『かつて北の氷の海に、二柱の双頭龍ありにけり。
その片割れが名はアルトリスカ、後に七賢竜に名を連ね、絶海の守護を担いけり。
もう片割れはアルトイコン、北海の覇者と謳われし、黒銀の龍なりけり。
アルトリスカとアルトイコン、四頭二対の姉妹龍、暗く深き海の底より神を向こうに戦えり。
青く輝く眼を開き、千の牙を光らせて、龍は女神を襲いけり。
しかし女神も弓を引き、白く輝く矢を放ち、万の礫を成しにけり。
やがて眼に矢を受けて、黒銀の龍は倒れけり。
白銀の龍はそれを見て、女神に許しを請いにけり。
女神もそれを諾と言い、アルトイコンの亡骸を、天に高く掲げけり。
かくて南の暁に、双頭の蛇は輝きぬ。』
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