石ノ森章太郎

ページ名:石ノ森章太郎

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石ノ森 章太郎(いしのもり しょうたろう、1938年(昭和13年)1月25日 - 1998年(平成10年)1月28日)は、日本の漫画家。1984年までは石森 章太郎の表記を用いた。本名、小野寺章太郎(おのでら しょうたろう)。血液型はAB型。

代表作は『サイボーグ009』、『佐武と市捕物控』、『マンガ日本経済入門』、『HOTEL』など。仮面ライダーシリーズを始め特撮作品の原作者としても活躍。SF漫画から学習漫画まで幅広い分野で作品を量産し「漫画の王様」、「漫画の帝王」と評された。

1989年、漫画には「面白い、おかしい」だけではない多数の表現が可能になったとして、漫画の新しい呼び名「萬画」を提唱し「萬画宣言」を発表。以降は自らの職業を「漫画家」ではなく「萬画家」と称した。没後の2007年末には、500巻770作品におよぶ個人全集『石ノ森章太郎萬画大全集』(角川書店)が、一人の著者による最も多い漫画の出版の記録としてギネス・ワールド・レコーズに認定されている。

SF好きとしても知られており、SFから作品のヒントを得ていたことも指摘されている[1]

息子に俳優の小野寺丈(長男)と石森プロ社長の小野寺章(次男)がいる。小説家の今野敏は親戚である。

目次

経歴[]

生い立ち[]

1938年(昭和13年)1月25日[注釈 1]、宮城県登米郡石森町(いしのもりちょう、現登米市中田町石森。これが石ノ森のペンネームの由来である)に、父・康太郎(こうたろう)、母・カシクの長男として生まれる。姉、弟2人、妹の5人兄弟。下記にもあるように当初は映画監督を志していたが、3歳上の姉は生来病弱で外出もままならないため、学校での出来事や外での見聞などを絵に描いて見せていたのが、漫画の原点であったという。中学時代、近所の子供を集めて漫画同人誌『墨汁一滴』を作るも、2号で廃刊。2年生の時「毎日中学生新聞」に4コマ漫画を投稿し入選、以後投稿マニアとなる。

宮城県佐沼高等学校[注釈 2]入学後、『漫画少年』への投稿仲間を集めて「東日本漫画研究会」を設立、肉筆回覧誌『墨汁一滴』を制作する。このころ既に漫画業界で「宮城県に天才がいる」と評判になっている。この頃のあだ名は「じゃがいも」。

デビュー以後[]

高校在学中の1954年(昭和29年)、『漫画少年』新年号にて「二級天使」でデビュー。厳格な公務員であった父からは漫画家になることを反対されていたが、姉が応援してくれたこともあり、翌年の高校卒業と同時に姉の病気治療も兼ねて二人で上京。手塚をはじめ多くの漫画家たちが住んでいたトキワ荘に住み、作家活動を始めた。トキワ荘グループの男性陣の中では最年少ではあったが、最も早く頭角を現し、赤塚不二夫[注釈 3]などは、自分の漫画を描くよりも、石森のアシスタントをする時間の方が多いほどだった。また創作速度も極めて速く、藤子不二雄[注釈 4]やのちに石ノ森のアシスタントを務めた永井豪など、石ノ森を知る人間は口を揃えて制作の速さを証言している。藤子の『まんが道』では、藤子が2人で一日に5、6枚描ければ良い所を、石ノ森は1人で15-20枚を描いていたという話が出てくる。また石ノ森のエッセイ漫画『サンジェルマン伯爵』(サイボーグ009「海底ピラミッド編」のエピローグに相当)には、「昔(赤塚不二夫と二人で描いていた時代)は月650枚という無茶もやったが、最近では歳だから300枚でフウフウいう」とある。

しかし1958年(昭和33年)4月、一緒に上京しトキワ荘グループのマドンナ的存在となっていた姉が石ノ森の外出中に倒れ、そのまま亡くなってしまう[注釈 5][注釈 6]。最大の理解者であった姉を失った事は、後の石ノ森の作風にも大きな影響をもたらした。

1959年(昭和34年)、東映動画(現・東映アニメーション)の劇場アニメ『西遊記』の制作現場に派遣。手塚のアシスタントだった月岡貞夫とともに送り込んだものだった。石ノ森は月岡とともに「このまま東映動画に入ってアニメーションをやりたい」と訴えたが、当時東映動画の若手スタッフだった白川大作(後に東映動画専務)から「(絵が個性的でアニメに向かないから)ちゃんと漫画をやれ。そのかわり漫画が売れたらそれを原作として買いに行く」と説得されて断念した[2][注釈 7]。後にこのときの約束通り東映動画で作品がアニメ化された。さらに東映本体での特撮番組企画へとつながる東映グループとの接点のきっかけとなる。

スター作家として[]

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石ノ森萬画館の最寄駅であるJR石巻駅に飾られた人気作品の人形。

1964年(昭和39年)7月19日より代表作『サイボーグ009』の連載を開始[注釈 8]。この頃にはすでにスター作家となっており、この時期に描かれた石ノ森のマンガ入門書『マンガ家入門』(1965年)『続・マンガ家入門』(1966年)は当時から広く読まれた。これは漫画の技術論から、具体的なストーリー構想術までが書かれた画期的な漫画家入門書で、長年の間漫画家志望者のバイブルとなった。また、『サイボーグ009』を連載していた当時、ファンレターの宛先が漫画家の住所となっていたため多数の読者が訪問していた[1]。すがやみつるが『サイボーグ009』の連載終了直後に訪問したときは、サインを貰いにきた別の訪問者に対して、訪問者に見えないところで当時チーフアシスタントであった永井豪が絵だけではなくサインまで書き上げて渡していたという[1]。このような対応を行わないと仕事にならないほど訪問者がきていたことが原因である[1]

仮面ライダーシリーズ、スーパー戦隊シリーズ(『秘密戦隊ゴレンジャー』『ジャッカー電撃隊』)の生みの親の一人である、渡邊亮徳(東映本社元副社長、当時の東映テレビ部事業本部長)との出会いと絶大なるサポートによって、1971年(昭和46年)より特撮作品『仮面ライダー』の原作とその漫画化(仮面ライダー)を担当。既にある漫画の実写映像化ではなく、製作会社である東映の企画に設定とキャラクターデザインを提供、出来上がったものを元に漫画も執筆するというものであり、この成功をきっかけに同社における数多くの特撮・変身ヒーロー番組の原作を手がけることになった。もともと映画監督志望だったこともあり、一部の作品(『仮面ライダー』や『イナズマン』)では監督も務めており、『仮面ライダーBLACK RX』ではグランザイラスのキャラクターデザインも担当した。

1981年(昭和56年)より日本漫画家協会理事を務める。

1985年(昭和60年)、画業30年を機に「石森章太郎」から「石ノ森章太郎[注釈 9]」に改名。もともと「石森」で「いしのもり」と読ませるつもりだったが「いしもり」の読みが定着してしまっていたため、初心に戻る意味をこめて改名を行なった。しかし山田ゴロが自身のサイトで語る所によると、これまで打ち合わせ・旅行・忘年会などの季節行事で関係者一同に頻繁に会っていたのが、改名した頃からなくなってしまい、石森プロに連絡しても会わせてくれなくなった。程なく関係者一同に「先生は病気らしい」という話が広まったという。

1998年(平成10年)1月28日死去。60歳没。死因はリンパ腫による心不全。誕生日の3日後であった。戒名は「石森院漫徳章現居士」。墓は東京都豊島区池袋三丁目の祥雲寺にある。

年表[]

  • 1938年 - 宮城県登米市(当時は登米郡石森町)に生誕。
  • 1953年 - 『漫画少年』の投稿仲間と「東日本漫画研究会」を結成。肉筆回覧誌『墨汁一滴』を創刊。
  • 1954年 - 『漫画少年』での「二級天使」連載でデビュー。
  • 1963年 - アニメーション制作会社スタジオ・ゼロ設立に参画。世界旅行に立つ。
  • 1964年 - 『少年キング』にて代表作「サイボーグ009」の連載開始。
  • 1968年 - 石森章太郎プロを設立。『ジュン』・『佐武と市捕物控』により第13回小学館漫画賞を受賞。
  • 1971年 - 『仮面ライダー』放映開始。
  • 1985年 - デビュー30周年を機に「石ノ森」へ改名。
  • 1988年 - 『ホテル』・『マンガ日本経済入門』により第33回小学館漫画賞を、『マンガ日本経済入門』により第17回日本漫画家協会賞大賞を受賞。
  • 1989年 - 「萬画宣言」を発表。
  • 1998年 - 心不全により死去。没後、全作品に対して第27回日本漫画家協会賞文部大臣賞、マンガとマンガ界への長年の貢献に対して第2回手塚治虫文化賞マンガ特別賞が贈られる。
  • 2000年 - 故郷である宮城県登米市中田町に「石ノ森章太郎ふるさと記念館」が設立。
  • 2001年 - 宮城県石巻市に「石ノ森萬画館」設立。
  • 2006年 - 『石ノ森萬画大全集』刊行開始。
  • 2008年 - ギネス・ワールド・レコーズにおいて「世界一多作な漫画家」に認定。
  • 2008年 - ギネス世界記録博物館の名誉館長に就任。

主要作品リスト[]

※五十音順

  • アンドロイドV
  • イナズマン
  • おかしな おかしな おかしなあの子 さるとびエッちゃん
  • 快傑ハリマオ 原作:山田克郎 石ノ森は作画を担当
  • 怪人同盟
  • 仮面ライダー
  • 仮面ライダーアマゾン - 講談社の幼年誌『テレビマガジン』で連載。仕上げは石川森彦の手による。
  • 仮面ライダーBlack
  • がんばれ!!ロボコン
  • ギルガメッシュ
  • グーチョキパッコン - 学研の『1 - 2年の科学』連載のみ。
  • 草壁署迷宮課おみやさん
  • グリングラス
  • 黒い風
  • 原始少年リュウ
  • 現代経済入門
  • 幻魔大戦(原作は平井和正との共同)
  • サイボーグ009
  • 佐武と市捕物控
  • 猿飛佐助
  • ジュン
  • 少年同盟
  • 人造人間キカイダー
  • スカルマン
  • ゼルダの伝説 - 同名ゲームのコミカライズ版。アメリカ合衆国のゲーム雑誌『NINTENDO POWER』にて連載され、日本語訳も刊行。
  • 009ノ1
  • 千の目先生=好き!すき!魔女先生
  • タイム ハンター
  • チックンタックン
  • 塚原卜伝
  • テレビ小僧
  • ドッグワールド
  • となりのたまげ太くん
  • ドンキッコ
  • 流れ星五十三次
  • 二級天使
  • 八百八町表裏 化粧師(はっぴゃくやちょうひょうりのけわいし)
  • 番長惑星
  • 秘密戦隊ゴレンジャー(ひみつ戦隊ゴレンジャーごっこ)
  • ブルーゾーン
  • 変身忍者 嵐
  • 北斎
  • 星の子チョビン
  • HOTEL
  • ボンボン
  • マンガ日本経済入門
  • マンガ日本の歴史
  • 未来救助隊アスガード7
  • ミラクルジャイアンツ童夢くん
  • 宮本武蔵
  • ミュータントサブ
  • リーコが行く シロクロード - 1981年のテレビドラマ『玉ねぎむいたら…』の中で毎週原稿が使用され、内容も放送された。
  • 龍神沼
  • リュウの道
  • ロボット刑事
  • ワイルド・キャット

特撮原作[]

この欄で紹介する作品は、漫画が原作というわけではない(詳細は上記の「経歴」を参照)。また、自らは漫画を描いていない作品も少なくない。

  • 人造人間キカイダー(後にアニメも作られた)
    • キカイダー01
    • 人造人間ハカイダー
    • KIKAIDER00 - 晩年の未映像化企画、S.I.C.にて具現化する。
  • イナズマン(11話では脚本、監督)
    • イナズマンF
  • 秘密戦隊ゴレンジャー
  • ジャッカー電撃隊
  • アクマイザー3
    • 超神ビビューン
  • 宇宙鉄人キョーダイン
  • 大鉄人17
  • 快傑ズバット
  • 星雲仮面マシンマン
  • 兄弟拳バイクロッサー
  • 東映不思議コメディーシリーズ
    • ロボット8ちゃん
    • バッテンロボ丸
    • ペットントン
    • どきんちょ!ネムリン
    • 勝手に!カミタマン
    • もりもりぼっくん
    • おもいっきり探偵団 覇悪怒組
    • じゃあまん探偵団 魔隣組
    • 魔法少女ちゅうかなぱいぱい!
    • 魔法少女ちゅうかないぱねま!
    • 美少女仮面ポワトリン
    • 不思議少女ナイルなトトメス
    • うたう!大龍宮城
    • 有言実行三姉妹シュシュトリアン
  • ボイスラッガー - 自らキャラクターデザインを手掛けた最後の作品。そのため、放送当時は「遺作にして最新作」と呼ばれた。
  • 仮面ライダーシリーズ
    • 仮面ライダー(84話では脚本、監督)
    • 仮面ライダーV3
    • 仮面ライダーX
    • 仮面ライダーアマゾン
    • 仮面ライダーストロンガー(最終回では監督・Bパートのみ)
    • 仮面ライダー (スカイライダー)(劇場版では総監督)
    • 仮面ライダースーパー1
    • 仮面ライダーZX
    • 仮面ライダーBLACK
    • 仮面ライダーBLACK RX(グランザイラスのキャラクターデザインも担当)
    • 真・仮面ライダー 序章
    • 仮面ライダーZO
    • 仮面ライダーJ
  • ロボコン(正式タイトル不明) - 晩年の未映像化企画、ロビーナのデザインなど『燃えろ!!ロボコン』の参考になった。

以下は没後製作されたが、著作権管理を一括する配慮からテロップでは原作者とされている。

  • 燃えろ!!ロボコン
  • 平成仮面ライダーシリーズ
    • 仮面ライダークウガ
    • 仮面ライダーアギト
    • 仮面ライダー龍騎
    • 仮面ライダー555
    • 仮面ライダー剣
    • 仮面ライダー響鬼
    • 仮面ライダーカブト
    • 仮面ライダー電王
    • 仮面ライダーキバ
    • 仮面ライダーディケイド
    • 仮面ライダーG - TVSP
    • 仮面ライダーW
    • 仮面ライダーオーズ/OOO
  • 昭和リメイク
    • 仮面ライダー THE FIRST
    • 仮面ライダー THE NEXT
八手三郎との共作扱い[]

作品自体は八手三郎原作だが、石ノ森の手による秘密戦隊ゴレンジャー、及びジャッカー電撃隊のキャラクターが登場しているため共作扱いになっている。

  • 未来戦隊タイムレンジャースペシャル
  • 百獣戦隊ガオレンジャーVSスーパー戦隊
  • 轟轟戦隊ボウケンジャーVSスーパー戦隊

この他、『侍戦隊シンケンジャー』にも『ディケイド』(没後の原作名義作品)のキャラクターが出演したが、石ノ森の名はクレジットされていない。

アニメ 原作[]

  • 空飛ぶゆうれい船 - 石ノ森の短編漫画「ゆうれい船」が原作になっている。
  • さるとびエッちゃん - 原案は『ちいさな ちいさな ちいさなあの子』。後に、『おかしな おかしな おかしなあの子 さるとびエッちゃん』となる(本アニメはこちらの方を元としている)。
  • 星の子チョビン - 自身のコミカライズ版もある。
  • 氷河戦士ガイスラッガー

以下は没後の製作。

  • ワンダーベビルくん - 石ノ森の遺稿原案を元にして制作された。
  • 人造人間キカイダー - 『人造人間キカイダー THE ANIMATION』『キカイダー01 THE ANIMATION』の2作品に分けてアニメ化。『01』のDVD-BOX版では、『イナズマン』とクロスオーバーするエピソードもアニメ化している。
  • 009-1 - 『009ノ1』が原型。時代は近未来、主人公は全員サイボーグスパイ。主役の009-1の声を、釈由美子が演じて話題となった。

テレビドラマ原作[]

  • レッドビッキーズシリーズ
    • がんばれ!レッドビッキーズ
    • それゆけ!レッドビッキーズ
  • フラワーアクション009ノ1 - 石ノ森の漫画「009ノ1」が原作になっている。
  • おみやさん - 石ノ森の漫画「草壁署迷宮課おみやさん」が原作になっている。
  • HOTEL

映画原作[]

  • 化粧師 KEWAISHI

他作家が執筆した作品の原作[]

映像作品のコミカライズ、ノベライズは除く。

漫画[]

仮面ライダーシリーズの漫画作品は、仮面ライダーシリーズ#他の作家による漫画作品を参照。

  • スカルマン
    • スカルマン(作画:島本和彦)石ノ森本人が執筆したオリジナル版の続編。島本版のために、新たに原作となるプロットを書き下ろしている。
    • スカルマン(作画:MEIMU)正確には、TVドラマのコミカライズであるが、便宜上(島本版との差を書くため)、書いておく。
  • 人造人間キカイダー
    • キカイダー02(作画:MEIMU)ホラーの要素を加えた作品。
    • イナズマンVSキカイダー『キカイダー02』の続編(正確には繋がりに矛盾がある)。
小説[]
  • 仮面ライダー 誕生1971/希望1972/流星1973(作:和智正喜)
  • 仮面ライダーEVE-MASKED RIDER GAIA-(ストーリー:早瀬マサト)※生前に雑誌掲載用に企画された『仮面ライダーガイア』を原作としている。

作詞[]

  • 星の子チョビン
  • 進め!ゴレンジャー
  • 勝利だ!アクマイザー3
  • 斗え 超神ビビューン
  • アマゾンライダーここにあり
  • アマゾンライダーアクション
  • 宇宙鉄人キョーダイン
  • オー!!大鉄人17
  • 燃えろ!仮面ライダー
  • 変身 仮面ライダー
  • 男の名は仮面ライダー
  • 仮面ライダースーパー1
  • がんばれロボコン
  • ゴーゴー・キカイダー
  • キカイダー01
  • 地獄のズバット
  • ジャッカー電撃隊
  • セタップ!仮面ライダーX
  • 戦えイナズマン
  • イナズマンアクション
  • ドラゴン・ロード
  • ライダーアクション
  • レッツゴー!!ライダーキック
  • 戦え!仮面ライダーV3
  • V3アクション
  • 見よ!仮面ライダーストロンガー
  • 誰がために(新サイボーグ009)
  • 星雲仮面マシンマン
  • たたかえ!バイクロッサー
  • 氷河戦士ガイスラッガー

石ノ森章太郎萬画大全集[]

角川グループ創立60周年の記念企画。2006年2月22日第1期発売開始。全12期500冊。770タイトルにもなる。2008年現在全12期発行完了。

ネットでの予約販売のみ(一般書店では購入不可能)、各期ごとのセット販売のみ(1冊ずつの購入は不可能)、限定生産という、入手を難しくする条件が重なったため、復刊ドットコムで販売形式が発表された当初は、掲示板に批判的な意見が多数寄せられた。

2008年1月24日にギネス・ワールド・レコーズから「1人の著者によって出版された最多コミックの記録」として世界記録の認定を受けた[3]

キャラクターデザイン[]

上のアニメや特撮の原作となった作品のキャラクターは省いている。

  • デンセンマンみごろ!たべごろ!笑いごろ!のキャラクター。
  • ゴリレンジャー正義だ!味方だ!全員集合!!(松竹映画)の劇中劇のキャラクター。『ゴレンジャー』のパロディであり、パロディを本家が引き受けた珍しい例でもある。
  • マナビィ全国生涯学習フェスティバルのキャラクター。全国各地の生涯学習啓発活動でマスコットとして採用されている。

その他[]

  • 石ノ森章太郎のマンガ超電導講座(講談社Quark編) - 漫画作品(高温超電導体の発見、フィーバーの様子を独特の表現で描いた)
  • シージェッター海斗
  • デューン 砂の惑星/砂の救世主/砂の子供たち(長編SF小説、早川書房) - 日本語初期版の表紙イラストと挿絵
  • 宇宙からのメッセージ - 原案とメカ・デザインの一人、映画のコミカライズ、野田昌宏の小説版のイラスト
  • ルパン三世 DEAD OR ALIVE - モンキー・パンチ応援団の参加者。
  • あしたの朝は星の上
  • 絆不肖の息子から 不肖の息子たちへ (鳥影社)‐石ノ森の話を書き下ろしにしたエッセイ
  • 2012 009 conclusion GOD'S WAR(サイボーグ009完結編) - 小説作品、小野寺丈との共著(膨大な量のプロットと第2章の初稿を作成したが未完、後に小野寺が引き継いだ)
  • 有害コミック騒動に対して - 「コミック表現の自由を守る会」を結成、表現の規制を抑止
  • ゆうばり国際ファンタスティック映画祭 - シネガーのキャラクターデザイン
  • 2008年は石ノ森章太郎生誕70周年や没後10年でもあり、同年3月23日から29日にかけてNHK-BS2にて氏の漫画作品や映像原作作品を特集する「とことん!石ノ森章太郎」が31時間超の異例の特別番組として放送され、また、「70周年記念DVDボックス」が発売されるなど記念行事的なイベントが続いた。

主な出演作品[]

原作者という立場ではあるが、いくつかの作品では、石ノ森章太郎本人がテレビ番組や映画作品中に出演している。

出演時期によっては「石森章太郎」名義になっている。

テレビ[]

  • 仮面ライダー (1972年、東映) 84話.イソギンジャガーに殺された釣り人
  • イナズマン (1973年、東映) 助手
  • 快傑ズバット (1977年、東京12チャンネル) 10話.元プロ野球選手の石森選手[注釈 10]
  • ロボット110番 (1977年、東映) 最終話.ロボット博士
  • 大恐竜時代(アニメ) (1979年10月7日公開、日本テレビ) ジュン(主人公)の父の声

映画[]

  • フィンガー5の大冒険 (1974年、東映) 観客として家族4人でカメオ出演(監督も行っている)。
  • 仮面ライダー 8人ライダーVS銀河王(1980年、東映)天海乗組員(総監督も行っている)
  • 仮面ライダーBLACK 鬼ヶ島へ急行せよ(1988年、東映)釣り人
  • 未来の想い出(1992年、東宝)本人役

ビデオ[]

  • 真・仮面ライダー 序章(1992年、東映)冒頭で爆弾を仕掛けた男

ラジオ[]

  • 仮面ライダー10号誕生記念・石森章太郎のオールナイトニッポン

関連人物[]

手塚治虫[]

手塚治虫と石ノ森は単に知名度のみならず、作品の質・量とも随一であり、二人にまたがるエピソードも多いため、節を分けて解説する。

  • 高校2年生の春、『鉄腕アトム』の「電光人間の巻」執筆中の手塚治虫に「シゴトヲテツダツテホシイ」との電報を受け、学校を休んで上京。中間テストを挟んで手塚のアシスタントを務める。このとき背景や脇役だけを描けば充分であったにもかかわらず、アトムやヒゲオヤジなどのメインキャラクターまですべてを手塚タッチで描いてみせたため、手塚も度肝を抜かれたという。
  • デビュー作「二級天使」の原稿をみた手塚治虫は「かれもディズニーにいかれているな」と評したという[4]。翌年の高校卒業と同時に、手塚が住んでいたトキワ荘に住む。
  • 1959年(昭和34年)、手塚がスタッフとして加わっていた東映動画(現・東映アニメーション)の劇場アニメ『西遊記』の制作現場に、手塚の依頼により助手として派遣される。多忙で制作に参加できなくなった手塚が、自分の代わりとして手塚のアシスタントだった月岡貞夫とともに送り込んだものだった。
  • 1967年(昭和42年)より『COM』に連載した『ジュン』は、姉への愛情とその喪失を主題に、明確なストーリーを描かず絵とコマの流れだけで叙情的な世界を表現した実験的な作品であり、当時の漫画読者に熱狂的に迎えられた。この時手塚治虫が読者への手紙の中で「あれはマンガではない」と『ジュン』を批判。それを知った石ノ森はショックを受け『ジュン』の打ち切りを宣言するが、のちに手塚が石ノ森を訪れ「なぜあんなことを言ったのか分からない」と、嫉妬からの発言である事を告白して謝罪したというエピソードがある[5]。『ジュン』は以降も描き継がれることになり、『佐武と市捕物控』とともに1968年の小学館漫画賞受賞作品となった。
  • 1990年「手塚治虫展 フィルムは生きている」で、タイトル題字を藤子不二雄、鈴木伸一、馬場のぼる等との共同で担当。
  • 没後、第2回手塚治虫文化賞マンガ特別賞が贈られる。

アシスタント[]

山田やすがやのサイトによると、正確には「石ノ森の作画作業を補助する、本来の意味のアシスタント」(こちらは石森スタジオと呼ばれていた)と、「石森プロ関連作品の漫画化やキャラクター商品などの絵描き」の二種類があり、両者は仕事場も別々で、どちらかしか担当したことがない弟子も多いという。例として永井は前者、すがやは後者である。石森が亡くなった際、葬儀は密葬にて行われたが、『ライダー』ブームから始まるテレビまんが誌黎明期に活躍していた門下生たちは直訴した結果、石森の家までの集団訪問を許されている。

  • 永井豪
  • 竹宮惠子
  • 桜多吾作
  • すがやみつる
  • 早瀬マサト
  • 山田ゴロ
  • 細井雄二
  • 野口竜
  • 成井紀郎
  • 安土じょう(金山静夫)
  • シュガー佐藤
  • 石川森彦
  • 土山よしき
  • ひおあきら(菅野誠)
  • 河あきら
  • かがみあきら
  • 津原義明
  • 渡辺電機(株)

芸名を命名した俳優[]

  • 速水亮
  • 伴大介
  • 菊容子

脚注[]

注釈[]

  1. 松本零士と同じ生年月日である。
  2. 同校出身の漫画家に大友克洋がいる。
  3. 初期の『少女クラブ』に掲載された作品には、赤塚不二夫との共同ペンネーム「いずみあすか」名義、赤塚不二夫および水野英子との共同ペンネーム「U.マイア」名義のもの等がある。
  4. 藤子の『オバケのQ太郎』の主人公「大原正太」は石ノ森の名前を元にしている。また「藤子不二雄」の共同ペンネームをやめて藤子不二雄Fとなった藤本弘に藤子・F・不二雄にするよう助言をしたのも石ノ森である。
  5. この出来事は藤子不二雄Aの著作『愛…しりそめし頃に…―満賀道雄の青春』に描かれている。
  6. 石森章太郎 『トキワ荘の青春 ぼくの漫画修行時代』ISBN 978-4-06-183752-2 講談社〈講談社文庫〉、1986年、208頁によれば、死因は「モルヒネの打ちすぎによる心臓発作」。石ノ森は、「姉が倒れて救急車を呼び、入院して注射を打ったところ、容態が安定した」ように見えた為、一旦トキワ荘に帰り、その後、赤塚、水野英子と共に外出。帰ったところに「病院に来る」よう、電報が届いた、と記述している。
  7. 『トキワ荘の青春 ぼくの漫画修行時代』、96頁によれば、「漫画(自分の仕事)と東映動画との両立が厳しい事が判ったから」、となっている。
  8. 『トキワ荘の青春 ぼくの漫画修行時代』、184-213頁によると、この前に世界旅行に出かけている。海外旅行が自由化される前であり、「個人の観光」では許可は下りなかった。その為、集英社に依頼し、臨時に「記者」の肩書きを入手している(シアトルで開かれるSF大会の取材、という名目)。貯金が無かった為、旅費も各出版社から前借りした。SF大会では、矢野徹の紹介状を持ち、フォレスト・J・アッカーマン(雑誌「MONSTER」の編集長)、ロバート・A・ハインライン、ポール・アンダースンと会っている。この時に訪問した国・都市・名所は、アメリカに3週間(ロサンゼルス、サンフランシスコ、ニューヨーク、ラスベガス、ディズニーランド、グランド・キャニオン、シアトル)の他、イギリス(ロンドン)、フランス(パリ)、オーストリア(ウィーン)、ドイツ(東ベルリン、西ベルリン)、オランダ、スペイン(マドリード)、イタリア(ローマ、ミラノ)、ギリシャ(パルテノン神殿)、エジプト(カイロ、ピラミッド、スフィンクス)、香港、マカオなど(太字はサイボーグ戦士(002、003、004、005、007)の出身国。また、ギリシャはミュートスサイボーグのモチーフとなっている。後年にはピラミッドも登場した)。なお、この旅行は「雑誌(『少女クラブ』他)の廃刊が続いた事や、姉の死にショックを受けた逃避行」、という面も持っていた。
  9. 「ノ」の字の表記については、石ノ森が存命時、出版物や映像原作表示の際には、他の字に比して縦横2/3から1/2のサイズに表記する(「半角文字ではない」と言われる)ことが求められた。
  10. このときに撮影されたスナップ写真は、石ノ森の生家の玄関付近に飾られており誰でも見ることができる

出典[]

  1. 1.01.11.21.3 テンプレート:Cite book
  2. WEBアニメスタイル 白川大作インタビュー(2)。一方、月岡はその才能を評価されてそのまま東映動画に入社し、「天才アニメーター」と呼ばれた。
  3. asahi.com:仮面ライダーの故石ノ森さん、最多コミックでギネスに - 文化・芸能
  4. ぼくはマンガ家
  5. 岩上安身「現代の肖像24 石ノ森章太郎」『AERA』、朝日新聞社、1990年。web掲載

関連項目[]

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石ノ森萬画館

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外部リンク[]

  • 石森プロ公式サイトISHIMORI@STYLE
  • サイボーグ009公式サイト
  • サイボーグ009同盟勇気の戦士サイボーグ009公式ファンクラブサイト
  • 石ノ森章太郎ふるさと記念館
  • 石ノ森章太郎ファンクラブ
  • 石ノ森萬画館 (石巻市)
  • マンガッタン.ネット
  • ギネス世界記録博物館
  • 石ノ森章太郎の高校時代について

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