プレデスティネーション・パラドックス

複数の時間軸
(複数の異なる時間軸からの情報)

プレデスティネーション・パラドックス（Predestination paradox）もしくは時間ループとは、タイムトラベルによって発生した事象が歴史の一部となり、その事象がタイムトラベルを行う元凶となりうる事象を指す。

プレデスティネーション・パラドックスの例[]

　2373年から2268年にタイムトラベルしたジュリアン・ベシア医師は、USSエンタープライズで乗員のワトリー大尉に会った出来事はプレデスティネーション・パラドックスであると推測した。彼の曾祖母の名前がワトリーであり、彼女と自分が恋に落ちることで後に自分が生まれる運命にあると疑った。しかし、実際に彼女とは結ばれず彼の存在も消えていないことから、ベシアの疑いは杞憂であったことが判明した。（DS9:伝説の時空へ）

　USSエンタープライズは歴史的出来事を研究するために2268年から1968年[1]へとタイムトラベルを行った。そこでエンタープライズのクルーはゲリー・セブンという人物に遭遇した。彼は核弾頭プラットフォームの破壊工作を行っていたが、エンタープライズのクルーは彼が未来から来た異星人で、歴史改変を目的としていることを恐れて彼の行動を止めようとしたが、実際には彼は20世紀の人間であり、地球を破滅から救うために異星人によって遣わされた者であることが証明された。その後、この歴史的出来事の記録を確認したスポック中佐は、エンタープライズによる干渉がこの出来事の一部の役割を果たしたことによって結果的に史実通りの結果が生まれたことを発見した。（TOS:宇宙からの使者 Mr.セブン）

　2368年末、USSエンタープライズNCC-1701-Dは地球に呼び戻され、ジャン＝リュック・ピカード大佐とデータ少佐はサンフランシスコのプレシディオの洞窟へとやってきた。そこで２人は少なくとも19世紀末から取り残されていたデータの頭部を発見する。やがて、洞窟内の調査を進めた結果、エンタープライズはデビディア2号星の洞窟を訪れ、ここでデータはデビディアンの発生させた時間の渦に捉えられ2368年から1893年の地球・サンフランシスコにタイムトラベルした。そして、プレシディオの洞窟内でデビディアンたちと争った結果、彼の頭部が洞窟に再び残された。
　そもそもこのプレデスティネーション・パラドックスは、データの頭部が2368年に発見されたことに起因して、その調査の過程でエンタープライズのクルー達が19世紀にタイムトラベルを行なうきっかけになったため、非常に完成された時間輪が作り出された。（TNG:タイム・スリップ・エイリアン・前編、TNG: タイム・スリップ・エイリアン・後編）

　29世紀の宇宙艦隊士官であるブラクストン大佐は29世紀に太陽系で時間爆発が発生し地球が滅びた出来事についてUSSヴォイジャーのクルー達に「AがBを導き、BがCを導き、CがAを導く」と説明した。
　彼が説明した「Aの出来事」とは、「太陽系の破壊の後、爆発の余波の中でブラクストンがヴォイジャーの残骸を発見したこと」。ブラクストンはこの出来事はヴォイジャーに責任があると信じるようになった。
　次に「Bの出来事」とは、「ブラクストンは歴史を変えて太陽系を救うために2373年にタイムトラベルしてヴォイジャーの破壊を試みたが失敗、ブラクストンの時間艦もヴォイジャーも20世紀の地球へタイムトラベルしてしまった。そして、ブラクストンの時間艦は20世紀のヘンリー・スターリングという無遠慮な産業経営者によって奪われた」という出来事。
　そして、「Cの出来事」とは、「スターリングが時間マトリックスを適切に調整しないまま未来に向けてタイムトラベルを行った際に29世紀で爆発が起き、地球諸共太陽系が破壊されてしまう」という出来事。
　ブラクストンはこれらのことから太陽系破壊の真の原因はスターリングにあることを突き止め、ヴォイジャーのクルー達は、ブラクストンの警告に従って時間艦をスターリング諸共破壊し、この時間輪を崩壊させることに成功した。（VOY:29世紀からの警告・前編、VOY: 29世紀からの警告・後編）

背景[]

注釈[]

1. ↑ 吹き替えでは「1975年」に変更されている。日本での放送時期が1973年であり、「1968年」だと過去になってしまうことが理由。

関連項目[]

• ポゴ・パラドックス
• メビウス
• 循環する時間の輪

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