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科学特別捜査隊は、ウルトラシリーズに登場する組織。
国際科学警察機構の下部組織で、正式名称は科学特別捜査隊(かがくとくべつそうさたい)。略称は科特隊(かとくたい)。基本的には怪事件調査の為の組織で、怪獣との戦闘は特別任務である。パリに本部があり、劇中ではインドやボリビア、NY、中近東などの支部について言及され、他にもブラジル、ロンドン、モスクワ、トルコ、そして日本に支部を置く。緊急連絡時の電話番号は999。英語表記はSSSP(Science Special Search Party)である。
日本支部の隊員は総員5名で、ムラマツ隊長(キャップと呼ばれる)以下副隊長格のハヤタ隊員、アラシ隊員、イデ隊員、フジ・アキコ隊員。途中からホシノ少年も特別隊員になり、ピグモンにも特別隊員の称号が贈られている(第37話)。パリ本部や海外の支部の隊員が訪れることもある。
金城哲夫の小説では100人以上の隊員がいると設定されている。
設定では、『ウルトラQ』に登場した一ノ谷博士らが中心となって日本支部を立ち上げたとされており、ウルトラマンが現れる以前から怪獣たちと戦っていたということになっている。第31話のムラマツキャップの話によると少なくとも20年は歴史がある[1]。
本来は戦闘よりも調査に重点を置いた組織として描かれているが、科特隊が独力で倒した怪獣も多い(科特隊がいなければ、ウルトラマンが倒されていたかもしれないケースもあった)。その数は歴代の防衛チームでは最も多い[2]。
東京郊外に存在し、台形状で銀色の建造物と平行四辺形型で黒色の建造物を組み合わせた本棟、ジェットビートルの発射台、別棟で構成されている。基地の外壁は、あらゆる光線や熱線を遮る特殊な鉄筋コンクリート製。基地内部には、隊員達が勤務する大型電子頭脳を備えた司令室をはじめ、司令室の上階とポールで繋がる寝室や、ホテル並みの環境が整った来客用のレストルーム、回収された遺留品を研究する分析室に、新装備開発の為の作業室などが置かれ、基地周囲には、消火用の自動放水装置も設置されている。第17話で、ブルトンが生み出した四次元空間に包まれてしまい、第31話ではゴトウに化けたケロニアに侵入されるなど、襲撃を受けたことも少なくない。また最終回では、ゼットン星人に侵入されて内部を破壊され、ゼットンの火球攻撃を受けて火災が発生した。
年齢設定は、TBS番宣課が発行した「ウルトラマンあらすじ集」に基づく。放映当時は男性隊員のフルネームは設定されておらず、本作本編では登場しない。
ムラマツ[3]年齢設定36歳。科学特捜隊日本支部ムラマツ班隊長、通称「キャップ」。ときに「キャプテン」とも。部下を見守る良き隊長であり、謹厳実直な性格で部下からも慕われる。その一方、必要なときには冷徹な判断を下すこともあった。バルタン星人の対策会議で攻撃に反対したり、ゼットン星人の円盤が侵攻に際しても攻撃を主張する部下をなだめるなど、慎重派の姿を見せた。対宇宙防衛研究所の宇宙実験班に所属し、山根恭平博士のもとで働いていたという設定がある。ハヤタ[4]/ウルトラマン年齢設定25歳。科学特捜隊養成学校を首席で卒業したエリート隊員。竜ヶ森湖上空でベムラーを追っていたウルトラマンの赤い玉と衝突して命を失うが[5]、ウルトラマンと一心同体になって復活する。ムラマツからの信頼は厚く、ムラマツ不在の際は自ら指揮を執るなど、実質的な副隊長でもある。任務を忠実にこなす真面目な隊員であるが、自分の安否を気遣っていたフジに「そんなことはどうでもいい」と言い放ったり、無謀な行動を取りがちである。また、第32話ではくじ引きでインチキを行い、第34話では変身の際にスプーンを間違えて掲げたりするなど、意外な一面も見せた。ただし、これらの言動や行動はウルトラマンと一体化していたときのもので、ハヤタの本来の性格かどうかは不明。最終回でゾフィーから新たな命を与えられてウルトラマンと分離したが、竜ヶ森湖でウルトラマンと出会ってからの記憶も失われていた。その後、ウルトラマンがハヤタの姿で登場することがあったが[6]、ウルトラマンがハヤタの姿を借りているだけなのか、それとも両者が再び一心同体となったのかは不明。彼がウルトラマンであることは、ほかの隊員たちには知られなかった。第14話のシナリオには「ハヤタとウルトラマンと同じ個所を怪我をし、それをムラマツとアラシが不審がる」というシーンがあったが、放送ではカットされた。金城哲夫の小説では、この描写が取り入れられている。また、2008年の映画『大決戦!超ウルトラ8兄弟』では、別世界のハヤタとフジ・アキコが夫婦になっており、こちらの世界の記憶がそれぞれ宿った際に、アキコが秘かにハヤタとウルトラマンの関係を知っていたことを示唆する発言をした。アラシ[7]年齢設定26歳。科特隊きっての射撃の名手にして怪力の持ち主。スパイダーショットはじめイデの開発した銃器は殆ど彼が使う。熱血漢であり、斬り込み隊長的な役回りが多く、そのためバルタン星人に体を乗っ取られるなど危険な目に遭うこともしばしばあった。一見明るい性格だがひとりで責任を負い込むなどナイーブな面もある。イデとコンビを組み、二人の会話でストーリーが進むことも多い。イデ[8]年齢設定24歳。科特隊の開発担当で、数々の武器や装備を開発した発明狂。隊員達の前ではコミカルなムードメーカーである。その一方繊細な面もあり、自分のミスでペスターを上陸させた際は科特隊脱退をほのめかしたり、ジャミラの正体を知って戦いを拒否したり、ウーの攻撃を躊躇したりしたこともある。勘が良く、かなり早い段階で、ウルトラマンとハヤタが同一人物ではないかという疑念を持っていた。幼いころに母を亡くしたらしい。「ウルトラマンさえいれば防衛チームは必要ないのではないか」という、後年に渡って繰り返し問われるテーマをいち早く提起した人物で、後作の開発担当およびムードメーカーの先駆けでもある。フジ・アキコ[9]年齢設定21歳。科特隊の女性隊員。主に通信を担当するが、現場へも積極的に出動する活動的な隊員。女性であることを理由に軽く見られることに対しては少なからず反感を持つ。その一方、病人用のスープやチョコレート菓子を作って振舞う、真珠でおしゃれするなど女性らしい一面もあり、野立てと怪獣供養では和服姿も披露した。第24話『海底科学基地』では自分のミスで事態を悪化させたと思い込み危険な水中任務を自ら志願するという、責任感の強さも見せている。弟が1人いる。ザラブ星人に化けられ、メフィラス星人に巨人化されたり、さらにはゼットン星人には襲われるなど宇宙人に狙われることが多かった。初代のウルトラヒロインであるが、ハヤタやほかの男性隊員と恋愛関係になることはない。ただし、映画『大決戦!超ウルトラ8兄弟』では別世界の設定ながらハヤタと夫婦として登場している。また、第14話では、プライベートでイデ隊員に買い物の付き添いをさせている。ホシノ・イサム[10]年齢設定11歳。科特隊本部に出入りしている少年。本部への部外者の出入りは禁止されていると第20話で説明されているが、彼がどのような資格で出入りしているのかは語られていない。第17話で「ハヤタを助けた」[11]功績により隊員となったが、既に第16話で科特隊の制服を着用していた。年少者であるため放射能汚染が懸念されるような危険な現場への出動は認められていない。スパイダーショットでネロンガの片目を潰したり(第3話)、フジとミチコをラゴンから逃がすために自ら囮になったり(第4話)、ザラブ星人に捕らえられたハヤタにベーターカプセルを届けたり(第18話)、フジ隊員に代り小型ビートルを離陸させたり(第21話)と、子供ながら数々の功績を残している。少年のキャラクターが主人公を補佐する立場で配されることは、他のヒーロードラマでも多々見られるが、ウルトラシリーズではホシノのみであり、その後は例がない。演者が事故で骨折したため、25話を最後に登場しなくなる。退場理由について、正式に養成所に入所したためと説明される場合があるが、これは劇中での設定ではない。科学特捜隊は数々の特殊装備を持ち、状況に応じて運用している。装備の開発は主に科学センター所属の岩本博士[12]とイデ隊員が行っている。科学特捜隊隊員のヘルメットは、クノー工業による制作。
通常は青いブレザーとグレーのズボン(フジ隊員はスカート)を着用している。出動時のユニフォームはオレンジ色で、赤いネクタイをつける。耐久性が高く、簡易宇宙服の機能も持つ。ネクタイピンは放射能や電磁波に対する発光式の危険探知機である。普段着ている青いブレザーの着衣が、そのまま出動時のユニフォームに変わり着替えが必要とはしないのもこの作品だけの設定でもある
ミニチュア制作は郡司模型製作所。
科特隊専用車全長:4.9m 全幅:1.2m 重量:1.6t 最高速度:時速190キロ 乗員:5名 日本支部で使用されている車輌。特に武装や特殊機能はなく、主にパトロールや基地近隣への移動に使われる。自動車は米国シボレー社製コルヴェアを使用(円谷一監督の愛車にステッカーを貼付けたもの)[14]。ベルシダー全長:7m 全幅:1.2m 重量:1.6t 最高時速:20km(地中) 乗員:3名第29話で登場した、削岩用ドリルを装備したイデ隊員開発の試作地底戦車。ビーム砲と地底魚雷が武器。デザインは池谷仙克で、円谷プロではこれが初仕事となった。このデザインについて、円谷英二監督から安定感がないと叱られたという。設定画ではS号と同様にジェットビートルの胴体下面に吊下して空輸される。本編ではベルシダーと呼称されているが、資料ではペルシダーと記載されることが多い。宇宙タンクSL77スペースタンクとも。第38話で登場した万能タンク。キャビンが2台の装軌式台車で支えられており、キャビン内に装備したSNKミサイルでサイゴを倒した。特殊潜航艇S号全長:9m 全幅:2.4m 重量:40t 最高速度:20ノット 乗員:5名水中ジェットで推進する小型潜水艇で、音波探知機(ソナー)、水中カメラ等を装備し、武器は魚雷。ジェットビートルの胴体下面に吊下して空輸される際はセイルが艇体に収納される。劇中にはS16(第1話)、S21(第10話)、S25(第24話)の3隻が登場した。シェアボタン: このページをSNSに投稿するのに便利です。
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