動物名: エラブウミヘビ
愛称: ラヴィ
所属:ゴコクエリア-ナリモン水族館
アニマルガール概要:彼女はゴコクエリアのナリモン水族館に所属するアニマルガールです。彼女はナリモン水族館に所属する以前はジャパリ・蛇族研究所に所属しており、フレンズ化もそこで行われました。彼女の首に装着されているチョーカー型液分泌警報装置(VSD)は蛇族研究所で装着された物で、彼女が毒を分泌した際には蛇族研究所に連絡が入り、カントーからゴコクへ血清が送り届けられます。
彼女は非常に社交的な性格をしており、初対面の来園者、フレンズ、職員にも丁寧語で対話をします。また、温和で滅多に激怒することはなく、
野生解放能力:「水深1万メートルのNィラ異Ka奈イ」
深夜残業のご褒美
「ア“ッ」
キーボードを叩く音のみが木霊していた職員エリアに、一際低く野太い声が重く跳ねる。
「..............」
そしてまた静寂に包まれる。
「......所長......あの....所長...?」
夕陽がシャッターから僅かに差し込み、青い髪を橙色に染めている。時刻はもう夕方だ。
「......トゥーリア君..........すまない........」
蛇族研究所の所長、植木が濃い顔を更にどんよりと濃くして謝罪する。
「.....どうしましたか.....?」
「.....................」
常に重い口を更に重くしながら、自分がやってしまった“ミス”を告白する
「....パークに提出する....アウラの....今月のデータを....セキュリティソフトに消されてしまった......」
「エ“ッ」
カレンダーを見る。今日は30日。そしてそのデータは明日には提出しなければならない。
「で...でも....たしか、バックアップがあったはずでは....?」
「バックアップはあるにはあるが....書面にコピーして....元データは....AG情報保護のために破棄してしまった......」
「エ”エ“ッ」
つまり、手打ちでまたデータを入力しなければならない。ただのデータではない。AG特有のサンドスター率や毒の質などから分かる体調の変化。日々に飼育日誌から推測された微細な変化等等々が詰まった膨大なデータだ。つまり.....
「......残業....ですか....しかも結構遅めに終わる....」
「済まない....本当に済まない.....トゥーリア君が今やってる業務は全て私がやろう...いやそれだけでは足らない....それが終わったら私も手伝おう.....」
なんと哀しい眼をしているのだろう。顔は濃いが、その両の眼窩から覗く瞳は今にも泣きそうな悲哀に満ちた眼をしていた。
「ソフトの不具合ならば仕方ありませんね。では早速作業を始めましょう。バックアップデータを頂けますか?」
なるべく、なるべく気にしていないという風に振舞う。この所長を悲しませる事は自分の精神衛生上大変よろしくないと判断したためだ。
「....!あ、ああ....!ありがとう....!」
顔に生気が戻ってきたようだ。トゥーリアもホッと胸を撫で下ろす。しかし大変なのはここからだ。
「....では、これとこれを...」
所長の机の横にある非常に大きい金庫を3個のダイヤルと2個の鍵、それと管理権限4のカードキーと生体認証システムをクリアして開ける。
そこから出されたのは1枚1枚の薄い紙の分厚い集合体だった。
「............」
こういう日々の積み重ねというものは、毎日コツコツとやっていればさほど気にはならないものだが、積み重なったものが急にドンッ!と目の前に出されると嫌でも実感せざるを得ない。
(私、毎日こんなに書いてたんだなぁ...はぁ.....)
気にしていないフリをしていても、表情には出ていたようだ。
「す....すまない....」
またあの哀しい目
「ああいや!大丈夫です!大丈夫ですから早くやっちゃいましょう!」
...................
カタカタ........ペラッ..........カタカタ..........
.....ペラッ..........カタカタカタカタ.......
外はすっかり暗闇に沈んでいる
「ア“ア”〜〜ッ....!終わった.........!!!」
時計を見る。もう1時....
「ありがとう....ありがとう......これで提出出来る....ありがとう....」
所長は隈が顔の半分を占めているのではと思うほど濃い顔になっていた。無理もない。普段は9時にはもう寝ている人なのだから。
「こんな時間ですが、所長はどうするんです?」
既に足元がおぼつかない所長は失神しそうになっているのを必死に耐えている。
「アー.......今日はここに泊まっていく.....シャワー室もある.....トゥーリア君...君は帰るのだろう?」
出来ればそうしたい。しかし既に自分も睡魔が限界だ。
「私も居眠り運転が怖いので出来れば泊まっていきたいですね....」
(うむぅ...しかし、君のような若い女性が私のようなものと同じ場所で寝泊まりするのも良くない....親御さんに申し訳なくなってしまう....)
所長は言葉にせずとも、ハッキリと顔でそう語っていた。
(分かりやすい人....ふふ)
しかしどうしよう。私がこのままここで泊まると言ったら所長は野宿でもしかねない。彼はそういう人だ。
[お困りですね?]
不意に後ろからそんな言葉が聞こえる。振り返るとそこには看守服と囚人服を合わせた様な毛皮を着た蛇が居た
「ラーミラ...貴女、こんな時間に何を?」
「何って私は警備員ですよ?巡回に決まってるじゃないですか。いつも皆さんが退勤して戸締りした後もこうやって巡回警備をしているのですよ?」
確かに彼女はそこら中の鍵を集めたキーケースを持っていた。
「うむ....彼女には警備の一切を任せるという契約で働いてもらっているからな.....働かずとも...ここに居てもいいのだが....」
その蛇は所長に笑みを返す。
「いやいや、世話になりっぱなしでその上プー太郎とは...私の性情には合わなくてですねぇ...ふふふ...」
「....そうだったの。まさか夜の巡回もやってるとは知らなかったけど、それは感心ね。貴女も結構良いとこあるじゃない!」
「.....なーんかちょっと馬鹿にされてる気もしますがぁ....まいいや。んで、泊まる場所に困ってるんでしたよねぇ?」
ニタニタとした笑みを浮かべながら、今発生している問題を改めて提示する。
「うむ...彼女のような若い女性が私のような者と同じ場所で寝泊まりするのは、よろしくないのではと思ってな.....」
自分が想定していた答えとドンピシャな回答が返ってきた。
「私は別に気にしてないのですが...ラーミラ、貴女何か解決策でもあるの?」
「貴女は気にしないでしょうねぇ...手を出されれば同じく手が出るんですもの...んふふ....おっと!ああ、ありますよぉ〜、はいはい」
少し馬鹿にしやがったなコイツ....
「.......どうやって解決するの?」
その蛇は一層ニヤニヤする。....ロクでもない事考えてそうだなぁ....
「寮があるじゃないですかぁ、蛇研の、所属アニマルガール達の。貴女ぁ...アウラの部屋に泊まっていきなさいよぉ.....んふ...」
アウラ...私の相棒にして担当飼育アニマルガール。何度か部屋には行った事があるけど...流石に泊まった事はない。
「アウラの....んん〜...でも泊まるにしても倫理規定とか以前にあの子に許可取らなきゃじゃない?」
未だ私に対しても素直になりきれてない彼女が、私を泊めてくれるだろうか。そんな不安がよぎる。
「もう許可は取ってきてありますよ。だからここに来たんですし」
「え?泊まってもいいって、あの子が言ったの...?.......脅したりとかしてないでしょうねぇ?」
「......貴女...私をなんだと思って....貴女が困ってるという旨を話したら泊めてもいいって言ったんですよぉ〜。後は部屋に行って確かめなさい」
ポイッと部屋の合鍵を投げ渡す。そこには確かに「アウラ」と書かれていた。
「....しかし、倫理規定は....?」
眠りかけていた所長がビクリと反応する。
「......ハッ....!うむ....寝泊まりするだけならその様な施設もあるから大丈夫だろう....私が許可しよう...」
「....では、行ってきます。おやすみなさい」
「ええ...行ってらっしゃい...ふふ....あらら、オっさん、こんな所で寝ないで下さい。風邪を引いてしまいますよ?」
・・・・・・
月明かりに照らされた廊下は、夏だというのに蒼く凍りついているようだ。湿気と熱に体が蝕まれても、心だけはその冷たさを感じざるを得なかった。
(夜の研究所って…こんなに静かなんだ…)
こんな時間に研究所を出歩く事は滅多にない。昼間は来園者やアニマルガール達の喧騒に満ちているが…陽が落ちれば蛇達の吐息すら聞こえない。連絡通路を通り、蛇族研究所所属アニマルガール専用寮に向かう。
入口で職員カードをスキャンし生体認証をクリアする。このシステムは彼女達アニマルガールを守るためでもあるが、それ以上に余計な負傷者を出さない為でもある。ここには強力な毒を持った毒蛇も暮らしている。血清は常備してあるが、仮に不審者が侵入したとしても五体満足でここを出られる保証などありはしない。
彼女達は無邪気で可愛らしいが、時として非情な振る舞いを見せる。
(ええと…アウラの部屋は…)
エレベーターで目的の階層に到着する。静まった寮を歩きながら初めて来た時と同じように部屋番号と合鍵とを照らし合わせる。あれほど事務作業で眼の疲労が溜まっていたはずなのに、やけに目が冴える。
「あっ…ここだ」
インターフォンを鳴らす。と、同時に慌ただしい足音が聞こえてくる。
ガチャッ!
「おっ!おぉ…、よ…よく来たな。あ、上がってもいいぞ?」
明らかによそよそしい。無理もない。部屋に上げることはあっても泊めることは初めてなのだから。
「…ええ、上がらせてもらうわ。ありがとう、アウラ」
なるべく自然体に礼を言おうと努める。私だって本当は緊張してる。でもこの子の前では、そんな様子を見せたくはなかった。
「…おう」
ぷい、と奥へ戻っていく。そんな不器用な背中を眺めながら、靴を脱ぎ、室内へと進んでいく。
「…飯はどうする?…先に風呂か?」
そんな言葉を掛けられる。
なんだか新婚みたい。つい吹き出してしまう。
「んなぁっ!?な、あに笑ってんだよ!め、飯か風呂かって聞いてぇんだ!」
顔を真っ赤にして怒鳴る。だけどその声は周りに配慮してか小声だ。彼女のその気遣いが更におかしくてまた吹き出してしまう。
「うふふ…!ご、ごめんなさいね…!その、なんだかお互いよそよそしくなってるのが、なんだかおかしくって」
ありのままに感じたことを話す。彼女も、その言葉を聞いて、少しキョトンとした後に
「ぷふっ…確かに」
微笑んだ。
なんだか胸のつっかえが取れたみたいに楽になる。それはきっとお互いそうだろう。
「じゃあ先にお湯頂いてもいいかしら?汗かいて気持ち悪いのよね」
「…おう!湯は沸かしてある。ああ、石鹸とかも勝手に使っていいからな」
寮とは言っても普通のマンションとなんら変わらない、快適な部屋を提供している。
故に風呂もユニットバスではなく広めの浴室だ。
「うわ…スチームの入ってるんだ…私の家のお風呂よりいいじゃない…!」
一瞬、お風呂に入るためだけに仕事帰りにアウラの家へ通おうかな。とも思ったがそれは流石に図々しいだろうと自分の中で結論付けた。
「はぁ…ごくらくごくらく…」
湯船に浸かり、仕事の疲れを湯に融かしていく。暖かい血液が身体を巡り、冷えてごろごろしていた眼球が潤う、張っていたふくろはぎが解れる、巨岩を背負っているみたいに重かった肩もすっかりと軽くなる。
お風呂…最高……!今度アウラを今日のお礼にと温泉旅行にでも連れていってあげよう…
お風呂から上がった。脱衣所には可愛らしい蛇柄のパジャマが置かれていた。
(あの子…こんな可愛いの持ってたのね…)
なんだかあの子の今まで知らなかった一面を見た気がした。何処かにメモりたい…私は静かに携帯電話でパジャマの写真を撮り、[アウラのパジャマの趣味はかわいい]とキャプションを付けておいた。これで完璧…!
脱衣所を出るとアウラがカップ麺にお湯を注いでいる所だった。
「お、出たか。遅かったな?味は醤油でいいかぁ?」
カップ麺て。もしかして、いつもこんな食事をしているのかしら…?
「ありがとう、アウラ。そういえばこの寮ってキッチンも結構広いわよね?使い心地ってどうかしら?」
遠まわしに聞いてみる。
「え。…えっとぉ…あんまし…使ってないっていうか…ほぼお湯しか沸かしてないな…」
…
「……今度、一緒にお料理しましょうか。きっと楽しいわよ」
「…おう…」
そんな微妙な空気の中、3分が経過する。
一口スープを飲んでから、麺を啜る。久しぶりにカップ麺食べた気がする…そんな事を考えながら黙々と食べ進める。
その間、ずっとアウラは私のカンザシを眺めていた。バラのプリザーブドフラワーを先端に付けたカンザシ、新しい加工技術で多少は頑丈になっているため、カンザシとして使っている。
「…なぁ…これいつも付けてるけど、どこで買ったんだ?」
「それ市販品じゃないわよ。私の家で育ってた物で造ったの」
「へぇ~…随分立派だな」
「でしょう?私の自慢なんだから!」
ふふん、と鼻を鳴らす。
「これはね。私のお母さん…義母なんだけど…そのお母さんがね。両親の事を忘れないようにって、庭に育ってるもので特別大きいのを二つ選んで、私と、妹の分を作って貰ったのよ」
いつも本当のお母さんとお皿洗いの手伝いをしている時に、窓の外から見えていたバラの花。
いつだって、両親を思い出せるようにお母さんが、そう気遣ってくれたんだと思う。
「…いいお母さんだったんだな…」
…少ししんみりしちゃったかな…?
「そう!だから私はこれを大事にしてるってわけ!さ!お腹いっぱいになったし歯を磨いて寝ましょう!私明日も仕事!!!!」
「お…おう」
枕の柔らかさを頭に、少し昔の事を思い出す。いつだって優しい香りがしていたあの家。
あの優しい香りは、ここにもあったんだと気付いた。
アウラともそんな優しい思い出を作っていこう。ゆっくりとまぶたを閉じる。
さざめき鳴る樹々の隙間から濃い緑色が溶けた光が差し込み、流れていく透明に近い青色と混じり合って金色の輝きを周囲へ反射させている。
無意識へと流れ込み、耳を澄まさなければ気付かなくなる透けた音の奔流に「どっぼん!」という小気味良い破裂音が合流した。
「ふぃ~!!やっぱり川は気持ちいいねぇ~!」
頭をぷかぷかと水面に浮かばせながら、暑さ、湿気、その他の精神を蝕む気怠さから解放され、本来の表情を取り戻したカエルの子がいた。
「ふふっ!ヒビキちゃん準備運動ちゃんとしないと危ないよぉ~?」
少し大きめのキャンバスと画材を詰め込んだ小さなハンドバッグを提げた、薄い水色の髪色をした女性が柔らかに注意する。彼女はこのカエルの子の”飼育員”なのだから、注意をするのは当然なのだが、彼女もまた夏の瘴気から解放されて上機嫌なのだった。
「えへへ~!ごめんなさーい!」
軽く謝罪しつつ、平泳ぎを再開する。その姿にはもはや先程までの岸に打ち上げられた腐敗しかけた魚のような気の毒な生気は感じられない。水を得た”カエル”はスイスイとその喜びを感受する。
「もぉ~、うふふ。あんまり遠くに行かないで、私の側にいてね~?」
“ここに来て良かった”そう思いながらキャンバスと画材を比較的、水平な所へ置き広げる。
パレットに白、黄、緑と他の色よりも多めの青をチューブから出す。
空間にパックリと白い穴が空いた。白無垢のその虚無空間をジッと見つめ
「ふぅ.......」
軽く深呼吸。彼女がキャンバスを前にした時に必ず行なっている“儀式”だ
.....ツツ...
ちょんちょんと筆を緑に染め、純白のキャンバスへそっとおろす。走らせる手は迷う事を知らない。何故なら“どう描くべきか”はキャンバスに薄っすらと見えているからだ。
自然をただ映し撮るのではなく、キャンバスをまるでガラスをそこへ作るかのように、不透過の紙を錬金術でその場所から消してしまう。彼女は何度も風景を透かし見て、そう考えるようになった。
「あー!ヘレナさんお絵描きしてる〜!えへへ、見ちゃお〜!」
いつのまにか隣へ来ていたその子が明るく愛おしい声色でそう言う。元気を漲らせたその子は、ただ無邪気で動くような軽率さはなく、体から滴る水滴をキャンバスに飛ばさないように振る舞う優しさを知っていた。
「まだ描き始めたばっかりだよぉ〜、ヒビキちゃんもお絵描きしたくなってきちゃった?」
筆を一旦止め、その愛おしい飼育対象へ笑みを向ける。その笑みを受け、寒い訳でもないのに蛙の子は少しだけ頰を赤らめてはにかむ。
「うん〜!したいけどぉ....ヘレナさんみたいにお絵描き上手に描けないから....えへへ」
手を前に出して、もじもじと手遊びをする。この子が恥ずかしがりつつ葛藤している証拠だ。お世話していく内にこの子の癖なんかも全てではないが分かってきた。分かってくると更に愛おしくなる。更に知りたくなる。この職業の一番の喜びだ。
「 上手でも上手じゃなくても、楽しい!って思えるならそれで良いんだよぉ!私も最初はぜーんぜん!でも楽しい!って思えたから見れるくらいには上達したんだよぉ〜」
少し乾いてきた青色に潤いと少しの緑を与えながら、また少し透けたキャンバスを一筋、またもう一筋と削っていく。その度に川の流れがキャンバスの端から流れ込んで、また端へと抜けていく。
「...うん!そうだよね!じゃあシンノウ帰ったら一緒にお絵描きしてね!えへへ!ふぃ〜!」
顔を赤く染めながら約束し、熱を冷ますために川で泳ごうとする。しかし、ハッとした表情で踵を返す。
「そういえばー、なんでヘレナさんてなんでこんなに青色の絵の具ばっかりいっぱい持ってるの〜?」
確かに小さなハンドバッグから覗く色は、水を溜めたみたいに青色が詰まっていた。ターコイズブルー、インディゴ、ウルトラマリン、ラピスラズリ....他の色よりも青だけが潤沢だった。
「あー...これはね。単純な話なんだけど....」
頰をぽりぽりと掻く
「私が青が好きなだけなんだよねぇ〜...えへへ」
単純な理由。至極ありきたりな理由。しかし引っかかった何かは蛙の子の興味を掻き立てるのに充分だったらしい。
「なんでなんでぇ?どうして青色なんだろぉ?」
学生時代に通ってた保育学校の研修で小さい子達のこのワードを何度も聞いたなぁと思い出しながら、単純な理由を話していく。
「えっとねぇ〜...私達の養母...お母さんはね。とっても厳しい人で、いつだったかなぁ〜....私が街の画材屋でショーケースに並んでる絵の具をいくら「欲しい!」って言っても買ってくれなかったの」
幼き日、養母はその駄々を聞き、叱った。しかし
「買いたかったら自分のお金で買いなさい。自分で考えて、稼いで、それでやっと得たお金で好きな物をなんでも買いなさい。って言ってね。その日から私、お家の事とかを頑張って手伝って、少しずつお金を貯めていったの」
これは後で聞いた話だが、養母は姉のトゥーリアへ“あの子にも出来そうなお手伝いがあったらその仕事はあの子に譲ってあげて頂戴”と言っていたそうだ。
実際、私がしていたお手伝いは、幼い私にも出来る内容ばかりで、出来なくてお小遣いが貰えなかった事は一度も無かった。
「それで、やっとお金が貯まって、お母さんと一緒にお金を握りしめてながら画材屋に向かって、一番最初に買った画材が青色だったの」
懐かしむように、手元の青を見つめる。幼い日の、あの輝きが蘇ってくる、そんな気がした。
「へぇ〜!!とっても素敵〜!ふぃ〜!じゃあじゃあ!買って帰ってすぐに絵を描いたのぉ?」
あー.....と声を漏らしながら蛙の子の真っ直ぐな視線から目を逸らす。
「いや...まだ使ってないんだよねぇ〜...その絵の具。なんだか勿体無くって...」
「えぇ!!まだ使ってなかったのぉ!?...ヘレナさんその絵の具って何歳の時に買ったのぉ〜...?」
恐る恐るといった様子だ。無理もないだろう。目の前の自分の飼育員は20歳になる成人女性だからだ。
「えっとぉ...5...5歳...かな?....15年間使ってない絵の具かぁ....まぁ油彩だし使えるかぁ...」
思い出の中の、あの手のひらの中で確かに光っていた輝きを......確かあの青色は....
「よーし!ヒビキちゃん!!泳ごう!私も絵描いてたら汗かいてきちゃった!」
バッとシャツとズボンを脱ぎ捨て、下に着ていた水着だけになる。
「ふぃっ!?い、いーけどぉ〜...絵はぁ〜?まだ完成してないけどぉ....?」
蛙の子がキャンバスを覗き込む。そこにあるのか疑わしい程に背後の風景に馴染み、絵の中の木々や川の流れも、動作があるように錯覚してしまう程であった。しかし
「....?やっぱり完成してないよぉ?だってほらここぉ....」
絵の一部分を指差す。そこだけは白のペンキを空間にぶち撒けたかのように手付かずだった。
「そこは後で仕上げるからいいんだよぉ〜!ほらヒビキちゃん!泳ぐよぉ〜!どっぼーん!」
少し小高くなってる場所から勢いよく飛び込む。水色の髪が宙になびき、キラキラと空に反射する。
「あー!ヘレナさん待ってよぉ〜!ふぃ〜!どっぼーん!」
観る者が居なくなれば、その絵の動きは静止する。水の流れも樹々のせせらぎも。ただの空白であったその部分だけは依然変わりなくぽっかりと口をあけている。
後で、あの絵の具を使おう。
そう。その塗っていないその部分。ぽっかりと口をあけている石灰を詰めた袋みたいな、その部分にあるべき、見えるべきモノは“空”
私の髪の色と同じ、薄い水色の絵の具。
ショーケースで見た時に、一目惚れしたあの色。死んだ母親の髪とも同じ美しい色。
きっとお母さんはそれを分かっていたんだと思う。だから、すぐに買ってあげるんじゃなくって、自分で一生懸命頑張って、それを自分の力で手に入れさせようとしたんだ。
そうだ。両親が死んで辛くてどうしようもなかった私を支えたのはそういう優しい“想い出”だったんだ。
胸に想い出を抱いていたからこそ、今日を超える明日を楽しみに生きて来れたんだ!
シンノウへ帰ったら、ヒビキちゃんと一緒に空を塗ろう。
あの子にも、想い出を沢山作って貰いたい!本当に苦しくって、辛い事があったとしても、壊れそうな心をきっと想い出が満たすから....!
名前:トゥーリア・アドゥシール・コントゥーラ(Tuulia Adoucir Kontula)
性別:女性
所得管理権限:1
所属:カントーエリア-ジャパリ・蛇族研究所
人物: 彼女はジャパリ・蛇族研究所に所属しているフィンランド人女性で、ジャパリ・蛇族研究所においてリンカルス「アウラ」の専属飼育員として勤務しています。彼女は「アウラ」と協力して採毒実験を担当し、様々なパフォーマンスを行っています。
彼女が行うパフォーマンスは
- 採取カップをジャグリングしそれにアウラが射撃する。(通称:ジャグリング)
- アウラが彼女に向かって射撃し、それを採取カップで受け止める。(通称:デスマッチ)
- 採取カップを投げアウラが射撃する(通称:クレー射撃)
- etc…
などがあります。
また、彼女は採毒実験を行う際には安全面を考慮し特殊作業着を装備し臨みます。この装備は来場者から「作業着が怖すぎる」という苦情が相次いだ為、「トゥーリア氏は実験開始前に素顔を来場者に晒さなければならない」という決まりが作られ、それ以降は苦情は一切無くなりました。
彼女はいくつかの特殊車両免許やヘリの免許などを取得しており、有事の際には彼女が操縦するヘリによって現場に急行することがあります。また、彼女はアウラとの生活の中でリンカルスの毒に対する抗体を得ており、これもアウラが安心して彼女と接する事ができる要素となっています。
また日本語をフランスで独学で学んでおり、普段の会話や通常の業務など全て日本語で行っています。
アニメって凄いのよ!日本語の勉強にピッタリなんだから! -トゥーリア飼育員
性格:思いやりのある性格で、悩んでいる人物は見逃せない性情を持っています。この性質は主にアウラに向けられ、彼女はアウラの良き相棒兼相談相手となっています。
彼女がアウラの担当飼育員となってからのアウラの勤務態度、生活態度は劇的に改善され、またメンタル的な問題も同時に解決されました。これは彼女の相手を思いやる能力が要だと考えられており、彼女には例外的に寮、またアウラの私室への合意のもとでの立ち入りを許可されています。
彼女の過去について:彼女の両親はフィンランド人ですが、フランスで生活していました。彼女の両親が不慮の事故で亡くなった際に彼女ともう1人の妹は身寄りが無かった為、両親が懇意にしていたフランス人夫妻に引き取られ養子となりました。アドゥシールはそのフランス人養夫妻の姓です。
幼少期にパークの存在を知り、妹と共にパーク職員を志すようになり、20██年、それぞれパーク内施設の職員となりました。
映像記録(20██/█/1█) この映像はリンカルス「アウラ」との会話を記録したものです。 トゥーリア:アウラ、今日はお疲れ様。結構調子良かったんじゃない? アウラ:ん…ああ、うん。今日は…調子良かったかも。 トゥーリア:ん~?なーに、やけに素直じゃない~?どうしたぁ~?いい事でもあったのぉ?[アウラの頬をつつく] アウラ:バッ…!やめろって!…いやさ…あんたと観た映画の動き…あれ参考にしたらもっと動けるになったんだ…[恥ずかしそうにうつむきながら] トゥーリア:…!ふふ、なら今日も一緒に映画いっぱい観ましょうか。私これ片付けたら暇だし。 アウラ:ほ、本当か!?あっ…んんっ!あ、あんたが観たいってぇんなら、付き合ってやってもいいけどぉ? トゥーリア:素直なんだか素直じゃないんだか…ふふ、まぁいいわ。じゃあ、片付け終わったら寮に行くから好きなの選んで待っててね。ポップコーンはキャラメルがいいな。 アウラ:お、おお!じゃあ、用意して待ってるからな!早く終わらせて来いよ!![急いで退出する] トゥーリア:そんな焦んなくってもいいのにって、行っちゃった。ふふ、あの子も変わったわね。素直じゃないけど可愛い事言うようになっちゃって。まぁ元々可愛かったけど…ふふふ。 終了 |
音声記録(20██/█/██) これ音声記録は植木所長との会話を記録したものです。 植木:……… トゥーリア:…… 植木:……… トゥーリア:……あの…… 植木:……… トゥーリア:所長…一体どのようなご要件でしょうか…? 植木:………… トゥーリア:所長…? 植木:…礼を…言いたくてな… トゥーリア:礼…?私、なにかしましたか? 植木:アウラについてだ… トゥーリア:アウラ…あの子が…どうかしましたか? 植木:ふっ…よく笑うようになった…君が来てから…ありがとう…感謝する… トゥーリア:ああ…あの子は…相談相手が欲しかったんだと思います。悩みや不安を吐き出せる相手が。彼女が前進したからこそ、ですよ。私の影響ではありません。 植木:そう謙遜するな…なんせ今まで担当してきた者達には一言も会話をしようとしなかった。アニマルガールとは話せるには話せるのだが…やはり人間は苦手だったようだ… トゥーリア:…彼女の出生は把握しています。私には、あの子を放っておく事が出来ませんでした。 植木:…君が似たような境遇だったからか…? トゥーリア:そうかもしれません…彼女の孤独が、不安が、私にはよく分かる…でもあの子の方がもっと辛かったと思います。私には妹がいる、でも彼女は独りです。 植木:… トゥーリア:ですから、例えあの子が私を突き放そうとも、私があの子を突き放す事だけはしてはいけないと、そう胸に刻んでいます。 植木:…ふふ…やはり君をアウラの担当飼育員にして正解だったようだ… トゥーリア:ふふふ…光栄です。 植木:…最後に1つ…君は彼女と接する際に一番何を意識している…? トゥーリア:愛情です! 終了 |
トゥーリア氏と関わりのある人物
[N/A]
映像記録(20██/█/██) これはカジカガエル「ヒビキ」との会話を記録したものです。 ヘレナ:ヒビキちゃぁ~ん!おっつかれさま~!今日も可愛い歌声だったねぇ~!バッチグ~![サムズアップ] ヒビキ:ありがとぉ~!ヘレナさんの特訓のおかげだよぉ~! ヘレナ:もぉ~!ヒビキちゃんの努力の賜物だよ~!えらい!ヒビキちゃんえらい! ヒビキ:へへへ!ありがとぉ~!ヘレナさん大好きっ! ヘレナ:うぇへへ!私もヒビキちゃんの事大好きだよぉ~!よ~しご褒美タァ~イム!何がいいかな何がいいかな♪[小躍りしながら歌う] ヒビキ:なにがいいかな♪なにがいいかな♪ ヘレナ:てれてれてん! ヒビキ:海藻サラダっ!! ヘレナ:フゥ~![ヒビキとハイタッチする] ヒビキ:ふぃ~!ヘレナさん大好き~![ヘレナにハグする] ヘレナ:ああっ!ヒビキちゃんっ!嬉しい!嬉しいけど!!倫理規定がっ!!! ヘレナ:まずいまずい記録ゥ~!!![ノイズ] 終了 |
会話記録(20██/██/██) これは彼女がパーク内で迷子を保護した際に保護者の到着を待っている間に記録されたものです。 ヘレナ:お母さん来てくれるって!よかったねぇ~![少女の頭をわしわし撫でる] 女児:うぇええん!!おがぁあさあぁああん! ヘレナ:あぁ~、不安だよね怖かったよねぇ~もう大丈夫だよぉ~我慢してた分いっぱい泣いちゃおうねぇ~… 女児:うぅう~うぅう… ヘレナ:君は偉いよ!つよいね!頑張ったんだから今は声を上げて泣いてもいいんだよぉ~! 女児:うぁあああん!ああああ![ヘレナに抱きつく] ヘレナ:よーしよしよし[背中を摩る]お母さんに聞こえるくらい泣いちゃおう! 女児:おがぁああさん!!おがぁあさああん! ヘレナ:今は不安でいっぱいだろうけど、またパークに来てね!私はいつでも君を待ってるからさ![摩りながら] 女児:うぅう…ずずっ…うん ヘレナ:おっ、私嬉しいなぁ~!いつでも、パークは君を待っています! 女児の母親:██!ああ!よかった…!ありがとうございます! 女児:おかーさん!おかーさん!! ヘレナ:良かったねぇ~、お客様のお子さんは強い子ですね!またパークに来てくださいね! 終了 |
プルルル… あっ、お姉ちゃん?今度のさ、パパとママのお墓参り行くのに休みとれた?…よかった。じゃあその前々日くらいにそっちにいくから送ってってね。 …うん、うん、大丈夫だよ。みんないい人ばっかりだし。そっちは?…ふふふ、そうなんだ!あの人たちもやんちゃだから、大変そうだね! 今度の近況報告はとびっきり長めになりそうだね。……うん…あのテロからもう何年経ったのかな…私が3歳の時だったっけ?…覚えてないよね…うん…大丈夫…昔みたいに泣いたりしないから大丈夫だよ。…うん。 おばさまにも会うのが楽しみだよ。今度、パークに招待しちゃう?ふふふ、うん、きっと喜ぶよ。恩返ししなきゃね。私達。 じゃあ、そろそろ寝るね。おやすみ、お姉ちゃん。…大好きだよ。 ブツッ |
ヘレナ氏と関わりのある人物
胸の唄を一緒に歌おうよ!
動物名: カジカガエル
愛称: ヒビキ
所属:リバーパーク-シンノウ-渓流エリア
アニマルガール概要: 彼女はリバーパーク「シンノウ」の渓流エリアに所属し、施設内キャンプ場や旅館水媒花にて不定期イベントとして合唱会を開催しているアニマルガールです。彼女の歌声は非常に美しいと評判で、また彼女も多くの人々と合唱を行えることを喜びとしており不定期のイベントですが、かなりの高頻度で行われています。彼女の唄を聴いた人々は彼女の歌う唄を知らなくても何故か歌詞が分かると説明し、これにより大人数での合唱を可能にしています。
また、彼女は蒸した空間が嫌いで室内より屋外を好みます。彼女の姿が見当たらない時は河周辺を探すと大抵の場合、河に浸かりながら歌っている姿を発見する事ができます。
彼女の性格は非常に活発で社交的ですが、大勢の前だと快活なのに反し少数に対してはもじもじしてしまうという不思議な性質を持っています。これにより合唱会が終了した後の交流会で彼女は1人1人に応対することが出来ず、いつもスタッフか仲の良いアニマルガールに全て任せてどこかへ消えてしまいます。しかし、懐いているスタッフにはべったりで付いて歩いている所を目撃される事が多々あります。
彼女は暴力的な人間やアニマルガールをあまり好んではいないのですが、正しい力の使い方をする者や仁者は好きなようで、即興の応援歌などを作製し応援します。鹿のアニマルガールの友人が多く、「河鹿だから鹿さんとも仲いいんだよ~]と彼女は説明しています。
彼女の持っている指揮棒はけものプラズム製で、非常に頑丈ですが過度な負荷をかけると折れます。サンドスターを消費して修復することが可能ですが、折れた際のヒビキの精神的ショックを考慮した場合あまり折らないように使用、実験する事が推奨されています。
野生解放能力:彼女の髪飾りが光輝き、ぶつかり合うことで様々な音が生成されます。この時に彼女と一緒に歌うことで様々な効果を得ることが出来、「鳥獣狂騒曲」と呼称されています。この効果は歌う人数や声量によって比例し、また歌う対象(以下、奏者と呼称)同士の親密度によっても変化します。また、歌詞はその時の心象によって変化するようで喜怒哀楽のバリエーションが存在しています。(下記の表を参照)
この効果を得られるのは歌っている間だけである為、奏者は一部の曲目、間奏などを除いて常に歌っていなければならない為特別な訓練を受けた人間かアニマルガールでなければ長時間の野生解放能力の恩恵を受けることは難しいです。
彼女は野生解放能力を使用した後の数時間は彼女の喉が枯れ、喋る事や歌う事が困難になる為、精神的ストレスも考慮し滅多なことでは使用しません。
曲目/人数 | 少数(ヒビキ含め5人以下) | 大勢(ヒビキ含め5人以上) |
---|---|---|
第一章”喜” | 奏者は普段の彼女の演奏を聴いた人々と同じような感想を主張し、野生解放能力としての効果はあまり認められませんでした。 | 奏者達は至高の幸福を感じ、精神的な活力の漲りや勇気を主張しました。また、メンタルチェックの結果、ストレス値が大幅に減少している事が明らかになりました。 |
第二章”怒” | 奏者は意欲的な態度を示し、声量が徐々に大きくなるなど歌う事に熱中した様子が認められました。 | 身振り手振りが大きくなり、非常に活動的な様子が見られました。アニマルガールに関しては一部に身体能力の向上が見られました。 |
第三章”哀” | 奏者は頭が冷え、集中する事が出来ると主張しました。またこの曲目に限っては歌っていない者にも効果が表れるようです。 | ██の際に彼女含め複数人のスタッフ、アニマルガールがこの曲目を合唱し、会場内でパニックに陥った来場者達全員の沈静化に成功した事例が記録されています。 |
第四章”楽” | 第一楽章と同文 | 奏者は歌への快感を強く見出し、演奏が終了してからも数十分間歌い続けていました。 |
第五章”絶唱” | 効果は認められず | 同左 本当に大事な物を守る時に、一緒に歌おうね |
-本人インタビュー ██飼育員:じゃあヒビキちゃんインタビューするよ~、…緊張してる? ヒビキ:えっ!…うん…なんか恥ずかしいなぁって…へへへ ██飼育員:リラ~ックス!じゃあいくよぉ~、好きな物とかある? ヒビキ:えっとぉ~…歌う事!あっこれ物じゃないね、へへへ…うーん、あっ、この指揮棒![指揮棒を振る] ██飼育員:そういえば指揮棒すっごい大事にしてるもんねぇ~、なんでかな? ヒビキ:えっとね!これを振ると、みんなと心がひとつになってるなぁ~って感じられるから! ██飼育員:いいねいいねぇ~!胸の歌だね~! ヒビキ:うん!みんなと歌うととっても楽しいの! ██飼育員:うふふ、よーしじゃあ次の質問!おっ、ヒビキちゃん趣味は何かな~? ヒビキ:歌うこと! ██飼育員:いえ~い![ヒビキとハイタッチする] ヒビキ:ふぃ~! ██飼育員:じゃぁ~ヒビキちゃんが今頑張りたい事とか、なにかあったりするかなぁ? ヒビキ:えっとぉ~、恥ずかしいんだけどぉ…初対面の人ともちゃんとおしゃべりできるようになりたい! ██飼育員:ヒビキちゃんいつも隠れちゃうもんねぇ、でもほら歌ってる時は初対面の人でもちゃんと通じあえてるじゃん?私、ヒビキちゃんのそういう所凄くいいなぁ~って思ってるよ? ヒビキ:へへへ…ありがとぉ~、でもちゃんと面と向かっておはなしは出来ないからもっと頑張りたいなぁって思うの。 ██飼育員:そっかぁ…ヒビキちゃん偉いねぇ…私も手伝うよ! ヒビキ:ありがとう!██さん! ██飼育員:ふふふ…あっ、もうこんな時間!よーし、えらいヒビキちゃんには美味しいものいっぱい食べさせちゃうよぉ~!何がいいかなぁ~? ヒビキ:ほんとぉ!?やったぁ~!えっと、えっとね!海藻サラダ!! ██飼育員:おたく渋いねぇ~!よーし食堂まで競走だぁ~!うひぃ~![慌ただしく退出する] ヒビキ:あっ!フライングずるーい!まってまって~!ふぃ~![慌ただしく退出する] -記録終了 |
動物情報
ここらへんにウィキ画像
学名:Buergeria buergeri
属:アオガエル科カジカガエル属
分布:日本(本州、四国、九州、五島列島)
情報:体形は扁平で岩の隙間に隠れるのに適しているよ。また、体色も灰褐色だから岩に保護色になっているんだよ。岩に張り付くために手足には吸盤が発達しているよ。オタマジャクシも渓流の環境に適応して口器は大型で吸盤状になっているんだよ。
幼体は藻などを食べて生活し、成体は動物食で蜘蛛や昆虫などを食べるよ。
オスは繁殖の際に美しい繁殖音をあげるんだよ。これが雄鹿の鳴き声に似ていることから和名の「河鹿」になったんだよ。河鹿は夏の季語になっていて、昔から日本人に親しまれて和歌や俳句なんかにも登場していたんだよ。
ペットとしても親しまれているけど飼育が難しい部類の両生類なんだって、それに蒸れに弱いから通気をしっかりしないといけないんだね。
カジカガエルは1936年に山口県の岩国市が、1944年に岡山県湯原市が特別天然記念物に指定したんだよ。
(画像はWikipedia)
…なに?近寄らないでよ…眼、見えなくなってもいいの?
動物名:ドクハキコブラ(リンカルス)
愛称:アウラ
所属:カントーエリア-ジャパリ・蛇族研究所
アニマルガール概要:彼女はジャパリ・蛇族研究所に所属し、月、水曜日に毒蛇温室での採毒実験を担当しているアニマルガールです。彼女の行う採毒方法は、採毒カップに射撃するという方法で、当施設で一番の人気を誇っています。彼女の放つ毒弾は皮膚、衣服には浸透しますが、他の材質には貫通しない性質をもち、特殊防毒服を着衣した状態で採毒を行えば安全であると証明されています。(別紙、特殊弾装貫通実験記録群を参照)
彼女は首に研究所が装着を義務づけている計測器を着けており、また両手首にも同様に装着しています。これは、彼女が毒弾を発射する際、首の計測器だけでは毒の分泌を検知出来ない為です。
彼女の性格は非常に無気力で喧騒を嫌っていますが、孤独を好んでいる訳ではないようで、よくシアタールームで他のアニマルガールと映画を観ている所を目撃されています。彼女の好きな映画はガンアクションとカンフーです。(コモンキングヘビのラーミラと映画の趣味が似ているため、一緒に鑑賞している姿がたびたび見受けられます。)
彼女はジャパリ・蛇族研究所において最古参のコモンキングヘビ「ラーミラ」アオダイショウ「ムサシ」に比べてかなり新参者であり、その為彼女らを姐さんと呼び若干ウザがっている慕っています。
彼女は普段、運動場へはあまり出ませんが、銃を利用した近接格闘術の鍛錬を行う際には特別な許可を得て手慣れなアニマルガール達と模擬戦を行っています。後述のとおり、安全面を確保された模擬戦でありますが、事故防止の為、模擬戦が行われている最中は運動場内はアニマルガール、及び職員の立ち入りは制限されます。
彼女の携帯しているけものプラズム製二挺拳銃には銃剣が取り付けられており、近接格闘を行う際に使用されます。この銃剣には常に出血毒が塗られている為、模擬戦では特殊な鞘を装着する事を義務付けられています。
また、二挺拳銃から発射される毒弾の主成分は神経毒で、彼女の意思で毒の分量の調節が可能である事が確認されており、最低量では麻酔弾と同様の効果が得られます。模擬戦ではその最低量の毒弾を使用し、また対戦相手のアニマルガールも急所を保護するプロテクターを装備します。万が一に備え、彼女の毒に対応した血清を常備しておくことで不測の事態にも対応できるように対策されています。
野生解放能力:けものプラズム製二挺拳銃がガトリングガンへと変化し、サンドスターが尽きるまで射撃を続ける事ができ、「MAD MAIDEN」と呼ばれています。留意すべき点はこの技は毒の量を調節出来ず、また毒弾はサンドスタージャケットされており、貫通力が段違いに上がっています。また発射後の弾丸には小型の刃が展開され、僅かに掠っただけでも毒が注入されてしまう為、彼女が野生解放を行う際には特別な許可が必要です。
また、野生解放を行った後にはサンドスター欠乏症に陥り、早急な補給、また3日間の休養が必要になります。
(✽研究資料:右図射撃前 左射撃後)
名前:植木 源十郎(うえき げんじゅうろう)
性別:男性 年齢:60歳(20██年現在)
所得管理権限:4
所属:ジャパリ・蛇族研究所 所長
所在:カントーエリア-ジャパリ・蛇族研究所
人物:植木所長はカントーエリア中心部の所在するジャパリ・蛇族研究所の所長を務める男性です。彼は元々、国連蛇族学術総合研究所に勤めていましたが、仕事の正確さや業務態度の真面目な点を評価され、小笠原群島特別区に国連蛇族学術総合研究所の支部を設置する際に支部長として任命されました。
204█年、運営権がパーク地方管理センター-カントーエリア管理局に譲渡され、204█年に国連蛇族学術総合研究所支部を「ジャパリ・蛇族研究所」と改めた後もそのまま所長を勤め、現在にいたります。
植木所長の人物像としては、剛毅朴訥の至誠の人と評され、非常に寡黙です。しかし、あまりにも無口でしかも顔が濃く強面な為、初対面では怖がられることが多いです。しかし、彼の性格は非常に温厚であり、かつての同僚で彼の激高した姿を見た者はいないと言われています。
仕事を溜めることは一切なく、全ての業務を迅速かつ正確に完了することに定評があります。空き時間にはアニマルガール達の仕事ぶりを見る為に研究所内を巡回しています。アニマルガール達からは「なんだか恥ずかしくて仕事しにくいからやめて欲しい」と要望が多数ありますが、植木所長は「授業参観の様で楽しい、それと私には監視責任がある」と反論し巡回を強行しています。
また、植木所長は大のヘビ好きであり、所長に就任する以前から数多くのヘビ、また許可を得て毒蛇なども飼育していました。現在はヘビのアニマルガールを娘のように大事にしており、アニマルガール達からも「オヤジ」や「オっさん(オヤジさんを略した呼び方)」と呼ばれるなど堅い信頼関係を築き、映画を一緒に鑑賞し、運動場でアニマルガールとランニングを行い、その中で要望や相談をしたりなど近い距離で接しています。
オっさん。観たい映画があるのですが、仕入れて貰えませんか?これなんですけど…。-コモンキングヘビ「ラーミラ」
…あいわかった。…おお…面白そうだな…俺も観たくなってきたぞ…。-植木所長
オヤジ殿!良い画が描けたぞ!一世一代の名画だ!見てたも!!-アオダイショウ「ムサシ」
…おお…破墨山水図だな…?…見事だ…。-植木所長
-本人インタビュー Q,まず、名前を確認します。植木 源十郎さんで間違いないですね? A,[黙って頷く」 Q,はい、では次に何か好きな物などはありますか? A,[10秒ほど沈黙]…AG用の質問と間違えてはいないか? 蛇だ。昔から蛇が大好きで仕方が無かった。…これでいいか?[再び黙り込む] Q,…次に、あなたの趣味を教えてください。 A,映画。…面白そうならなんでも観る。 Q,では、今の職場について何かお聞かせ下さい。 A,[5秒ほど沈黙]良い職場だよ…天職だ。[微笑] Q,AGについてはどう思いますか? A,…彼女達は実に素直だ。[再び黙る] Q,…ではインタビューを終了します。ありがとうございました。 A,…ふぅ…私はどうにも口下手でな…もし今日のインタビューで気を悪くしたなら、その…すまない。[頭を下げる] Q,いえいえ、気にしないで下さい。 〈記録終了〉 |
何が起こったのだろうか。私の眼前では恐ろしい巨塊と華奢な1人の少女が戦っている。
何故こうなったのだろうか。霞が掛かった頭ではマトモな思考は出来やしない。
少女が悲痛な声で叫ぶ。早く逃げて、と。周囲からは少女が戦っている怪物と似たモノがぞろぞろと集まってくる。
ここで私はようやく理解した。彼女が私をあの怪物から助けてくれたのだと。冷静になった瞬間、例えようもない恐怖が私を襲った。もつれる足で駆け出す。一心不乱に。
目覚めたばかりの頭では自分の生きることしか考えられない。私は最早、助けてくれた少女の事すら忘れ去っていた。いや、或いはしっかりと覚えていて、彼女を一種の心の支えとして無意識下に記憶していたのかもしれない。
ふと、後ろで鈍い轟音が響いた。あの少女が怪物の強打に吹き飛ばされてしまったようだ。彼女はゴム毬のように私の近くまで転がってきた。私はここでやっと自分の愚かさに気付いた。自分の身の可愛さあまりに盲目となってしまっていた。今なら彼女と共に逃げ切れるかもしれない。彼女の下に駆け出し、拙い言葉を紡いだ。
「ねぇ!あなた、いっしょに、いこ!あれからにげよ!」
彼女はニコリと笑った。傷だらけの腕を私の顔に伸ばし、頬に触れた。彼女の言葉もまた拙いものだった。
ここに挿絵
「ごめんね…わたし、もうダメみたいなんだー。でも、きみはうごける。にげて?」
私には分からなかった。理解できなかった。彼女は何故そうまでして私を逃がしてくれるのだろうか?疑問は尽きない。彼女の最期が近付いていることに本能が気付いてしまう。声が震える。
「どーして、わたしを、たすけてくれたの?」
彼女はぐったりした目をゆっくり開きながらまたニコリとして笑う。血で濡れた唇を微かに動かして。
「なんでだろうね…でもね、きみを見たら、助けなきゃ!っておもったんだ。よくわからないけど、これはきっと…」
少女の目が力無く閉じる。体温が徐々に下がっていく。私の体にある器官がそれを残酷すぎる程にはっきりと私に教えてくれた。
さっき私の頬に触れた手は確かに震えていた。彼女もまた恐怖を感じていたのだ、しかし彼女はその恐怖を克服し、私を助けた。彼女は私にとっては間違いなく英雄だった。彼女はよく知らない者の為にその身を投げ出すほどの、本当の勇気を持っていた。
ズシン、と大きな音が響く。あの怪物が此方の方へ、歩を進めてきたようだった。もう一度ズシンと音が響く。今度はあの怪物から出た音ではなかった。私の中から、心臓から、この音は出ていた。尻尾の鱗が全て逆鱗になり、耳のそばを通り抜ける風は不自然なうなり声をあげていた。
毛根は逆立ち、毛先が背後に居る確かな敵に向かって、その穂先を向けているようだった。筋繊維が異様に軋む。心臓が音を立てるごとに筋肉が膨らみ、まるでハリネズミのように膨張していた。目からは融けた鉄のような熱い液体が零れ、地面を焦がした。英雄を失ってしまったと同時に心の支えを失った精神は、自己の保護の為に新たな支えを必要としていた。そして、精神が見出したのは、究極の怒りであった。
眼前の敵を捉える。拳を握ると己の骨を軋ませる程に、拳は堅く強く握られた。燃えている炭の中に手を突っ込んだみたいに熱くなっているのは錯覚ではなく、実際に拳が高熱を放っているからだろう。深く息を吸い込むと、肺胞が尋常ではないほどに膨らんだ。怒気を孕んだ雄叫びが雷鳴のように大気を容易く引き裂く。
「うわあああああああ!!!」
挿絵
一歩一歩、歩くたびに身体は鉄のように締まる。出す足は粘土を踏んでいるかのように粘る。しかし、握った拳を叩き込む用意はしっかりと出来ている。耳のそばを通る風はやはりうなり声をあげている。敵が迫る。
巨塊は歪な前足を上げる。かなりの大きさだ。前足だけで私よりも何倍も大きい。
上がりきった柱のような足は真っ直ぐ私に向かって振り下ろされる。足が私に直撃する瞬間。
引き絞り続けた剛弓のような腕を、一気に解放した。
柱は思ったよりも簡単に砕けた。バランスを崩した怪物に拳を振るう。みるみるうちに巨塊は憐れな切片へと姿を変えていった。仇は討った。周囲を見渡すとこの怪物とよく似たモノ達がこちらに向かってくるのが見える。かなりの数だ。
雄叫びを上げる。獣性に支配された脳内は退避することなどすでに考えてはいなかった。怒り狂った獣が望むものは敵の屍で飾られた英雄の墓標なのだろう。
もう一度雄叫びを上げる。そして、凄まじい速度を持って敵陣、または死地へと強襲する。
彼女は兵法者ではない。したがって戦法も知らないし、ましてや戦い方すら知らなかった。ただ殴る、ただ蹴りつける。数多の敵を肉片に変えようとも彼女は、力だけが強い赤子のような戦い方をしていた。その為、彼女はどんどん疲弊していく。防御の仕方もままならない為、ダメージも蓄積する。
とうとう地に這いつくばるように倒れてしまった。彼女は元々蛇であったから這いつくばること事態は甚だおかしいことではないが、状態が問題であった。最早、指先一つですら動くことは叶わない。
一匹の怪物が高く跳躍する。このまま蛇の轢死体にするつもりか。回避は不可能。
(ここまで。だが私はやれることはやったはずだ)
彼女がもし、神や仏を知っていたのならここで念仏でもなんでも唱えていただろう。そこまで彼女は、心は、脱力しきっていたのだ。
「否ッ!!」
挿絵
「まだ諦めて良い局地ではないわ、このたわけがッ!折角拾ったその命、むざむざ捨てるような真似をするとは何事かッ!」
凛とした声が叱責する。見れば純白に輝く白蛇が敵を木っ端微塵に斬り飛ばしていた。いや、それより驚くべきことは、その白蛇の容姿が、先ほど死した英雄に酷く似ていたのだ。しかし格好がまるで違う。あの少女は刀など帯びていなかったし、それに髪の色は白くはなかった。ただ、眼が、勇気凛々と赤く輝くその眼は、確かにあの少女と一致していた。
言葉が詰まる。喜び、困惑、驚愕、様々な感情が交錯する。
「なんで?あなたは…」
声が掠れる。怒号を発し続けていた喉はすでに枯れ、満足に声すら出せなくなっていた。
白蛇は敵を睨みながら納刀し、腰に下げていた法螺貝を手に取る。
「動けぬのなら、手を貸そう。わしは元より貴君を助太刀する為に参ったのだ。この二刀の神器を携えて…今度は、今度こそは…君を…」
彼女は大きく息を吸い、法螺貝の吹き口にそっと唇を重ねる。
「有象無象共が! これが合戦の合図である!」
ブオオオオオオッ!!!!!!!
凄まじい爆音が轟く。骨の髄の髄まで震える。だが、体が不思議と動くようになる。闘志が滾る。力が漲る。脚に力をこめる。立てる。拳を握りこむ。握りこんだ分だけ活力が溢れてくる。
「動けるか? 動けるな、では戦いくさの始まりだ。ここが我らの関ヶ原だ! いざ、推して参る!」
彼女は前方にある敵陣に向かって走っていく、しかしその速度は走るというよりも最早飛んでいるとしか言えない様相だった。右側の敵を右手で抜いた太刀で撲る、と同時に左手で脇差を抜刀し、左側の敵を撫でる。ふた振りの刃が縦横無尽に踊り狂う。動きに一切の無駄は見えない。振る刃の一つ一つの動作が全て必殺の一撃となっていた。
放心していた蛇もそれに続く。だが蛇が向かうのは先ほどまでの死地ではない。彼女はもう孤独に戦うわけではなかった。腹の中が煮えくり返るような感覚はもうない。怒号を上げ続けなければ狂ってしまいそうな気もしなかった。
心境の変化は戦い方にも表れていた。無垢な赤子のような戦い方ではなく、四肢を連動させ、脚で踏み込めば力を拳に伝え、拳で攻撃を受ければ脚で衝撃を吸収する。身体は恐ろしく熱を発していたが、心はどこまでも澄み切っていて、ただただ冷静だった。活力が無限に溢れているような気もしたし、力は先ほどの戦闘よりも大いに滾っていた。
一颯!また一颯!白い影は飛び散る欠片から欠片へと飛び移っていく。黒い影もそれに倣い、強打、猛打を振るう。敵は烈風のような白刃と暴風雨に似た鉄拳に散らされる羽虫同然だった。
「「貴様で終わりだッ!」」
敵は全て斃した。二人の足元には無数の歪な生命の残滓が転がっている。ほぅと息を吐くと、身体を覆っていた怒気が消え去る。白蛇の方を向くと彼女も身体を覆う白い聖衣を空に霧散させていた。こちらを振り向き、ニコリと笑う。
「中々、戦い方も様になっていたな、この地方の大掃除と、わしの初仕事は完了した。我々の勝利だ」
目を見張った。
その蛇の姿は今度こそ本当にあの少女と瓜二つになっていた。服装や帯刀している点などは違うが、髪型や髪の色、模様までもが全て一致していた。やはり、この蛇はあの少女だったのか?しかし、彼女は確かに私の腕の中で息絶えたはず。
驚愕して言葉が詰まる。声を出そうとするが掠れた空気の漏れる音しか聞こえない。乾いた喉とは対照的に、目頭はどんどん熱を持ち、溢れる。駆られた衝動に抗うことなど出来ない。特に、この手の感情には。彼女の胸へと飛び込む。
「ホ、なりはわしより大きいのに幼子のようだなぁ、まぁ良い。わしも丁度こうしたかったのだ」
涙は止まらない。彼女から汗の匂いがする。それがまた私を酷く安心させる。生きていて良かった。また会えた。
「なんで…どうして…あなたは…あなたは…」
上手く喋ることが出来ない。しゃくり上げることしか出来ないのがもどかしい。
「…これは、愛だ。君から教えてもらったんだ」
彼女は私を強く抱きしめる。
挿絵
20██年/█/██詳細記録郡
当施設で初めてアニマルガール化が確認されたのは旧屋外飼育施設で展示されていたアオダイショウでした。同個体の協力の下、アニマルガール化した毒蛇類の一時的な収容を完了し来園者の安全を確保する事ができましたが、同時発生した特定特殊生物郡によって還元され、再度サンドスターが衝突することで復活しました。この事態はアオダイショウと遅れてアニマルガール化したコモンキングヘビによって鎮圧されました。
この異例の事態でも従業員らに負傷者が出なかったのもアオダイショウの協力と迅速な対応のお陰だと評されており、この事件に遭遇した従業員らは口を揃えて彼女を「鎮守の神の使いだったのかもしれない」と話しています。
アニマルガール情報
「悪い子は食べちゃうわよ~?」
動物名 コモンキングヘビ
愛称 ラーミラ
所属 カントーエリア-ジャパリ・蛇族研究所
アニマルガール概要彼女は主に血清の製造・保管や蛇類アニマルガール達の研究を行っている施設「ジャパリ・スネーク研究所」において他のアニマルガールの教育係や施設内の巡回警備を担当しているアニマルガールです。また、同施設では来園者とアニマルガールの交流や爬虫類についての教育も行われており、気性の荒いアニマルガールと来園者のトラブルを未然に防ぐ目的で監視員も担当しています。
元の動物が蛇食いであった為か蛇類のアニマルガールからは恐れられており、前述の監視員としての役割も彼女の持つこの性質を利用したものです。彼女自身もそれを楽しんでいるようで、よく同施設のアニマルガールを脅かしている様子を見ることが出来ます。性格はサディストの気がありますが穏やかな性格で常に敬語口調です。また大食漢で過去に好物の焼きジャパまんを他のアニマルガールに横取りされた際には██を行なった為、以降彼女には専用のジャパリまん保管庫が用意されました。
常に飄々としており、施設内を神出鬼没していますが仲間意識が強く、他のアニマルガールになんらかの危難が生じた場合、それを排除することに尽力します。また、よく「パークでの生き延び方を学ぶ」と称して他のアニマルガールと映画を観ている所を目撃されていますが恐らく彼女の趣味であると思われます。(彼女の好きな映画のジャンルはカンフー映画です。)
彼女は警棒に酷似した武器を所持しており外見上は金属質な光沢や質感を示しますが、けものプラズム由来の性質を持っており硬度や大きさなどは本人によって調節可能なことが確認されています。しかし、巨大化や過度な硬化はサンドスターの消費が激しく、通常時は一般的な警棒と同サイズ、硬度で使用しています。また、コートの側面に装備している1本の他にコート内にもう1本携帯していますが普段は使用していないようです。彼女曰く「銃ではないけど、コンシールドキャリーってなんだかカッコいいじゃない?」とのことなので、重要な理由などはないと思われます。
野生解放能力:現在、彼女の野生解放能力は実験の拒否などの理由から確認されていません。しかし、彼女の野生解放能力の影響を受けたことのあるアニマルガールにインタビューを行ったところ「大量のセルリアンに襲われていたが、気が付くと全て倒していた。なんだかとても怒ってた気がする。」という情報が得られた為、彼女の野生解放能力は恐らく周囲のアニマルガールを狂暴化させる効果を持つものだと考えられます。
また、野生解放能力との関係性は不明ですが彼女は緊急時のサンドスター補給にセルリアンの欠片を摂取することが確認されています。しかし、摂取後に体調不良を訴えた記録があるため窮地を脱する一時的なドーピング的行為だと考えられています。
「あんな不味いもの進んで食べようなんて思う訳ないでしょう?あんなの毒にしかならないですよ。」-ラーミラ
アニマルガール情報
動物名 アオダイショウ
愛称 ムサシ
所属 カントー-ジャパリ・蛇族研究所
アニマルガール概要:彼女はジャパリ・蛇族研究所に所属し、月曜日から木曜日の大蛇温室での解説コーナーを担当しているアニマルガールです。彼女の行う講義は武士道や禅について説くものが多く、一般の来園者からは不評が多いのですが子供や日本国籍以外の来園者などからは好評で、希望者が多数あれば剣術体験ツアーなども組まれることがあります。
彼女は喋り方や普段の様子から真面目で厳格な性格をしていると思われていますが、茶目っ気があり寮などではよく他のアニマルガールにいたずらをしている所を見ることができます。また、興味を引かれるものに対しては情熱的で最近は水墨画や陶芸などにも手を出しているようです。
彼女は座右の銘を「義を見てせざるは、勇無き也」としており、施設内で行われるあらゆるマナー違反や不正に対して彼女は非常に敏感でそれを正そうと行動します。これは彼女の中の正義感に基づいて行われ、彼女の信念となっています。
また、ラーミラ(コモンキングヘビ)と寮のシアタールームで映画を観ている所をよく目撃されています。彼女は時代劇を好み、映画の他、ドラマや小説なども鑑賞しています。きっかけは不明ですが、彼女はラーミラを人一倍慕っており、またラーミラも彼女を一番の親友としています。
よく寮に併設されている運動場で彼女らがチャンバラを行っていますが決闘や喧嘩などではないので、過激になった場合を除いて所長には報告しなくても良いものとされています。
彼女は刀に酷似した武器を所持しており、道中差と説明しています。無銘の刀で、切れ味は彼女のさじ加減で決めることができ、普段は事故防止の為ほぼ金属製の棒のようになっています。また、万が一欠けたとしてもサンドスターを消費すれば修理が出来るようで、性能テストなどで彼女の刀が折れたことは一度もありません。他にも彼女は笛を携帯していますが、これは武器ではなくただの趣味だそうです。
野生解放能力:彼女の持つ笛を吹くことで音の聞こえる範囲内のアニマルガール達に身体能力向上の効果をもたらします。希に笛が法螺貝へと変化していますが、効果には差がないことが確認されています。
管理権限-4以上の職員のみ閲覧を許可する
アニマルガール情報
動物名 アオダイショウ(アルビノ)
愛称 武蔵
所属 カントー-ジャパリ・蛇族研究所
シロヘビは山口県岩国市で神の使いとして保護・崇拝されておりその概念がなんらかの形でパーク内へと持ち込まれた結果、サンドスターと反応しこの形態へと至ったものと推察されています。また、個体調査によりムサシへと変化したアオダイショウが山口県出身でアルビノのDNAを保持していたことも確認されており、野生解放によるシロヘビ化の要因の一つだと考えられています。
彼女の持つ技は守護けものや神に分類されるアニマルガールには劣りますが強力な威力を発揮する為、準守護けものに分類されており、またカントー地方対特定特殊動物郡及び特殊災害簡易対策プロトコル‘‘天羽々斬‘‘の主軸に組み込まれ、カントー地方内での小規模の特定特殊動物郡や特殊災害などの事態鎮圧にあてられます。プロトコル名は彼女の持つ太刀に由来し、彼女はこの刀を「あるお方から授けて頂いた。」と話していますが、持ち主については一切話そうとしない為誰から譲り受けたかは不明です。
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