第二話 セルリアンの進化

ページ名:第二話 セルリアンの進化

 リーナが外に出ると、あたりの木々がなぎ倒され、視界がひらけていた。どうやらすでに相当大暴れしたようだ。

「しまった。間に合わなかったか…ん?」

 彼女がセルリアンの方を見ると、ハンターたちが交戦しているのが見かけた。どうやら大型セルリアンは二匹いるようで、やや苦戦しているようだ。やや黒めのトゲが多くついたセルリアンと、それより一回り大きい紫色のシャンデリアのようなセルリアンだ。

「おーい!私も手伝うよ!」

「…?! リーナか!助かります!あなたは紫色の方を!」

 ハンターのヒグマが、黒セルリアンの攻撃をいなしながらリーナに依頼した。紫の方は、すでにハンターの二人が攻撃しているが動じる様子を見せない。リーナは二人のもとに駆け寄ると、手元に『水』を生成した。

 

 リーナは河童のフレンズで、武器は水である。自身のサンドスターを消耗しながら水を生成するので、一日に創れる量には限度があるが、せいぜい体力を消耗する程度だ。彼女は、手元で創った水をセルリアンの目に向けて放った。

 と、同時に紫セルリアンはよろめいて、転倒する。その隙を見計らって、ハンターの二人は『わざ』を使って攻撃するが、それでもまだ立ち上がってくるようだ。

「しぶといな…なんなんだこいつ…?」

「リーナさん!さっきの水、もう一回出せますか?」

「え?あぁ…」

 ふと顔をあげると、先程水をかけた部分が岩のように固くなり、ボロボロと崩れていた。

「な、なんだ?セルリアンって水に弱かったっけ…?」

「恐らく『女王』のせいでセルリアンの性質が変わってるんですよ!」

「女王…? 気になる部分はあるが弱点さえわかれば…!」

 リーナは先程よりも多く水を生成し、その水球を直接セルリアンにぶつけた。

『グォォォォォ!!』

 そのセルリアンは大きな雄叫びを上げて岩になり、完全に動かなくなった。

「よし!倒した!」

もう片方のセルリアンを見ると、ちょうど倒し終わったようで、ハンターと目があった。

「お互い倒し終わったみたいだな!」

「ああ。協力感謝する!」

「いや、いいんだよ。それより…さっき言ってた女王ってなんだ?」

「女王か、そいつは、セルリアンの親玉のようなやつでね。最近現れたらしいんだ。この前ここを通りかかったサーバルたちに教えてもらった。」

「ふーん、親玉かぁ。」

「そいつのせいで最近セルリアンが進化してるんですよー!今回みたいに攻撃が効かなかったり、トゲのような武装してるのもいるし!」

「そのかわり、今までにない弱点もあったようだけどね。私が戦ってた黒いセルリアンにある程度ダメージを与えたら『黒い石』のようなものが出てきてね。それを攻撃したら一発で倒せた。」

 なるほど、進化して強くなった分今までと戦い方を変えなきゃならないのか。とリーナは思った。話を聞く分だとその女王とやらを倒せば良さそうな感じがするが…

「そうか、私達が戦ったやつも水に弱かったみたいでな〜。なんか知らないけど岩に…」

 そう言ってリーナは先程倒したセルリアンを指さした。が、その先に先程のセルリアンの残骸はない。

「何…!?きえた!?」

 一緒に戦ってたハンターたちも気が付かなかったようだ。そのうちの一人が姿を消す。

「…あれ?さっきまでここにいたもうひとりのハンターは…?」

 リーナが到着したときは三人のハンターが交戦していたはずだ。そのうちのリーナと共に戦ったハンターの一人がいない。あたりを見回していると、リーナは出処不明の攻撃を足に受けてバランスを崩してしまった。

「痛ッ…!」

「大丈夫!?」

「まさか、まだセルリアンがいるのか!?」

 ヒグマ達が再び戦闘態勢に入るが、セルリアンの姿は見えない。リーナも立とうとして、再び攻撃を受ける。

「ぐぁっ…!」

 そして、二度目の攻撃でその正体がわかった。攻撃してきたセルリアンは、恐らく透明になっている!

「リーナ!大丈夫か!?」

「あぁ、なんとか…でも気をつけて!このセルリアン、透明だ!」

「透明だって?!」

「恐らく、さっきの紫のセルリアンだ。土壇場で例の『進化』が起きたんじゃないか…!」

 それに加え、やけに自分を狙ってくることから、弱点をついてくる私を先に倒すよう学習したようだ。リーナはいままでこんなセルリアンとは戦ったことはなかった。

 続いて、他の二人も攻撃を受ける。

「透明の敵って…どうやって戦えば…!」

「…!ふたりとも!大丈夫か…うっ」

 リーナの頭部に、先程のダメージとは違う痛みが走る。まるで、忘れていた何かを思い出したかのような衝撃だった。

「そうだ、これなら…!!」

 

「ふたりとも!動かないでね!」

 リーナはそう言って手から水を具現化して直径1cmほどの水滴にしたものを複数創り、当たりに漂わせた。その光景はまるで、雨がその場に固定されたような感じであった。そして、その水滴が弾けながらヒグマの方向に向かっていく。

「そうか!これなら透明でもどこから来るかわかる!」

 ヒグマは野生解放して、水滴が最後に弾けた当たりをぶきで攻撃する。バッシーン!という気味の良い音がなり、紫色のセルリアンが姿を表してサンドスターへと戻っていった。

「よし!ナイスアタック!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 その後、姿を消したもうひとりのハンターは行方がわからなくなった。最初は透明になるセルリアンにやられてしまったのかとも思ったが…

 ハンターたちと別れた後、リーナはもしかしたらカフェにいるフレンズたちがなにか知っているのかもしれないと思い、先程のカフェに再び向かった。太陽はもうすでに真上に上がっていた。

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