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コンスティチューション級(Constitution-class)宇宙艦は、惑星連邦宇宙艦隊が23世紀に保有していた宇宙艦である。当時宇宙艦隊ではクラス1宇宙艦もしくはクラス1重巡洋艦と分類されており、23世紀後半の宇宙艦隊の主力艦であった。
また、同クラスは長期間連続探査任務に対応した設計が行われており、同クラスのUSSエンタープライズによるファイブ・イヤー・ミッションは宇宙艦隊の歴史上最も偉大な発見と功績を残したと記録されている。
USSディファイアントの詳細断面図。
コンスティチューション級は2245年に就役し、宇宙艦隊の主力艦として投入された。また、コンスティチューション級はクリンゴン帝国ならびにロミュラン星間帝国への強力な抑止力としても機能した。連邦全体及びアルファ宇宙域全体の運命に関わる戦闘にも投入された。(Star Trek Encyclopedia)
2267年の時点で宇宙艦隊は12隻のコンスティチューション級を保有していた。(TOS:宇宙暦元年7・21) この12隻にはUSSコンスティチューション、USSコンステレーション、USSエンタープライズ、USSディファイアント、USSエクスカリバー、USSエクセター、USSフッド、USSイントレピッド、USSレキシントン、USSポチョムキンが含まれている。
もっとも著名な同クラスの宇宙艦は、2245年にロバート・エイプリル大佐指揮下で就役したUSSエンタープライズであった。エンタープライズは2265年から2270年の間にジェイムズ・T・カーク大佐指揮下で行われたファイブ・イヤー・ミッションで歴史的な功績を残した。(VOY:断絶するQ)
2266年、宇宙暦1709に、ロミュラン帝国のバード・オブ・プレイが突如中立地帯を侵犯し、連邦側の地球前哨基地を破壊した。カークはロミュランの裏をかいて直ちにエンタープライズで反撃を行い、ロミュラン艦が連邦の弱点を本国に報告する前に撃沈することに成功した。また、エンタープライズのクルーはそれまで外見が謎とされていたロミュラン人の姿を初めて直に見たのである。(TOS:宇宙基地SOS)
2268年後半、エクスカリバーとフッド、レキシントン及びポチョムキンはM-5コンピュータでの演習に参加した。しかし、演習中に突如暴走したM-5によって搭載艦のエンタープライズによりエクスカリバーとレキシントンに熾烈な攻撃が加えられ、エクスカリバーの全乗員とレキシントンの数十名が犠牲となった。(TOS:恐怖のコンピューターM-5)
同じ年、ディファイアントはソリア連合が所有権を主張する未知のセクターからの救難信号に応じ領域内へと進んだ。領域内に入ったディファイアント艦内では乗員同士が狂気に陥り、お互いに殺し合いを始めた。ディファイアントの医療部長は原因を特定できぬまま全乗員が死亡しディファイアントは漂流した。その三週間後、宇宙艦隊は消息を絶ったディファイアントの捜索をエンタープライズに命じた。宇宙暦5693.2、エンタープライズはディファイアントを発見するも、ディファイアントは空間の歪に捕われ、別に次元へと姿を消してしまった。調査を続行していたエンタープライズに対して領有権を主張するソリアンが攻撃を仕掛け、フェイザーによる応酬が行われたが、そのエネルギー反応の影響で次元に穴が開き、ディファイアントは鏡像宇宙へと空間移動してしまった。(TOS:異次元空間に入ったカーク船長の危機)
USS_Defiant_in_Tholian_drydock%2C_2155.jpgソリアン・ドライドックの施設に捕らえられたディファイアント。
ディファイアントは公式には行方不明となったが、次元の穴を通り過ぎたディファイアントは22世紀の鏡像宇宙に姿を現した。鏡像宇宙のソリアンは、トリコバルト弾頭を死んだ星の重力の中で起爆することで次元に裂け目を引き起こしていた。ディファイアントはその後テラン帝国に奪われ、女帝サトウが地球支配のために活用した。(ENT:暗黒の地球帝国・前編、ENT: 暗黒の地球帝国・後編)
USSエンタープライズのブリッジ・モジュール(2265年)
ファイル:Enterprise impulse drive 2265.jpgUSSエンタープライズのインパルス及びワープ・ドライブ(2265年)
2254年から2265年初期のコンスティチューション級は、最終的な形態よりも大型のディフレクター盤と大型のブリッジ・ドームが採用されており、エンジン・ナセルの先端のバサード・コレクターにはアンテナが取り付けられていた。また、インパルス・ドライブの排気口は2254年には2個であったが、その後2265年には8個となっている。(TOS:歪んだ楽園、TOS: 光るめだま)
2265年から2266年の間に、ディフレクター盤はそれまでのものよりより小型のものへと換装され、バサード・コレクターのアンテナも取り外された。また、ブリッジ・モジュールも換装され、従来よりもより小型のモジュールとなった。エンジン・ナセルの最後部の構造も変更され、球状の構造物へと換装された。また、インパルス・ドライブの排気口も2個へと減った。(TOS:謎の球体)
2254年から2265年の間に、艦内の通路及びメイン・ブリッジの内装、会議室が改装され、新しいインターコムが装備された。
2266年には再び艦内通路と会議室が改装された。また、メイン・ブリッジはオーバーホールされ、メイン・ビュースクリーンが大型化され、各種コントロール・インターフェースとコンソールがアップグレードされたが、2265年次のブリッジ内装から大きく変更される様な大規模なものではなかった。(TOS:謎の球体)
2254年時点では、船室には200名の乗員を収容する能力が持たされていたが(TOS:歪んだ楽園)、2266年には400名以上の乗員を収容できるようにされた。(TOS:セイサス星から来た少年)
2270年代前半から2260年代後半にかけて、コンスティチューション級は大規模な改装プログラムを受けた。この改装は18ヶ月に及ぶ工事であり、それまでの艦の外装のみならず、エンジンや主要システムなどすべてが新たなものに換装された限りなく新造に近いものであった。この改装により、コンスティチューション級はさらにその後20年間現役に留まることが可能となった。この改装を受けたコンスティチューション級は「コンスティチューション級改」と便宜上区別されている。(劇場版スタートレック)
詳細は、コンスティチューション級改を参照。コンスティチューション級の船体は、宇宙艦隊の標準的なモジュール構成である「円盤部」「推進部」「ワープ・ナセル」によって構成されていた。(TOS:歪んだ楽園、劇場版スタートレック)
全部で14室あるサイエンス・ラボは円盤部に位置した。(TOS:デネバ星の怪奇生物)
コンスティチューション級の円盤部と推進部は危機が発生した際に緊急分離が可能になっていた。円盤部と推進部を接続するドーサルネック部は両セクションの分離ポイントであり、片方のセクションが激しい損傷を受けた際に無事な方のセクションを救命ボートとして機能させることが可能であった。ワープ・エンジンに重大な損傷が発生した際には、円盤部は推進部を切り離して避難することも可能であった。しかし、コンスティチューション級の船体分離はギャラクシー級などの様に様々なオプションの一つとしての選択肢ではなく、非常に多くの危険に晒される最終手段という選択肢であった。(TOS:死のパラダイス、TOS: 未確認惑星の岩石人間)
コンスティチューション級は空気力学に基づいた船体ではないため、原則として惑星大気圏内を飛行することは前提とされていない。しかし、非常事態においては限られた時間であれば大気上層を飛行することも可能であり、再び大気圏外へと脱出することも可能であった。(TOS:宇宙暦元年7・21)
コンスティチューション級のブリッジは円盤部最上層のデッキ1に位置しており、ここから艦長は宇宙艦の指揮を行った。
艦長席はブリッジ中央の凹んでいる場所に位置し、正面にメイン・ビューワが据え付けられている。艦長席はすべての部署のコンソールを見渡せる位置にあり、各部署を指揮する乗員との迅速な意思の疎通が可能であった。
各部署の椅子は一本の支柱で支えられていたが、攻撃などによって衝撃を受けた際にも耐えられる設計となっている。また、椅子は回転可能であり、艦長とのコミュニケーションのためにわざわざ椅子を降りずとも体を艦長席へ向けることができる。
操縦と航法は艦長席の正面に設置された操舵コンソールが担当した。このパネルは三つのセクションで構成されていた。コンソールの左は、照準スキャナを操作するためのコンパートメントが設置されていた。中央にはメイン・コントロール・パネルが設置されており、反動推進エンジンとインパルス・ドライブの操作、及び火気管制を行う。右側にはワープ速度を設定するための8個のスイッチの列が設置されている。
コン・パネルの主なセクションは多くのセンサーモニターライトと二つの表示(アラート・インディケータとアストロゲーター)が配置され、長距離コースの割り出しなどに使用された。
航海士のステーションにはコース設定のためのコントロールパネル、データ表示及び経路インディケータを用いて航行中の軌道修正や航路逸脱の情報を収集した。また、火気管制装置も設置されていた。
ブリッジ外縁部の壁には通信、機関制御、兵器制御、重力コントロール、被害対策、環境工学、科学、ライブラリー・コンピュータ及び保安用のステーションが設置されていた。ブリッジ正面の大型ビュースクリーンには船体の様々な場所に設置されたカメラからの画像を表示させることができた。
また、コンスティチューション級のコンピュータ・システムはデュオトロニクスが用いられていた。(TOS:恐怖のコンピューターM-5、DS9:伝説の時空へ)
2269年のUSSエンタープライズのブリッジ
コンスティチューション級のブリッジにはターボリフトは一つしか設置されていなかったが、2260年代後半の改装ではブリッジ前部のメインビューワの隣にターボリフトが増設された。(TAS:宇宙幽霊船の謎)
エンジン・ナセルを後方から
コンスティチューション級のエンジンは、リチウムとダイリチウムを合わせた原子炉サーキットで構成されたワープ・ドライブ・アセンブリだった。標準巡航速度はワープ6であり、最大巡航速度はワープ8だった。また、このクラスはワープ9での航行も可能であったが、それは非常に危険な速度とされた。
USSエンタープライズはワープ11を出せるように二度改良されたことがあった。2267年、探査機ノーマッドがエンタープライズのエンジン効率を57%増加させることでその速度を達成したが、艦の構造がその速度に対する圧力に耐えられないためそれ以上の航行は行えなかった。(TOS:超小型宇宙船ノーマッドの謎)
2268年、銀河間航行を実現するためにケルヴァンらにハイジャックされたエンタープライズは大幅な改造を受け、ワープ11の巡航速度を得た。(TOS:宇宙300年の旅)
コンスティチューション級の最高速度記録はワープ14.1であった。その速度はエンタープライズのエンジンが破壊工作によって約15分間その速度を維持することができた。(TOS:無人惑星の謎)
また、エンタープライズはワープ32で進む船に牽引されている際に安定的にワープ22の速度が維持された。(TAS:逆流する時間)
コンスティチューション級のインパルス・ドライブはオーバーロード状態で最低でも97.835メガトン相当の爆発力を生じさせることが可能である。(TOS:宇宙の巨大怪獣)
機関室[]機関室はワープ・コアの制御を行う場所であった。艦のすべての動力はここから供給・制御されており、メイン・ダイリチウム水晶リアクターの制御も行っている。生命維持システムはデッキ6で制御されていた。(TOS:恐怖のコンピューターM-5、TOS: 謎の球体、TOS: 魔の宇宙病、TOS: 二人のカーク、TOS: 殺人鬼コドス、TOS: 宇宙の怪!怒りを喰う!?)
前方フェイザーを射撃するUSSエンタープライズ
USS_Defiant_%28NCC-1764%29_firing_aft_phasers.jpg第二船体後方フェイザーを射撃するUSSディファイアント
コンスティチューション級重巡洋艦は、2250年代前半には指向性エネルギー兵器を搭載しており、その威力は集中砲火で大陸半分を破壊できる程のものだった。さらに、船体から分離して運用可能なレーザー・キャノンも搭載されており、惑星上などでの地上兵器として使用することも可能であった。(TOS:歪んだ楽園、TOS: タロス星の幻怪人・前編、TOS: タロス星の幻怪人・後編)
2266年までには、主要兵器はフェイザーへと切り替えられ、各フェイザー・バンクはそれぞれ独立した砲座として個別のバッテリーを有しており、艦のメイン動力から独立していた。また、一射撃で同時に2基のフェイザー・バンクが発砲するツイン・ビーム形式が一般的であった。(TOS:謎の球体、TOS: 宇宙の巨大怪獣、TOS: 小惑星衝突コース接近中)
艦載型フェイザーの最大射程は9万キロメートルであり、またハンド・フェイザーには麻痺や殺傷、蒸発、発熱等の様々な設定を行うことができる。また、ビームの幅を細くしたり広くすることも可能であった。また、モーション・センサーのみでフェイザーを稼動すると、フェイザーは近接爆破設定となり接近する目標を自動捕捉することが可能であった。(TOS:宇宙基地SOS、TOS: 宇宙犯罪シンジケート、TOS: 神との対決、TOS: 小惑星衝突コース接近中、TOS: 異次元空間に入ったカーク船長の危機)
円盤部底部に4~8基のフェイザー・バンクとバッテリーが設置されていた。また、艦尾側には第二船体最後部のシャトルベイの上部に設置されている。その他にも、艦舷及びミッドシップ・フェイザーも各所に設置されていた。(ENT:暗黒の地球帝国・後編、TOS:宇宙基地SOS、TOS: 小惑星衝突コース接近中、TOS: 怪獣ゴーンとの対決、TOS: 宿敵クリンゴンの出現)
コンスティチューション級の非常用パワーをシールド補強へと供給するとフェイザーの出力が半減することが知られている。(TOS:異次元空間に入ったカーク船長の危機)
コンスティチューション級には少なくとも6基の魚雷ランチャーが装備されていて、1基は後方の射界を確保していた。前方の魚雷管はフェイザー・バンクと同じ円盤部下部に設置されていた。また、後部は第二船体の最後尾に設置されていた。装備していた光子魚雷は惑星の全地表を破壊できる威力を持っていた。(TOS:怪獣ゴーンとの対決、TOS: コンピューター戦争、TOS: 惑星オリオンの侵略、TAS:謎の新兵器パラライズ光線、ENT:暗黒の地球帝国・後編)
艦と艦の間もしくは艦とその他の場所との人員移動には主に転送装置が使用された。コンスティチューション級の転送室は6つの転送パッドで構成されており、転送操作はパッドの正面のコントロールパネルで行われた。この転送室のレイアウトは標準的なものであり、後の時代のギャラクシー級などでも基本的に同じ構成の転送室が採用されている。(宇宙大作戦、新スタートレック、スタートレック:ヴォイジャー)
コンスティチューション級のデッキ17は推進部のメイン階層であった。このデッキには両舷にドッキング・ポートが設置されており、推進部の最後部には着陸ベイが設置されていた。着陸ベイは推進部の最後部にドアが設置されており、船外連絡用の小型艇がここから艦内外へとアクセス可能であった。
コンスティチューション級には標準でクラスF・シャトルクラフトが4機搭載されている。(TOS:細菌戦争の果て)
医療室とバイオベッド
コンスティチューション級の医療室はデッキ6に位置し、ここには診療室、育児室、医療部長のオフィス及び研究室が備えられていた。また、ここの他にも少なくとも一箇所の医学用研究室が艦内に設置されており、主に生検に使用されていた。医療室は戦闘の最中でももっとも安全な場所であると考えられていた。(TOS:魔の宇宙病、TOS: トロイアスの王女エラン)
船室(2260年代)
Jonathan_Archer_%28mirror%29_in_a_wraparound_tunic.jpg上級士官用船室
乗員用の船室は円盤部に設置されていた。宇宙艦隊の伝統で上級士官の船室はデッキ5に設けられていた。
船室は基本的には寝室と居間がパーテーションで区切られた構成となっており、ベッドの他にデスクには作業用のコンピュータ端末が設置されている。寝室には浴室も併設されていた。部屋の構成は各個人の好みでカスタマイズが可能であった。(ENT:暗黒の地球帝国・後編、TOS:二人のカーク)
レクリエーション・ルーム(2260年代)
コンスティチューション級には少なくとも6箇所のレクリエーション・ルームが設置されており、3次元チェスやカードゲーム・テーブルなどが用意されていた。また、後のホロデッキの前身となるホログラフィック・ルームが備えられ、植物園や体育館、ボーリングのレーンや劇場及びチャペルも備えられていた。(TOS:セイサス星から来た少年、TOS: 魔の宇宙病、TOS: 殺人鬼コドス)
4隻のコンスティチューション級の艦隊機動。
USS_Enterprise_%28NCC-1701%29_approaches_Starbase_6%2C_remastered.jpg第6宇宙基地に接近するエンタープライズとレキシントン。
コンスティチューション級のエンタープライズはTOSの全エピソードとTASの『TAS: 過去から来た新兵器』を除く全エピソードに登場する。以下のリストではエンタープライズ以外のコンスティチューション級宇宙艦が登場したエピソードを載せている。
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