KSTB6043はArm系CPU搭載のコンピュータでもあるので、Raspberry PiのようにLinux系OSを入れ、シングルボードコンピュータとして使用することもできる。標準でNICやUSB、Wifi、Bluetooth、HDMIポートを搭載し、かつケースに封入されACアダプタなども完備されているので、シングルボードコンピュータとしても極めてコスパが良い。
SoCであるAmlogic S905Dは海外ではTVBox用として広く流通しており、このSoCに対応したLinuxが有志によりいくつか開発されている。その代表のディストリビューションがArmbian(TVBox用)である。TVBox上でのサーバー利用に最適化されており、Ubuntu / Debianベースでネット上にノウハウも豊富ためLinuxサーバー入門には好適。省電力サーバーとしての実用性も高い。
KSTB6043のSoCであるAmlogicS905DとRaspberryPi3B+のBroadcomBCM2837B0の性能比較
また、KSTB6043には8GBの内蔵ストレージ(eMMC)があるが、Armbian(TVbox用)はUSBメモリやSDカード上での動作を前提に設計されており、ストレージ容量的にもUSBメモリ上で使った方が有利なため、使いたい時だけArmbianの入ったUSBメモリを挿入してArmbianを起動させて使用することになる。そのため、Armbianを起動させてもオリジナルのAndroidTVのOSには一切影響は与えない。USBを抜いて再起動させれば完全に元のAndroidTVBoxとして使用できる。
①USBメモリ(またはUSB接続の外付けHDD/SSD)
USBメモリであれば最低8GB、できれば32GB以上の、できるだけ読み書きが速いモデルを推奨。アクセスLEDが付いたモデルだと、動いてるのかフリーズしているのかなど、動作確認がしやすい
②USBハブ
無いとUSBメモリと同時にキーボードやマウスが繋げられない
③USBキーボード
無いと初回起動時のrootパスワードやwifiが設定できない(それ以降は殆どのサーバ用途はssh経由で済む)
④USBマウス
GUI環境を作るならあると便利。サーバー用途専用とか、GUIもリモートデスクトップ経由でいじるなら特には要らない
あとはパソコンとか、インターネット接続環境とか
【Armbian(TVBox用)のイメージの入手】
①https://github.com/ophub/amlogic-s9xxx-armbian/releases/ にアクセス
②「This is Armbian image for Amlogic s9xxx tv box」と書いてあるセクションの「Assets」を開く
※”jammy”はUbuntuベースで、”bullseye”がDebianベース
③最新版の【Armbian_*_amlogic_s905d_jammy_*_server_*.img.gz】 をダウンロードする
【USBにイメージを焼きこんでブートUSBにする】
①https://rufus.ie/ja/ から、最新版のRufus(USBメモリにArmnbianのイメージを書き込むソフト)をダウンロード
②PCにUSBメモリを指して、Rufusを起動。USBディスク、armbianのイメージを選択してスタートを押して、焼き込みが終わるのを待つ。
※外付けHDD/SSDに焼く場合は、「詳細なドライブプロパティを表示」から「USB接続HDD一覧を表示」にチェックを入れるとデバイスの選択肢に表示され、焼き込めばUSBメモリと同様に動作する。ファイル共有サーバーなどで使う時はこちらが便利。
③焼き込みが終わったらPCからUSBメモリを抜いて、USBハブ経由でKSTB6043に挿す。USBキーボードも繋いでおく
④KSTB6043の電源ケーブルを抜き、数秒経ったらもう一度挿して待つと、aiwaロゴの後、普段のAndroidTVではなくarmbianが起動する。
※起動せず、AndroidTVが起動してしまう場合、以下を試す
① 電源ケーブルを抜く
② 電源ボタンを押しながら電源ケーブルを差し込む
③ aiwaのロゴが表示されたら、電源ボタンから指を離す
armbianが起動した後はrootパスワードの入力、シェルの選択、一般ユーザアカウントの作成、無線に繋ぐか否かを選択する。
下記は
root/root
bash
admin/admin
で設定した例
無線設定にyを押すと下記の画面になる
Wi-Fiの下の選択肢で自分が使っているWi-Fiを選ぶ
パスワードを入れて <OK>を選ぶと無線接続される
ロケーションを聞かれるのでAsia/Tokyoでよければy
root@amibian:~#が表示されると初期設定完了
もし無線接続のIPアドレスが知りたければifconfigコマンドを打って
wlan0のアドレスを確認すればOK
(画像の例だと192.168.11.20がarmbianに振られたIPアドレス)
↓以下ふたばより
USBメモリで起動させたArmbianはそのままだと利用できるパーティションが2.5GBしかなく、しかも75%が使用済みで、大きめのソフト入れるとすぐに容量超過してしまう
「armbian-tf」というコマンドで、USBメモリの残り領域を全て/dev/sda2/ (ルート(/)ディレクトリ)に割り当てることができる
$ sudo armbian-tf
コマンド後に聞かれる拡張方法法については、ルートディレクトリの拡張なら【e】(expand:拡張)でよい
USBメモリのサイズや速度によるが、数分~十数分で終わる。
※メモリ2GBなので、GUI関連は過度な期待は禁物。お遊びのつもりでどうぞ
【Ubuntu-Destop】
まずは最新環境にしておく。上のroot領域拡張も必須
$ sudo apt update
$ sudo apt upgrade
下記コマンドでubuntu-desktopをインストール
$ sudo apt install ubuntu-desktop
USBメモリの速度にもよるが、結構時間かかる。終わってプロンプトに戻ったらリブート
$ sudo reboot
再起動すれば勝手にGUIまで起動するようになる
さらにxrdp等のリモートデスクトップ環境を入れとくと、リモートLinuxマシンになる
この後のブラウザインストール(firefoxは確認済み)、日本語化(通常のUbuntuDesktopと同じ手順)などはお好みで
【xfce(xrdpによるリモート)】
xfceもxrdp経由でなら動いたのでざっくりメモ。(他のGUIもxrdp経由なら大体動くと思われる)
$ sudo apt install xfce4
xfceをインストール
$ sudo apt install xrdp
xrdpもセットでインストール
$ sudo apt install xorgxrdp
xrdpのxorgドライバもインストールしとく
$ vi /etc/xrdp/startwm.sh
#test -x /etc/X11/Xsession && exec /etc/X11/Xsession
#exec /bin/sh /etc/X11/Xsession
xfce4-session
startwm.shの末尾を修正(必要ないかも)
$ sudo systemctl enable xrdp
$ sudo systemctl start xrdp
xrdpを起動
windows等のリモートデスクトップ接続で、XSTB6043のIPアドレスを入れて接続
ユーザー名とパスワード(Armbianのユーザーと同じ)を入力すれば、xfceのデスクトップが表示される。
ubuntu-desktopもxfceも、インストールすると基本的にそれ以降の起動時にGUIで起動しようとする(起動時にコマンドプロンプトが弄れなくなる)ので、戻すときはsshとかターミナルで
$ sudo systemctl set-default multi-user
で戻せる
- Docker / Docker Compose
armbian-docker
で導入可能- https://hub.docker.com/r/linuxserver/docker-compose の "Recommended method" が簡単 Docker Composeは
- Kodi
- Samba
- MiniDLNA
- OpenWRT
https://github.com/ophub/amlogic-s9xxx-openwrt/releases
s905dは動いた - RepetierServer
- DOOM
- WireGuard
- https://github.com/Nyr/wireguard-install を使えば数分とかからずにセットアップできる
- 環境に応じてルータ側でポートの設定などが必要
※$sudo armbian-configで見る限り、他にもコレら基本的なユーティリティやサーバーも入るっぽい。全部が正常に動くかどうかは不明なので人柱求ム。
※バックアップ・レストア関連の情報は以下のページに独立させました。
TVBox用ArmbianのGithub:https://github.com/ophub/amlogic-s9xxx-armbian
Amlogic S905Dデータシート:https://dn.odroid.com/S905/DataSheet/S905_Public_Datasheet_V1.1.4.pdf
Armbian公式:https://www.armbian.com/
汎用的なLinuxの操作・設定に関する疑問は、大抵はGoogle大先生が解決(翻訳)してくれるので安心💗
コメント
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>> 返信元
armbianのhdmi音声出力はそれでいけました。助かりました
alsamixerをコマンドで打って、F6キーをおしてP210を選択、赤文字のハイライトを→キーで動かしてaiu hdmiの所に合わせたら↑キーを押してl2sにすると音が流れました。
一応画像を乗せときます
https://imgur.com/gallery/8qfteqR
どのarmbianをインストールしたかでだいぶ変わるので注意が必要です。
蛇足ですが私は安定してる旧版のbullseyeを使ってます。kodiはNexus止まりなのでmatrix版を使いたい人は素直に最新版のarmbianを使ってください…
>> 返信元
起動時の電源ボタンはずーっと長押ししてaiwaのロゴが一瞬消えてから離すとUSBブートする
一回それやればあとは電源ボタン押さなくてもUSBブートするようになった
DOOMで音が出ない問題ですが
ターミナルでAlsaMixerの設定を変更することで解決しました。
sudo alsamixerで設定画面に入り
→キーを何度か押して右端まで行き、右から2番めの項目がPCMとかDISABLEになったりしているのを
上下ボタンを押してI2Sにしたら音出ました。
多分そこがHDMIオーディオなんでしょう。
音量やSPDIFの項目もあったので音声出力はここで調整できそうです。
デフォルトの英語の状態のUbuntu-desktopで
Show Aplications(ドックの下の点々アイコン)
Settings
Region & Language
Manage Installed Languageで
Install/Remove LanguagesでJapaneseをインストール
戻ってLanguageをEnglishからJapaneseに変更して再起動すればIMEも勝手に入ります
(本来はログアウトで良いらしいけどうちの環境ではブラックアウトしたままになるので再起動)
(多分ターミナルからササッとやることも出来るのでしょうが)
最低でも日本語入力環境までは構築したいがどれもこれも上手く行かない
成功あきの報告望む
ありがとうございます。
USBメモリブートまではいったのですが、領域拡張の情報が調べても出てきませんでした。
このあとarmbian-tfやってみます
>> 返信元
ありがとうございます。
追記を参考に起動時に本体電源ボタン長押しでメモリを読みに行かせることができました。
ただしaiwaのロゴは一向に出ず、黒画面のまま適当なタイミングでボタンから指を離しました。
この辺は手持ちの液晶の仕様とかもあるかもしれません。
>> 返信元
直挿しで起動しました。
バスパワーのUSB2.0ハブ+USB3.0メモリでも起動しましたが
起動時にキーボードを繋げたままにしてるとコケるみたいでした
電力不足かもしれません。
ファイルの読み込みが始まったタイミングでキーボードを挿すことで
以降の入力もできました。
ありがとうございました。
>> 返信元
wiki書いた自分も2台目の新品で試したら起動しなかったので、1台目で試行錯誤していた時の手順を試したら起動したのでwiki内に追記しました。
FWは最新にしても起動するはずです。
>> 返信元
キーボード無しでとりあえずUSBメモリだけ挿して起動してみては?
それで起動しなければUSBメモリのせい、起動すればハブのせいと切り分けができます
私は家にあった古いUSB2.0メモリと、
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B07YZHRRG
のamazonで一番安かったバスパワーのUSBバブで起動できました
USB3.0のハブ(バスパワー・セルフパワー) or USB2.0のハブ(バスパワー)
に
USB3.0のメモリ数種
USB3.0のカードリーダー+MicroSD or CF
USB2.0のカードリーダー+MicroSD
+
USBキーボード
で差し替えたりして挑戦してるけど普通にAndroidが起動してしまう
あとファームは最新にアップしてしまいました
成功してる人の環境を教えて欲しい
USB2.0のメモリじゃないとダメなのかな
めっちゃ助かる
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