この報告書は事案#7112-1に置ける事後調査で発見された実験資料のうち、該当AGに関する記述を抜粋したものです 発見された実験資料の完全な記録は内部事件記録D-058SA"事案#7112-1"-資料7~274を参照して下さい |
この一連の報告書には一部過激な文言が含まれています
閲覧は自己責任で行って下さい
◇資料‐13"液化サンドスターによるヒト化実験記録"より抜粋
実験番号: No.0004 対象: 実験用ヌードマウス#7112 実験方法: 飲用水に液化サンドスターを混ぜ、対象に飲用させる。 結果: 対象のヒト化に成功。ヒト化までに対象が摂取したサンドスターは凡そ██.███mol。 考察: 種族及び体重から導き出される理論値とほぼ同様の値となった。 備考: 対象はヒト化の際に衣服を着ていなかったため、第二物資保管庫から上下の衣服を支給しました。 対象の形質上、今後は無菌室内での管理となります。実験予定に影響はありません。 |
◇資料-19"実験用ヌードマウス#7112の定例報告及び臨時報告"
20██/10/14 20██/10/15 20██/10/21 20██/10/24 20██/11/05 受理します - 九条上席研究員 20██/11/12 受理します。後日実験計画書を提出すること - 九条上席研究員 [3件の定期報告を省略しています] 20██/01/19 20██/01/20 [4件の定期報告を省略しています] 20██/04/30 20██/05/01 20██/05/03 20██/05/07 受理します - 九条上席研究員 20██/05/14 [以降の報告は有りません] |
◇資料-27-01"実験用ヌードマウス#7112に対する人体組織の移植実験記録"
【一回目】 施術日: 20██/10/21 施術内容: 右腕前腕部短辺2.3cm長辺3.1cmの範囲の皮膚片の全層植皮 結果: 問題なく施術は完了した 経過: 拒絶反応は、施術から一週間経った現在も確認できず。施術から3分後より移植部から発光を確認。サンドスターの█████████反応によるものと考えられる。発光は施術から15時間後まで続いた。発光中、体内のサンドスター濃度は0.824%~1.271%の低下が見られたが、発光の停止と共に通常程度まで回復した。施術から52時間後に移植部の完全な癒着が確認された。現在も移植部の脱落は確認できず。今回の実験は成功と言えるだろう。 【二回目】 施術日: 20██/01/19 施術内容: 左腎臓の摘出と、該当部位の生体腎移植 結果: 問題なく施術は完了した。 経過: 拒絶反応は、施術から一週間経った現在も確認できず。施術部の発光は確認できず。施術直後から73時間後まで施術部付近より█.███mBq~█.███mBqの微弱なγ線が検出されたほか、体内のサンドスター濃度に2.729%~3.170%の低下が見られた。現在腎機能に異常は見られず、今回の実験は成功と言えるだろう。 【三回目】 施術日: 20██/04/30 施術内容: 左眼球の摘出と、該当部位の移植 結果: 施術は問題無く完了した。 経過: 拒絶反応は、施術から一週間経った現在も確認できず。施術部の激しい発光と、痛みが確認出来た。前回までの施術とは異なり、今回の施術では人体では不可能な施術内容だったためだと推測される。施術直後から103時間後まで施術部付近より██.███mBq~██.███mBqの微弱なγ線が検出されたほか、体内のサンドスター濃度に5.826%~6.518%の低下が見られた。施術から107時間後に眼球と視神経の接続を確認。現在問題なく随意運動を行える状態にある。今回の実験は成功と言えるだろう。 【四回目】 施術日: 20██/05/14 施術内容: ██████████、████████ 結果: 火災報知器の動作により、開始14分で中断。後に誤作動と判明 経過: 上記の理由により記述省略 |
◇資料-27-02"ヌードマウスの移植実験に関する音声記録"
この資料は音声データです。 ▶[再生]■停止
<記録開始 20██/05/03 14:26:31.05 第二研究室> 千杉: 九条さん、報告上がって来ました。 九条: りょ。簡潔に纏めて。 千杉: 三回目の実験で移植した眼球が、視神経と接続しました。視覚にも特に問題無い様です。 九条: おっマジか。とりあえず各種バイタルサインと血中サンドスター濃度、その他諸々のデータ解析に回して。 千杉: わかりました.。 九条: あっあと。これ担当の子に渡しといて。今後の予定表。 千杉: 承知しました。ですが、ひとつ聞いても良いですか? 九条: ん?何? 千杉: いえ……実験計画に支障は無い筈ですが、何故予定表を、と思いまして…… 九条: あーそうね……、言うなれば情が有るから、からかなぁ。 千杉: 情、ですか……? 九条: そう、今私達がしていることにはそんなものは必要ないから、ここらへんで釘刺しとかないと勘違いしかねないしね。 千杉: …………。 九条: 必要だったら何時でも殺せる覚悟はしとけって話し。 千杉: …………。 九条: まあ最悪の時の話だし、恐らく今の状況なら起こらないから。 九条: ただそうなるかも知れない覚悟だけはしといてね。 千杉: …………はい。 九条: うんうん!くふふふ、あ~楽しくなってきた!もうそろそろ地獄の始まりだよ! 千杉: …………はい? 九条: よく分かっていない千杉のために解説してあげよう!今回の実験結果がどう影響するかだ。 千杉: はい……。 九条: 三回目の手術では今までの手術とは大きく異なった点がある。一回目は皮膚、二回目は腎臓、そして三回目は眼球だ。分かる? 千杉: 眼球だけは本来は移植できない器官、ですか? 九条: 正解、ふつうは眼球を嵌め込んだって傷付いた神経は回復しない。 九条: でも、サンドスターがあれば、それが可能になる。 九条: 可能性の広がりを感じないかい? 九条: 今でこそ機械移植の人も多いが、まだまだそれを嫌う人もいる。 九条: この作用を人為的に再現出来たら、すべての人のためになる、私はそう思うけどね。 九条: 話を戻そうか。 九条: 次の四回目の実験が最後になる。上手くいくかは理論上でも五分五分。 九条: 上手く行かなかったら貴重な実験サンプルを失うわけになるわけだが……。 九条: その顔を見ると千杉君もまだ覚悟が足りてないみたいだね。 九条: まぁ仕方ないか、たぶん私以外はみんな多少なりともそうなんだろうね。 九条: だから、もうすぐここは崩壊する。 九条: この研究室の誰かが密告する。 千杉: それは……。 九条: 有り得ない話じゃない、むしろ必ずそうなると言ってもいい。 九条: だから地獄が始まるんだよ。 九条: 大丈夫さ、苦しむのは私だけでいい。 九条: 誰も傷つけさせないよ。 九条: 私が始めたことなんだ、最後は私自身で終わらせる。 九条: それまでは、この実験に付き合ってくれないかい? 千杉: わかりました……。もう少しだけあなたについていこうと思います。 九条: ふふ、ありがとう。 <記録終了 20██/05/03 14:57:28.81> |
◇資料-84"ヌードマウス臨時実験記録"
概要: ヌードマウスのアニマルガールに対して行った心理検査の結果を踏まえた、命令に対する認識及び適応範囲の検証 実験日: 20██/11/18 ~ 終了期日未定 実験方法: 対象と机を挟んで一対一で向き合い、命令を口頭で伝える。内容によっては必要な物資は支給される。 留意事項: 対象が怪我をしないようにすること。回避できる怪我の恐れまでは許容する。対象が現時点で最も貴重なサンプルであることを肝に銘じるように。 1回目 命令内容: 床に置いて有るブロックを拾う 結果: 対象は床のブロックをすべて拾った 考察: 特に無し 備考: 特に無し 2回目 命令内容: 手を使わずに床に置いてあるブロックを拾う 結果: 対象は足を使い床のブロックをすべて拾った 考察: 特に無し 備考: 特に無し 3回目 命令内容: ブロックに触れずに床に置いてあるブロックを拾う 結果: 対象は10分間試行錯誤を繰り返した後、「できないです」と発言。実験を終了。 考察: 不可能だと判断した場合は試行を中断するようだ。 備考: 実験時に無菌室内にはブロックの運搬に使えるものは何もありませんでした。 4回目 命令内容: 3秒間どこにも接触せずに空中に留まる。 結果: 対象は数回その場で跳ね、机の上から飛び降りた後「高いところから飛び降りれば」と発言。無菌室外への移動を望んだため実験を終了。 考察: 対象は真面目に高所から飛び降りようとしていたようである。しかし、具体的に何処へ行くつもりか聞いたところ「とりあえず一番高いところ」と返って来たため、具体的な高さが計算できていたわけではないようだ。 備考: 特に無し。 5回目 命令内容: ロックが掛かっていない携帯端末を使って担当者に「こんにちは」とメッセージを送る 結果: 対象は30分に渡って携帯端末を触っていたが、試行が成功する様子が見られなかったため実験を終了 考察: 特に無し 備考: 特に無し 6回目 命令内容: ロックが掛かっていない携帯端末を使って担当者に「こんにちは」とメッセージを送る 結果: 対象はメッセージアプリケーションを起動させることには成功したものの、テキストを入力することができず。18分間様々な試行を繰り返していたが成功しなかったため実験を終了。 考察: 文字の概念は理解していたものの、学習能力は高くないようだ。実験終了直前には乱雑に画面をタップするなど、一種のパニック状態に陥っていたものとみられる。 備考: 5回目の実験終了後、メッセージアプリケーションの使用方法のみを教えている。文字の入力方法については教えていない。 7回目 命令内容: ロックが掛かっていない携帯端末を使って担当者に「こんにちは」とメッセージを送る 結果: 対象はメッセージを送ることに成功した。 考察: 学習能力は高くないが、教えられればできるようだ。 備考: 6回目の実験終了後、文字の入力方法について教えている。 8回目 命令内容: ルービックキューブの6面すべてを揃える 結果: 対象は8時間31分後に揃えることに成功した。 考察: 通常の人間だとしたらほぼ確実に諦めるであろう作業をこなした。命令下においては命令に背いて中断することは無いと考えられる。また、3回目の実験結果より不可能な命令と続ければ何時か達成することが可能である命令が区別されているようである。 備考: 事前にルービックキューブのルールと動かし方を教えている。なお解き方や効率的な動かし方などは教えていない。 9回目 命令内容: ライターを点火する 結果: 対象はライターのスイッチを押し、火を出した。 考察: 命令下においては生物的な本能である火への恐怖を感じないようだ。 備考: 対象に事前に火を見せた際は、明確に恐怖を示していた。 10回目 命令内容: ナイフを自身の胸部に刺す 結果: 対象はナイフを逆手に持ち自身の胸に刺そうとした。担当者がナイフが刺さる直前に命令を撤回したため実験は中断。 考察: 対象は命令を実行しようとした際、自らの死への恐怖心が見られなかった。しかし命令撤回後はナイフを手から落とし明確に恐怖を示していた。対象は命令を自身の感情とは無関係に遂行しようとするものと考えられる。 備考: 特に無し 九条上席研究員より通達 事前に通達した留意事項が遵守されていなかったため、この実験の担当者を変更します。 |
◇資料-102"無菌室内映像記録"
この資料は映像データです ▶再生■停止
<再生開始 20██/05/04 10:29:03.72 無菌室> 八瀬: [開いた無菌室の扉から入ってくる] ヌードマウス#7112: [八瀬に気づきベッドから上体を起こして体を向ける] ヌードマウス#7112: お姉さんだれ? また新しい研究員さん? 八瀬: [ヌードマウスのベッドに近き、頭を撫でる] 八瀬: こんにちは、私は八瀬優華です。職業は研究員じゃなくてお医者さんかな……。あなたのお名前は? ヌードマウス#7112: ん……、名前……。 ヌードマウス#7112: [くすぐったそうに身を捩る] ヌードマウス#7112: 名前は……、実験用ヌードマウス7112……です……けど。あの……なんで頭……。 八瀬: 気にしないで……。それよりも、あなたのお名前決めないと! 番号じゃ冷たいでしょ。 ヌードマウス#7112: えっ……。あの……名前ならもう……。あと頭……。 八瀬: むむむ……、どんなのがいいかなぁ……。 ヌードマウス#7112: あの! 私のはなしを聞いてください! 八瀬: え?あっ……。うん、ごめんね。 ヌードマウス#7112: それじゃあ、まず頭を撫でるのをやめて下さい。 八瀬: はい……。 ヌードマウス#7112: そして、ヤツセさんがここに来た目的を教えて下さい。 八瀬: 言わないとダメ……? ヌードマウス#7112: お願いします。 八瀬: はぁ……。この紙見てくれる? 八瀬: [ヌードマウスに数枚の紙を手渡す] ヌードマウス#7112: これって……。 八瀬: あなたに関しての実験記録。担当者から借りてきたの。 ヌードマウス#7112: それで、この記録がどうかしたんですか? 八瀬: [沈黙] 八瀬: [監視カメラに背を向けヌードマウスの顔を見る] [7分間会話が交わされた様子が映るが、声が小さく録音されていない] 八瀬: [ヌードマウスの隣に座る] 八瀬: それで! 名前だよ! 名前! 7112なんて寂しすぎるでしょ。もっとあなたに似合った名前じゃないと。 ヌードマウス#7112: [俯いている] 八瀬: 顔上げて! 私のことはどうでもいいの! [八瀬: 強引に顔を上げさせる] ヌードマウス#7112: ……名前、ですか。 八瀬: そう! どんなのがいい? ヌードマウス#7112: じゃ、じゃあ……えっと……かわいい?名前、とか……。似合わない、ですよね……。 八瀬: よしよし! 頑張って考えよう! [13分間記録省略] 八瀬: んー。それじゃあ、ベアちゃん、でどうだ! ヌードマウス#7112: ええっと、じゃあ、それでお願いします。 八瀬: じゃあ、じゃなくて! ヌードマウス#7112: すっ、すみません……。 八瀬: もう! もっとシャキッとして! 今日からあなたの名前はベアです! ヌードマウス#7112: は、はい! 八瀬: よろしい。それじゃあ、よろしくねベアちゃん! ヌードマウス#7112: よろしくお願いします。ヤツセさん! 八瀬: それじゃあ、もう時間だから今日はここでお別れだけど……。 ヌードマウス#7112: そうなんですか……。 八瀬: うん、また会おうね。多分、ここじゃないどこかで、だけど。 [扉が開く] ヌードマウス#7112: えっ? それってどういう……。 八瀬: [扉を通り、ヌードマウスに手を振る] 八瀬: バイバイ。 [扉が閉まる] <再生終了 20██/05/04 11:02:17.97> |
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