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M1アストレイ(エムワンアストレイ、M1 ASTRAY)は、アニメ『機動戦士ガンダムSEED』及び『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する架空の兵器(モビルスーツ・略称はMS)。(型式番号:MBF-M1)
注意:以降の記述で物語に関する核心部分が明かされています。
M1アストレイ | |
型式番号 | MBF-M1 |
所属 | オーブ連合首長国 |
建造 | モルゲンレーテ社 |
生産形態 | 量産機 |
全高 | 17.53m |
重量(シュライク装備時) | 53.5t(65.3t) |
装甲 | 発泡金属装甲 |
武装 | ・75mm対空自動バルカン砲塔システム「イーゲルシュテルン」×2 ・71式ビームライフル ・70式ビームサーベル×2 ・対ビームシールド |
オプション | ・EF-24R シュライク |
主な搭乗者 | アサギ・コードウェル ジュリ・ウー・ニェン マユラ・ラバッツ マルヤマ キクチ カノウ ロウ・ギュール ロンド・ミナ・サハク ジャン・キャリー オーブ軍MSパイロット |
M1アストレイはMBF-P01~03「アストレイ」の制式量産型である。P01~03はモルゲンレーテ社がオーブ政府からの委託を受け、自国防衛用に試作したオーブ軍初のMSであった。ヘリオポリスで極秘裏に開発され高い性能を示したアストレイであるが、その制式化、戦力化にあたっては、量産性を考慮した再設計が必要であった。そこで相応の簡略化、集団戦闘・邀撃専用機としての機能限定が図られ誕生したのが本機M1であり、原機アストレイやG兵器の開発データを翻案しオーブ本国オノゴロ島で開発製造された。
再設計の要点は、生産性の妨げとなる要素や集団戦闘で重要性の薄い機構・武装の省略である。具体的には、オプション交換機能(スライドギミック付バックパック、頭部センサーの取り外し機能等)の廃止、フレーム及び各部第1装甲の可動箇所の減少及び装甲形状単純化、MBF-P01には及ばぬ敏捷性を補うための被装甲箇所の若干の拡大、センサー機能のダウングレード等となる。又、携帯火器も基本的銃撃・斬撃兵装に限られた。機体構造が簡略化された分、信頼性や整備性にも優れるとされるが、制式化、就役後間もなく、ろくに組織的訓練や実働テストもせず初陣を迎えてしまったため、その当時実力は未知数であった。
一方、「高い機動性により敵の攻撃を回避する」コンセプトは踏襲され、オプション運用の前提を廃した事でむしろ特化された機体構造を有する。構造材及び装甲材にはアストレイと同様に無重力空間で冶金精錬され高い強度と軽量性を備える発泡金属を採用、各部の装甲厚節約及び無装甲化と相俟ってかなりの軽量を実現している。又、背部にはGAT-X105ストライクの「エールストライカー」を参考に設計・開発されたスタビライザー状のスラスターを固定装備している。このスラスターは推力・敏捷性の両面に優れ、1G下においても短時間の飛行が可能である。
総合的な機動力は他国のMSを大幅に上回り、耐弾性能の脆弱さを補って余りある回避運動能力を実現している。又、その機動力とスタンダードな携行武器により、戦域・戦況を選ばない高い汎用性を実現している。
同時期に開発された他国の量産型MS(ダガーやゲイツ等)と比較しても優れた機体性能を有し、特に運動性能の優劣が重要な要素となる中距離以下での対MS戦闘に関しては頭一つ飛び抜けた戦闘能力(※)を発揮する。多少の物量差の敵となら互角に渡り合う事が可能で、仮想敵国(包み隠さず言えば大西洋連邦やプラント)との物量差が恒久的な問題となっているオーブ軍にとっても、最低限の戦闘能力は確保していると言える。
(※ただし資料によっては=プラモデル1/144コレクションシリーズのインスト等=本機の総合性能はストライクダガー、ジンと大差無いものとされている。)
他国の軍人などには主に「アストレイ」と呼ばれるが、自国の技術者やパイロットはプロトタイプであるアストレイとの混同を避ける為「M1」という呼称を用いる事が多い。ちなみに「ASTRAY」という「邪道」を意味する英語の機体名は、大西洋連邦の技術を盗用して開発されたという本機の出自に由来する。「M1」は量産型1号機である事を意味する「モデル1(Model1)」の略称。また、型式番号にある「MBF」は「Main Battle Figure」の略表記であり、直訳すると「主力戦闘(機械)人形」を意味する。西暦における第二次世界大戦後に登場した主力戦闘戦車(MBT=「Main Battle Tank」)に倣ったと思われるオーブ軍独自の機動兵器カテゴライズである。
ヤキン・ドゥーエ戦役終結後開発されたM1アストレイの大気圏内飛行用オプション。(型式番号:EF-24R)
島嶼国家であるオーブ領内の防衛には海上航空戦力が必要不可欠であった為、単体では滞空時間が短いM1アストレイの補助装備として開発された。又、本ユニットの装備の為、後期型のM1アストレイはバックパックに改修が加えられている。この装備によりM1アストレイはムラサメには及ばないものの高い飛行能力を獲得し、C.E.73においてもオーブ国防軍の主力として運用され続けている。尚、「シュライク(Shrike)」とは英語で「百舌」の意。
MS用の飛行装備としては珍しく、一基の追加スラスターとローター付きの翼が備えられている。ジェットストライカーやフォースシルエットと言った純固定翼タイプのバックパックに比べると推進力や航続距離の点で劣るが、方向転換や姿勢制御などを容易に行う事ができ、空中での近接戦闘で大きなアドバンテージを得られる。又、M1アストレイが元々高推力のスラスターを備えている事から、ユニット装着時の推進力はジェットストライカー装備のダガーシリーズと然程変わらない。素体が軽量且つ高推力を有するM1アストレイならではの飛行装備と言える。
戦闘の際は基本的に艦船には搭載されず、オーブ本土から離着陸を行うが、領海付近の軍艦などに対し警告を行う場合は燃料節約の為にイージス艦の甲板に乗って出航する(シュライク開発以前は戦闘ヘリが搭載された)。タケミカズチに搭載される場合、第二戦闘配備の時点で離着陸を迅速に行える甲板上に移動・係留される様だ。
大西洋連邦の技術を取り込んだ事で機体の開発は順調に進んだM1アストレイだったが、ナチュラル用OSの開発は機体の開発に大幅に後れを取っていた。機体の完成後もテストパイロットのジュリをアストレイレッドフレームのパイロットであるロウ・ギュールの元に送り込みデータを取る等したが、OSの開発は遅々として進まずナチュラル用MSとしてのM1アストレイはとても実戦に耐え得るものではなかった。
しかしC.E.71年3月23日、ザフトの追撃を逃れる為にアークエンジェルと共にオーブを訪れた、当時地球連合軍の少尉だったキラ・ヤマトの協力によりOSの開発は一気に進行し、完成したOSを搭載したM1アストレイは他国のMSを上回る機動力をナチュラルでも充分に引き出せる機体として完成した(キラが組み上げたOSにも、戦闘中に突然拳法家のポーズを取るなどの多少の問題が残っていた為、後にアストレイブルーフレームのパイロットである傭兵・叢雲劾によって更なる最適化が行われた)。
ハードウェア、ソフトウェア共に完成を見たM1アストレイはその後急ピッチでオーブ軍に配備され、同年6月15日の地球連合軍によるオーブ解放作戦においてストライクダガー部隊を迎え撃ち、圧倒的な物量差の中善戦し(義勇軍として参加したアークエンジェルクルーやバスター、ジャスティス等の援護もあって)オーブ陥落までの間、二度にわたり地球連合軍を退けた。更に敗戦後はクサナギに搭載され三隻同盟のMS戦力として活躍し、第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦までを戦い抜いた。
『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY』では運動性能のテストの為にロンド・ミナ・サハクが搭乗し、格闘戦においてレッドフレームを上回る強さを見せた。(この時、螳螂拳の穿弓腿と言う技を使っているが、本来とは逆の足を使っている)
このような華々しい活躍は、連合のストライクダガーや歴代ガンダムシリーズにおける他の量産機(一方的なやられ役)とは一線を画しており、「顔がガンダム」故の活躍と言う声も一部で挙がった。確かに、左右のカメラアイとV字アンテナを備えた量産機はガンダムシリーズを通じて非常に希(代表的なものは『機動戦士Vガンダム』のヴィクトリーガンダム)で、このデザインがシリーズにおいて特別な意味を持っているというのも間違いないだろう。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY[]開発から2年が経過した『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』でも、配備が開始されたばかりの新型量産機「ムラサメ」と共に相当数がオーブ国防軍に配備されていた。空戦能力に優れたムラサメと比較すると、防衛や迎撃を主任務とする二線級の機体としての認識が強くなっている様である(実際、陸戦能力に関してはムラサメを上回る為、内地や沿岸での迎撃・防衛には向いている)が、追加開発された大気圏内飛行用オプション「シュライク」によりムラサメと共に前線へ出向く事も少なくなく、実質的にはC.E.73の時点でも主力に準ずる機体として運用され続けている。
設定上はその様な、前作に登場した量産型MSとしては厚待遇と言って良い扱いであるが、実際の劇中では主人公達や新登場の量産機の引き立て役=やられ役に成り下がってしまっており、前作の様な活躍は全くと言って良いほど見られない。
M1アストレイのOS不備[]SEED第27話で行われたデモンストレーションにおいて、OS改良前のM1アストレイが何故か拳法家の様なポーズ(八極拳の頂肘)を取るシーンがある。又、ASTRAY Bでも戦闘訓練の最中に突然拳法家の様なポーズを取っていた。これについては各媒体でアストレイレッドフレームのOSを参考にした為と説明されるが、レッドフレームのOSに組み込まれていたのは日本剣術の動作であり、拳法の動作ではない。もっとも、プロトタイプだったレッドフレームの動作テストの為に、拳法家の動きを含む様々な動作パターンが組み込まれていた可能性はある。
ジャン・キャリーが地球連合軍除隊後、三隻同盟に籍を移したときの愛機。左肩部装甲にパーソナルマークが描かれ、機体全体が白系統に塗装されている。この白い塗装は元々ジャンが地球連合軍に所属していた頃、軍上層部がジャンを監視する為に「戦場で目立つ色」として彼の機体(ジンやロングダガー等)に施したものだが、この頃には「煌く凶星『J』」の威名は広く知れ渡っており、示威効果を期待したジャン自らの希望によって施されたものである。尚、マーキングやカラーリング以外には特別な改造等は一切施されておらず、機体構造やスペック等は通常のM1アストレイと全く変わらない。
ジャンはこの機体で第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦に参戦し、バリー・ホーの駆るM1Aアストレイと共に多大な戦果を挙げた(第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦における三隻同盟の目的はあくまでも核ミサイルの撃墜及びジェネシスの破壊であり、何をもって多大な戦果とするかは疑問であるが、恐らく核ミサイルを撃墜するモビルスーツ部隊、もしくはジェネシスに向かうクサナギ及びエターナルの護衛に多大に貢献したと言う事であろう)。又、ロウ・ギュールに完成したパワーシリンダーを届けに行った際に遭遇したアッシュ・グレイの駆るリジェネレイトとも渡り合っている。
戦後もジャンはこの機体を愛機とし、ユニウス条約調印式時にはヴェルヌ35Aを用いて停戦を妨げようとするザフトの強硬派達を掃討した。ちなみにDESTINY ASTRAYのフォトストーリー下巻の漫画ではシュライクを装備した状態でジェスの救援に現れた。
M1Aアストレイ | ||
型式番号 | MBF-M1A | |
所属 | オーブ連合首長国 | |
建造 | モルゲンレーテ社(アメノミハシラ) | |
生産形態 | 量産機 | |
全高 | 17.53m | |
重量 | 65.3t | |
装甲 | 発泡金属装甲 | |
武装 | ・75mm対空自動バルカン砲塔システム「イーゲルシュテルン」×2 ・71式ビームライフル ・71-44式改狙撃型ビームライフル ・70式強化型ビームサーベル×2 ・対ビームシールド | |
主な搭乗者 | バリー・ホー ソキウス ジャン・キャリー |
『ガンダムSEED MSV』にて設定されたM1アストレイの派生機。オーブの宇宙ステーション「アメノミハシラ」防衛用に開発された機体で、宇宙戦用の機体としてM1の特徴である高機動性を更に向上させる改良が加えられている。(型式番号:MBF-M1A)
運用環境を極低重力の宇宙空間に限定している為、脚部はAMBAC肢として特化する改良が加えられ、機体を支える「脚」としての構造は大幅に簡略されている。その為1G重力下では自重を支え、歩行する程度の耐久力しか持っていないが、AMBAC機動時の応答性はM1アストレイに比べ約30%向上している。又、スラスターの増設・強化によって宇宙空間での機動性を更に向上させ、背部に追加した推進剤と冷却材の貯蔵タンクによって増加した推進剤の消費量を補っている。機動力以外には、頭部アンテナの大型化により通信能力が強化されている。ちなみに、局地用制定カラーリングとして、ブルーで塗装されたフレーム部分により、ブルーフレームとしばしば誤認されることがあったという。
本機はアメノミハシラと並行して地上でも量産され、少数はオーブ脱出の際に戦艦クサナギに積み込まれ、宇宙で組み立てられた。クサナギ所属のパイロットの中でもバリー・ホーをはじめとしたエース級パイロットに優先して配備され、第2次ヤキン・ドゥーエ攻防戦にも参戦している。
71-44式改狙撃型ビームライフル71式ビームライフルをベースに、宇宙空間での超長距離射撃用に改造したビームライフル。通常の71式に比べて連射性能は低いが、内蔵された高精度センサーと照準補正システムにより命中精度は格段に向上し、遠距離の目標も正確に捉えることが可能。又、銃身が延長された事でビーム自体の飛距離も伸びており、有効射程距離は最大で400kmにも達する。レイスタ(RAYSTA)は、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY』等に登場する架空の機械(モビルスーツ、・略称はMS)。(型式番号:MWF-JG71)
レイスタ | |
型式番号 | MWF-JG71 |
所属 | ジャンク屋組合 |
建造 | ジャンク屋組合 |
生産形態 | 量産機 |
全高 | 不明 |
重量 | 不明 |
武装 | ・ビームライフル ・バズーカ ・対ビームシールド |
主な搭乗者 | ジェス・リブル ユン・セファン バリー・ホー |
レイスタはジャンク屋組合が独自に設計、生産している作業用MSである。廃材利用の意味合いからパーツの約4割がM1アストレイからの流用品であり、パーツの交換が容易な設計となっている。頭部ユニットは連合のダガー系に似たゴーグルタイプがデフォルト仕様だが、用途やパイロットの好みに合わせカスタマイズされた機体も多い。中でも2つ目に角型アンテナのガンダムタイプヘッドは人気が高く、それを専門に改造を請け負う業者も存在する程であった。脚部は大型クレーンに変形し、大型重機として使用可能。設置位置の関係上、基本的に宇宙用の装備であり、その大きさ故決して精密作業向きでは無いが、その分高いパワーを発揮する。また、コクピットハッチは前面、上面の2ヶ所に存在し、前面を展開した状態での目視作業も可能。背部には規格化された多目的プラグが内蔵され、用途に応じて様々なオプションが装着出来る。
主にジャンク屋組合で運用される他、民間へのレンタルも行われているが、当然戦闘目的での使用は禁止されており、固定武装も持たない。だがパーツの半数近くがM1と共通である為武器の運用自体は可能であり、ジェネシスαに配備されている機体は自衛目的の場合に限り武装して出撃する。この時の武装は主にバズーカ、ビームライフル、対ビームシールド等で、ライフルとシールドは機体同様M1アストレイと同等の装備を流用している。
機体設計は元モルゲンレーテ社の技術者ユン・セファンが、同社から持ち出した(無論犯罪行為である)5基の量子コンピュータのアイディアを参考に行っており、後にこの機体のデータを元に、後継機としてシビリアンアストレイシリーズが開発されている。
尚、機体名の「RAYSTA」(レイスタ)は、「ASTRAY」(アストレイ)をアナグラム化したものである。
バリエーション[]ユン専用レイスタレイスタの設計者ユン・セファンが所有する専用機。個人のカスタム機の為、固有の型式番号は持たない。
一般機との相違点は、各種工具やパーツを輸送する為、背部や脚部等に収納用のコンテナが設置されている他(コンテナを装備した場合は機動性がかなり下がる)、頭部に2本のアンテナが追加されており、ジャンク屋の人工衛星とリンクされている。またソーラー発電機も装備されており、長距離の移動にも適している。機体色もオレンジの専用カラーに再塗装されているが、追加装備を排除した外形は殆どゴーグルヘッドの一般機そのものである。但し機体を構成するM1のパーツの割合が6割を超えており、より基本性能に優れた機体となっている。
南米の山中にてザク量産試作型に遭遇した際、「拳神」バリー・ホーが本機を操縦し戦闘を回避している。
レイスタ(ガンダムタイプ)ジェス・リブルがクライアントであるサー・マティアスより貸し与えられた機体。
2つ目に角型アンテナのガンダムタイプヘッドで、MS用ガンカメラの使用に当たりセンサー系統が強化されている。
マティアスの依頼でジェネシスαの取材に赴いた際、叢雲劾の駆るブルーフレームセカンドによって破壊されてしまう。(厳密にいえば専用機ではないが、レイスタのバリエーションの1つとしここに掲載した。)
シビリアンアストレイDSSDカスタム(Civilian Astray DSSD custom)は『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER 』に登場するMS。(型式番号:UT-1D)
シビリアンアストレイDSSDカスタム | ||
型式番号 | UT-1D | |
所属 | D.S.S.D (深宇宙探査開発機構) | |
建造 | ジャンク屋組合 | |
生産形態 | 改修量産機 | |
全高 | 17.20m | |
重量 | 61.54t | |
武装 | ・ビームガンKSM71/J ・シールド | |
その他装備 | ・レーザートーチ | |
主な搭乗者 | DSSD保安部パイロット |
深宇宙探査開発機構(Deep Space Survey and Development Organization)"D.S.S.D"保安部に配備された宇宙活動用量産型MS。型式番号の「UT」は多目的型民生機の意で、施設内の警備・戦闘の他、作業活動にも対応可能な高い柔軟性が特長である。
前大戦時、地球連合の接収を逃れた一部のモルゲンレーテ社技術者とジャンク屋組合の協力を得て、モルゲンレーテ社のアストレイシリーズの設計をベースに開発されているが、M1アストレイの部品を流用して71年に造られたMWF-JG71レイスタとは別系統の新造機である。
さらにジャンク屋組合はこのUT-1Dをベースに、DSSD以外の一般向け販売用のMWF-JG73を生産している。一般販売用との差別化を図る便宜上、UT-1Dを「DSSDカスタム」と呼称するために誤認されがちだが、あくまでも本機は一般用MWF-JG73のDSSD用改修機ではなく、因果関係では本機がベース機にあたる。
頭部はブレードアンテナ及び機関砲塔が排除され、代替として左後頭部にロッドアンテナを設置する。また、頭部に集中配置された高精度センサーを空間中の微細デブリから保護する為、一般機(MWF-JG73)を含む多くのシビリアンアストレイでは「ガンダムタイプの顔が隠れる」として敬遠されがちな顔面のクリアタイプの防護バイザーがそのまま残されている。背面中央には惑星間航行用スラスター「ヴォワチュール・リュミエール」の先駆型である電磁推進システムが搭載されており、この事から本機がスターゲイザーのプロトタイプとなり、同名の推進システムが搭載されているデルタアストレイとも関連がある事が窺える。現在、ヴォワチュール・リュミエールを持つ全ての機体の基本となった機体と言える。反面、火力面では正規の軍用MSに比べ力不足である感は否めない。
劇中での活躍[]トロヤステーションを襲撃したファントムペインホアキン隊を迎撃すべく出撃。スローターダガー相手には善戦するものの、ヴェルデバスターやストライクノワールに多数撃破されてしまう。スターゲイザーの加入により形勢を逆転し、PSダウンを起こしたヴェルデバスターを、複数機で全方位からビームガンで集中砲火を浴びせ撃墜する。
シビリアンアストレイJGカスタム(Civilian Astray JG custom)は、『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 ⊿ ASTRAY』に登場する架空の兵器(モビルスーツ、略称はMS)。(型式番号:MWF-JG73)
シビリアンアストレイJGカスタムは、ジャンク屋組合が独自に開発した汎用量産型MSである。型式番号や機体名称からも判断出来る様に、前大戦時、地球連合の接収を逃れた一部のモルゲンレーテ技術者(おそらくユン・セファン)とジャンク屋組合の手によって、「UT-1D」の設計データをもとに再設計された。宇宙用仕様に特化したベース機に対して、本機は汎用性・生産性・低コストを重視した物となっている。同組合は過去にも同じく独自開発したMWF-71JGレイスタを送り出しているが、構成部材の多くがM1アストレイやその他ジャンクパーツである同機と異なり、このシビリアンアストレイJGカスタムは新規に製造された純正部品によって構成されている。
主な改修点として、バックパック換装機構、バイザー・フェイスガード装着の選択がある。顧客のニーズに対応し、その都度意見がフィードバックされており、結果として生産ロットによって細部の違いがいくつかある。レイスタではダガー系列のようなゴーグル・カメラ・アイを採用した頭部デザインを標準とし、オプションとして所謂ガンダムタイプへの換装を受け付けるという方式が採られていたが、実戦で名を馳せたオリジナルのアストレイなどに代表されるガンダムタイプを希望する顧客が思いのほか多かった事もあり、本機では最初からガンダムタイプが標準となっている。ただし構造そのものはP0シリーズ、M1シリーズといったモルゲンレーテ製アストレイ系列の純正頭部よりも、むしろロウ・ギュールが考案しブルーフレーム・セカンドL用に製作した頭部に近く、特徴的だったフェイスガードもそのまま受継がれている。このフェイスガードやバイザーゴーグルは高価なツインカメラアイを防護する為として、組合側は装備の必要性を唱えているが、ユーザーからは「せっかくのガンダムタイプの顔が隠れる」として敬遠される場合が多く、装備率は低い。カラーリングは白をベースにフレームには民生機を示すオレンジ色が標準となっているが、これもやはりユーザーの要望で、多くが塗り替えられる傾向にあるという。逆に頭部左右に取り付け可能なオプションライトは同機の販売記念開始セールとして無料で提供された事もあり、利便性も高く装備率の高いパーツのひとつである。
また、特筆すべき点として、M1ではオミットされたバックパック換装機構の復活が挙げられる。背部に設置された多目的プラグはP0シリーズとの互換性があり、ほぼ同等のオプションパーツが装備出来る。また、背部フレームの形状自体にもP0シリーズとの共通点が見られ、本機との系譜上の関連性が窺える部位でもある。設計段階からカスタマイズが考慮されており、場合によってはP0シリーズと同じ外観に組み上げる事も可能だが、そのためには全体の34%のパーツを交換する必要がある。ロウ・ギュールはこの機体を、ヴォワチュール・リュミエール搭載型カスタム機ターンデルタの製作ベース及びマーズジャケットの素体として使用している。
製造されたシビリアンアストレイは組合内で運用される機体の他にも、レイスタ同様個人、団体へのセールス、レンタルも行われており、ユーザーの依頼に応じたカスタマイズ等も受け付けられている。使用組織、使用目的によって、無数のバリエーションが存在する。特に先述のP0シリーズ型と同じ外観に改修された機体は、生産された機体の4%にも及ぶ。
マーズジャケット(Mars Jacket)は、『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 ⊿ ASTRAY』に登場する架空の兵器(モビルスーツ、略称はMS)。(型式番号:MBF-JG73MJ)
マーズジャケットは、元々レッドフレームに装備されていたレッドフレームMJ専用追加装備をシビリアンアストレイJGカスタムに移植した機体。この移植の際、素体となったシビリアンアストレイJGカスタムには改造が加えられ、レッドフレームとは同等の物になっている。
マーズジャケットの最大の特徴は、特殊装備であるジャケットの存在によりタイプの違う2形態のMSになるという点にある。ジャケット装備時には、ザフトのニューミレニアムシリーズに酷似した外見になり、重量が大きく増すという代償があるものの防御力が大きくに向上し、大気圏突入による摩擦熱にも耐えられる事からかなりの耐熱機能、冷却機能に優れている。反対にジャケットを解除した形態では、防御力が低下する代わりに機動力が大きく向上し、対MS戦においても大きく有利となる展開になる。
製作を行ったのはロウ・ギュールであり、完成後はマーシャンであるディアゴ・ローウェルが搭乗し、後にマーシャンの戦艦であるアキダリアの戦力として、加えられることになる。
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