ワッカーム・シーレダー

シーレダー家の現当主であるカトゥール・シーレダーの妹で、四大貴族家に課せられた膨大な量の執務を叔父であるターラントと共に引き受ける才媛である。

幼い頃は体があまり強くなく、よく寝込んであり、兄であるカトゥールに窓の外の出来事を聞きたがった。

カトゥールが部屋の外で見聞きした珍しいものの話を、ワッカームは我が事のように喜んで聞き、カトゥールもそれに応えるように父の冒険に付き従って、ワッカームにそれを聞かせた。

それはワッカームが健康な体を得た今でも続いており、彼女は兄が外の世界に出る助けをするのが自分の役目だと思い定めている。

元々病弱だったワッカームは人見知りをするところがあり、貴族同士の付き合いが非常に苦手であるが、叔父であるターラントがそれをうまく補っている。

社交界場ではシーレダー家の令嬢であるワッカームは高嶺の花であり、彼女に近づこうとする者は少なくないがターラントと執事のターマの存在により、一層近づきがたい存在となっている。