光の加減で見るたびに色を変える海老。
その美しい殻は宝飾品としても加工され、重宝されるが、その真価は美味な肉にある。
宝殻蝦の身は熱の通り加減でその色を変える。
そのため、調理法として一般的なのは殻ごと姿焼きにする、あるいは蒸し焼きにして、姿を崩さず素材本来の味と色の変化を楽しむ者が多い。
しかし最近では南域産の芋の澱粉で作った衣を使い、油で揚げるという調理法が流行している。
この衣は加熱により透明になり、宝殻蝦の身の色を損なわないばかりか輝くような照りを持たせ、一層美しく見せる。
それだけではなく、旨味を衣で閉じ込めることで素材である宝殻蝦の味と風味をより強く引き出すことができ、西方諸島の高級料理店では人気を博している。
元々衣をつけて揚げるという調理法は西方諸島にも存在していたが、美食家としても知られた西方海督府のフォットケル提督が宝殻蝦の衣揚げを始めて食したと言われ、その後もこの料理を愛したことから、これを「宝殻蝦のフォットケル」と呼んだ。
それをきっかけとして、現在では衣をつけて油で揚げる料理そのものを指して「フォットケル」と呼ぶようになったと言われている。
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