ノンナ・アニマ=ネカピウス。【猿王】テッツィヤ・サ=ルーワタ・リーの支配下に置かれたアニマーン王国を治める桃色髪の姫。王国内では独裁者として強権的な弾圧を行い、サルマン画と呼ばれる聖典を信奉するマ・ネモヴを強制的に収容する極楽地獄監獄タフカ・テーを設立した。
タフカ・テーの内部では日々、聖典サルマン画のうちどれを正しき聖典とするかで争いが起きており、タ=フ派、ハードゥジー派、涅槃創生会派、真言派、死人のように生きてるだけのクズども派などが殺し合っている。その上でいわゆる偽典を内部に紛れ込ませ混沌を押し広げ漁夫の利を得んとするエックス・ペ・タペタ派やオートドース派、タカ=テ・ハ・イソウ派、ネバイモ派など、泡沫勢力まで挙げればそれこそキリがない。
だが、ノンナ・アニマ=ネカピウスはそれを「まあええやろ」と肯定し、むしろタフカ・テーに火を注いだ。それはうざったいマ・ネモヴを始末するためであり、妹ナノン・アニマ=ンチャネールが経営するユー・チュブ・ダローマ=トメ商会が放映する監獄内の地獄絵図を市民に楽しませるためでもあった。
かくしてアニマーン王国はマ・ネモヴをタフカ・テーの一所に封印することで安定し、ニ=ジグェン・ガイに残る広大なスラム、焼け野原にポツポツと住まうクィ・メッツォヤーヴァの民、ゲ=イムカーティエから移り住んだヴルァーカの住民らが擦れ合う不協和音を慰めるためにマ・ネモヴが繰り広げる血みどろの争いを利用し、ただ地獄と化したタ・フカテーを指さして笑う国民たちの住む場となった。
だが、【猿王】テッツィヤ・サ=ルーワタ・リーによる、エ・クース御親征により状況は変わった。奇しくもマ・ネモヴの信奉する聖典サルマン画と同じルーツを持つ【冷たき川辺の王】テッツィヤがもしタ・フカテーの惨状を見たら。ノンナ・アニマ=ネカピウスの脳裏にはその畏れがこびりついた。イルオーン・マ=シュークが制圧しエ・クースと名を変えた旧トゥー=イターク王国を訪れたテッツィヤ王の目に、もしもエクスペ・タペータム等の悪しきタフカ・テーからのスパイが接触したら。
その恐怖が彼女の心を掴んで離さなかった。故に──
──彼女は「マ・ネモヴを皆殺しにせよ」と命令したのだ。
その命令が、長年のサルマン画曝露によりマ・ネモヴの思想に汚染され、文化を侵略された国民の耳にどう届くのか。その結果を知らずに。
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