メイジェル・バレット

ページ名:メイジェル・バレット
現実世界
(制作視点での記事)
メイジェル・バレット
Majel Barrett-Roddenberry
Majel_Barrett-Roddenberry.jpg
本名:メイジェル・リイ・ヒューデック
Majel Lee Hudec
誕生日:1932年2月23日
出身地:オハイオ州クリーブランド
死去日:2008年12月18日
死去地:カリフォルニア州ベルエアー
演じたキャラクター:ナンバーワン, クリスチン・チャペル, レス, コンピュータ音声, ラクサナ・トロイ

 メイジェル・バレット・ロッデンベリー(Majel Barrett-Roddenberry、1932年2月23日-2008年12月18日)は、スタートレックシリーズへ出演した女優であり、スタートレックを創作したジーン・ロッデンベリーと1969年に結婚し、ロッデンベリーが1991年に亡くなるまで妻であった。これらのことから「スタートレックのファーストレディ」とも呼ばれる。

スタートレックの全シリーズに演者として関わり、役者として登場しない場合にもコンピュータ音声を担当した。また、劇場版でも四作品でコンピュータ音声を演じている。

 コンピュータ以外には、『宇宙大作戦』(TOS)と『まんが宇宙大作戦』(TAS)でのクリスチン・チャペル看護婦役があり、このキャラクターは劇場版でも二作品に登場した。また、TAS ではレスと他の幾つかの声を当てており、『新スタートレック』(TNG)と『スタートレック:ディープ・スペース・ナイン』(DS9)においてはベタゾイド大使のラクサナ・トロイを演じている。

目次

前半生と経歴[]

オハイオ州コロンバスにメイジェル・リイ・ヒューデックという名前で誕生した。10歳で演劇ワークショップに所属したが、後には法学を学ぶためマイアミ大学に通った。ロー・スクールに一年間通ったが落第したため、ニューヨークに移り演劇を志望した。"Models by Season" や "The Solid Gold Cadillac" を含む数個の舞台に出演し、 "The Solid Gold Cadillac" では九ヶ月に渡って米国中を巡業した。

ニューヨークでの競争は辛すぎるため、1950年代にはカリフォルニアに移り演劇と同じように映画に取り組んだ。1957年の作品 "Will Success Spoil Rock Hunter?" で端役を演じ、その後1958年にはクレジットされていないもののパラマウントピクチャーズの "The Black Orchid" に脇役として出演した。同じ 1958 年のパラマウント映画 "As Young As We Were" には TOS のゲストであった Barry Atwater とともに出演している。この年には更に "The Buccaneer" にも簡単な役で出演している。

初期の活動としては1959年にケネス・トビー主演の冒険ドラマテレビシリーズ "Whirlybirds" に出演した事が挙げられる。また、1960年にはクレジットされないながらも NBC で放映されたデジルスタジオ製作の「アンタッチャブル」にウェイトレス役で出演した。同年には ABC で放映されていたトニー・ダウ主演のファミリーコメディシリーズ「ビーバーちゃん」にも出演している。

1961年、ミュージカルコメディ "Love in a Goldfish Bowl" に脇役となり、他のパラマウントの映画にも出演した。これに続き、1963年には "The Quick and the Dead" でも脇役を務めた。また、テレビへの出演も続き、アンソニー・カルソーと共演した "Cain's Hundred"、1962 年の「ボナンザ」、TOS で共演することになるジェームズ・ドゥーハンと出演した "Gift of Water" などがあげられる。

1962年にはルシル・ボウルに演技指導を受け、また、デジルと契約を交わした。そのすぐ後に「ルーシーショー」へ出演している。

ジーン・ロッデンベリーとスタートレックへの関わり[]

1960年代[]

 ジーン・ロッデンベリーとは1963年の後半に初めて出会い、ゲリー・ロックウッドが主演したロッデンベリー製作の海兵隊ドラマ "The Lieutenant" に出演している。TOS でスポック役のレナード・ニモイとも "In the Highest Tradition" で共演している。また TOS で 25 エピソードを監督したマーク・ダニエルスが監督していた。

 1964年、ロッデンベリーは『宇宙大作戦』の二つのパイロット版のうちの最初のエピソード "The Cage" の製作を開始した。ロッデンベリーの愛人であったメイジェル・バレットの役柄であるナンバーワンはジェフリー・ハンター演じるクリストファー・パイク船長の下でエンタープライズの副長を務めていた。NBC はこのパイロット版エピソードを採用しなかったが、セカンドパイロットを製作させた。しかしNBC側は視聴者が受け入れないだろうとして、このセカンドパイロットからは悪魔のような外見のスポックと、女性であるにもかかわらず副長を務めるナンバーワンを外すように依頼した。ロッデンベリーはスポックを残したがナンバーワンを外すことには同意した。メイジェル・バレットは「ロッデンベリーは番組にヴァルカン人を残し、女性と結婚することを選んだ。彼は逆にレナード・ニモイを選ぶことは考えなかった」とジョークを語っている[1]

セカンドパイロット版の「光る目玉」では後のスタートレックに登場するクリスチン・チャペル看護婦は登場しない。NBC 側が "The Cage" での役に好意的ではなかったため金髪のカツラをつけ、本名のリイ・ヒューデックではなくメイジェル・バレットの芸名で演じることにした。TOS の 79 話中、チャペル看護婦役で 25 話に登場し、幾つかのエピソードではエンタープライズのコンピュータ音声も担当した。

結婚後の生活[]

ロッデンベリーとは TOS の最終話が放映された二ヶ月後の1969年8月6日に結婚した。二人は日本に滞在しており、ロッデンベリーは特定の宗教を信仰していなかったため、結婚式は神道で行った。彼と、妻のアイリーンとの離婚はまだ成立していなかったため結婚式は単なるセレモニーで、法的な結婚は1969年12月29日に行われた。息子のユージーン・ロッデンベリーJr.は1974年2月5日に誕生した。

1970 年代には、ロッデンベリー夫妻は互いにプロとして働き続けていた。夫妻は 1967 年に通信販売会社 Lincoln Enterprises を設立した。更に、1973 年に製作された "Genesis II" をはじめとする夫ロッデンベリーがプロデューサーとして参加したが結局売れなかった多くの TV 番組のパイロット版で役者として参加した。ここではまた、後に『スタートレック』で一緒になるテッド・キャシディ、マリエット・ハートレイ、ハーベイ・ジェイソン、パーシー・ロドリゲスと働くことになった。

 翌年、ロッデンベリー製作、リチャード・コラ監督でロバート・フォックスワース主演の "The Questor Tapes" に出演した。同年、同じくロッデンベリー製作の "Planet Earth" でもダイアナ・マルダー[2]およびデッド・キャシディと共演した。同作の監督はマーク・ダニエルスであった。1977 年にもロッデンベリー製作のパイロット版 "Spectre" に出演した。

オリジナルシリーズ後の仕事[]

 1973年から1975年まで、TAS ではチャペル看護婦とレス、そして他の多くのキャラクターの声優を務めた。1979 年に公開された劇場版スタートレックではチャペルは医師となっている。また、1984 年の スタートレック3:ミスター・スポックを探せでも医師のチャペルを見ることが出来る。後のシリーズではラクサナ・トロイとして TNG に6エピソード、DS9 で3エピソードに出演した。また、DS9 のエピソード「二人の女神」のストーリーをレネ・エチェヴァリアと共同で執筆している。

 更に、TNG と DS9、『スタートレック:ヴォイジャー』(VOY) の多くのエピソードで惑星連邦のコンピュータ音声を当てている。『スタートレック:エンタープライズ』(ENT) の最終話「最後のフロンティア」でD型エンタープライズのコンピュータ音声を演じており、TAS を含む六つのテレビシリーズ全てに参加した唯一の俳優となった。

 映画の「スタートレック:ジェネレーションズ」「スタートレック:ファーストコンタクト」「スタートレック:ネメシス」でもエンタープライズのコンピュータ音声を演じた。また、ゲーム "Star Trek: Judgment Rites"、"A Final Unity"、"Star Trek: Borg"、"Star Trek: The Next Generation Interactive Technical Manual" の Generations、"Star Trek: The Next Generation Companion" の DVD ROM バージョン、"Star Trek: Deep Space Nine Companion"、"Star Trek Encyclopedia" でも惑星連邦のコンピュータ音声役を務めている。インターネットで公開された James Cawley によるファン製作シリーズ "Star Trek: New Voyages" のエピソード "World Enough and Time" でも艦のコンピュータ音声を当てている。当時、メイジェル・バレットの息子ユージーン・ロッド・ロッデンベリーはこのシリーズでコンサルティングプロデューサーを務めていた。

 2008年12月10日、2009年公開の「スター・トレック」でもまたコンピュータ音声をつとめているとアナウンスされた。収録はその前の週に行われていた。この発表がされたのは亡くなる8日前のことであった[3][4][5]

伝説の続き[]

スタートレックの関わりや、その創作者ジーン・ロッデンベリーとの関係から「スタートレックのファーストレディ」と呼ばれた。1991年10月24日にロッデンベリーが亡くなった後はその遺産とスタートレックを守った。息子と共に Lincoln Enterprises の経営も続けた。ST のスピンオフシリーズへの出演と共に、毎年少なくとも一つの主要な ST コンベンションにも参加した。

メイジェル・バレットはロッデンベリーが遺した資料から二つのアイデアをカナダのSFテレビシリーズとして製作した。最初の "Earth: Final Conflict" は 1997 年から 2002 年まで続いた。二つ目の『アンドロメダ』は 2000 年から 2005 年まで放映された。双方の製作責任者として 2002 年まで働き、"Earth: Final Conflict" ではジュリアン・ベルマン役としても出演したが、これらのシリーズはジーン・ロッデンベリーの名前が創作者としてクレジットされた。

スタートレック以外の仕事[]

スタートレックとロッデンベリーに関すること以外の俳優活動も行っていた。1965 年のパラマウント映画でクレジットされない脇役として "Sylvia" に出演し、1966 年にはミュージカル映画 "Country Boy" に出演した。1967 年にはジーン・ケリーのコメディ "A Guide for the Married Man" とアクション "Track of Thunder" の二つの映画に助演した。

テレビでも活動を行っていた。1966 年には「ボナンザ」に再度出演し、Monte Markham 主演の "The Second Hundred Years" と "Here Comes the Bride" でも観る事ができる。"Here Comes the Bride" のレギュラー出演者で TOS のゲストとなった人物が ロバート・ブラウン、マーク・レナード、デビッド・ソウルの3人いる。

1973年にマイケル・クライトンのSF「ウエストワールド」でキャリーを演じた。この映画にはアラン・オッペンハイマーも出演している。スタンリー・クレイマーの 1977 年の映画「ドミノ・ターゲット」ではテッド・ゲーリングの妻役を演じた。

"Errand of Mercy" ディレクターのジョン・ニューランドは 1979 年のドン・マーシャルが主演したテレビ映画 "The Suicide's Wife" でメイジェル・バレットを演出した。同年、ST のベテラン演出家コーリイ・アレンがテレビシリーズ "The Man in the Santa Clause Suit" で彼女の演出を行った。1983 年には昼メロ "General Hospital" でしばらく出演していた。

1995 年に二つの自主制作映画 "Mommy" と "Teresa's Tattoo" に出演した。"Teresa's Tattoo" では TNG にゲスト出演した Diedrich Bader に注目していた。

1996 年、カルトな SF シリーズ『バビロン5』のエピソード「地球に戒厳令発令」ではセントーリの前皇帝夫人を演じた。このエピソードでは Vaughn Armstrong と Marshall R. Teague にもレギュラーの Andreas Katsulas に匹敵する出番があった。1996 年から1998 年まで続いたマーベルコミックス原作のアニメ「スパイダーマン」ではメアリー・ジェーン・ワトソンの叔母アンナ・ワトソンの声優をつとめた。1998 年には "Alienated" のエピソード "Diagnosis Murder" にウォルター・コーニッグ、ジョージ・タケイ、グレース・リー・ホイットニー、Bill Mumy、ウィル・ウィートンなど他の ST 出演者と共にギャグで出演している。

 脚本家・プロデューサーであるセス・マクファランスはトレッキーで、アニメ「ファミリー・ガイ」に内輪のジョークを忍ばせた。第3シーズンのエピソード "Emission Impossible" では、ステューウィー・グリフィンの船のコンピュータ音声を演じ、スタートレックシリーズでコンピュータ音声を40年にわたり担当したことを示唆している。このエピソードではまた DS9 で共演した Wallace Shawn が見ものとなっている。

死去[]

 白血病としばらく闘病し、2008年12月18日00時27分、カリフォルニア州ベルエアーの自宅で家族やその友人、息子のユージーン・“ロッド”・ロッデンベリーに看取られながら 76 歳で死去した[6]

  1. totse.com | Bio and interview of Majel Barrett
  2. TNG 第2シーズンでキャサリン・ポラスキーを演じた。
  3. Majel Barrett-Roddenberry - Entertainment News, Players, Media - Variety
  4. Majel Barrett-Roddenberry To Play Computer Voice In New Star Trek Movie | TrekMovie.com
  5. News - Roddenberry Productions / Majel Barrett-Roddenberry To Voice Enterprise Computer In J.J. Abrams' New Star Trek
  6. Majel Barrett-Roddenberry Passes Away | TrekMovie.com

スタートレックへの出演[]

スタートレックへの声優としての出演[]

まんが宇宙大作戦[]

チャペル
リカーリング・キャラクター
レス (Listenファイル情報)
リカーリング・キャラクター

外部リンク[]

  • Majel Barrett's biography at Roddenberry.com
  • Obituary by Ian Spelling at SciFi.com
宇宙大作戦
メカニックUSSエンタープライズ
登場人物ジェイムズ・T・カーク / スポック / レナード・マッコイ / モンゴメリー・スコット / ヒカル・スールー / パヴェル・チェコフ / ウフーラ / クリスチン・チャペル / ジャニス・ランド
キャストウィリアム・シャトナー / レナード・ニモイ / デフォレスト・ケリー / ジェイムズ・ドゥーハン / ジョージ・タケイ / ウォルター・ケーニッグ / ニシェル・ニコルズ / メイジェル・バレット / グレース・リー・ホイットニー
スタッフジーン・ロッデンベリー / アレキサンダー・カレッジ / D・C・フォンタナ / マット・ジェフリーズ / ジーン・L・クーン
日本語版若山弦蔵 / 矢島正明 / 久松保夫 / 吉澤久嘉 / 小林修 / 内海賢二 / 松島みのり / 納谷六朗 / 富山敬 / 田中亮一 / 井上玄太郎


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