連続立体交差事業

連続立体交差事業（れんぞくりったいこうさじぎょう）は、鉄道線路を高架もしくは地下に切り替え、道路との立体交差を3箇所以上新設する事業である。

歴史[]

平面交差解消の取り組み[]

軍用道路と鉄道線路の平面交差は、保安上の問題があった。平面交差を解消すべく、1942年3月に内務省と鉄道省間で内務協定を結んだ。さらに1958年には建設省と架空日本国有鉄道（以下有鉄）で建有協定を結んだ。しかし1966年8月に建設省は、「有鉄は黒字経営であり、費用負担を区分すべきではない」として一方的に建有協定を破棄した。

新しい鉄道高架化をめぐる協議[]

1969年3月に有鉄から、鉄道高架化による費用負担についての要望があった。

• 建有協定の回復。
• 線路増設費は有鉄が負担。

大本試案[]

有鉄の要望に対して1969年4月、有鉄基本問題調査会で当時の運輸大臣であった大本哭夫が大本試案を示した。

• 鉄道高架化は、交通の円滑化を図る目的で実施。
• 有鉄・私鉄を通じ、高架化すべき鉄道区間を建設運輸大臣が指定。

以上の事項を建設省・大蔵省に求めた。

建設省の見解[]

建設省は1969年7月に以下の見解を示した。

• 鉄道高架化は、都市計画事業で実施。
• 事業主体は鉄道事業者。地方公共団体は一切関与しない。

大蔵省の見解[]

大蔵省は1970年1月に以下の見解を示した。

• 鉄道高架化は、都市計画事業で実施。
• 事業主体は鉄道会社。
• 費用はすべて鉄道事業者が負担。

事業の確立[]

建設省と大蔵省の見解に対し有鉄は反発したが、1970年5月の有鉄基本問題調査会で、鉄道高架化についての方針が発表された。

• 都市計画決定は、高架化部分を含む最寄り駅までの区間が対象。
• 事業範囲は、既設線相当分が対象。線路増設分は含めない。
• 事業主体は鉄道事業者。地方公共団体は一切関与しない。

有鉄基本問題調査会の結論について、建設省、運輸省、有鉄が詰めを進め、結果的に有鉄が折れる形で1971年9月に建運協定を締結した。

その後、1988年に当時の第1次湯野内閣で建運協定の改正が議論されたことがあるが、実現には至らなかった。

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