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ストライクガンダム (Strike Gundam) は、テレビアニメ『機動戦士ガンダムSEED』に登場する架空の兵器(モビルスーツ・MS)。(型式番号:GAT-X105)本項では同型機であるストライクルージュ、改修機であるストライクノワールの概要も記述する。
ストライク | |
型式番号 | GAT-X105 |
所属 | 地球連合軍→三隻同盟・アークエンジェル 地球連合軍 第81独立機動群“ファントムペイン”(再建造機) |
建造 | オーブ連合首長国(モルゲンレーテ社) 地球連合軍(アクタイオン・インダストリー社)(再建造機) |
生産形態 | 試作機 |
全高 | 17.72m |
本体重量 | 64.8t |
全備重量 | 85.1t(エールストライカー装備時) 74.1t(ソードストライカー装備時) 83.7t(ランチャーストライカー装備時) |
装甲 | フェイズシフト装甲 |
武装 | 75mm対空自動バルカン砲塔システム「イーゲルシュテルン」×2 コンバットナイフ「アーマーシュナイダー」×2 57mm高エネルギービームライフル 対ビームシールド バズーカ エールストライカー武装 ビームサーベル×2 ソードストライカー武装 15.78m対艦刀「シュベルトゲベール」 ビームブーメラン「マイダスメッサー」 ロケットアンカー「パンツァーアイゼン」 ランチャーストライカー武装 320mm超高インパルス砲「アグニ」 120mm対艦バルカン砲 350mmガンランチャー×2 ガンバレルストライカー武装 M58E ガトリング機関砲 GAU-758S レールガン M70AMSAT ミサイル×2 I.W.S.P.武装 115mmレールガン×2 105m単装砲×2 9.1m対艦刀×2 ・コンバインドシールド 30m径6銃身ガトリング機関砲 ビームブーメラン ライトニングストライカー武装 70-31式電磁加農砲 |
主な搭乗者 | キラ・ヤマト ムウ・ラ・フラガ スウェン・カル・バヤン(再建造機) |
ストライクは、地球連合所属国家大西洋連邦が、対ザフト軍MS用として開発した5機の試作型MS、通称「G」の1機である。本機は、建造された5機の中では最も後発の機体で、独自の装備換装機構「ストライカーパックシステム」によって、多様な戦場に適応可能な汎用性を発揮する。このシステムは、戦況に応じて近・中・遠距離用等複数のバックパック、及びその他装備を換装する事によって、1機で各々の専用機と同等かそれ以上の性能を付加する事を目的としている。また、ストライカーは各々のパックが独立したバッテリーユニットを持ち、同時に装着機の補助電源の役割も兼ねている。これによって戦闘中それまでのパックを排除し、新たに母艦から射出されたパックを装着する事によって、機体稼働時間の大幅な延長を実現している。
ストライカーパックの運用を前提とした設計が為されたストライク本体は、固定式のバックパックを持たず、更に内部骨格もベーシックなX100系フレームを採用した非常にシンプルな仕様となっているが、同じX100系採用型である先行機X102デュエルやX103バスターのフレームに比べ稼動範囲及び柔軟性などを向上させる改良が加えられており、限り無く人間に近い動きが可能となっている。
「ストライク」は「攻撃」「打撃」の意。
X-105とはマツダ RX-7(FD3S)の開発コードから。RX-7はガンダムの制式番号RX-78の元となっている。この点からも、ストライクは初代ガンダムを意識したものであることが解る。
ストライク最大の特徴である装備換装システム。それぞれのパックがコンセプトに沿った武器、スラスター、バッテリー等の複合ユニットであり、状況に見合ったストライカーパックを装備して出撃する事であらゆる戦況で力を発揮出来る。通常は何らかのストライカーパックを装備した状態で運用され、水中戦等の特殊な状況を除き、本体のみで出撃することはほとんど無い。これら各ストライカーパックをストライクに装備した形態をここでは解説する。パック個々の詳細については、ストライカーパックの項も併せて参照のこと。
エールストライクエールストライカーを装備した形態。機動性に優れ、近距離ではビームサーベル、中距離ではビームライフル、そしてシールドでの防御とバランスも良く、対MS戦に最も適している。そのため作中でも登場回数が最も多い。エールストライカーをスカイグラスパーに装備した場合、追加ブースターの役割を果たし、機動性や航続距離を大幅に向上させることが出来るが(ビームサーベルは使えない)、ストライクに装備されることが多い事から、この形態で運用される事は一度しか無かった。ちなみに、上記されているデータにあるが、重量はソード、ランチャー、エールの中で最も重い。ソードストライクソードストライカーを装備した形態。MSを一撃で両断するレーザー対艦刀「シュベルトゲベール」やトリッキーな動きで敵を切り裂くビームブーメラン「マイダスメッサー」等により格闘戦では無類の強さを誇るが、武器の射程距離はどれも短く広域での戦闘には向かない。左腕に装着するロケットアンカー基部は、小型の対ビームシールドとしても機能する。劇中ではヘリオポリスやアルテミス等、施設内の戦闘で使用された。アークエンジェルが地上に降下した後はインド洋でのモラシム隊との交戦及びオーブ沖でのザラ隊との交戦で使用され、後者においてブリッツガンダムを撃破したが、本編でその後使用されることは無かった。スカイグラスパーに装備した状態でもシュベルトゲベールは使用可能であるが、武器の性質上使用難度の高い装備となっている。北アフリカでの対レセップス戦においては、敵艦体にパンツァーアイゼンを打ち込み、それを軸に旋回しながら砲身を切り落とすという戦法がカガリ・ユラ・アスハの手で行われている。また、スカイグラスパーに装備する時はスカイグラスパー自体が前進する為、シュベルトゲベールの向きが逆になる。ランチャーストライクランチャーストライカーを装備した形態。遠距離砲撃戦および対艦・対要塞戦に特化した装備で、主力武器「アグニ」によりTV劇中に登場したストライカーの中では最強の火力を誇る。右肩に装着するバルカン砲も中距離火器として十分な威力を持つ。反面、格闘戦用の武器は本体装備のアーマーシュナイダーのみとなり、尚且つ格闘戦に際してはランチャーストライカーそれ自体がデッドウェイトとなること、またシールドも持たないことから対MS戦には不向きであると言える。また「アグニ」は威力は極めて強力だがエネルギー消費も大きいので、稼働時間にも不安を残す。本編ではアークエンジェルの地球降下後、スカイグラスパーがこの装備を使用することが多かった為、ストライクの使用機会は少なかった。アグニはスカイグラスパー装備状態での使用も可能であり、作中ではストライクにエールストライカーを装備し白兵戦を、ムウ・ラ・フラガがランチャー装備のスカイグラスパーで支援砲撃を担当する戦術が多く見られた。電力をPS装甲に割く必要がないので、アグニの使用に関してはこちらの方が適しているといえよう。ストライクI.W.S.P.『ガンダムSEED MSV』で設定された第4のストライカー、I.W.S.P.を装備した形態。I.W.S.P.はモルゲンレーテ社製のエール、ランチャー、ソードの三種のストライカーに対し、ライバル企業のPMP社が提案していたストライカー。ちょうどモルゲンレーテのストライカー三種の性能をひとつに集約したような役割を果たす。たが、それだけに消費電力の増大を抑える事には難航し、PMP社は開発を断念。モルゲンレーテに引き継がれる事となる。結果としてパワーパックの小型・高性能化に秀でていた同社の改良により試作三号機が運用可能なレベルにまで到達した。ストライクガンダムI.W.S.P.は劇中に登場していないが、I.W.S.P.を装備したストライクルージュは機動戦士ガンダムSEED DESTINYの第1期オープニングに登場している。また、「ASTRAY B」において(劇中には登場しないが)カガリがI.W.S.P.三号機を試験運用するエピソードが描かれている。また第81独立機動群ファントムペイン所属パイロット、スウェン・カル・バヤン中尉もI.W.S.P.を装備したダークカラーのストライク(後述)に搭乗した事が確認されている。これはストライク本体同様アクタイオン社によって再生産されたものである。ガンバレルストライク『ガンダムSEED MSV』にて設定創作されたガンバレルストライカーを装備した形態。ムウ・ラ・フラガの使用を前提として用意されていたが、その手に届く前に彼がストライクごと連合を離反したため、実際に装備された例は無い。だが、ゲームボーイアドバンス用ソフト『機動戦士ガンダムSEED 友と君と戦場(ここ)で。』に、if設定の隠し要素として登場している。最大の特徴は、4つのガンバレルによるオールレンジ攻撃が出来る事である。ライトニングストライク『ガンダムSEED MSV』にて設定が創作されたライトニングストライカーを装備した形態。この機体は「ガンダムSEEDメカコンテスト」においてホビージャパン賞に選ばれた一般公募作品を元にデザインされている。投稿者の考えは「重装甲+高機動」だったが、高機動は既にエールストライカーで成している為、スタッフにより若干の設定変更を加えてある。本機はC.E.71年1月25日、ザフト軍クルーゼ隊によるヘリオポリス襲撃の最中、地球連合軍の女性士官マリュー・ラミアスと偶然MSデッキへ居合わせたヘリオポリス工業カレッジの学生でコーディネイターのキラ・ヤマトが搭乗。起動時はアスランの銃撃で腕を負傷し、パイロットですらないマリューが操縦していたが、絶体絶命のピンチに陥った時強引に操縦を代わったキラ自身の手で未完成の段階だった機体OSを瞬時に書き換えられ、標準装備ながらその驚異的な機動力で迫り来るジンを撃破した。だがOSを書き換えられたストライクはキラ以外には到底扱える物ではなくなってしまった為、そのままなし崩し的に彼はストライクの専任パイロットにされてしまう。
以後奪われた4機のGを伴って迫るクルーゼ隊の襲撃をかわし続け、地球降下後アフリカでは「砂漠の虎」ことアンドリュー・バルトフェルド率いるバルトフェルド隊、紅海横断途中にマルコ・モラシム隊と交戦しこれを撃破した。
オーブ近海での戦闘の後、アークエンジェルと共にオーブに匿われ、キラのモルゲンレーテへの技術協力(M1アストレイのOS開発)及びストライクの戦闘データの提供を交換条件にモルゲンレーテ本社工場内にてオーバーホールを受けた。オーブ出発直後の戦闘で遂に奪取されたG兵器の内の一機ブリッツを撃破するが、その後の戦闘でイージスの自爆攻撃に巻き込まれ大破する。その後機体はオーブに回収され、ナチュラル用のOSが組み込まれた上で修復される。
その後、地球連合軍を離反したアークエンジェルがオーブに寄港した際に引き渡され、以降はムウ・ラ・フラガの搭乗機となる。オーブ解放作戦においてはストライクダガーやカラミティを相手に初心者とは思えない戦い振りを見せ、オーブ陥落後も三隻同盟の貴重な戦力として運用され続けるが、第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦においてアークエンジェルを護るため、プロヴィデンスガンダムの攻撃で中破した状態でドミニオンのローエングリンをその身を挺して受け止め爆散した。
戦後、地球連合軍第81独立機動群“ファントムペイン”によって推進されたエースパイロット用ワンオフカスタムMS開発計画「アクタイオン・プロジェクト」に基づき再生産された機体。
大戦後期~戦後に渡り続々開発された新型機の登場に伴い、初期GAT-Xは相対的な旧世代機として扱われていたが、それでも尚そのポテンシャルはこれら後継の機体群にも充分対抗可能な水準を維持していた。その優秀性に着目したファントムペインは、アクタイオン・インダストリー社を主導とする民間企業連合に初期GAT-Xの再生産を依頼。部隊内から選抜した優秀なパイロットをこれらの機体に搭乗させ、実働データの収集・再検証を行った。そして、その結果得られたデータやパイロット本人の意見を基に機体をカスタマイズする事で、次世代機に匹敵する高性能MSを生み出そうとしていたのである。
再生産されたストライクは、設計上はヘリオポリス製の機体と全くの同一機体だが、機体ジェネレーターは、モルゲンレーテ社が開発した強化型バッテリーパック、パワーエクステンダーが本格的に採用されている。PS装甲の電圧設定も一部変更され、ヘリオポリス製の機体に比べ起動色がやや暗色化しているのが特徴である。背部ストライカーパックは、専任パイロットであるスウェン・カル・バヤン中尉のオールラウンドな操縦特性に合わせ全領域対応型のI.W.S.P.が実装された。
I.W.S.P.は確かに強力な装備であったが、データの蓄積・解析が進むにつれ、様々な欠点も露呈させていった。特に機体上半身や、コンバインドシールドを装備する左腕部のマスバランスの悪さは顕著であり、機動時の余剰モーメントの発生は深刻な問題であった。後に、これら欠点の克服と同時に、より機能を発展、昇華させた新型ストライカー「ノワールストライカー」が製作された。平行してストライク本体も改修が加えられ、機体は後の「ストライクE」として生まれ変わる事となる。
ストライクルージュ(Strike Rouge)'は、ストライクガンダムの複製機。(型式番号:MBF-02)
ストライクルージュ | |
型式番号 | MBF-02 |
所属 | 三隻同盟(機動戦士ガンダムSEED) アークエンジェル(機動戦士ガンダムSEED DESTINY) |
建造 | オーブ連合首長国(モルゲンレーテ社) |
生産形態 | 複製機 |
全高 | 17.72m |
本体重量 | 64.8t |
全備重量 | 85.1t(エールストライカー装備時) |
装甲 | フェイズシフト装甲 |
武装 | 75mm対空自動バルカン砲塔システム「イーゲルシュテルン」×2 コンバットナイフ「アーマーシュナイダー」×2 57mm高エネルギービームライフル ・対ビームシールド エールストライカー武装 ビームサーベル×2 |
主な搭乗者 | カガリ・ユラ・アスハ キラ・ヤマト |
本機はGAT-X303イージスとの戦闘で大破したストライクを回収し修理した際に、大量に製作された予備パーツから組み上げられた機体である。そのため基本的にはストライクと同一の機体であるが、モルゲンレーテ社による独自の改良が施されている。
オリジナルのストライクとの最大の違いは、強化型バッテリーユニットである「パワーエクステンダー」の搭載によりエネルギー変換効率が向上し、機体の稼働時間が大幅に延長されている点である。その稼働時間は第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦においてジェネシス破壊後までフェイズシフトダウンを一切起こさなかった事から、他の非PS装甲機とほぼ同等であると推察できる。
又、エネルギー変換効率の向上に伴ってフェイズシフト時に装甲にかける電圧を増すように設定されており、増加した電圧に比例して装甲の耐久力も更に向上している。耐久力だけでなくカラーリングも赤主体に変化しており、その独特の起動色が「ルージュ(フランス語で赤)」という名称の由来となった。後にプラントで開発される機体群「セカンドステージシリーズ」のVPS装甲は、この電圧を増してPS装甲の強度を上げる技術の発展系である。
この他、制御系にはオーブ連合首長国が独自開発した操縦支援AIシステムが追加装備されている。
オーブが地球連合軍の侵攻を受けた時期には、まだパーツ自体が完成した状態であり、オーブ降伏の折、クサナギによりパーツを宇宙に運び出され、約一ヶ月の組立作業を経て完成した。パイロットは当時オーブの元代表首長であった故ウズミ・ナラ・アスハの1人娘カガリ・ユラ・アスハ。彼女は第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦において本機で出撃し、ルーキーパイロットであるにも関わらず、かなりの戦果を挙げた。
当初装着ストライカーは「強そうだから」というカガリの希望によりI.W.S.P.が選ばれたが、エースパイロットでも制御が困難な程複雑化した火器管制システムは初心者パイロットの彼女には到底扱い切れず、OSによる補助もままならなかった為、結局はエールストライカー装備での投入が決定された。
SEED DESTINY時引き続きカガリ・ユラ・アスハの専用機として登場しており、劇中におけるオーブ軍兵士の言動から旗頭的な存在であると推察される。しかしC.E.73年においては、装甲を除けば性能はほぼ平凡化しており、ザフトの新量産機ザクウォーリアに劣るとされる。なお、第1クールのオープニングではI.W.S.P.を装備した姿で登場しているが、実際の劇中では改良を加え滞空時間を増したエールストライカーを使用している。
39話ではザフト軍艦隊に追われピンチに陥ったエターナルの援護の為、シン・アスカのインパルスとの戦闘でフリーダムを失ったキラ・ヤマトが、カガリからこの機体を借り受けて使用した。その際、機体OSはキラの手によってかつて自分が搭乗したストライクと同設定に調整され、PS装甲色はオリジナルのストライクと同じトリコロールカラーに変化している。(例外としてPS装甲でない盾のカラーリング(赤)や頭部ツインアイ(グリーン)の色はルージュそのまま)この調整によって運動性能は向上したが、装甲強度はルージュカラーよりも低下していた様である。大気圏離脱時は専用のブースターユニット『ストライクブースター』を装着し宇宙に打ち上げられた。なお小説版では、ブースターは急遽シャトル用のユニットを調整した物となっている。
大気圏を離脱したストライクルージュはエターナルが撃沈される直前に戦闘に介入。敵のザクウォーリア、グフイグナイテッドを4~5機退ける等善戦したが、数も性能も上回る敵部隊の猛攻の前に劣勢を強いられる。最後はエターナルを庇う形で四肢を破壊され交戦不能となり、エターナルに搭載された新型機ストライクフリーダムを受け取る為強制着艦、その役目を終える。
ストライクノワール(Strike Noir)は、『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER 』に登場するMS。(型式番号:GAT-X105E)
なお、ストライカーを含まないMS本体の名称は正確には「ストライクE」と呼ばれる(後述)が、公式サイト及びその他メディアでの表記や知名度等を考慮し、この名称を用いる。また、プラモデル等の商品名は「ストライクノワールガンダム」と表記される。
ストライクノワール (ストライクE+ノワールストライカー) | |
型式番号 | GAT-X105E+AQM/E-X09S |
所属 | 地球連合軍第81独立機動群“ファントムペイン” |
建造 | 地球連合軍(アクタイオン・インダストリー社) |
生産形態 | 強化改修機 |
全高 | 17.72m |
重量 | 90.51t(ノワールストライカー装備時) |
装甲 | ヴァリアブルフェイズシフト装甲 |
武装 | M2M5 トーデスシュレッケン12.5mm自動近接防御火器×2 M8F-SB1 ビームライフルショーティー×2 EQS1358 アンカーランチャー×6 175mmグレネードランチャー装備57mm高エネルギービームライフル×2 AQM/E-X09S ノワールストライカー (MAU-M3E4 2連装リニアガン×2) (MR-Q10 フラガラッハ3ビームブレイド×2) (EQS1358T アンカーランチャー) |
主な搭乗者 | スウェン・カル・バヤン |
地球連合軍第81独立機動群“ファントムペイン”に所属する青年士官スウェン・カル・バヤン中尉の搭乗機。ファントムペインがアクタイオン・インダストリー社を中心とした複数企業の技術協力を受け推進したエースパイロット用カスタマイズMS開発計画、通称「アクタイオン・プロジェクト」に基づき再建造されたX105ストライクを強化改修した機体。
改修前はI.W.S.P.を実装しての稼働試験が行われ、戦後各地で発生したザフト残党や反連合勢力の掃討戦にも投入されていた。後に得られたデータを元にストライク本体はストライクEへと改修され、I.W.S.P.は万能型装備のコンセプトを継承したノワールストライカーへと昇華される。基本構造上は原型機とほぼ同様だが、オーブのモルゲンレーテ社が実用化したパワーエクステンダーの搭載、及び各部材のエネルギー変換効率の改善による稼働時間延長や、ノワールストライカー実装による火力、機動性の強化が図られている。また、OSのブラッシュアップ等ソフトウェア、インターフェイス面においても改良が加えられ、C.E.73年代の機体群にも匹敵するスペックを獲得している。
名称の「ノワール」(フランス語の“黒”)が示す通り、黒を基調としたPS装甲色が特徴。これはパワーエクステンダー搭載時の副次効果とストライクルージュで確立されたVPS装甲技術を反映したもので、ノワールストライカー装着時の専用色でもある。パワーエクステンダー自体は改修以前から既に搭載されていたもので、その時点でもヘリオポリス製のX105に比べ若干トーンを落とした暗色系のトリコロールカラーとなっていた。改修後は機体の運用戦術に最適な電力配分を考慮した結果、更にトーンダウンした漆黒の配色へと変化した。
同じ特殊戦MS小隊所属機であるX1022ブルデュエル、X103APヴェルデバスターとの連携を重点に運用される。
ストライカーパックを排除した軽装状態。「ストライクノワール」とはあくまでノワールストライカー実装時の通称であり、MS本体は「ストライクの強化型(Enhanced、エンハンスド)」という意を込めて「ストライクE」と呼称される。外形上は両肩部サブスラスターの追加や各部装甲形状の部分的変更が行われている程度で、シルエット上は原型機とあまり差異は無い。更にVPS装甲のベースカラーはノーマルのX105と同パターンのトリコロールとなっている。
なお、ストライクEはスウェン機以外にも複数が製造されており、同時に従来のストライカーを改修した専用のアナザートライアルパックもいくつか試作されていた。一説には、ファントムペインは自軍の次期主力機候補の1つとして本機を開発したとも言われているが、そもそも実態が定かでないロゴスの私兵部隊というファントムペインの特殊性、部隊壊滅後関連資料や施設の多くが人知れず破棄、または所在が分からぬまま放置された事もあり、真相は闇に閉ざされたままである。
ストライクE+I.W.S.P.『機動戦士ガンダム SEED C.E.73 ⊿ ASTRAY』に登場。オーブ洋上でのマーシャン殲滅作戦において、デルタアストレイに破壊されたノワールストライカーに替わりワイド・ラビ・ナダガ搭乗のスローターダガーから奪い取ったI.W.S.P.を装着した姿。I.W.S.P.は元々モルゲンレーテ社に保管されていたストライクルージュ用の装備を流用したもので、作戦終了後はオーブに返却された。「機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER PHANTOM PAIN REPORT」によると、ノワールストライカーの完成時期がストライクEの改修より遅れた為、ストライクE+I.W.S.P.での実戦参加もあったという。アナザーソードストライクE&アナザーランチャーストライクE電撃ホビーマガジン連載のフォトストーリー『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER PHANTOM PAIN REPORT』に登場。トライアル仕様の改修型ストライカーを実装した機体。ソード、ランチャー共に機能上は従来型と同等の装備だが、追加されたサブスラスターによって干渉する肩部追加武装を、代替措置として別箇所に設置変更している。また、装備時は機体のVPS装甲色も変化し、ソードは胸部等青部分がストライカーと同色のスカイブルー、ランチャーは全体色を緑基調にまとめた専用色となる。フリージャーナリストジェス・リブル、アグニス・ブラーエらマーシャン達が訪れたファントムペインの地下施設にて、同ストライカーを装備した2機が放置されていたが、同行していた元ファントムペインメンバーエミリオ・ブロデリック中尉、ダナ・スニップ中尉の両名が突如逃亡し、同機で脱走を図った。しかし、突然エミリオ搭乗のソード機がシュベルトゲベールでダナ搭乗のランチャー機を両断、そのままエミリオ機は投降している。本機は、ブレイク・ザ・ワールド事件後キルギスプラントを襲撃したザフト軍の殲滅任務を受けブルデュエル、ヴェルデバスターと共に現場に急行、これを鎮圧。また、西ユーラシア地方にてハンニバル陸上戦艦ボナパルトの防衛任務を務めた後、高度な自律型AIユニットを有するDSSD製の宇宙探査用MS、GSX-401FWスターゲイザー奪取任務を命じられトロヤステーションを襲撃した。ヴェルデバスターと共に圧倒的戦闘力で保安部のシビリアンアストレイを多数撃墜、そして自ら出撃したスターゲイザーと相見える。激戦の末相手に組み付かれ、そのままヴォワチュール・リュミエールの超加速で太陽方面へ飛ばされた。その際強烈なGによるダメージで機体は大きく損壊、最後は地球圏帰還の為残存エネルギーをスターゲイザーに与えそのまま放棄される。
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