ハツカネズミ(ヌードマウス) "ベア"

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◆アニマルガール概要


◇アニマルガール管理番号: M000000586223

◇基底種名: ハツカネズミ (飼養変種)

◇基底種学名: Mus musculus domesticus

◇基底種管理番号: C-00014627-EXP

◇個体識別子: #7112

[個体識別子#7112のAGA照合情報を閲覧する][転送します]

Animalgirls Genome Archive にようこそ。
AGAは20██年以降に発見されたすべてのアニマルガールのゲノム情報を格納しています。

個体識別子#7112の検索結果を表示します。
個体識別子: #7112
実塩基配列データ: [ダウンロード]

#7112はハツカネズミMus musculusのアニマルガールです。
Mus musculusの照合データ一覧を表示します。
現在、パーク運営事務局が把握しているハツカネズミのアニマルガール個体数は 5 です。

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                              
照合データ一覧
登録日 還元日 一致率 識別子
20██/09/13 N/A 1.0000000 Mus musculus 標準試料
20██/09/13 20██/12/11 0.9999893 #62
20██/09/13 N/A 0.9999734 #63
20██/09/02 N/A 0.9999362 #773
20██/07/31 N/A 0.9999752 #3212
205█/02/18 205█/06/10 0.9999884 #5290
205█/09/28 N/A 0.9999883 #5290
20██/05/27 N/A 0.9999237 #7112

† 205█/06/10に動物還元した際に平衡法の適用下にあった。サンドスター沈着の可能性あり: ███医師

◇所属: 学園都市区 - ジャパリ大学アニマルガール医学部附属病院 - 第3無菌室

◇呼称: ベア

◇飼育プロトコル:  現在当該アニマルガール(以下: AG)は『研究所名』の第3無菌室内にて保護されています。当該AGには一日に三度、オートクレーブ滅菌処理を施した固形食糧を与えて下さい。抗生物質のパッケージは毎週月曜日に交換させ、切らさない様にして下さい。睡眠・排泄に関しては無菌室内に併設されている設備を使用させるようにしてください。無菌室内への入室は必要が無い場合、一切禁止とします。※1カメラを用いた遠隔での面会は当該AGが拒否しない場合のみ任意の時間に行うことができます。この時当該AGのプライバシーに関わる内容への過度な言及は禁止とし、面会中の音声は全て記録されます。またどのような事情であれ、教唆を含む当該AGを無菌室外へ連れ出す行為は当該AGが還元される危険性を増大させるため、禁止されています。当該AGにはタブレット端末一台とデスクトップパソコン一台が与えられており、これらを自由に使用することが許可されています。

◇略歴: [編集済]

◇容姿: 当該AGはヌードマウスのイメージからか、発見時一切の衣服を身に着けていませんでした。その為当該AGは服を着ることを好まず、普段は患者衣以外の装身具を身に着けていません。頭部に薄くて丸いペールオレンジの耳があり、尻尾も同色です。髪の毛は明るい茶色でボブカットにしており、瞳は黒色です。必要上、右手に包帯を巻き、左目に眼帯を付けています。 

◇性格: 当該AGは若干の人見知りが見られますが、明るい性格をしており、誰に対しても友好的な態度で接します。所謂お人よしな性格のため頼み事を断ることはほぼありません。

◇特記事項: 特に無し

 

※1: 入室を行う場合、予定日の一週間以上前に理由と入室者名、時間を明記した上で管理者(20██/██/██ 現在、████氏が担当)に入室許可証を提出してください。予定日前日に入室者は簡易健康診断を受け、感染症に感染している可能性が無い場合のみ入室が許可されます。同時に入室できるのは3名までです。

 

◆基底種概要


当項目ではハツカネズミの飼養変種の一種であるヌードマウスについて記述し、ハツカネズミの生態の記述を省略しています。

ヌードマウス(英名: nude mouse)は胸腺の劣化もしくは欠損を引き起こす突然変異を持つ血統の実験用マウスです。胸腺の劣化あるいは欠損によりT細胞の著しい減少がみられ、結果として免疫系の正常な働きが阻害されています。移植に対して拒絶反応を示さないため、研究に多く利用されています。ヌードマウスは具体的には以下の様な免疫反応を起こすことができません。

  • CD4+ ヘルパーT細胞を必要とする抗体形成
  • CD4+ T細胞とCD8+ T細胞の両方あるいはどちらかを必要とする細胞性免疫応答
  • 遅延型過敏応答(CD4+ T細胞を必要とする)
  • ウイルスが感染あるいは悪性化した細胞の殺害(CD8+ 細胞傷害性T細胞を必要とする)
  • 移植片拒絶(CD4+ T細胞とCD8+ T細胞の両方を必要とする)

その為感染症などに自己のみで抵抗することができず、ヌードマウスの寿命は通常6カ月から1年程です。しかしながら無菌環境下であり、抗生物質を投与された状態ならば18カ月から2年程度と、通常マウスと同程度の長さになります。表現型あるいは主要な外観として体毛の欠如が挙げられ、この特徴からヌードマウスと名づけられました。

 

+[飼育員より]-[閉じる]

飼育員より飼育上の特記事項を追記させて頂きます。

その前に一つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな報告書であの子の可愛さが伝わる訳無いじゃないですか!!!
アホなんですか?!?!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、愚痴はこれだけにして普段の生活の様子などを書いていきますね。

まず彼女は免疫系の先天的な機能不全がある為、無菌室の外へ出ることは出来ません。なので体力が殆ど無いと言っても良いでしょう。普段はモニターを通して職員と会話をしたり、けもノートなどのSNSなどで交流したりしています。すごく聞き上手な子で、フォロワーなども多いみたいです。一部の職員からも人気があります。支給されているパソコンでゲームなどもやっているらしく、彼女曰く「世界のトップテンに入るくらいには上手い」とのことです。本当かどうかは確認がとれていません。また、彼女はあまり服を着たがりませんが(雑菌の繁殖を抑えるため毎日交換と消毒を行わなければいけないせいでもありますが……)、ゲームの中ではかなりファッションにこだわっている様です。

少しおっちょこちょいな所もありますが、きちんと言うことを聞いてくれるいい子です。特に私が難しいことを言ったときに一瞬見せるあのキョトンとした顔がたまらなく可愛いんですよ。あれはやばい。

好きなものも嫌いなものも特にないと言っていたので、そこらへんはあまり気にしなくても大丈夫です。必ず加熱殺菌しないといけないので、生ものが食べられないのは少し可哀そうですが……。この前クッキーをプレゼントしたら(勿論何重にも検査した上で、ですが)物凄く美味しそうに食べていたので、もしかしたら甘いものが好きなのかもしれません。表情がすごく可愛かった。

彼女が付けている眼帯と包帯は両方とも私がプレゼントしたものです。あまり取らせることはおススメしません。彼女はこのプレゼントを気に入ってくれたようで、私がいない時でもいつも付けているらしいです。あるMMORPGで中二病ロールをしていたのは、眼帯の影響なのかどうなのか……。微笑ましいからいいんですけどね。ちなみにこの前その時の中二病ロール中の音声記録を聞かせたら悶絶してました。やっぱり可愛い。

その時に聞かせた音声を添付しておきますね。黒塗りの人は一緒にゲームをしていた彼女の友人です。一応プライバシーとかもあるので黒塗りにさせてもらいました。

▶[再生]■[停止]

<再生開始 20    /06/13 23:21:46.77>

[ヌードマウス ベアはパソコンに向かい、コントローラーを操作している]

[ゲーム内の操作キャラクターの前に敵が現れる]

    : ボス~、敵が来ましたよ~

ベア: ふははは! このわたし  ヌスー・ドゥメィウ・ス  に牙を向けるか!

ベア: よかろう! 返りうちにしてくれるわ!

ベア: あとわたしのことは「邪王真眼を持つ狂王」と呼べ!

    : 長ったらしいからやです。

ベア: なんだと……! このわたし  ヌスー・じゅっ……!

    : 今噛んだよね、ぜったい噛んだよね……?

ベア: うるさぁぁぁい!!

    : あ! 部位破壊持ってかれた! ちょっとー!

ベア: さっさと始末しないからこうなるんだ。当然の報いと受け取るがいい……!

    : そういいつつも範囲回復撒いてくれるあたりさすボス

ベア: だーかーらー!! わたしのことは「邪王真眼を持つ狂王」と  

    : ん? どうしたん?

ベア: 高貴なるものの降臨を告げる鐘の音だ。我が肉体を操りし人格もいずれ永き眠りに堕ちるだろう……。

    : あーはいはい。そういうことねー、りょーかい。

ベア: ありがとうございます。でも、例え聞かれても絶対にさっきのこと言わないでくださいね……!

    : わかってますよー。

[ [編集済]が部屋内のモニターに写し出される]

[編集済]: ベアちゃんー!

ベア: はーい! 今ほかの人とゲームをしているのでしばらく待ってもらってもいいですか?

ベア: 恐らくすぐに終わりますので……。

[編集済]オッケー!

[編集済]: あっ、    さんですね!

[編集済]: いつもベアがお世話になってます。これからも仲良くしてあげて下さい!

    : いえいえ~こちらこそ~。よしっ、ベアそこにねじ込んで!

ベア: 言われなくても分かってます……!

[敵はエフェクトを散らしながら斃れる]

    : はい、おつおつ~。

ベア: お疲れ様でした。

    : それじゃあ我はこのへんでお暇するゾ☆

ベア: はい、ありがとうございました。

    : うむ、じゃあの。

[    がゲームからログアウトする]

ベア: ふう……。改めて、こんばんは。[編集済]さん。

[編集済]: こんばんは、ベアちゃん。

ベア: それで今日はどうしましたか?

[編集済]: いやいや、いつも通りお喋りに来ただけなんだけど……、もしかして眠い……?

ベア: そうですね……ちょっとだけ……。

[編集済]: それなら今日はもうお終いにしよっか。ゲームの邪魔しちゃってごめんね。

ベア: いえいえ、全然大丈夫ですよ。

ベア: それではおやすみなさい。

[編集済]: おやすみ~。

[モニターが消える]

ベア: …………。

[室内の照明を落とし、ベットに横になる]

ベア: 地に満ちる光の精霊よ、我が声に応え焔を灯せ。

[自分の手をしばらく見つめたあと、掛け布団に包まる]

ベア: おやすみなさい……。

<再生終了 20██/06/14 00:12:31.61>

 

それと…………、いやなんでもないです。

これで、終わりにしますね。

 

 

 

……………………。

 

 

 

 

……………………。

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱり、最後に一つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この資料を見ているということは、恐らくあなたは私の次か、更に後に彼女に配属された飼育員でしょう。

これは彼女の専属飼育員だった私からの最後のお願いです。

どうか彼女の傍に居てあげて下さい。

彼女に話をするだけでなく、彼女の話も聞いてあげて下さい。

あなたがもし高い管理権限を持っているなら、この報告書の完全版を見ることもあるかもしれません。

そのときにも、どうか彼女を支えてあげて下さい。

何が彼女にとって幸せなのかを考えてあげて下さい。

私には、それができなかったから————。

- [編集済]20██年07月07日 八瀬 優華

 

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◆アニマルガール概要


◇アニマルガール管理番号: M000000586223

◇基底種名: ハツカネズミ (飼養変種)

◇基底種学名: Mus musculus domesticus

◇基底種管理番号: C-00014627-EXP

◇個体識別子: #7112

[個体識別子#7112のAGA照合情報を閲覧する][転送します]

Animalgirls Genome Archive にようこそ。
AGAは20██年以降に発見されたすべてのアニマルガールのゲノム情報を格納しています。

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個体識別子: #7112
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#7112はハツカネズミMus musculusのアニマルガールです。
Mus musculusの照合データ一覧を表示します。
現在、パーク運営事務局が把握しているハツカネズミのアニマルガール個体数は 5 です。

照合データ一覧
登録日 還元日 一致率 識別子
20██/09/13 N/A 1.0000000 Mus musculus 標準試料
20██/09/13 20██/12/11 0.9999893 #62
20██/09/13 N/A 0.9999734 #63
20██/09/02 N/A 0.9999362 #773
20██/07/31 N/A 0.9999752 #3212
205█/02/18 205█/06/10 0.9999884 #5290
205█/09/28 N/A 0.9999883 #5290
20██/05/27 N/A 0.9999237 #7112

† 205█/06/10に動物還元した際に平衡法の適用下にあった。サンドスター沈着の可能性あり: ███医師

◇所属: 学園都市区 - ジャパリ大学アニマルガール医学部附属病院 - 第3無菌室

◇呼称: ベア

◇飼育プロトコル:  現在当該アニマルガール(以下: AG)は『研究所名』の第3無菌室内にて保護されています。当該AGには一日に三度、オートクレーブ滅菌処理を施した固形食糧を与えて下さい。抗生物質のパッケージは毎週月曜日に交換させ、切らさない様にして下さい。睡眠・排泄に関しては無菌室内に併設されている設備を使用させるようにしてください。無菌室内への入室は必要が無い場合、一切禁止とします。※1カメラを用いた遠隔での面会は当該AGが拒否しない場合のみ飼育管理者の許可があった場合のみ任意の時間に行うことができます(ただし八瀬優華研究員の面会申請はどの様な場合であっても許可されません)。この時当該AGのプライバシーに関わる内容への過度な言及を禁止します。どのような事情であれ、教唆を含む当該AGを無菌室外へ連れ出す行為は当該AGが死亡するまたは還元される危険性を増大させるため、禁止されています。当該AGにはタブレット端末一台とデスクトップパソコン一台が与えられており、これらを自己の事を記述させない様に当該AGに命令し、尚且つ自動検閲システムを通した上で自由に使用することが許可されています。

◇略歴:

20██/10/14 当該AGが誕生したと推定される日付
20██/10/21 当該AGに対し[検閲済]が行われる
20██/01/19 当該AGに対し二回目の[検閲済]が行われる
20██/04/30 当該AGに対し三回目の[検閲済]が行われる
20██/05/05 当該AGに対する実験を中央総括理事会が関知する
20██/05/14 当該AGに対し四回目の[検閲済]が行われる
20██/05/25 事案#7112-1発生
20██/05/27 「研究所名」の第3無菌室へ輸送
20██/07/07 事案#7112-2発生
20██/07/09 緊急搬送
20██/07/12 容態回復に伴い再輸送

20██/██/██現在、追加の情報は有りません

◇容姿: 当該AGはヌードマウスのイメージからか、発見時一切の衣服を身に着けていませんでした。その為当該AGは服を着ることを好まず、普段は患者衣以外の装身具を身に着けていません。頭部に薄くて丸いペールオレンジの耳があり、尻尾も同色です。髪の毛は明るい茶色でボブカットにしており、目は黒色右目が黒色、左目は暗い茶色です。必要上、右手に包帯を巻き、左目に眼帯を付けています。 一回目及び三回目の[検閲済]により、右手前腕部短辺2.3cm長辺3.1cmの範囲、及び眼球の殆どの部位が人体のそれに置き換わっており、それによりオッドアイの様になっています。これらを隠すために眼帯と包帯を付けていますが、これらは当該AGが希望したわけではなく、八瀬優華研究員が当該AGに着けさせたものを現在も使用し続けている結果です。当該箇所の閲覧権限がない人物に対して、その理由を隠すことに有用であると結論付けられました。

◇性格: 当該AGは若干の人見知りが見られますが、明るい性格をしており、誰に対しても友好的な態度で接します。所謂お人よしな性格のため下記の特記事項に記載されている性質のため、頼み事を断ることはほぼありません。

◇特記事項: 特に無し。当該AGへの聞き取り、及び事案#7112-1において発見された資料より、心理的命令抵抗値がほぼ0であるということが判明しました。現在はこの性質を利用して当該AGからの情報の直接的な流出を防止しています。当該AGが面会を行う場合、事前に必ず事案#7112-1について発言しないように命令してください。

 

※1: 入室を行う場合、予定日の一週間以上前に理由と入室者名、時間を明記した上で管理者(20██/██/██ 現在、████氏が担当)に入室許可証を提出してください。予定日前日に入室者は簡易健康診断を受け、感染症に感染している可能性が無い場合のみ入室が許可されます。同時に入室できるのは3名までです。

 

◆基底種概要


当項目ではハツカネズミの飼養変種の一種であるヌードマウスについて記述し、ハツカネズミの生態の記述を省略しています。

ヌードマウス(英名: nude mouse)は胸腺の劣化もしくは欠損を引き起こす突然変異を持つ血統の実験用マウスです。胸腺の劣化あるいは欠損によりT細胞の著しい減少がみられ、結果として免疫系の正常な働きが阻害されています。移植に対して拒絶反応を示さないため、研究に多く利用されています。ヌードマウスは具体的には以下の様な免疫反応を起こすことができません。

  • CD4+ ヘルパーT細胞を必要とする抗体形成
  • CD4+ T細胞とCD8+ T細胞の両方あるいはどちらかを必要とする細胞性免疫応答
  • 遅延型過敏応答(CD4+ T細胞を必要とする)
  • ウイルスが感染あるいは悪性化した細胞の殺害(CD8+ 細胞傷害性T細胞を必要とする)
  • 移植片拒絶(CD4+ T細胞とCD8+ T細胞の両方を必要とする)

その為腫瘍などに自己のみで抵抗することができず、ヌードマウスの寿命は通常6カ月から1年程です。しかしながら無菌環境下であり、抗生物質を投与された状態ならば18カ月から2年程度と、通常マウスと同程度の長さになります。表現型あるいは主要な外観として体毛の欠如が挙げられ、この特徴からヌードマウスと名づけられました。

[ご希望の資料を選択してください]


この報告書は事案#7112-1に置ける事後調査で発見された実験資料のうち、当該AGに関する記述を抜粋したものです

発見された実験資料の完全な記録は内部事件記録D-058SA"事案#7112-1"-資料7~274を参照して下さい

この一連の報告書には一部過激な文言が含まれています
閲覧は自己責任で行って下さい

 

[閲覧する][開示します]

◇資料‐13"液化サンドスターによるヒト化実験記録"より抜粋

実験番号: No.0004

対象: 実験用ヌードマウス#7112

実験方法: 飲用水に液化サンドスターを混ぜ、対象に飲用させる。

結果: 対象のヒト化に成功。ヒト化までに対象が摂取したサンドスターは凡そ██.███mol。

考察: 種族及び体重から導き出される理論値とほぼ同様の値となった。

備考: 対象はヒト化の際に衣服を着ていなかったため、第二物資保管庫から上下の衣服を支給しました。

対象の形質上、今後は無菌室内での管理となります。実験予定に影響はありません。

 

◇資料-19"実験用ヌードマウス#7112の定例報告及び臨時報告"

20██/10/14
対象の無菌室への移送が完了しました。現在対象には意識の混濁が見られ、こちらの呼び掛けに対し反応を示しません。採血後に行った検査の結果、予想通り血液中にT細胞が認められませんでした。対象が覚醒し次第、追加の報告を行います。
報告は以上です。


20██/10/15
対象が覚醒しました。当初対象は現状に対して強い恐怖を感じていましたが、こちらの説明により恐怖を和ませることに成功しました。簡易健康診断の結果は良好です。その他特記事項はありません。
報告は以上です。


20██/10/21
一回目の対象への施術は問題なく成功しました。現在対象は麻酔により眠っています。施術部よりサンドスターの治癒作用に伴う若干の発光が認められますが、特に異常は見られません。
報告は以上です。


20██/10/24
施術部の完全な癒着が確認されました。経過に問題はなく、体調面も問題ありません。
報告は以上です。


20██/11/05
対象に問題はありませんが、一つ気になったことがあったので報告させて頂きます。昨日無菌室内に一時間ほど滞在をしていたところ、自室の鍵が無くなっていることに気づきました。その為対象に無菌室内の捜索を命令した上で、自分は他の場所へ探しに行きました。鍵は休憩室に置き忘れており、██研究員が届けてくれたのですが、今日対象を監視カメラで確認したところ、命令してから11時間以上経っていたにも関わらず対象は捜索を続けていました。対象に話を聞いたところ「探してほしいと言われたので、探していました」との返答がありました。後日心理検査を行うことを申請します。
報告は以上です。

受理します

- 九条上席研究員


20██/11/12
対象の心理検査の結果が出たので報告させて頂きます。なお検査はすでに対象と間に十全なラポールが存在する研究員が行っています。まず知能検査及び発達検査において問題は見られませんでした。むしろ知能検査においては、容姿から推定される年齢の知能平均よりも、若干ですが、上回る結果をマークしています。しかしながら性格診断において、異常なまでの自尊感情の低さ、及び命令に対しての抵抗が皆無であることの二点が、異常な点として挙げられました。恐らくこの形質はヌードマウスが非自己を拒絶できないことに基づくものであると推測されます。大変興味深い形質でもあるので、現在予定されてる移植手術とは別に、この形質に関する実験を行うことを申請します。
報告は以上です。

受理します。後日実験計画書を提出すること

- 九条上席研究員


[3件の定期報告を省略しています]


20██/01/19
二回目の対象への施術は問題なく成功しました。現在対象は麻酔により眠っています。血中サンドスター濃度に2.729%~3.170%の低下が認められますが、施術部への治癒作用によるものだと考えられます。その他の血中成分比に問題はありません。
報告は以上です。


20██/01/20
対象が覚醒しました。現在施術部の痛みを訴えていますが、問題なしと判断し鎮痛薬を処方した上で経過観察中です。報告は以上です。


[4件の定期報告を省略しています]


20██/04/30
三回目の対象への施術は問題なく成功しました。現在対象は麻酔により眠っています。施術部よりサンドスターの治癒作用に伴う強い発光が認められるほか、激しい動悸・息切れが確認できます。鎮痛薬を処方していますが効果はあまり認められません。
報告は以上です。


20██/05/01
現在対象は施術部の強い痛みを訴えています。鎮痛薬を追加で処方し経過観察中です。その他特に問題はありません。
報告は以上です。


20██/05/03
施術部からの発光の停止と、痛みが完全に治まったことが確認されました。現在施術部は問題なく動作しています。
報告は以上です。


20██/05/07
緊急事態のため早急な実験日程の繰り上げを申請します。対象の体調的にも問題はありません。

受理します

- 九条上席研究員


20██/05/14
四回目の対象への施術は、火災報知機の誤作動により中断されました。今後なるべく早い日程で再施術を行います。


[以降の報告は有りません]

 

◇資料-27-01"実験用ヌードマウス#7112に対する人体組織の移植実験記録"

【一回目】

施術日: 20██/10/21

施術内容: 右腕前腕部短辺2.3cm長辺3.1cmの範囲の皮膚片の全層植皮

結果: 問題なく施術は完了した

経過: 拒絶反応は、施術から一週間経った現在も確認できず。施術から3分後より移植部から発光を確認。サンドスターの█████████反応によるものと考えられる。発光は施術から15時間後まで続いた。発光中、体内のサンドスター濃度は0.824%~1.271%の低下が見られたが、発光の停止と共に通常程度まで回復した。施術から52時間後に移植部の完全な癒着が確認された。現在も移植部の脱落は確認できず。今回の実験は成功と言えるだろう。


【二回目】

施術日: 20██/01/19

施術内容: 左腎臓の摘出と、当該部位の生体腎移植

結果: 問題なく施術は完了した。

経過: 拒絶反応は、施術から一週間経った現在も確認できず。施術部の発光は確認できず。施術直後から73時間後まで施術部付近より█.███mBq~█.███mBqの微弱なγ線が検出されたほか、体内のサンドスター濃度に2.729%~3.170%の低下が見られた。現在腎機能に異常は見られず、今回の実験は成功と言えるだろう。


【三回目】

施術日: 20██/04/30

施術内容: 左眼球の摘出と、当該部位の移植

結果: 施術は問題無く完了した。

経過: 拒絶反応は、施術から一週間経った現在も確認できず。施術部の激しい発光と、痛みが確認出来た。前回までの施術とは異なり、今回の施術では人体では不可能な施術内容だったためだと推測される。施術直後から103時間後まで施術部付近より██.███mBq~██.███mBqの微弱なγ線が検出されたほか、体内のサンドスター濃度に5.826%~6.518%の低下が見られた。施術から107時間後に眼球と視神経の接続を確認。現在問題なく随意運動を行える状態にある。今回の実験は成功と言えるだろう。


【四回目】

施術日: 20██/05/14

施術内容: ██████████、████████

結果: 火災報知器の動作により、開始14分で中断。後に誤作動と判明

経過: 上記の理由により記述省略

 

◇資料-27-02"ヌードマウスの移植実験に関する音声記録"

この資料は音声データです。

▶[再生]■[停止]

<記録開始 20██/05/03 14:26:31.05 第二研究室>

千杉: 九条さん、報告上がって来ました。

九条: りょ。簡潔に纏めて。

千杉: 三回目の実験で移植した眼球が、視神経と接続しました。視覚にも特に問題無い様です。

九条: おっマジか。とりあえず各種バイタルサインと血中サンドスター濃度、その他諸々のデータ解析に回して。

千杉: わかりました.。

九条: あっあと。これ担当の子に渡しといて。今後の予定表。

千杉: 承知しました。ですが、ひとつ聞いても良いですか?

九条: ん?何?

千杉: いえ……実験計画に支障は無い筈ですが、何故予定表を、と思いまして……

九条: あーそうね……、言うなれば情が有るから、からかなぁ。

千杉: 情、ですか……?

九条: そう、今私達がしていることにはそんなものは必要ないから、ここらへんで釘刺しとかないと勘違いしかねないしね。

千杉: …………。

九条: 必要だったら何時でも殺せる覚悟はしとけって話し。

千杉: …………。

九条: まあ最悪の時の話だし、恐らく今の状況なら起こらないから。

九条: ただそうなるかも知れない覚悟だけはしといてね。

千杉: …………はい。

九条: うんうん!くふふふ、あ~楽しくなってきた!もうそろそろ地獄の始まりだよ!

千杉: …………はい?

九条: よく分かっていない千杉のために解説してあげよう!今回の実験結果がどう影響するかだ。

千杉: はい……。

九条: 三回目の手術では今までの手術とは大きく異なった点がある。一回目は皮膚、二回目は腎臓、そして三回目は眼球だ。分かる?

千杉: 眼球だけは本来は移植できない器官、ですか?

九条: 正解、ふつうは眼球を嵌め込んだって傷付いた神経は回復しない。

九条: でも、サンドスターがあれば、それが可能になる。

九条: 可能性の広がりを感じないかい?

九条: 今でこそ機械移植の人も多いが、まだまだそれを嫌う人もいる。

九条: この作用を人為的に再現出来たら、すべての人のためになる、私はそう思うけどね。

九条: 話を戻そうか。

九条: 次の四回目の実験が最後になる。上手くいくかは理論上でも五分五分。

九条: 上手く行かなかったら貴重な実験サンプルを失うわけになるわけだが……。

九条: その顔を見ると千杉君もまだ覚悟が足りてないみたいだね。

九条: まぁ仕方ないか、たぶん私以外はみんな多少なりともそうなんだろうね。

九条: だから、もうすぐここは崩壊する。

九条: この研究室の誰かが密告する。

千杉: それは……。

九条: 有り得ない話じゃない、むしろ必ずそうなると言ってもいい。

九条: だから地獄が始まるんだよ。

九条: 大丈夫さ、苦しむのは私だけでいい。

九条: 誰も傷つけさせないよ。

九条: 私が始めたことなんだ、最後は私自身で終わらせる。

九条: それまでは、この実験に付き合ってくれないかい?

千杉: わかりました……。もう少しだけあなたについていこうと思います。

九条: ふふ、ありがとう。

<記録終了 20██/05/03 14:57:28.81>

 

◇資料-84"ヌードマウス臨時実験記録"

概要: ヌードマウスのアニマルガールに対して行った心理検査の結果を踏まえた、命令に対する認識及び適応範囲の検証

実験日: 20██/11/18 ~ 終了期日未定

実験方法: 対象と机を挟んで一対一で向き合い、命令を口頭で伝える。内容によっては必要な物資は支給される。

留意事項: 対象が怪我をしないようにすること。回避できる怪我の恐れまでは許容する。対象が現時点で最も貴重なサンプルであることを肝に銘じるように。


1回目

命令内容: 床に置いて有るブロックを拾う

結果: 対象は床のブロックをすべて拾った

考察: 特に無し

備考: 特に無し


2回目

命令内容: 手を使わずに床に置いてあるブロックを拾う

結果: 対象は足を使い床のブロックをすべて拾った

考察: 特に無し

備考: 特に無し


3回目

命令内容: ブロックに触れずに床に置いてあるブロックを拾う

結果: 対象は10分間試行錯誤を繰り返した後、「できないです」と発言。実験を終了。

考察: 不可能だと判断した場合は試行を中断するようだ。

備考: 実験時に無菌室内にはブロックの運搬に使えるものは何もありませんでした。


4回目

命令内容: 3秒間どこにも接触せずに空中に留まる。

結果: 対象は数回その場で跳ね、机の上から飛び降りた後「高いところから飛び降りれば」と発言。無菌室外への移動を望んだため実験を終了。

考察: 対象は真面目に高所から飛び降りようとしていたようである。しかし、具体的に何処へ行くつもりか聞いたところ「とりあえず一番高いところ」と返って来たため、具体的な高さが計算できていたわけではないようだ。

備考: 特に無し。


5回目

命令内容: ロックが掛かっていない携帯端末を使って担当者に「こんにちは」とメッセージを送る

結果: 対象は30分に渡って携帯端末を触っていたが、試行が成功する様子が見られなかったため実験を終了

考察: 特に無し

備考: 特に無し


6回目

命令内容: ロックが掛かっていない携帯端末を使って担当者に「こんにちは」とメッセージを送る

結果: 対象はメッセージアプリケーションを起動させることには成功したものの、テキストを入力することができず。18分間様々な試行を繰り返していたが成功しなかったため実験を終了。

考察: 文字の概念は理解していたものの、学習能力は高くないようだ。実験終了直前には乱雑に画面をタップするなど、一種のパニック状態に陥っていたものとみられる。

備考: 5回目の実験終了後、メッセージアプリケーションの使用方法のみを教えている。文字の入力方法については教えていない。


7回目

命令内容: ロックが掛かっていない携帯端末を使って担当者に「こんにちは」とメッセージを送る

結果: 対象はメッセージを送ることに成功した。

考察: 学習能力は高くないが、教えられればできるようだ。

備考: 6回目の実験終了後、文字の入力方法について教えている。


8回目

命令内容: ルービックキューブの6面すべてを揃える

結果: 対象は8時間31分後に揃えることに成功した。

考察: 通常の人間だとしたらほぼ確実に諦めるであろう作業をこなした。命令下においては命令に背いて中断することは無いと考えられる。また、3回目の実験結果より不可能な命令と続ければ何時か達成することが可能である命令が区別されているようである。

備考: 事前にルービックキューブのルールと動かし方を教えている。なお解き方や効率的な動かし方などは教えていない。


9回目

命令内容: ライターを点火する

結果: 対象はライターのスイッチを押し、火を出した。

考察: 命令下においては生物的な本能である火への恐怖を感じないようだ。

備考: 対象に事前に火を見せた際は、明確に恐怖を示していた。


10回目

命令内容: ナイフを自身の胸部に刺す

結果: 対象はナイフを逆手に持ち自身の胸に刺そうとした。担当者がナイフが刺さる直前に命令を撤回したため実験は中断。

考察: 対象は命令を実行しようとした際、自らの死への恐怖心が見られなかった。しかし命令撤回後はナイフを手から落とし明確に恐怖を示していた。対象は命令を自身の感情とは無関係に遂行しようとするものと考えられる。

備考: 特に無し

九条上席研究員より通達

事前に通達した留意事項が遵守されていなかったため、この実験の担当者を変更します。

 

◇資料-102"無菌室内映像記録"

この資料は映像データです

▶[再生]■[停止]

<再生開始 20██/05/04 10:29:03.72 無菌室>

八瀬: [開いた無菌室の扉から入ってくる]

ヌードマウス#7112: [八瀬に気づきベッドから上体を起こして体を向ける]

ヌードマウス#7112: お姉さんだれ? また新しい研究員さん?

八瀬: [ヌードマウスのベッドに近き、頭を撫でる]

八瀬: こんにちは、私は八瀬優華やつせゆうかです。職業は研究員じゃなくてお医者さんかな……。あなたのお名前は?

ヌードマウス#7112: ん……、名前……。

ヌードマウス#7112: [くすぐったそうに身を捩る]

ヌードマウス#7112: 名前は……、実験用ヌードマウス7112なないちいちにい……です……けど。あの……なんで頭……。

八瀬: 気にしないで……。それよりも、あなたのお名前決めないと! 番号じゃ冷たいでしょ。

ヌードマウス#7112: えっ……。あの……名前ならもう……。あと頭……。

八瀬: むむむ……、どんなのがいいかなぁ……。

ヌードマウス#7112: あの! 私のはなしを聞いてください!

八瀬: え?あっ……。うん、ごめんね。

ヌードマウス#7112: それじゃあ、まず頭を撫でるのをやめて下さい。

八瀬: はい……。

ヌードマウス#7112: そして、ヤツセさんがここに来た目的を教えて下さい。

八瀬: 言わないとダメ……?

ヌードマウス#7112: お願いします。

八瀬: はぁ……。この紙見てくれる?

八瀬: [ヌードマウスに数枚の紙を手渡す]

ヌードマウス#7112: これって……。

八瀬: あなたに関しての実験記録。担当者から借りてきたの。

ヌードマウス#7112: それで、この記録がどうかしたんですか?

八瀬: [沈黙]

八瀬: [監視カメラに背を向けヌードマウスの顔を見る]

[7分間会話が交わされた様子が映るが、声が小さく録音されていない]

八瀬: [ヌードマウスの隣に座る]

八瀬: それで! 名前だよ! 名前! 7112なないちいちにいなんて寂しすぎるでしょ。もっとあなたに似合った名前じゃないと。

ヌードマウス#7112: [俯いている]

八瀬: 顔上げて! 私のことはどうでもいいの!

[八瀬: 強引に顔を上げさせる]

ヌードマウス#7112: ……名前、ですか。

八瀬: そう! どんなのがいい?

ヌードマウス#7112: じゃ、じゃあ……えっと……かわいい?名前、とか……。似合わない、ですよね……。

八瀬: よしよし! 頑張って考えよう!

[13分間記録省略]

八瀬: んー。それじゃあ、ベアちゃん、でどうだ!

ヌードマウス#7112: ええっと、じゃあ、それでお願いします。

八瀬: じゃあ、じゃなくて! 

ヌードマウス#7112: すっ、すみません……。

八瀬: もう! もっとシャキッとして! 今日からあなたの名前はベアです!

ヌードマウス#7112: は、はい!

八瀬: よろしい。それじゃあ、よろしくねベアちゃん!

ヌードマウス#7112: よろしくお願いします。ヤツセさん!

八瀬: それじゃあ、もう時間だから今日はここでお別れだけど……。

ヌードマウス#7112: そうなんですか……。

八瀬: うん、また会おうね。多分、ここじゃないどこかで、だけど。

[扉が開く]

ヌードマウス#7112: えっ? それってどういう……。

八瀬: [扉を通り、ヌードマウスに手を振る]

八瀬: バイバイ。

[扉が閉まる]

<再生終了 20██/05/04 11:02:17.97>

この報告書は以上です

 

 


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