 ネイティ
178 ネイティオ銀版は1997年版のものと同様に胴体部分の模様が細かい。
179 メリープ名前・配色が製品版の物になった。
180 モココ
181 デンリュウ
182 キレイハナこの時点で体色が緑色に変更されている。
183 マリル配色が製品版の物になった。
184 みてい04マリルリヒナーズと差し替えで入ってカラーパレットがそのままなため製品版と異なり黄色(色違いとほぼ同じ)で、後ろ姿が変更されていないデータもある。
マリルをそのまま大きくしてしっぽを削ったようなデザイン。これより以前のデータは繋がった耳と2本のしっぽを持っている。
ただし図鑑設定には「長い耳」という記述があり、ドットを打っていないだけですでにデザイン自体は決定していたのかもしれない。
185 ウソッキー1997年版には存在しなかったが、製品版と同一の名前とデザインで存在している。
186 ニョロトノ製品版とほぼ同一のデザインだが、触覚がアンテナのようになっている。
187 ハネボーズハネッコデザインは製品版と同一。名前のみ1997年版とも異なる。
188 ポポボーズポポッコデザインは製品版と同一。名前のみ1997年版とも異なる。
189 ワタネコワタッコ印象は現在のものと然程変わらないが、綿が5つ胴体から直接生えている。
名前は1997年版のままだが、この時点で猫の跡形がない。
後ろ姿はパッと見1997年版の流用に見えるが、デザインがやや異なる。
190 ヌオー名前が製品版と同一になった。
製品版でも「ミズウオ」の没セリフが残っているのだが、そちらは使用しないことが決まったのかそのままになったと思われる。
体色が色違いよろしくピンクになっているデータもある。
191 みてい01ヒマナッツ発芽したての豆に目と足をくっつけただけのいかにも仮デザインらしい姿。
名前がベイリーフになっているデータも存在する。
192 キマワリ名前・デザインが製品版と同一になった。
193 ツボミットランターン製品版と違い目が小さくお腹が黄色い。
名前はマダツボミの分岐進化が没になったことでそのスロットの流用か。
後ろ姿もその流用となっているため、色がおかしなことになってしまっている。
194 エイパム金版は製品版と1997年版のテイルの中間のようなデザイン。
銀版は1997年版のままで、ピチュー共々デザインの変遷が伺える。
195 マダームウパーカモネギの進化が没になったのでそのスロットを再利用。
製品版のウパーと異なり4足歩行で頭の横の出っ張りが多い。
これはこれでなかなかかわいらしいデザイン。
196 エーフィ1997年版と同一デザイン。
197 ブラッキー
198 ヤミカラスデザインが製品版と同一になった。
199 ヤドキング
200 ノロワラムウマノロワラ系が没になったのでそのスロットを再利用。
姿は製品版のムウマと同一。
恐らくノロワラは没になったがやはり新たなゴーストタイプは出したいということでムウマが生まれたと思われる。
第3世代のヤミラミに先駆けゴーストとあくの複合タイプとなっている。
201 アンノーン
202 ツインズソーナンス元々キリンリキの進化前だったのだが、無関係のポケモンとなった。
その名残としてタイプがノーマルとエスパーの複合で、後ろ姿がキリンリキのそれと似ている。
見た目は白いひょうたんのような形で仮デザと思われる。
名前がカゲボーズとなっていたり図鑑説明が異なるデータも存在する。
後にアニメで準レギュラ―となり大きな人気を獲得するソーナンスだが、かなりの試行錯誤が行われていたことが察せられる。
203 キリンリキ製品版のデザインになった。
みてい05というキリンリキの進化形用のデータが存在するROMもあるが、そちらは没になっている。
みてい05はドット絵がないのでどのような見た目になる予定だったのかは不明。
204 クヌギダマ製品版と同一なのだが、図鑑説明はフォレトスの物になっている。
タイプもくさタイプとなっている。
205 ツボツボいわとじめんの複合タイプ。
首がやたら長かったり甲羅が壷のようなデザインになったりと見た目がバージョンごとに微妙に異なる。
製品版ではきのみジュースでお馴染みだが、こちらでは図鑑説明にきのみから酒を造るという記述がある。
ユーザー層や海外展開の都合でジュースに差し替えたられたと思われる。
206 ノコッチリアルなツチノコ(リアルで見つかっていないが)に近い見た目で製品版と別物。
ツボツボ同様デザインの変遷があったらしくバージョンごとに見た目が異なる。
207 グライガー製品版と同一デザインだが、これより以前のビルド時期のデータでは、製品版以上にサソリに近いデザインをしているものもある。
208 ハガネール
209 ブルー
210 グランブル1997年版にはいなかったが追加された。
211 プクーハリーセン名前以外は製品版と同一。
進化先の予定だったシビレフグはいなくなった。
212 ハッサム名前が製品版と同一になり赤くなった。
手が後のメガハッサムのような角ばったデザインになっているデータも存在し、なかなか興味深い。
213 プラックスフォレトスカイロスの進化形が没になったためその枠が使われている。
デザインが固まっていなかったのか、赤単色でベタ塗りされている。
214 ヘラクロス製品版と同一。
215 ニューラ発売が近いにも関わらずデザインが1997年版のまま。開発終盤でようやくデザインが変更されたようである。
金銀のニューラの色がドットと公式絵で全く違うのは旧デザインからカラーパレットを変更しなかったからである事も判明した。
216 ヒメグマ製品版と異なり色が黄色い。
黄色い熊さんはハハッ的な意味でまずかったのだろうか。
金版のドット絵が1997年版のホノオグマの改変。途中でノーマルの熊ポケモンに路線変更したのだろうか?
217 リングマ製品版と同一。
218 マグマッグマグカルゴ名前こそマグマッグなのだが見た目はマグカルゴ。
後々になって名前が進化前に渡されたようである。
219 みてい08サニーゴ名前が決まっていない以外は現在のサニーゴと同一。
バリリーナのスロットを再利用したためか、後ろ姿がバリリーナのそれとなっている。
220 みてい09ウリムー名前が決まっていない以外は現在のウリムーと同一。
221 イノムー現在のイノムーと同一。
222 みてい10マグマッグ現在のマグマッグと異なり目が飛び出てて色合いが赤紫寄り。
イノムーが進化するポケモンとして設定されていた時期もあり、メガヤンマ共々マンムーの構想もこの時点であったようである。
223 テッポウオこの時点ではまだ1997年版デザイン。
224 オクタン頭部が1997年版のヘルメットではなくガンダムのブレードアンテナ的な形状になっている。
デザイナーとしてなんとか兵器らしさを残したかったが故のアイデアの跡が伺える。
215 ギフトデリバード1997年版と製品版のちょうど中間のようなデザインになっている。
226 ハネエイマンタイン1997年版から製品版マンタインにかなり近づいたが、この時点ではテッポウオではない細長い物体がくっついている。
デバッガーとのやり取りにハネエイという記述があり、ギリギリまでこの名前で行く気だったようである。
ビルド時期によって表情や細部のデザインが変わっており、中には悪そうな笑みを浮かべた物もある。
227 ヨロイドリエアームドデザインは1997年版で完成していたが、名前はギリギリまでヨロイドリだったようである。
228 デビルデルビルヨロイドリ同様名前だけギリギリで変更か。
229 ヘルガー製品版と同一。
230 キングドラ1997年版デザインのままで、ニューラ同様開発終盤で変更されたようである。
231 パオンゴマゾウ名前以外は製品版と同一。
232 ドンファン
233 ポリゴン2デザインが製品版の物になり、1997年版は闇に葬られた。
234 オドシシ製品版と同一。
ちなみに初代の没ポケモンに鹿がいたことが明らかになっている(小学館の『学習まんがスペシャル 田尻智』に掲載)ので、リサイクルないしリベンジで採用だったのかもしれない。
235 ドーブル名前が製品版と同一になった。
236 ゴングバルキー名前も見た目も1997年版のまま。
終盤で変更が加えられたようである。
237 カポエラー同上。
目の位置や細部のデザインなどがビルドごとに異なる。
が、いずれも製品版のカポエラーではなく1997年版の不気味なデザイン寄り。ギリギリで変わってよかった。
238 キスキスムチュール名前以外は製品版と同一。
239 エレキッド名前・デザイン双方ともに製品版の物になった。
240 ブビィ同上。
241 ミルタンク
242 ハピナス名前・デザイン双方ともに製品版の物になった。
これより以前のデータでは体が黄色く、背が高いなど大きく異なったデザインをしているものもある。
243 ライライコウ名前以外は現行デザインと同一。
この時点ではちゃんと牙が生えているのだが、なぜか製品版のドットで牙が削られてしまいなんとも言えない顔になっている。
244 エンエンテイ名前以外は現行デザインと同一。
245 スイスイクン名前以外は現行デザインと同一。
246 ヨーギラス細かいデザインが決まっていないのが、緑でベタ塗りされている。
247 サナギラス製品版と同一。
248 バンギラス製品版と同一。
開発途中のデータでは「ギラス」という名前で「みてい11」から進化するポケモンだった。
249 ルギア1997年版にはいなかったが、上述の理由で劇場版から逆輸入される形で採用されたと思われる。
250 ホウオウこの時点ではノーマルとひこうの複合タイプだった。
251 みてい12セレビィ製品版と違い茶色で触覚・羽が存在せず、背も高い。
ネイティブアメリカンの精霊「ココペリ」を連想させるデザインで、モチーフだったのかもしれない。

なお、完全に没になった1997年版デザインのツボミット、マダーム、ノロワラ、ツインズ、プラックスはちゃんとした鳴き声や図鑑説明文が用意されているROMもある。特にツインズは1997年版のものとはまた違うデザインが用意されている。


シナリオなど

一方シナリオ面はほぼ出来上がっており、マップの違いも細部に留まっている。
だがBGMは未完成のものもあり、カントー地方の一部などは赤緑のものを流用しているほか、ED曲がポケモン研究所の使い回しだったり、セーブデータ画面のBGMの音程が高いといった相違点が見受けられる。


トレーナーもほぼ完成しているが手持ちに違いがあり、アカネがLv22のミルタンク単騎だったり、レッドのパーティ平均レベルが10ほど低かったり、ハヤトはなんとLv10のピジョットを編成していたりする。
四天王に至っては名前や使うポケモンのタイプこそ一致してるものの、製品版と同じシバを除き他3人のグラフィックが全くの別人となっており、イツキがサカキ、キョウがキクコ、カリンカンナのグラフィックを与えられている。特にカリンとカンナはポーズが完全に一致している。
またこの段階では製品版では没になったスポーツマン、先生(男)、兵士、電気屋のオヤジのほか、ガンテツや赤緑の開発段階のカツラの没デザインのトレーナーのグラフィックが収録されている。


元々体験版として作られているからか、31番道路とキキョウシティを繋ぐゲートを塞いでいるNPCが存在する。


これより更に古いマップデータも見つかっており、ジョウト地方の原型こそあるものの、ヨシノシティの規模が大きい、つながりの洞窟が製品版にはない街になっている、ウバメの森やタンバシティといった施設がなく、コガネシティとアサギシティが直接繋がっている、ワカバタウンのすぐそばにシロガネ山がある等の違いが見受けられる。
カントー地方も製品版では簡略化或いは削除された施設が赤・緑ほぼそのままである一方、ゲートが撤去、イワヤマトンネルは閉鎖されているといった違いがある。



ちなみに、海外のサイトには各バージョンのROMデータを比較してさらに関係者のインタビュー、数少ないスペースワールドの資料に当時のコロコロコミックまで全部洗って完成までの経緯を考察しているものもある。
…というか、日本語が読める人たちにとってはウッキウキだったのではないだろうか。


製品版へ…

こういった話題性溢れる発掘情報であるが、水を差すようだがその真贋については疑いの目が向けられることも多い。
というのも、諸兄はご存知かもしれないが『アルタイル・シリウス・ベガ』『萌えっ娘もんすたぁ』などといったハックロムが第三世代以降には存在している。

  • ベータ版ROMの入手元がどちらも判明していない。*6
  • ハックロム作成も知識と技術さえあれば不可能ではない。*7
  • 海外ではハックロム文化が盛んである。*8

という点から、これらのベータ版も同様のハックロムでありフェイクではないか?という疑いは向けられて当然なのだ。
公式だって真っ黒な代物に対して「よく見つけられましたね!実は〇〇だったんですよ!」などと答え合わせなどしてくれるわけもなく、「そうかもしれない」の域を脱せていない。


それはそうと、正式にリリースされた製品版である金銀には数多くの没テキストが存在している。
そして金銀はあのバグ無法地帯な初代の後継作ということもあり、バグ愛好家達による研究が行われ続けた結果、初代同様に森羅万象を操作可能な領域へと到達してしまった。
その結果、バグによりとあるプログラムが呼び出せることが発覚した。


エン『ブフウ!!


あ! やせいの!
エンテイが とびだしてきた! ▼

そう、エンというポケモンとシンボルエンカウントするイベントの名残で、それを実行するとエンテイが出現するのだ。
このイベントがいつ制作されたものかは不明であるが、99年版によればエンテイ=エンであることには間違いない。
しかしベータの残骸を製品版の実機でお目にかかれるという事実は、これらの発掘情報がフェイクではない裏付け、とまでは不十分なものの、界隈を大いに沸かせることとなった。
無論、発掘以前から知られていたミズウオのようにこの情報を一足先に知っていた者が、信憑性を高めるためにハックロムに盛り込んだのだと言われても、それを否定することはできない。真相は未だ闇の中である。


これは アニヲタwiki!
さまざまな じょうほうが しゅどうで かきこまれる
ローテクな wikiじゃ!
このこうもくに じょうほうを ついき・しゅうせいし
かんぺきな こうもくを つくってほしい! ▼

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  • ブラッキーの図鑑テキストに「毒の汗を出す」みたいなのがあるのはこのころの名残なのか -- 名無しさん (2018-07-17 23:59:21)
  • 衝撃的な出来事でしたねー。しかしもうこれで全てが明らかになってしまったので今後の新しい展開が無い事が決まっているのが残念(笑) -- 名無しさん (2018-07-18 01:03:58)
  • >血に飢えたゴルバットのような目で[要出典] は草 -- 名無しさん (2018-07-18 01:25:50)
  • ノロワラとかボムシカーとか、それなりに今でも通用しそうなポケモンもいくつか見られて妄想が捗る。 -- 名無しさん (2018-07-18 04:34:54)
  • ↑自分も、没ポケの大方を第8世代の新ポケにしてもいいんじゃないかと思ってる。 道具や人物は初めて知った。調整or没になった奴にも何か有用そうなのあるだろという位の物を感じる。 -- 名無しさん (2018-07-18 07:11:11)
  • いやぁ、もう出せないでしょ。いくつかいいデザインもあるから残念だ。 -- 名無しさん (2018-07-18 08:41:51)
  • 体験版なんぞ金銀の項目の後ろに挿入しとけばいいじゃんと思って開いたら想像以上に充実してて笑った -- 名無しさん (2018-07-18 09:30:51)
  • あっちのサイレントヒルと、延期で発売が重なりかけたので変わったのかな? -- 名無しさん (2018-07-18 09:42:59)
  • 「好きな女性の息子になれるシステム」はもっと流行れ(懇願) -- 名無しさん (2018-07-18 09:53:19)
  • ↑4ガセ・没ポケのページでホノオグマが「いつの日か復活するかもしれない」って書かれてるからにはまだ捨てきれない筈・・・。 -- 名無しさん (2018-07-18 09:57:09)
  • こづくりやとかいうド直球すぎる施設に草 -- 名無しさん (2018-07-18 10:04:20)
  • ルビサファとかダイパでの没ポケモンや没データも見てみたいな -- 名無しさん (2018-07-18 10:08:30)
  • ↑3実際没ポケのいくつかは後のシリーズで採用されてるから冗談半分で期待はしていいと思うよ -- 名無しさん (2018-07-18 10:25:30)
  • ↑だよね。カバルドンやトリトドン、ナゲキやダゲキだってそうだったな。 -- 名無しさん (2018-07-18 10:29:22)
  • 前作のライバルがアニメのシゲル同様に研究者になったり性格が丸くなってるのも偶然なんだろうか。 -- 名無しさん (2018-07-18 11:39:46)
  • 第8世代にかみなりのつばさ実装してくれ。対戦環境がさらに熱くなりそう -- 名無しさん (2018-07-18 12:26:07)
  • テッポウオ→オクタンの原形を留めない進化に金銀発売当時は違和感を覚えたんだけど、この時点ではあんな感じで大幅に姿が変わるポケモンも多かったのか -- 名無しさん (2018-07-18 15:43:35)
  • 名前がサイレントヒルとか町から出れない気がするわ -- 名無しさん (2018-07-18 22:26:34)
  • 三角頭の化け物が追ってきそうな名前のタウンですね… -- 名無しさん (2018-07-18 23:54:24)
  • 発売前に雑誌などで紹介されていたスクショ(開発中のゲーム画面)と実際のものにはだいぶ相違点があったし、何かあったんだろうなとは思っていたが…。ひょっとして、かの「バイオハザード1.5」くらいの完成度はあったのかな? -- 名無しさん (2018-07-18 23:57:34)
  • 没ベビィズがわりとかわいくて困る -- 名無しさん (2018-07-19 02:43:35)
  • 没になったスケボーをいつか出してほしい。 -- 名無しさん (2018-07-19 08:33:30)
  • 没オクタンはメガオクタンみたいにして再登場させてほしい -- 名無しさん (2018-07-19 09:47:02)
  • これら没道具が実装されたらレート界隈が荒れに荒れそう。役割論理とか崩壊すんじゃね? -- 名無しさん (2018-07-19 11:10:04)
  • 名前がウルフマンなのに見た目はルナイトぽいのか -- 名無しさん (2018-07-19 14:31:56)
  • みずあそびとかとびはねるとかひかりゴケとかこの頃から名称自体は考案済みだったんな -- 名無しさん (2018-07-19 14:38:09)
  • 昔金銀発売前の試遊台やったことあるけどマリルとブルーの名前が逆になってた記憶があるんだけどどうだったっけな・・・ -- 名無しさん (2018-07-19 16:27:19)
  • こういう形で見つかってしまった以上、そのままの形で採用されるのは絶望的に見える -- 名無しさん (2018-07-19 17:59:37)
  • ダイナベアはブースターとどう差別化するつもりだったのか気になる。 -- 名無しさん (2018-07-19 19:30:01)
  • ↑3 ブルーとマリルの名前が逆になってたのは雑誌の方ですねー。このロムでは両方共正しい名前となっております -- 名無しさん (2018-07-19 20:07:41)
  • 一番の謎はこの体験版ROMがどこで見つかったのかって言うこと -- 名無しさん (2018-07-20 00:46:11)
  • トサキントの進化前が誰得とかまるでトサキントが全く人気のないポケモンみたいな言い方だなあ しかしスタフォ2といい世に出てないものを手に入れて不特定多数に公開するってガセだのリークだのどころじゃないとんでもない行為だよね -- 名無しさん (2018-07-20 01:46:44)
  • こころのいし/どくのいしも気になるね -- 名無しさん (2018-07-20 19:23:09)
  • やたら多いベイビィポケは取り敢えず案出してそこから厳選する段階だったんじゃないかと思ってる。確かポケモンの案出しとかは昔はデータ上にそのまま打ち込んでたみたいな話もあったし -- 名無しさん (2018-07-22 13:43:16)
  • ↑4 イギリスかどっかのゲームイベントに使われた会場の倉庫に眠ってたって話だぞ。 -- 名無しさん (2018-07-22 15:41:11)
  • でも金魚モチーフのトサキントをこれ以上幼くする必要があるかというと微妙 -- 名無しさん (2018-07-28 20:17:28)
  • ↑世代2つも跨いでまでマンタの下にカイト作ったりする必要はあったんですかね…… -- 名無しさん (2018-07-28 20:53:59)
  • ↑2そういうの作った時点で制作側も気付いて、ボツった感が・・・。それ位の事が出来るんだったらドラゴン数種作って、ワタルの手持ちをどうにかする事だって出来たろうし、後の世代でもフィオネやデリバードの不眠+やる気みたいなのがそう世に出なかった筈だがな・・・。 -- 名無しさん (2018-07-30 09:23:59)
  • ベイビィポケモンって商業的都合が強いポケモン多いからね。ピチューとか典型的だけど -- 名無しさん (2018-08-11 02:27:11)
  • ボムシカーってデザインはアシレーヌとズガドーンにそれぞれ受け継がれた感じ -- 名無しさん (2018-08-11 08:08:36)
  • ブラッキーの毒液等の図鑑設定はこの頃の名残か。まあ耐久よりだからばんばん毒毒使ってたが、この頃はエーフィとタイプ相性が逆転していたんだな。 -- 名無しさん (2018-11-10 00:11:27)
  • 体験版ってことで広まってるがオープニングが当時の映像と違うから時期的に近いのかもしれんが体験版のROMそのままではないよなこれ -- 名無しさん (2018-12-28 23:29:12)
  • どさくさのツメ(装備してると戦闘開始前に相手にダメージ)が今あったらタスキ頑丈潰しで流行ってたと思うの -- 名無しさん (2019-04-29 21:10:58)
  • アニポケのシゲルがサトシに負けて研究者に転身というのもこれのライバルの設定を踏襲したのかな? -- 名無しさん (2019-04-29 21:31:23)
  • 実際ゲームの没ROMがエミュレータを通して発見された例は過去にもあるからな、ソニック2とか。 -- 名無しさん (2019-07-03 17:17:52)
  • 嘘か真かハッカーが任天堂のサーバーから盗みだしたのが流出した経緯だという話しが出てるな。実際に2018年の3月から5月まで侵入されていたという報道がある -- 名無しさん (2019-12-29 14:48:51)
  • ノワワラ、キョンパン、イカリ、ウルフマン辺りはリファインしてほしい -- 名無しさん (2020-01-08 14:15:57)
  • まさかほんとにイーブイにリーフの石で進化できるようになるとは… -- 名無しさん (2020-07-22 04:04:32)
  • ベータ版金銀、任天堂ハードの開発情報流出に続いて今度はベータ版DPか…。ソースコードまで流出って事はガセという線は薄いだろうしもう何が流出しても驚かなくなりつつある -- 名無しさん (2020-07-28 09:23:36)
  • ベータ版RS「・・・」 -- 名無しさん (2020-07-28 11:22:50)
  • ドードーのベイビィって3つ首だったよね、じゃあドードーの間は首一つはどこ行ってたんだ -- 名無しさん (2020-11-14 21:54:51)
  • ↑哀しみを背負うことで進化したんやぞ -- 名無しさん (2021-01-22 12:57:39)
  • ウルフマン、ワーウルフはウリムーとイノムーの原型かなと思った -- 名無しさん (2021-08-17 01:23:16)
  • ハートゴールド/ソウルシルバーでは容量問題が解決してトキワの森やふたご島、ハナダの洞窟が復活してたから、そのうちガチで日本全国を舞台にしたゲームも作られそうだな。 -- 名無しさん (2022-01-25 23:34:51)
  • ↑現状東北と中国・四国地方は非公式の改造ゲーム(ベガ、プロキオン/デネブ)の舞台に使われてるけど、なんか改造ポケモンのクオリティ(ストーリーやオリジナルポケモン)が高すぎて東北とかを舞台にした作品を作ると本家が非公式をパクった扱いになりかねないから舞台を海外の地方に移したって噂を聞いたことあるんだよな。実際youtubeで初めてベガの動画を見た時は新作かと思ったほどだったし。 -- 名無しさん (2022-01-25 23:37:51)
  • LEGENDSアルセウスでハリーセンの進化形ハリーマンが登場したな。シビレフグェ… -- 名無しさん (2022-02-16 22:44:58)
  • 母親の呼び方を自由に決められるシステムはどういう意図で検討されていたのか… -- 名無しさん (2022-02-27 14:22:37)
  • もし当初の構想通り金銀で全国が舞台になってたら今頃どうなってたんだろうか… -- 名無しさん (2022-02-28 06:02:52)
  • ↑2 「ははのあい」っていうアイテムが存在しているので、おそらく母親が単なる銀行ではなくもっと関係を掘り下げるイベントが用意されていた。初代からMOTHERリスペクトなコンセプトであることを考えると納得 -- 名無しさん (2022-06-03 12:32:33)
  • ミコンの名前はキュウコンとあわせると「未婚」「求婚」とも読めるようになるから"狐の嫁入り"モチーフになる。みずタイプ設定も意図的なのかも -- 名無しさん (2022-08-06 00:35:01)
  • ツインズがキリンリキに進化した昔、キリンリキがリキキリンへと進化する今 -- 名無しさん (2022-10-30 17:21:15)
  • LEGENDSアルセウスやSVのクオリティを見ると近い将来本当に日本全国を舞台にした作品も製作されそうだよな。 -- 名無しさん (2022-11-26 00:08:18)
  • ↑分割DLCか拡張パックで数年置きに地方を追加していって最終的には日本全国に…とかやってくれないかなあと妄想 -- 名無しさん (2022-11-30 04:35:19)
  • ハッパはともかくホノオグマとクルスは今のポケモンの方向性からするとかなり違和感あるデザインだから、これが最終稿として決定していたら今のポケモンはだいぶ雰囲気違っていたと思う -- 名無しさん (2022-11-30 07:57:15)
  • この発見そのものは面白いものだったけど、GAIJINはデリカシーないというかこういう没やバグ、あるいはイースターエッグ的なの大好きで大っぴらにする傾向あるからネギガナイトのインタビューでマダームについて聞いて当然スルーされてたりしたし、なんか公式にβ版の話とか聞けることはなさそう… -- 名無しさん (2023-07-10 05:17:04)

#comment

*1 「1997年夏」と誤って記載されている事が多いが、1997年の開催は11月である。「スペースワールド」は次回1999年以降8月になった
*2 赤・緑の発売日は1996年2月27日。
*3 白鳥モチーフと思われる
*4 雑誌情報では「サイレントヒルズ」という名称だったが、ゲーム内では一貫して「サイレントヒル」になっている
*5 カントー地方の1番道路とは異なる
*6 ポケモンwikiやニコニコ大百科での記載によれば「任天堂などへのハッキングにより不正に入手され、プログラミング集団の元へ送られた」との記載あり。どちらにせよ喜ばしくない話である。
*7 詳しくは書かないが元のゲームをより拡充させたり、上記のアルタイル~などのように別のソフトに変えたりするハックロムは存在している。
*8 ポケモン金をベースに改造された「ポケモンプリズム」やゼルダの伝説 時のオカリナのハックロム「ゼルダの伝説 ミッシングリンク」などがある。

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