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曖昧さ回避 | この項目では、1961年に公開された映画について記述しています。キャラクターとしてのモスラについては「モスラ (架空の怪獣)」を、1996年公開の映画については「モスラ (1996年の映画)」をご覧ください。 |
モスラ | |
---|---|
MOTHRA | |
監督 | 本多猪四郎(本編) 円谷英二(特技) |
脚本 | 関沢新一 |
製作 | 田中友幸 |
製作総指揮 | 清水雅 |
出演者 | フランキー堺 香川京子 小泉博 ザ・ピーナッツ ジェリー伊藤 田山雅充 佐原健二 オスマン・ユセフ 平田昭彦 広瀬正一 小杉義男 三島耕 田島義文 河津清三郎 志村喬 上原謙 |
音楽 | 古関裕而 |
編集 | 平一二 |
配給 | 東宝 |
公開 | 1961年7月30日 |
上映時間 | 101分 |
製作国 | 日本の旗 日本 |
言語 | 日本語 |
次作 | モスラ対ゴジラ |
表・話・編・歴 |
『モスラ』は、テンプレート:和暦に公開された、東宝製作の怪獣映画。およびそれに登場した架空の怪獣の名前。日本初の「東宝スコープ」(ワイド・スクリーン)の怪獣映画である。
1998年には本作の内容を忠実に再現したサウンドドラマが制作された。
テンプレート:ネタバレ
東宝がゴジラ、ラドンに続く怪獣キャラクターとして注力した、製作費に2億円(当時)をかけた日米合作の大作特撮映画。本作で初めて登場した怪獣モスラは、その後も多くの作品で活躍し、ゴジラ、ラドンと並び「東宝三大怪獣」と称される。
田中友幸プロデューサーによると、本作の企画原案は、制作の半年ほど前に森岩雄から「怪獣が暴れまわる映画も結構だけど、女性も観られる怪獣映画というのはどうだろう、すごく可愛らしい美人を出すんだよ」と持ちかけられたのがきっかけという。ここから「小美人」の設定が生まれ、田中は文芸員だった椎野英之のつてで中村真一郎を紹介され、中村と福永武彦、堀田善衛の三者に原作を依頼。こうして公開に先駆けて週刊朝日で『発光妖精とモスラ』が掲載された。田中は本作を「ゴジラ」、「空の大怪獣ラドン」と並んで「出来のいい怪獣映画」と自負している[1]。
60年安保闘争の翌年の作品で、当初世界同時公開が予定されていたこともあり[2]、ロリシカ(ロシア+アメリカのアナグラム。原作では「ロシリカ」)として描かれた米国との関係や、サンフランシスコ講和条約で日本が独立を回復したはずであるにもかかわらず、外国人の犯罪捜査や出入国管理が相変わらず在日米軍主導で行なわれていること、モスラがわざわざ横田基地を通ることなど、当時の日本の政治状況を反映した描写が目立つ。また、当時の宣材パンフレットには、フェミニズムや先住民問題がテーマとして掲げられている。
本作はアメリカのコロンビア映画との日米合作企画映画であり、初稿の脚本ではモスラは「ニュー・ワゴン市」を襲う予定で契約書が交わされた。ただし、東宝サイドでラストを変更したものの、コロムビア映画から契約違反で抗議された為、急遽本来の結末に差し戻して、撮影しなおされた(後述)。
また、本作の原作小説にモスラが過去に出現したゴジラよりも巨大であるという台詞が存在し、準備稿においてもシチュエーションは異なるものの同様の台詞が存在した。本作の前史として『ゴジラ』がある事を示すシーンであったが、最終的にはカットされている。
主人公の名前福田善一郎は、原作者3人の名前を組み合わせたもの。福田のニックネームの「スッポンの善ちゃん」は、アメリカ公開版では「ブルドッグのセンちゃん」になっている。
公開時、東宝撮影所の食堂には、「モスラ弁当」が登場して話題となった。洋食で、ロールパンをモスラの幼虫、ゆで卵をモスラの卵に見立てたもので、本多監督と円谷監督がこれを試食している写真が残っている。また、バヤリースが企業タイアップしている。
1974年には短縮編集され、東宝チャンピオンまつりで再映された。オープニングのBGMがオリジナルと異なり、モスラが孵化する時のインファント島民の歌に変更されている。
本作は7月30日を封切り公開日としているが、円谷英二特撮監督はこの公開日になっても、まだ特撮シーンの編集を行っていた。合成カットに不本意なものがあったことが理由で、円谷監督はこういった「完成品とは呼べないフィルム」を「お化け」とよんでいた。上映館に随時納入される製造順で、4番目からフィルムの差し替えがあったとのことで、中野昭慶は当時、渋谷東宝(モスラが暴れる舞台である)へ赴いて、2回目の上映前にフィルムを切ってこれを行っている[3]。
2003年11月21日に、今作の43年後を描いた続編「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS」の公開に合わせてDVDがリリースされた。2009年9月18日にはブルーレイが発売。
本多猪四郎監督は、後年この「モスラ」を、「ゴジラ」、「妖星ゴラス」と並んで「最も気に入っている作品」に挙げている。それまでの本多監督の特撮映画がシリアス一辺倒だったのに対し、この「モスラ」はコミカルで陽性な作劇が用いられた転機的なファミリー・ムービーとなっている。またインファント島民が武器を持たず、石を叩き合わせて警告のみを行う平和主義者であったり、橋の上に置き去りにされた赤ん坊を福田が命がけで救助するシーンなど、本多監督のヒューマニズムが存分に発揮された作品となっている。
特撮担当の円谷監督とのコンビネーションも円熟期の冴えを見せ、モスラに蹂躙された都心の街頭場面で、電線のスパークや、犬の鳴き声などを劇中に挿入し、リアリズムに徹したきめの細かい本多演出の好例となっている。
ネルソンの最期のシーンでは、警官が射殺したネルソンの利き腕を踏み、懐を検める非常にリアリティーのある演出が見られるが、本多監督は「人間は銃弾くらいでは簡単には死なない」という、自身の出征経験を踏まえての演出であることをコメントしている。
本来はコロムビア映画との契約でアメリカの場面を入れる(実際には酷似した架空の国であるが)ようになっていた本作であるが、東宝側は予算の都合等を理由に一方的にラストを変更、「小美人を連れて南九州、高千穂峰まで逃げていたネルソン一行がモスラの追撃に遭い、そこでネルソンが死んで大団円となる」というものに変更され。本多監督もこの変更に疑問を持ったものの、二週間にわたっての鹿児島ロケを敢行、撮影を完了させた。しかし当然ながらコロンビア映画はこれを契約違反として抗議、準備稿にあった羽化した成虫モスラがロリシカ本国を襲撃する現行バージョンに差し戻され、再び撮影が行われた。
ニューカーク市の景観カットは、東宝にあったアメリカ・カリフォルニアのライブラリーフィルムを使用し、本編及び特撮シーンの撮影が急遽行われた。特撮スタッフは急遽変更にも関わらず、大規模なニューカーク市の都市ミニチュア群を制作し、モスラの風圧でショーウィンドウを破って店内に車両が突っ込むなど、見応えのある特撮カットでこれに応えている。有川貞昌は、このモスラがニューカークで暴れ狂う描写に、「急に予定を変えられて、あれはオヤジ(円谷)もやけくその気分だったんじゃないかなあ」と述懐していて、本多猪四郎監督も「あれは円谷監督の怒りだよ、怒り!」とコメントしている。
このような経緯により、公開時のポスターでは、出演部分がカットされた堤康久が「樵」役としてクレジットされたままになっている。
テンプレート:ネタバレ台風により日本の貨物船第二玄洋丸が座礁沈没。ロリシカ国の水爆実験場であるインファント島に漂着した乗組員が救助されたが、不思議なことに放射能障害が見られなかった。スクープ取材のため、乗組員たちが収容された病院に潜入した日東新聞記者福田善一郎は、カメラマン花村ミチと共に、原田博士に注意されながらも、原水爆実験場であるはずのインファント島に原住民がいることを知る。
当初、ロリシカ国は原住民の存在自体を否定したが、急遽日ロ合同調査隊の派遣を決定。福田は調査団員の言語学者中條信一と知り合う。インファント島調査隊の見送りが盛大に行われる中、福田は調査団の船に密航し、辛うじて臨時の警備員として、記者活動を行わないことを条件に参加を認められるが、ロリシカ国側事務局長クラーク・ネルソンは、参加する科学者たちの収集資料のすべての提出を求めたりと科学調査隊としては極めて不審な行動をとる人物だった。
インファント島に上陸した調査隊の前に現れたのは、放射能汚染された島の中心部に広がる緑の森だった。奇妙な植物群の中に謎の石碑を発見し、記録をとった中條は巨大な吸血植物に絡め捕られるが、その窮地を小美人という双子の妖精に助けられる。ネルソンは小美人を「資料」として捕らえたが、彼らを守りインファント島に暮らす原住民の存在を知った調査隊は小美人を解放、誰が言うとなく緘口令を敷き、帰国した調査隊は誰一人島の秘密を語ることなく解散した。
その後、中條の自宅を訪れた福田はネルソンを話題にする。ロリシカ側代表のラーフ博士の手紙によると、インファント島調査隊はネルソンが運動し、資金を提供したものだった。もしかすると、国際古美術ブローカーではあるまいか、と福田が疑念を口にする。一方、中條は島で発見した石碑の碑文の解読を見せた。「モスラ…」その語が意味するものは、謎のままだ。
その頃、ネルソンは直属の部下を率いて、インファント島を再訪していた。彼の目的は、小美人そのものだった。特徴的なサイレンの音に姿を現した小美人をそのまま誘拐し、小美人を守ろうとした原住民を容赦なく銃火器の犠牲にしていく。石を鳴らして、相手を威嚇するだけの原住民の多くが死傷するが、ネルソンたちが去った後で洞窟に崩れ落ちた老人が祈るように呟く「モスラ…」。その祈りに答えるかのように、洞窟の奥が崩れ落ち、虹色の巨大な卵が出現した。
天野貞勝編集長により、東京で評判になっていた「妖精ショー」の主催者があのネルソンであることを知らされた福田や中條、花村らは、ネルソンによって小美人が囚われの身となったことを知り、抗議に赴く。日東新聞が世論に「妖精ショー」の非人道性を訴えても、ネルソンから小美人を救うことは出来なかったが、なんとか小美人に面会することは出来た。そして、中條と福田は小美人から、彼らを救いに来る「モスラ」のことを聞く。そして、そのために多くの人々が不幸になるとも。
福田や中條らは、観客として「妖精ショー」を見るが、意味は分からないが印象的な小美人たちの歌声の中の『モスラ』という言葉に魅かれる。小美人たちの歌声は単なる歌ではなく、インファント島の守護神モスラの再生=誕生を促す祈りが込められていた。同日同刻、はるか異国の小美人たちの歌声にシンクロして、インファント島でも原住民たちの儀式が最高潮に達しようとしていた。そして、虹色の卵を破り、モスラが復活した。
やがて、インファント島から東京に向かう洋上に姿を現したモスラは超巨大な芋虫状の怪物だった。防衛隊の洋上爆撃のナパーム弾で炎上した海にモスラは姿を消した。勝利を確信して、祝杯すら挙げていたネルソンに、福田は憤り、原田博士は「死骸が確認されたわけじゃない」と皮肉を言うが、その時、東京近郊の第三ダムに異変が発生したとの知らせが入る。
何か巨大な力で今にも破壊されそうに湖面が荒れ狂う第三ダム。駆けつけた福田たちが見たものはまさしく、モスラだった。方法は分からないが、洋上からここまで瞬間移動したに違いない。崩落しそうになっている橋に取り残された赤子を、間一髪福田は救い出すが、ダムを崩壊させた後、再びモスラは姿を消した。
そして、今度はモスラは横田基地から青梅街道を東京に向かって進撃しているという一報が入った。全長100mを超える巨大な重戦車そのもののモスラに対し、特車隊と戦闘機が応戦するが、とても制止できるものではない。ここに到って、ロリシカ国大使館はネルソンから小美人を取り上げることに同意する。ネルソンの非道に憤っていた中條の弟中條信次がネルソンの楽屋に忍び込むが、間一髪ネルソン一行は、大使館職員に変装し航空機で日本を脱出し、ロリシカ本国へと向かった。
原田博士からネルソンに提供されていた、脳波遮断ガラスのケースで完全に小美人の居場所を見失ったモスラは渋谷を破壊し、防衛隊の攻撃をものともせずに暴走を続け、芝の東京タワーに取り付いてへし折り、そこで糸を吐き出して巨大な繭を作り始めた。もはや、事件は福田や中條の憂慮すら超えてしまっていた。
翌朝、ロリシカ国からの軍事援助で防衛隊に原子熱線砲が供与された。午前10時をもって、モスラの繭に熱線攻撃を仕掛けられた。関係者全員に配られたサングラスなしには、眼を痛めるほどの巨大な炎が上がり、瞬時にモスラの繭は灰となったかのように焼き尽くされてしまった。
同時刻、モスラの繭に対する原子熱線砲攻撃の模様は、ロリシカ国本国にも中継で放送されていた。帰国し、ネルソン一行がアジトである牧場に帰ってきて、ラジオを点けたその瞬間にモスラの死滅が放送されていた。ネルソンたちは狂喜のあまり、小美人の脳波遮断ケースを開けてしまった。
その時、モスラによる甚大な被害に心を痛めながらも、原子熱線砲によるモスラの死を喜ぶネルソンへの憤りを感じずにはいられなかった福田や天野、中條の前に、羽化した成体モスラが黒焦げになった繭を突き破り、姿を現した。遠く離れた小美人の所在を感知し、活動を再開したのだ。原子熱線砲の攻撃は、繭の表面を焼いたが内部のモスラのダメージとならず、むしろ羽化を促進してしまっていた。やがて、モスラは巨大な羽で台風以上の突風を巻き起こすと、ロリシカ国の方角へ飛び去っていった。
数時間後、福田、中條、花村はロリシカ国に向かう航空機の機上にあった。中條が「小美人と話が出来る友人」としての招聘だと説明する。モスラは小美人を捜し求めているだけだ。ネルソンから小美人を取り上げて、モスラに返さない限り、大国ロリシカといえども大被害に見舞われるだろう。はたして、モスラを静めて事態を収めることが出来るだろうか。
テンプレート:ネタバレ終了
太平洋某所に浮かぶ、ジャングルにおおわれた絶海の孤島に住む。無人島であると判断され、ロリシカ国の水爆実験場にされたが、彼らは島に生息する巨大な胞子植物から「赤い汁」を採り、これを飲み、体に塗ることで放射能から免疫を保っていた。中條によってアトランティスとの関連が語られ、島の奥に古代遺跡の神殿祭壇(モアイ像が配置されている)がある。島民は巨大な蛾「モスラ」を守護神としてあがめ、踊りを奉納している。武器を持たない平和主義文化を持ち、進入者には石を叩き合わせて警告する。
舞踏シーンは日劇ダンシングチームが担当した。本多猪四郎監督は、島民の男女ペアが互いを引き合い踊るシーンに、子孫繁栄=生殖の意味を持たせていると述べている。この踊りが最高潮に盛り上がった最初の群舞シーンの最後のカットで、主役の男性ダンサーのかつらが取れてしまうハプニングがあり、これは本来NGシーンのはずだったが、それを拾う仕草まで本編に収められている。 同様のハプニングは、『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』のインファント島民が逃げるシーンにも見られる。
インファント島のジャングルには、人間に絡みついて吸血する植物が生息していて、このイメージは、造形物は異なるが、のちに円谷特技プロダクションが製作したTV番組、『ウルトラマン』に登場するスフランに生かされた。
詳細は小美人を参照
体長が1尺ほどの双子の妖精。巨大な蛾「モスラ」を守護神としてあがめ、巫女として仕えている。「小美人」の名は福田善一郎による命名。1尺サイズの人形が作られ、合成の際などの目安に使われた。演じたザ・ピーナッツは俳優ではなく歌手だが、本多監督は大変素直で演出しやすかったと述懐している。当初、小美人は巨人にする案もあったという[4]。
ザ・ピーナッツが歌い、後々の作品にも歌い継がれている「モスラの歌」は、本多監督らが日本語で作詞し、当時、海商に所属していた大槻秀樹に依頼してインドネシア語に訳したもの。大意はモスラの加護を乞い、平和を祈る内容である。
ロリシカ国がモスラの繭を焼くために日本に贈った超兵器。デザインは渡辺明。造形は井上泰幸。ブリキと木を材料に、3尺サイズのミニチュアが二台作られた。自走は出来ず、ピアノ線で引っ張って走行させている。
上部のパラボラ構造は、のちに『怪獣大戦争』で、X星人基地の電磁波解除装置に流用された。
詳細はモスラ (架空の怪獣)を参照
利光貞三、村瀬継蔵、八木寛寿、八木康栄による造形。3尺ほどの操演ミニチュアが、機関車のミニチュアの仕掛けを流用内蔵した自走式のものと、プール撮影や東京タワーのシーンなどで使われた操演用のものと用意された。
渋谷から東京タワーに迫るシーンの幼虫は、高さが6尺、長さ33尺(約10m)ほどもある大型のぬいぐるみで撮影された。演技者は中島春雄、手塚勝己ら総勢8人が入って動かしている。村瀬継蔵は、このモスラの顔の周りにフジツボをつけ、籐のヒゲを生やして生物感を表現している。また、ラテックスの表皮に艶を出すためソフトビニール素材「ビニール・ゾル」をコーティングしたところ、円谷監督に大変喜ばれた。村瀬は監督の喜ぶ顔が見たくて、撮影で剥がれる度に毎回手間をかけ、このコーティングをし直したという。村瀬は平成になって請け負った作品でも、幼虫にこのビニール・ゾルのコーティングを施している。
モスラが蹂躙する甲州街道、道玄坂、渋谷界隈は、実物と寸分違わない超精巧なミニチュアを再現している。ミニチュアの製作には、スライド写真をキャメラ内に置いて、見比べながら行う徹底ぶりだった。
この大型のモスラ幼虫は、同年製作の坂本九主演映画『アワモリ君乾杯!』の劇中で、東宝撮影所が写るシーンにも登場する。劇中では「モスラ始動スイッチ」を入れると動き出した。またこの作品には、本作で主演したフランキー堺も出演している。
当初、モスラが国会議事堂に繭を作り、その周りをデモ隊(安保闘争のニュース映像を利用)が囲むというバージョンが考えられたが、田中Pの「独立プロみたいだ」の一言で没になったという[4]。一時期成虫化シーンのフイルムが所在不明だったことがある。
幼虫が吐く糸は、ゴム糊をシンナーで溶き、口に仕込んだエアブラシで噴出させて表現した。
『ウルトラマン』第6話に登場したゲスラは、当初は「ゲラン蜂の幼虫が巨大化する」という設定であり、特撮用にはモスラ(幼虫)を改造して使用する予定で、それを前提としたデザイン画が存在している。
利光貞三、村瀬継蔵、八木寛寿、八木康栄による造形。翼長が2mを超える大型のミニチュアと、小型のミニチュアが用意された。体毛は植え込みではなく、ボアを貼って処理している。目には電飾が内蔵された。
モスラの複眼は楕円形で、ポリ樹脂が使われた。村瀬継蔵は樹脂がまだ軟らかいうちに、内側に棒の先で丸いへこみを無数に穿ち、複眼を表現している。この手法はのちに、村瀬が参加したエキスプロが担当した『仮面ライダー』の複眼にも使われている。翅の模様は、実在の蛾の翅を参照して村瀬が塗装している。
モスラの羽ばたきは、巨大感を出すために翅が順送りにしなる表現が求められ、籐の芯に天竺布を貼って翼が作られた。さらに操演用のクレーンに、スノコを二枚、蝶番で合わせたものを用意し、ここからモスラの翼を吊って、映像に見られる雄大な羽ばたきを実現している。 遠景での羽ばたきは、アニメーションによって表現されている。
ラストでモスラを誘導するニューカーク市の空港は、本多監督によると立川基地で撮影された。
本作はその後、1974年12月14日公開の『東宝チャンピオンまつり』で上映された。同時上映は『緯度0大作戦』(再映)と『燃える男長嶋茂雄 栄光の背番号3』(新作)の2本。
再現戯曲シリーズ1として、1961年版映画の原作に忠実に、また音楽・効果音はその当時のままで、1998年に制作された。
ストーリーは、日東新聞社・社会部デスクの福田善一郎が記者生活最後の日に自分の体験談を若手記者に聞かせる形式で描かれている。
CDには1961年版映画には無いシーンも含まれるが、小美人の台詞だけは映画と完全に同じである。
テンプレート:モスラ映画作品テンプレート:モスラテンプレート:本多猪四郎監督作品テンプレート:ザ・ピーナッツ
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