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オズの魔法使 | |
---|---|
The Wizard of Oz | |
アメリカIMAX版ポスター | |
監督 | ヴィクター・フレミング |
脚本 | ノエル・ラングレー フローレンス・ライアソン エドガー・アラン・ウルフ |
原作 | ライマン・フランク・ボーム 『オズの魔法使い』 |
製作 | マーヴィン・ルロイ |
出演者 | ジュディ・ガーランド レイ・ボルジャー ジャック・ヘイリー バート・ラー ビリー・バーク マーガレット・ハミルトン フランク・モーガン |
音楽 | テンプレート:仮リンク |
撮影 | ハロルド・ロッソン |
編集 | ブランシュ・セーウェル |
製作会社 | メトロ・ゴールドウィン・メイヤー |
配給 | メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(公開時) ワーナー・ブラザース(現代) |
公開 | アメリカ合衆国カナダの旗 カナダ 1939年8月25日[注 1] 1954年12月22日 |
上映時間 | 101分 |
製作国 | Flag_of_the_United_States.svg アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $2,777,000 |
興行収入 | $16,538,431 |
表・話・編・歴 |
メインキャラクター達。左からドロシー、ライオン、ブリキ男、カカシ
『オズの魔法使』(オズのまほうつかい、The Wizard of Oz)[注 2] は、1939年のアメリカ合衆国のファンタジー・ミュージカル映画。 監督はヴィクター・フレミング、主演はジュディ・ガーランド。 原作はライマン・フランク・ボームが1900年に発表した児童文学小説『オズの魔法使い』(The Wonderful Wizard of Oz)。この映画の題名を「オズの魔法使い」と表現する場合があるが、正式な邦題には送り仮名が存在しない。冒頭部とラストのカンザスのパートは当時一般的だったモノクロフィルムで、そしてオズの国のパートは当時はまだ極めて珍しかったカラーフィルムで撮影され、その映像演出はきわめて高く評価された。
1986年にテッド・ターナー率いる「ターナー・ブロードキャスティング・システム(TBS、現在はワーナー・ブラザース・ディスカバリー傘下)」傘下になり、版権をワーナー・ブラザース・ピクチャーズのターナー・エンターテインメントに移された。
エムおばさん、ヘンリーおじさん、そして下働きのハンク・ヒッコリー・ジークとともにカンザスの農場に住む少女ドロシー・ゲイルは「虹の彼方のどこかに(Somewhere Over The Rainbow)」よりよい場所があると夢見ている。彼女はトルネードに襲われて気を失った後、愛犬のトトや自分の家とともに魔法の国オズへ運ばれてしまう。
そこで出会った北の良い魔女は「黄色いレンガの道をたどってエメラルド・シティに行き、オズの魔法使いに会えば、カンザスへ戻してくれるだろう」とドロシーに助言してくれた。旅の途中で彼女は(知恵が欲しい)知恵がない案山子、(心が欲しい)心を持たないブリキ男、(勇気が欲しい)臆病なライオンと出会い、ドロシーや彼らの思いを胸に、彼らと絆を深めながら旅をともにする。家へ帰る方法は「家が一番いい」と願うことであった。
役名 | 俳優 | 日本語吹き替え | ||
---|---|---|---|---|
TBS版 | NHK版 | ソフト版 | ||
ドロシー | ジュディ・ガーランド | 岡本茉利 | 荻野目慶子 | 篠原恵美 |
案山子 ハンク | レイ・ボルジャー[注 3] | 細井重之 | 小松政夫 | はせさん治 |
ブリキ男 ヒッコリー | ジャック・ヘイリー | 西田昭市 | 玄田哲章 | 関根信昭 |
ライオン ジーク | バート・ラー | 小林修 | 田中明夫 | 八奈見乗児 |
グリンダ(北の良い魔女) | ビリー・バーク | 沢田敏子 | 梨羽由記子 | 沢田敏子 |
ミス・ガルチ 西の悪い魔女 | マーガレット・ハミルトン | 川路夏子 | 横山道代 | 京田尚子 |
オズの大魔法使い 占い師マーヴェル御者門番 | フランク・モーガン | 塩見竜介 | 熊倉一雄 | 滝口順平 |
ヘンリーおじさん | チャールズ・グレープウィン | 村松康雄 | 石森達幸 | 藤本譲 |
エムおばさん | クララ・ブランディック | 稲葉まつ子 | 竹口安芸子 | |
トト | テリー | 原語版流用 | ||
その他 | 田口昂大滝進矢明石良佐々木るん島香裕 | 田口昂 中村雄一増田ゆき津村まこと小野英昭 |
左からブリキ男、カカシ、ドロシー、ライオン
ドロシー役は、当初シャーリー・テンプルの予定だった。MGMが自社の「テンプルちゃん」を、20世紀フォックスの「プラチナブロンド」ジーン・ハーロウと交換して主演させようと企画していたが、ハーローが脳水腫のため26歳で死去したことから見送られた。詳細については北島明弘『クラシック名画のトリビア的楽しみ方』(近代映画社)が詳しい。そのため急遽ジュディに変更となったが、彼女は当時16歳であり「幼くみせるために胸をおさえる」「スカートを上げる」などの苦労の跡が偲ばれる。
当初、ブリキ男を演じることになっていたレイ・ボルジャーは自らの役柄に不満だったため、案山子役のバディ・イブセンと役を交替することになった。ところが撮影開始後、ブリキのメーキャップに使用されたアルミ粉が原因でバディは重篤なアレルギー症状を起こし降板。最終的にジャック・ヘイリーがブリキ男を演じることになった。すでに録音されていたサウンドトラックの関連箇所はジャックで録り直しが行われたが、ブリキ男登場後に歌われる2回の「オズの魔法使いに会いに行こう」だけはバディが歌ったものが使われている。
本作品はテクニカラーで、特殊プリズムで分解された3原色を3本のモノクロフィルムに別々に記録する方式で撮影された[1]。
ファイル:Aspect ratios.png画面サイズの比較。緑色の四角形がスタンダード・サイズ。赤がビスタ・サイズ、青がスコープ・サイズである。
Blu-ray版の画面比率は地上波アナログTV横縦比4:3に近いスタンダード・サイズ(横縦比が1.37:1または1.33:1)となっている。これは横長であるビスタ・サイズやスコープ・サイズを地上波アナログTV放送に合わせて左右クロップ加工で横縦比4:3化したものではなく、劇場公開時のオリジナル横縦比である(ワイドスクリーンは1939年当時殆ど存在しなかった。35mmフィルムを最も効率的に使用出来る方式として一般化したスタンダード・サイズに対し、各ワイドスクリーン方式は映画業界のテレビに対する差別化・対抗策という目的が有り、本作公開後に開発された方式もある)。
『オズの魔法使』で主演したジュディ・ガーランド
当初、この映画は莫大な制作費を費やしたことに関連して、商業的には成功していないと考えられていた(通常ならヒットと呼ばれ得る興収をあげたものの、費やされた制作費を上回るには至らなかった)。ただし、評論家たちの論評はおおむね好意的であり、1939年のアカデミー賞では作品賞を含む5部門にノミネートされ、作曲賞(ハーバート・ストサート)、歌曲賞(「虹の彼方に」)、特別賞(ジュディ・ガーランド)を受賞した。なお、監督のヴィクター・フレミングは同年の作品『風と共に去りぬ』で監督賞・作品賞を受賞している。
翌年に2本のテクニカラーによるファンタジー映画『青い鳥』(MGMのライバルである20世紀FOXが制作)と『バグダッドの盗賊』(アレクサンダー・コルダ製作のユナイト映画。本作品上映の41年後、経営不振・企業売却によりMGM傘下入り)がリリースされたのは、『オズの魔法使』の公開が衝撃を与えたからだとも報道された。他、ナチス政権時のドイツにおいても、本作品に感銘を覚えたヨーゼフ・ゲッベルス宣伝大臣(当時)がアメリカの象徴の一つともなった本作品に対抗出来る特撮ファンタジー大作として、ウーファー社に命じ『ほら男爵の冒険』が制作・公開されている。
ジュディ・ガーランドの薬物スキャンダルの最中の1954年にアメリカで行われたリバイバル上映は、歴史的な失敗に終わった。しかしテレビ放映は、特に1969年のガーランド死後の時期からは、暖かく受け入れられ、全時代を通じて最も愛される映画の一つになった。実際、テレビ・ビデオでの放映が大きく貢献して、史上最も多く鑑賞された映画になったと考えられている。
アメリカン・フィルム・インスティチュートの選定する「歴代名画ベスト100」で第6位、同じく「歴代名ミュージカル映画ベスト100」では第3位にランクされ、ガーランドが歌った主題歌「虹の彼方に」は同「歴代名歌曲ベスト100」の第1位を獲得した。
この映画は米国人の文化意識に多くの忘れがたい引用句を提供している。「トト、ここはカンザスじゃないみたいよ(Toto, I've got a feeling we're not in Kansas anymore.)」[注 4] や、「お家が一番だわ(There's no place like home.)」などが特に知られる。
詳細はオズの魔法使いの派生作品を参照
1950年12月25日、『テンプレート:仮リンク』において1時間のラジオドラマが放送され、ガーランドがドロシー役を再演した。1964年、NBCのウィークエンド・スペシャルとして1時間のアニメ番組『テンプレート:仮リンク』が放送された。1972年、映画の35周年記念として公式続編アニメ『テンプレート:仮リンク』が制作され、ガーランドの娘ライザ・ミネリがドロシー役を演じた[2]。
1975年、ブロードウェイで『ザ・ウィズ』が初演された。『オズの魔法使い』のアフリカ系アメリカ人版として舞台化された。ステファニー・ミルズほかブロードウェイ俳優が出演し、トニー賞において多くの賞を受賞した。俳優のジェフリー・ホールダーが演出を担当した。この作品はその後の作品に影響を与え、1978年、ダイアナ・ロスがドロシー役、マイケル・ジャクソンがカカシ役で『ウィズ』が制作されたが、興行的には成功しなかった。
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