「何だかセンパイに説明しといて、って投げられたんですけど……?
ええと、でも私でよければぜひ説明しますよ!何が知りたいですか?」
ふねのつくりのはなし |
「んーと、とりあえず基本的なお話から始めましょうか!
この『ふね』は全部で52層……ええと、大きな空間のくくり、で、52の空間に分かれてます。
えっと、『垂直に積み重なってるわけじゃない』らしいですけど……ちょっとよくわかんないです」
「それだけたくさんあるとざっくりざっくり話したい時に困っちゃうので、みんな3つに分けて呼んでます。ほら、そんなにたくさん数字覚えられないですし……
上層、中層、下層……ですね! 覚えやすいですか?」
「境目はだいたい18層、34層あたりです。まあ、間はけっこうフヤフヤしちゃうこともあるんですけど……歩いてると分かりやすいかもですね。大きなくくりの切り替わりで、けっこう部屋の雰囲気とか、みんなの服装とか変わりますよ。
ええと、気温差があるんですよ!なので私たち下層の人間は厚着しますし、上層は暑いのですっごく薄着ですよ!」
「そうですね、あとで上層も見に行きましょうね。ここは下層なので壁も床も固くできてますし、中層は白くて固いんですけど、上層のほうは、こう……ふわふわなんです!」
かみさまがいる |
「……うわわ!ちょっと揺れましたね?」
「ああ、そんなに怖がらなくて大丈夫ですよ!……そうですよね、慣れなきゃびっくりしますよね。私も最初はびっくりしてましたし!」
「えーとですね、ここは『ふね』なので、動いてるんです。動いているので、時々大きく揺れるんです!それだけですよ。
私が跳んだり転んだりするのと一緒でー……ああ!『ふね』は私と違ってすっ転んだりしないので大丈夫です!」
「『ふね』?ええと、ふねというのはー……」
「……」
「……何かわからないですけど、動くものです。うーん、かみさまも跳ぶのが好き……ってことでしょうかー?」