キャラクターの一覧
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概要
晦冥の息吹（英：Breath of Absentia）はイルデスタン公国内に本部を置く暗殺者ギルドである。
略歴
白天歴の半ば頃から存在自体は民衆に認知されており、元々は売上を競う裕福な商人たちが商売敵を脅したり移動中の行商に危害を加えるなどして商売の妨害を行うために雇われるゴロつき集団であった。
その後、時代が下るにつれて徐々に雇い主の方針が目に見える単純な妨害行為からより複雑で隠密的な行動を要求する要人の暗殺へと移り変わり、それに応える形で彼らは技術を磨き闇にまぎれて標的を狩るようになっていった。
そしてその中でも特に隠密行動に長け暗殺の成功率が高い数人の暗殺者が集い、相互扶助の課程で生まれたのが暗殺者ギルド「晦冥の息吹」である。
長い年月をかけて暗殺技術の発展と継承を行って来た集団であり、隠密行動や武器・暗器の製造と扱い、毒殺のために作られる毒薬の調合法などその高度な技術は門外不出とされる。
寂光歴末期の絨毯革命においてはヴカシン・ストリグスキー側の戦力補強として雇用され、少数ながらも多大な戦果を上げたことからその名が大陸全土に広まることとなった。
職種と階級
職種は大まかに暗殺の実行を担当する「刺客」とギルド拠点で刺客の補佐や任務のバックアップを行う「献身者」、そして依頼人から暗殺の依頼を受けそれを刺客や献身者たちに伝える「影見」の3つに分けられる。
- 刺客
依頼されたターゲットを探して暗殺を実行する者たち。高い戦闘能力と隠密技術、また暗殺任務に関するあらゆる知識の習得が要求されるため全体的に難易度の高い職種である。また何らかの理由により暗殺が露見・失敗した際は真っ先に矢面に立つことになるため危険も多く、その埋め合わせとして任務達成後にギルドから支払われる対価は他の職種に比べ高めに設定されている。
- 献身者
各地に点在するギルド拠点内で刺客のための装備や物品を補充・管理したり、任務に必要な薬を調合するなどギルドの事務的・補佐的な仕事を請け負う職種である。戦闘能力は実動部隊である刺客にこそ一歩劣るものの総じて低くはなく、また暗殺に使用する毒や薬に関する知識量は献身者の方が深い傾向にある。
- 影見
ギルドの窓口として依頼人と接触し、暗殺者ギルドとしてその仕事を受けるか否かを判断する者たち。社会情勢や政治・経済に関する鋭い観察眼とギルドの安全や発展を第一に考える姿勢が要求され、ギルドへの忠誠心が高い人員が目立つ。老齢のギルド員がその知識と経験を活かすため刺客を引退して移籍することも多い。
階級は見習い・新人・熟練・達人の4つが存在し、ギルドに入門した者は実力や才能の有無に関わらず見習いの階級からキャリアをスタートさせることとなる。またこれら階級を束ねる存在として達人の中から選ばれるギルドマスターの地位がある。
- 見習い
暗殺者ギルドに入門したばかりの者に与えられる最初の階級。熟練や達人の暗殺者が監督する中で訓練によって技と知識を磨き、実際に暗殺任務へ関わるようになる新人を目指していく。
- 新人
一定の訓練を修了し、監督者に認められた者へ与えられる階級。まだ単独で任務に関わることは難しく、ほとんどは熟練や達人の補佐を行いながら経験を積んでいくこととなる。
- 熟練
経験を積み、単独でも任務に関わることが出来るようになった者に与えられる階級。見習いの教育や新人を補佐につける権限を持ち、各分野に特化したエキスパートになる者も出て来る。
- 達人
充分な実力・経験と任務達成の実績を持つ者にのみ与えられる身分。組織や拠点のリーダー格に当たり、監督者としての広い権限を持つ。
- ギルドマスター
達人の中から選ばれる暗殺者ギルドの長。組織の頂点に立ち、ギルドのあらゆる物事に精通しているとされる。
暗殺を依頼する方法
街の宿屋や酒場など人の集まる所には大抵一人以上の「影を見る者」「影見」と呼ばれるギルド員が潜入しており、暗殺依頼の受注を専門に行う人員である彼らが依頼人との接点・窓口となる。
暗殺者ギルドに接触するためには合言葉が必要であり、その言葉はかねがね「こないだ賭けでサイコロを2つ振ったら、1のゾロ目が出たんだ」という内容のものである。依頼人の問い掛けに対し相手が「それは幸運でしたね。お祝いにビールとリンゴ酒で乾杯しませんか」と答えたらその相手は暗殺者ギルドの影見である。
簡単な依頼であれば影見がその場で依頼と報酬を確認し承諾、適切な人員へ任務の通達を行うが、地域の要人や有力者の政敵など暗殺後に地域一帯へ大きな影響が出ると予測された依頼は一旦ギルドに持ち帰り、条件・報酬を加味した上で達人やギルドマスターを交えた協議を経て依頼人とやり取りをし、最終的に受諾するか否かをギルドの総意として判断・決定する。
ギルドの信条・信仰
人知れず暗躍し命を奪うことを生業としているため、組織的に闇と静寂の神アルワラの守護を求めて信仰している。彼らが暗殺するターゲットはアルワラに愛されたが故の顛末をたどるだけであり、死は命が没し暮れて行っただけのこと、と認識している。
また彼らは殺人という悪事を為している感覚も無く（あったとしても良心の呵責や罪の意識などは極めて薄い）、自分が生活し生き延びるため、ひいては世界にとって必要なことだからやっているのだというある種の前向きな意識を持っている。
暗殺者ギルドに入門するには
基本的には暗殺者としての素質を認められた者（路上生活を行う子供や行き場のない若者が多い）が上級者である熟練や達人の導きを受けて入門する。
自ら暗殺者ギルドの門を叩き志願する者も稀にではあるが存在し、他地域との戦争に駆り出されたものの充分な待遇や報酬を得られなかったという理由で傭兵が鞍替えするケースもある。しかしその場合は暗殺者として育てやすい子供や若者と違い（よほどの適性が無ければ）ギルドの教えに馴染むのが難しく、また規律を乱して快楽殺人に走ることも多いため一部のギルド員からは嫌悪されている。
またギルド員の中には暗殺者同士で結婚し家庭を持っている者も存在するが、その子供が親と同じように暗殺者への道を歩むかどうかは定かではない。
暗殺者ギルドの脱会
基本的には社会のはみ出し者が多いため、入門後は死ぬまで組織の一員として生きていく者が大半である。
また機密の多い集団でもあるため外の社会に情報が漏れるのを良しとせず、穏便に脱会したとしてもその後の生活は暗殺者ギルドの監視下に置かれるという。
ギルドと完全に縁を切るのは難しく、そのためには誓約書などの公的な書類や多額の手切れ金、厳しいギルド側の要求を飲まねばならないとされている。
