魔物ストーリー妄想

ページ名:魔物ストーリー妄想

魔物ストーリーお題

誰かこれで魔物ストーリー考えてください。
お題側に書き込むのもアリです。自由に書き込んでください。



金塊を孕む飽食妊婦「ガチョウと金の卵」
毒霧の嗜虐キノコ王「マタンゴ」
モテたかったイバラ女「アルラウネ」
動く屍の盗賊団「ネクロマンサー」
人間を飼いならす財宝女「ミミック女王」
うねる指人形頭領「アリババと40人の盗賊」




「ガチョウと黄金の卵」
元は貧乏な村娘で、大人になってからは援助交際で生計を立てる娼婦となる。
おカネに困っていたところで聖杯が現れ、自分の子宮と孕んだ胎児を代償にして「純金塊の卵」を毎日産めるようになり、だんだんと大金持ちに。
裕福になってから贅沢三昧がやめられなくなり、毎日ご馳走ばかり貪り、巨大なメンドリのような肥満体型に成長(?)し、ぶくぶく太るほど生み出す金塊も一層巨大で高価なモノを一日に大量に埋めるようになった。
贅の限りを尽くすが、やがて自分の周りには「カネで手に入れたモノ」以外何も無いと気づいてしまい、孤独にさいなまれ、ストレスでさらに肥満化。自力で動くこともできぬほど太ってしまう。
自分が金策のために大量に産んできた「金塊の卵」たちを「材料」(代償)にして、金色の身体の美青年をたくさん作りだし、自身の孤独を慰める「家族」にする日々を謳歌する。


魔物形態時は巨大なガチョウを彷彿とする超肥満体型のお姫様。
本体はおデブすぎて身動きが取れないため、「金の卵の息子」たちが大勢がかりで神輿のように担いで行動する。(白雪姫やサキュバスの小人みたいな感じ。)
大勢の金の卵のイケメンたちをけしかけて攻撃する。
本体を担いでいる「金の卵」達全員が呪部。全部破壊するとおデブガチョウは不格好に地面に落ちてから、自力で立ち上がり大激怒。自分で走って突進攻撃してくるモードへと移行。
ド迫力な肥満体型の巨女が繰り出す突進は破壊力抜群。








初代wikiのコメント欄から。



「フランケンシュタイン」(chopin氏の投稿を要約)
醜男が美しくなるため、美男の顔を盗みまくって異形の姿になる。
エド・ゲインみたいに死体の皮を剥いで、美男のマスクやスーツを作る異常者。
さらに、もっといろんなパーツが欲しくなって死者も生者も関わりなく、手当たり次第に部位を奪って、無数の顔や手足の生えた化け物になる。
個々のパーツは美しいのに、全体は醜悪極まりないというのが皮肉。



「三人軍医」(グリム童話)(chopin氏の投稿)
目、右手、心臓に呪われた魔法使いの部位を移植された。
ゴルゴン、グレイプニル、バルカンを通常攻撃手段に使ってくる。
もとはセルト人を弾圧する苛烈な性格の軍人。ある日襲撃され目、腕、心臓に大けがを負う。
そこに三人の軍医がやってきて治療を申し出て、謎の技術により大けがを治す。
実は軍医たちは軍人に弾圧され家族や土地を奪われたセルト人で、魔法で軍人の身体の一部となる。
魔法使いの身体を移植された軍人は、目に見えるものが全てグロテスクなものになり、腕は自分の意志とは関係なく周囲のものを傷つけ、魔法の心臓のせいで自決もできなくなる。
死ぬこともできずひたすら苦痛や悲しみを味あわせるのがセルト人軍医たちの復讐…という結末 。
戦闘時には禁術を使ってくるがそれで自身もダメージを負う。
瀕死状態になると、セルト人軍医たちの意志が軍人の身体を生贄にしようとする。グングニル発動前に素早くとどめを刺さないとこちらが一気に全滅する恐れがある。


「スフィンクス」(chopin氏の投稿)
戦闘中の心の声が、ランダムでなぞなぞになっている。
なぞなぞに合わせて超強力な攻撃を仕掛けてくるが、答えに合った行動を取れば回避可能。
スフィンクスが最後に出す問題に対し、正解の行動をとれなければ倒せない。


「親指姫」(chopin氏の投稿)
何かミギー的なやつ。もてない男が自分の右手を魔法で恋人に作り替える。
でもリアルな恋人が出来てしまったので右手の彼女が暴走。身体乗っ取り。


ギロチン(chopin氏の投稿)
元の姿はドクターキリコみたいなサイコ医者。
患者を救いたいと頑張っていたが、安楽死こそが最大の救済と思うに至り、手当たり次第に人の首を切り落とす。
アイアンメイデンがあるならギロチンがあってもいいだろ。


「ピノキオ」(chopin氏の投稿)
元は整形に取り憑かれた男。
木の鼻とか足が異様に伸びて襲い掛かってくる。


「青髭」(グリム童話)(chopin氏の投稿)
リヴァイアサンやヘンゼルとグレーテルみたいに、ステージと一体化した魔物。
元の姿は、理想の妻を追い求め、自分を失望させた女を城の壁に塗り込めるという行為を繰り返す変態城主。
終いには城と一体化し、「移動都市」みたいに女を探し彷徨う。
無数の妻たちが襲い掛かってきて、ある程度倒すと本体登場。


「エインフェリア」(chopin氏の投稿)
オーディン(初代ペンドラゴン)に脳を取られてしまった者のなれの果て
体力をゼロにしてもしばらくすると蘇る。救済も不可。
さらにエインフェリア同士、お互いを生贄にすることでパワーアップする。


「フェンリル」(名無しさんの投稿)
巨大な狼型の魔物。元は冤罪で囚われた男。無実を訴え続けたが信じてもらえず、鉄鎖で数年も縛られていたままだったが、後に強引な手段で牢を破壊、自身を捕らえた者達を残らず喰い殺し脱走。


「ニーズヘッグ」(名無しさんの投稿)
四足歩行も可能な、翼を持たない竜型の魔物。
元は非常に貧困な男。その貧困は木の根を齧らなければならない程であり、自分をこの境遇に追いやった国(=ユグドラシル)への復讐を実行した。


「ヨルムンガンド」(名無しさんの投稿)
非常に巨大な体躯を持つ海蛇型の魔物。リヴァイアサンと同様、背中の上で戦う事になるが、頭部と尻尾の上でも戦う事になる。
元はオーディン(初代ペンドラゴン)の配下。彼の右腕とも呼べる頭脳明晰な男だったが、とある理由で彼に裏切られ、海に沈められる。しかし、初代ペンドラゴンを超えるべく、海底から陸へと制圧を始める。


「ヘカトンケイル」(名無しさんの投稿)
背中と胸から複数の腕が生えた、両腕の無い魔物。その腕は枝分かれし、そこからさらに複数の腕が生えている。
元はサイクロプスが嫉妬していた鍛冶屋。彼は更なる才能を求め、両腕を代償にした。
すると、背中と胸から異様な形状の腕が複数生え、そこからさらに一つ一つが異なる姿の腕が枝分かれして生えた。
その腕を使い、自身の才能の集大成である武器を作りあげる。
しかし、それでも納得出来ない彼は、無数の腕を使い、自身が納得できるまで、作り直しては試し斬りする事を繰り返す。


「ユミル」(名無しさんの投稿)
身体の一部が岩石であり、そこから草木や砦などが生えた巨人。
サイクロプスと同型の魔物だが、それとは比べ物にならない程、非常に巨大な体躯を持つ。自らの骨と血を武器にし、肉片から下級魔物を作り出す。
元は国を攻め落とされた国王。征服軍に自身の国を攻め落とされ亡命する途中、自らの新たな国を建てたいと願った結果、自身の血肉と骨が建築資材となった。しかし、それは自身の身体に建てられ、彼自身の肉体が新たな国その物となってしまった。以来、「生きた国」その物となった彼は、新たな国家である自身を発展させるべく、彷徨い続けている。彼の目に映った物は全て「資材」なのだ。


怠惰の魔物「ポルターガイスト」(chopin氏の投稿)
元はガラクタだらけの部屋に住むニート。
とにかく動きたくないので自分の身体を代償に、周囲の物を動かす能力を獲得。ついには肉体を捨て、ガラクタの集合体へ。


「マーメイド」(chopin氏の投稿)
元は足が不自由な女性。足が不自由な自分を愛してくれる男に巡り合うが、実はその男は悪人で、騙されて海に突き落とされてしまう。
男への復讐心で足を代償に、下半身が巨大な魚の化け物に変身する。
(人魚姫を逆方向に翻案してみました)


「テュール」(名無しさんの投稿)
様々な武器や攻城兵器で構成された巨大な右腕を持つ、半人半機の戦士。右腕の手甲に付いた大砲とバリスタによる砲火攻撃、側面に仕組まれたスライド式のグレートソードとハルバードによる近接攻撃は、両方とも強力な威力を持つ。右腕自体による攻撃も強力。元は傭兵。戦いで半身ごと右腕を失うが、自身の使用していた武器を代償に半身を再生。武器や攻城兵器の部品が失った肉体と結合し、新たな半身を構成、特に右腕は兵器の集合体その物とも呼べる形に変わっていた。
名前の由来と元ネタは、北欧神話に登場する隻腕の軍神「テュール」。フェンリルに右腕を噛み千切られた。



「ヌアザ」(名無しさんの投稿)
銀で作られた右腕と大剣を持つ戦士。銀の部位は毒が完全に無効化され、仮に毒状態にしても銀の抗菌効果で治してしまう。
銀の大剣は威力も高い上に攻撃範囲も広く、銀の腕自体は鋭い銀の結晶を作り発射する能力を持つ。
元は銀を好む戦士。敵軍を撃破する度に、自らの武勲として敵軍が持っていた銀製品を略奪して集めていた。果てには敵国の銀山から略奪した銀を素材に、鍛冶屋に銀製の大剣を作らせ自身の象徴としていた。しかし、敵の奇襲で右腕を斬り落とされてしまう。自身が過去に集めた全ての銀製品を代償に、右腕を再生するが、その右腕は銀その物であり、身体からは所々銀の結晶が生えた半ば異形の姿となっていた。



ジン(ランプの魔神)(chopin氏の投稿)
元は天下一の大金持ち。何もかもが満たされた生活を送っていたが、全てに飽きてしまった。
少ないもので喜びや満足を得られる庶民が逆に妬ましくなり、彼らに無理やり金品を与え、物欲に目覚めさせ、狂わせるという行為に取り憑かれる。
金欲スライムをより巨大に、ドロドロにしたような姿で、小さな金欲スライムを次々生み出す。
ジンの精神攻撃を受けると、手柄を独り占めしたいという欲望が募り、攻撃魔法で同士討ちをしてしまうようになる。または仲間への回復、支援ができなくなる。



鉛の兵隊(あるいは錫の兵隊)(chopin氏の投稿)
元は閑職の門番兵。戦争のない平和な国で、地味な門番兵をしていたが、憧れの歌姫の前で武勇を示し、関心を引こうと思う。
自分の片足を代償に、弾数無限の鉄砲を作り、犯罪者を成敗していたが、彼に対抗するために犯罪者たちも凶悪化し、しまいに国全体の治安が悪化してしまった。
犯罪者集団に街が焼き討ちされ、振り向かせたかった憧れの女性とともに火に包まれながら、怒りと悲しみで魔物化する。
全身が溶けた鉛に覆われ、大小さまざまな鉛玉を飛ばして攻撃を行う。
いっしょに火に包まれた女性と一体化していて、そこが呪部になっている。
呪部を解体すると発狂し、弾幕ゲーなみの弾をバラまいてくる。
隆起魔法や盾魔法を遮蔽物にして、TPS感覚で戦うのがおすすめ攻略法。




フレスベルグ(名無しさんの投稿)
骸骨を纏った巨大な鷲の姿をした魔物。グリフォンと同型の魔物だが、全身が人骨で飾られている為、とても不気味。
翼を羽ばたかせ冷属性の強風や竜巻を起こす他、撃破した下級魔物を啄んで喰い、パワーアップする事もある。元は墓荒らし。
冷風を操る事と下級魔物を啄んで喰うのは、北欧神話において、天の最北端にいる事と、終末に死者を嘴で引き裂く事が元ネタ。



メフィストフェレス(chopin氏の投稿)
バハムートみたいにランダムで乱入してくる魔物。
攻撃を加えなければプレイヤーに様々なバフ効果を与えてくれるが、その代償として、プレイヤーが瀕死になるとすぐさま生贄にしようとする。
攻撃を加え続けると魔物側にバフを与えるようになり、魔物を倒すと勝手に生贄にし、経験値を持って行ってしまう。
基本的に厄介な存在だが、上手く利用すれば攻略に役立つことも?



フギンとムニン(名無しさんの投稿)
二つの頭が生えた鳥人。半身が全く非対称な形状になっており、左半身は赤褐色で高威力の攻撃に特化、右半身は深緑色で状態異常の攻撃に特化している。
背中から生えた翼はもう一対の腕となっており、これを使い飛行や巨大な翼爪による攻撃を行う。
元々は初代ペンドラゴンに保護された双子の孤児。彼と共に各地を旅し、彼と情報共有するようになったが、彼がオーディンとなったその後、聖杯に捧げられ一体の魔物に変えられてしまった。











傲慢




晒すろくろ首「ラードーン」


子だくさんな貴族がいた。
めったにないほど沢山の子供に恵まれていた。
貴族もその妻も、そのことを大いに誇った。
子どもたちも、常ににぎやかで楽しそうだった。


ただ1人だけ、長男は浮かない顔をしていた。
長男は、根っからの目立ちたがり屋だった。
「貴族の子供」であるが故、人々からの注目がなにより欲しかったのだ。


長男は兄弟の中でも少しでも目立つため、あらゆることに励んだ。
学問、料理、美術、剣術。
庶民の噂の種になるべく、土方や兵士の見学にも行った。
服装も、他の兄弟とは比べ物にならないほど奇抜なものを選んで着た。


それでも、長男が周りから得意の目で見てもらうことはなかった……。


長男は何がダメなのか、悩みながら家の中を歩いているうちに、
彼は幼い弟や妹たちを可愛がる両親の姿があった。


そのとき彼は悟った。
……「印象」。


見た目の印象は、人に近づいてもらうためには非常に重要なものなのだ。
才能を磨いたところで、それで外見が爽やかになるワケではない。
だから自分は、何の努力もしていない弟たちにすら負けていたのだ。


親に見てもらえるには、いくら才能を磨いても外見の壁は越せないのか?
自分は、影の薄いまま人生を終えるのか?
絶望した長男は、上階から飛び降りようと窓を開け、身を乗り出した。


するとその先には、白い杯が夜空の中央に浮いていた。
長男は腰を抜かし、室内に転げ落ちた。
杯は、部屋に入り込み、語りかけてくる。
「願いを叶えてやろう。ただし、代償を捧げればな」
長男は迷わず首を縦に振った。
彼は、自分が目立たない原因と見なしていた「弟たち、妹たち」を代償に捧げたのだ。


次の瞬間、溶けた他の兄弟の屍が口の中に流れ込んできた。
飲み切った後、長男の身体が激変した。
首がメキメキと腫れ上がり、グングンと伸びていく。
伸び続ける首はついに屋根を突き破った。
伸びるに伸びた長男の首は直径も肩幅ほどに太くなった。
首はもちろん、身体中に死んだ弟妹の顔が浮かび上がっており、
その隙間からは触手のような太い毛が、何十本も生えていた。
顔は禍々しく歪み、口は裂け、まるで「ヘビ」のようだった。


長男は1階に降り、その姿を両親に披露した。
両親は悲鳴を上げ、家の外に走り去った。


懲りない長男は家を飛び出し、街中を走り回り、自分を見せびらかした。
その姿を目撃した人々は阿鼻叫喚し、逃げ惑う。


ついに町は、1人の人間も見当たらなくなってしまった。
しかし長男は、その後に及んでも走り続けた。
人がいなければ人のいそうなところへ、人を見つければその人に向かって。
ただただ注目を集めるために。


ある意味では、長男の「目立ちたい」という欲望は叶ったと言えるだろう。
しかし、どういう形で目立てるかは、どうでもよかったのかも知れない。
少なくともそれが元々なのか、はたまた後からそうなってしまったのかは、
あの化け物自身にしかわからない。


嫉妬


強欲


暴れる筋骨魔獣「ダイダラボッチ」


金。寿命。怠惰。快楽。
欲望の根源は様々である。
しかし社会において、あまり知られていないものもある。


「力」だ。


力とは、あらゆる事情において必要とされる。
何かを守る時。
何かを奪う時。
名誉や復讐にも、力が必要とされることもある。


色々なワケがあって力を欲し、聖杯によって我が身を代償に捧げ、筋骨隆々の醜い化け物と化した人々。
それらは「ダイダラボッチ」と呼ばれ、世界中で猛威を振るっている。




蠢く狂戦士夫妻「アリとキリギリス」


その女は旅芸人だった。
楽して生きたくて、旅芸人になったのだ。
懸命に働いている人々を、見下していた。
そんなある日、ある男が彼女の運命を変えた。


観客の1人である兵士が女に一目惚れし、求婚してきたのだ。
女は考えた。そうだ、この男に寄生して生きてやろう、と。


女の夫となった兵士は、以前以上に身を粉にして働き、大金を持ち帰った。
女は夫が給料を持って帰ってくるたびに歓喜した。
作戦通りだ。


しかしいつからだろうか。
この生活が続いていくうちに、偽りだった筈の女の愛は本物になっていったのだ。
自分に尽くしてくれる兵士に、感謝を感じるようになったのだろう。
女は、家事に真面目に取り組むようになった。


そんな円満な夫婦生活が長く続いた。


しかし、悲劇は唐突に起こった。


兵士が戦争のさなか、両脚を失ってしまったのだ。


女は嘆き、自責した。
この人はこんなになるまでにアタシに尽くしてくれたのに、アタシは……


「願いを叶えたくば、犠牲を払え。」
声にならない声が、響いてきた。
ふと見上げると、白い杯が目の前に浮いていた。
「代償を捧げよ。さすれば愛する者は再び歩けよう」
女に迷いはなかった。
夫は今まで自らの苦労を顧ず助けてくれた。
今度は、妻である自分が、身をもって助けねばならない……。
「アタシの体を代償に、この人に新たな足を……。」


兵士は再び歩けるようになった。
しかし、その形は明らかにおかしかった。
というか、股の少し上には、妻の顔が残っていたのだ。
何を隠そう、兵士の新たな脚は女の脚だけに限らず、全身が材料なのだ。
女が自分そのものを捧げた結果、妻そのものが脚になってしまったのだ。
それだけ、彼女の愛と罪悪感は深かった、と言えるだろう。


1つの体に2人が宿ったその化け物は、「アリとキリギリス」と呼ばれ、
金目当てで人を襲っているという。





憤怒




燃える殺戮戦車「スルト」


己の不幸を呪うあまり、全てを僻み、憎むようになった者たち。
皮肉にも、そういった人々はどの世界にでもいる。


そんな者たちの前にも現れるのが、聖杯。
ではその邪心と聖杯の魔力が結びついた時、どんな願いが叶うのだろうか?
そして、何を代償に捧げるのだろうか?


答えはだいたい、決まっている。
「この世の全てを滅ぼしたい。自分の命を捧げる。」


全てに失望した魂は、自分の存在すらも呪う。
だから、死を恐れるどころか、渇望するようになる。
ただし、ただ死ぬだけでは彼らの無念は晴らされない。
他の全てを道連れにしなくてはならないのだ。
それだけ、彼らの心の闇は深い……。


その圧倒的な憎悪から生まれた魔物となれば、そこらの魔物とは明らかに格が違う。
世界を滅ぼす「力」と「意思」。
その最悪の組み合わせは、最悪の魔物を生み出す。


彼らは己の通路に入るすべてを踏み潰し、焼き払い、そして最後は爆散し、周りの全てとともに消滅する。
スルト。
彼らによる被害は、どの魔物のそれをも圧倒的に凌ぐ。


もしゾウのような脚を4本はやした巨大な肉団子が真っ赤に燃えているのを見かけたら、すぐに逃げなくてはならない。
スルトに関わったその時が、人生の終止符だ。






色欲



怠惰



暴食



生欲



その他








下級魔物


神の手を得たカエル「グレムリン」


カエルの武器は、舌である。
舌で羽虫を捕らえ、捕食することで生きている。
そんなカエルならば、ある欲望を抱いたりする。
「もっと舌を動かしたい。自由に、器用に。そう…まるで神の如く」


そんな欲望は、魔力の残骸と結びつくことで叶う。
肥大化し、丸い先端に5本の触手を並べるように生やした舌。
それはまるで腕のようでも、はたまた鞭のようでもある。
伸縮自在でしなる、振れる。まるで本当の武器のように、虫をいとも容易く、効率的に捕らえられる。


「神の舌」をもったそのカエルたちは、己の進化を存分に堪能し、満喫した。
すると、ふと思うようになる。


「もっとできることがあるんじゃないか?」


今まで成し遂げなかったこと。自分の可能性。
そんなことを考えたのは、おそらく自然界ではカエルが最初だろう。
虫では飽き足りない。更なる獲物を食える。
そう思うようになったカエルは、悪食になった。
カタツムリやネズミ。岩石に金貨。
はたまた犬猫といった自分より大きな動物。
そしてついに、人間を狩ったり、共食いまでするようになった。


自分の舌を、自分の可能性を過信し、理性を捨て、自由に溺れ、見境なく捕食するようになった危険なカエル。
それが「グレムリン」である。







土地


レムリア島


尊大な貴女がいた。
プライドが高く、常に人を見下していた。
彼女の傲慢ぶりは言動にも表れていた。


悲劇は唐突に起こった。
ある夜帰宅した時、あったはずの所に家がなかったのだ。
両親は彼女に黙って引っ越したのだ。
威張り散らす娘に愛想をつかせ、縁を切ったのだろう。


貴女から宿無しに転落した女は、自分の愚かさを理解し、後悔した。
人の上に立つには、高潔な態度をとり、人から信頼と尊敬を買わねばならない。
あんな態度を取っても高い身分に居座っていられたのは、父親のコネ以外の何物でもなかった。
父親を失った彼女は今、金や地位はおろか人徳すらない、純粋な「ゴミ」だ。
現に泣き崩れた彼女を見た通行人は、指を指して笑っている。
ツケが回ってきたのだろう。


今更やり直そうにも、手元には何もない。
他の人々からの信頼は、取り返しがつかないまでに損なわれてしまっている。


諦めかけたその時、妙な光が頭上に差した。
見上げると、白い杯が空中で眩しく光り輝いている。
杯は、語りかけてきた。
「願いを叶えてやろう。代償を捧げればな」


女は願った。
もう一度、いや、前以上の栄光を手にしたい。
一国一城の主になりたい、と。


杯の光が突然増したかと思いきや、景色が変わっていた。
先程の町並みは、どこにも見当たらない。
あるのは草木ばかり。


女は、無人島の中心にいたのだ。
彼女は確かに、一国一城の主になっていた。
女は狂喜乱舞した。


言うまでもないが、無人島なので、他には誰もいない。
それどころか、動物すらいない。
「孤独」。
恐らくそれが、彼女の捧げた代償なのだろう。


女は無人島生活を、自分だけの王国を、思う存分満喫した。
食料は、島に生えている植物を採った。
そして、島で息を引き取った。


そして誰もいなくなった島は、本当の無人島になってしまった。
配偶者などいないので、後継者もいない。
ただの無人島である。




ラビュリントスの街道


ある町に、子だくさんな貴族がいた。
めったにないほど沢山の子供に恵まれていた。
貴族もその妻も、そのことを大いに誇った。
子どもたちも、常ににぎやかで楽しそうだった。


ただ1人だけ、長男は浮かない顔をしていた。
長男は、根っからの目立ちたがり屋だった。
「貴族の子供」であるが故、人々からの注目がなにより欲しかったのだ。


長男は兄弟の中でも少しでも目立つため、あらゆることに励んだ。
学問、料理、美術、剣術。
庶民の噂の種になるべく、土方や兵士の見学にも行った。
服装も、他の兄弟とは比べ物にならないほど奇抜なものを選んで着た。


それでも、長男が周りから得意の目で見てもらうことはなかった……。


長男は何がダメなのか、悩みながら家の中を歩いているうちに、
彼は幼い弟や妹たちを可愛がる両親の姿があった。


そのとき彼は悟った。
……「印象」。


見た目の印象は、人に近づいてもらうためには非常に重要なものなのだ。
才能を磨いたところで、それで外見が爽やかになるワケではない。
だから自分は、何の努力もしていない弟たちにすら負けていたのだ。


親に見てもらえるには、いくら才能を磨いても外見の壁は越せないのか?
自分は、影の薄いまま人生を終えるのか?
絶望した長男は、上階から飛び降りようと窓を開け、身を乗り出した。


するとその先には、白い杯が夜空の中央に浮いていた。
長男は腰を抜かし、室内に転げ落ちた。
杯は、部屋に入り込み、語りかけてくる。
「願いを叶えてやろう。ただし、代償を捧げればな」
長男は迷わず首を縦に振った。


彼は、自分が目立たない原因と見なしていた「弟たち、妹たち」を代償に捧げたのだ。


次の瞬間、溶けた他の兄弟の屍が口の中に流れ込んできた。
飲み切った後、長男の身体が激変した。
首がメキメキと腫れ上がり、グングンと伸びていく。
伸び続ける首はついに屋根を突き破った。
伸びるに伸びた長男の首は直径も肩幅ほどに太くなった。
首はもちろん、身体中に死んだ弟妹の顔が浮かび上がっており、
その隙間からは触手のような太い毛が、何十本も生えていた。
顔は禍々しく歪み、口は裂け、まるで「ヘビ」のようだった。


長男は1階に降り、その姿を両親に披露した。
両親は悲鳴を上げ、家の外に走り去った。


懲りない長男は家を飛び出し、街中を走り回り、自分を見せびらかした。
その姿を目撃した人々は阿鼻叫喚し、逃げ惑う。


ついに町は、1人の人間も見当たらなくなってしまった。
いるのは首の長い魔物がただ1匹。
その魔物は、未だに町を走り回っているという。
人がいなければ人のいそうなところへ、人を見つければその人に向かって。
ただただ注目を集めるために。


別の土地へ移住した町民たちは、その町の噂を広めた。
足を踏み入れれば、恐ろしい姿の魔物に追い回される、と。
おかげで、その町はずっと人1人来ていないのだという。
ゴーストタウンと呼ぶべきか、はたまた迷宮と呼ぶべきか。
少なくとも、あの魔物が居座っている間は、
あの町は人が住むような所ではない。










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