「お?おう、来てくれたのか!」
「ようこそ新人、探検隊本部へ!
仕事内容、聞きたいだろう?ひとまずそっちの椅子にでも……」
「うわ、誰だよ、散らかした奴!ちょっと待ってな……ヒノデ!」
「はいはい……」
「……よし!ここに座ってくれ。
今ヒノデがお菓子持って来るからな。そしたら話を始めようか」
探検隊とは? |
「さて、改めて。俺が隊長のナナヨ。こっちが……」
「お隣失礼するね。一応副隊長ってことになってるヒノデだよ」
「いちお……まあいいが。
とにかく、探索隊の仕事はずばり、宝部屋を探すことだ。
それは新人でも俺たちでも変わらない。中層を歩き回って、見つけたら報告!」
「……あ、これおいしい。新人もどうぞ」
「宝部屋のことは分かるか?突然出現する、いろいろなモノが置かれた部屋のことだ。
だいたい中層に出てくるから、探すのは中層にいる俺たちの役割だ。偶に上層にも出るが……」
「ん、砂糖はこっちだよ。甘いの好き?今日いっぱいあるからいっぱい入れていいよ」
「モノを回収して、仕分けて、必要な場所に分配するのが俺たちの仕事だな。
中には当然大きなモノもある。だから体力のある奴に向いた仕事と言えるだろう」
「ふぁぁ……ねむ」
「それと、信用のある奴でないとやらせられない仕事でもあるな。
例えば見つけた宝部屋のものをここに持ち帰らず、なんでも自分のものにしたら……
他の皆が使えるものがなくなってしまう。それは困るからな。
きちんと持って帰り、公平に分配する!
役割への誇り……いや、正義の心がなければできない仕事だ!!」
「あーあ、ナナヨが盛り上がっちゃった……ごめんね」
「それとね、ココだけの話。
見つけたモノを絶対自分のモノにしちゃいけないわけじゃないんだよ。
お菓子一つとか、服1枚とか。部屋を見つけた人はご褒美にもらえるんだ」
「新人!こっちを見てくれ……これだ!このホワイトボードの花丸マークは、部屋を見つけた証だ。
こっちが隊員の名前で、横にある印の数だけ部屋を見つけたということなんだ。
で、一週ごとにトップの奴は表彰される!どうだ、こう……燃え上がるものはないか?」
「ほしいモノを一番に選べる可能性があるから……この係はとっても人気ってわけ……」
「コレで一番になるのが楽しいから続けてる人も多いよね、ナナヨ。モチベーション的なさ」
「ああ。負けず嫌い……いや、闘争心を持った奴も多い。この係は毎日が競争だな」
「負けず嫌いってナナヨのことだよ。もし正式にこの係に決めたら、新人とか関係なくナナヨ手加減しないから。
ほら、今週も一位争いしてるんだよ」
「……ヒノデ。お前なにかこそこそ新人に吹き込んでないか?」
ゴー!探索! |
「ううん、変なことは何も。それより習うより慣れよ、まずは探索に行かない?
ほら、新人長話で飽きちゃってるよ」
「あぁ……それもそうだな。探索隊は足でする仕事だ。この役割を知るにはそれが一番だろう!
君のような新人は、最初は一人で探索しないで誰かと探索することになっているんだ。
もちろん体験期間中も同じだな。どうだ、今すぐ行くか?それとも……この部屋を見たいか?」
「よし、いい返事だ!では、宝部屋探しへ向かおうか!ヒノデ!」
「はいはーい。じゃ、一緒に行こうね。歩き疲れたら言うんだよ」
部屋にあるもの? |
「ここは隊員たちが自由に使えるものが結構あってな」
「そうだ、今ならまだ分配する前の見つけたものとか置いてあるよ。見せよっか」
設備 |
「まずはこのソファーとテーブル。あと…………この棚は食料置き場。食べたら名前を書くように」
「この白いタンクが水入れね。こっちは飲み放題だけど、交代で汲みに行ってもらうよ。
……あ、こっちの捨てる水のタンクと間違えないようにね……?一応ラベル貼ってるし離してるから大丈夫だと思うけど」
「次はこっちだ。こいこい……これは衝立で部屋と分けている快適な仮眠ベッドだ。
だから眠くなったらこっちで寝るように。間違ってもソファーで寝ちゃいけないぞ。
……怒られるからな。ヒノデに」
「ソファで寝ちゃうおバカがいるんだよね、この探索隊。困っちゃうよねぇ、それで風邪引かれたりすると」
ものおき |
- いろいろなお菓子の詰められている箱
- 色つきのブロック
- 服
- 小さな机と椅子
- お皿とプラコップが数個
- アヒルのおもちゃ
ホワイトボード |
【本日の探検報告】
19× 20× 21×……数字と×が続いている。