万寿
万寿(まんじゅ)とは、日本の平安時代の38番目の元号である。万寿の年表万寿期は、治安4年7月13日(西暦1024年8月19日)から、万寿5年7月25日(西暦1028年8月18日)まで。年西暦出来事生誕...
嚴命云。㝡初にやがて庭鞠を蹴は。いかにも身によせ有。先無鞠とてよく/\姿を作ためつけて。空鞠を日ごとに何十度ともなくけさせて。其後鞠を細繩にて釣さげて。自板敷一寸計成べし。閑に一足づゝ蹴て。姿を能々たゝしうせよ。身體といふは顏。𩒐仕。目。口。手。胸。腹。腰。膝足等也。顏持はかるからず。うなづかず。あふのかず。ゆがまず。をもらかにうらゝかにて。くせ有べからず。𩒐仕はなへずゆがまず。すこしかまくび有に似たるべし。さればとてこはく目だゝしく有べからず。目はおもふさまにはたけ。きら/\ととゞやき見めぐらすベからず。用意して見よ。每人目のおそろしくみゆるくせの有也。第一にみにくし。見あげ見おろす目ばかりにて不仰俯。うらゝかにみるべし。左右をみるも長閑に心を持て。先其程を思ひはかりて後。目にて見さだむる也。顏持𩒐仕の善惡は。目の見やうに隨て。よくあしくなる也。よく/\其心をうべし。口くせ有べからず。手持は臂つよからずよはからず。次第ひぢかいなこぶしまで難なくみにくからず。內外出入ゆがみねぢず。無高下平等になし。下たをやかに持ベし。下に持もいやし。高もこと/\しく。又依人有善惡。一偏に不可好左樣に。鷹を居て鞭を打樣。いかにも右計後へふりていやし。大樹を抱樣。又あまりゆがまずしてしなゝし。成平が樣。左右之手几帳之手のごとしといへるもこと/゛\し。是は彼古賢をそしるにはあらず。上手達者は諸道に置て何としたるもよきを。無骨の者彼をまなべば。をのれが本の失よりもはるかにわろくみゆる也。西施が隣女のごとし。すべて人のまねをするが諸事に惡事也。大方何となきやうに持て。蹴時聊たはやかに持て。目だゝしからぬぞよき。手をふり又蹴ぬ時も持すくみ。或臂かがまり。又そりうて仰俯し。拳をつよくにぎり。又手をひろげ指をさし出。手前にすゝみ後にゝげ。銅拍子などをつくやうにしかある皆似わろし。只肝要抄の文のごとし。以自身難量。借他眼知云々。是眞實肝要也。几身體よく立おほひて立人は。いかにも手持は高き也。のけはりて立人は。手身にそひ。膀胱のもとに左右の手すはる也。身體は父祖にも似ず。何にもよらず。只我身のこなりに隨てよきやうに可持。身持立おほはり又腹腰膝足等ぞ定圖にて人によりてよける事なきなり。胸腹はえりたる樣にて。內ほらに有べし。腰をすふるとは腹をまきいるゝ也。腰を居てこしをかゞめずとは是也。口傳なき人は腹をよきすふる事をしらで。腰を居とては尻を出し。或は腰をにがして膝をすゝむ。是第一の僻事なり。膝すゝみぬるはいかにもかゞまる也。腰より下は殊更すぐに立おほひて。腹をまきかゞむれば。腰はたをやかにてよき也。尤秘事は腹也。ゆめ/\かろ/゛\しく不可露顯。
凡何事も其宜によりて其形有べし。懸は犬居に可立と云々。然者其木に立人も。隨て立おほひて可立也。人の身は頭に過てをもきはなし。頭のき足すゝみぬれば。いかにおもへども次の足かなはず。はやき事なく。頭すゝみ足にげぬれば。次の足はやすくはやき也。老人も頭をすゝむる也。されば式にも大木の本よるといへども猶よられず。得其心腰をかがめてよれと云々。これも頭をすゝめむためなり。式にも唐丸のさかくひしたるがごとし。是又立かゝりたる姿也。膝をそらすは只はそらず。足の大ゆびをそらせば必すぐに成也。ひざ足のくびよはければ。鞠を見當といへども。足ふりめきてちがふ也。さればとて足の大指あまりそらしはぬれば。鞠つまさきにあたりてわろき也。鞠高もひきく又まりがつかるなり。足のくび延ぬれば。鞠の音はよきにゝたれども。うるはしきにはあらず。わろくまりものく也。よきはすこし指をそらして。沓と足くびと兩方半分に當るが。音もしだらかながら。やはらかに丸く聞こゆる也。又鞠色もよき也。能々蹴て氣味を知べし。膝足のくびよはきは。或は內へちがひて。鞠は足の外のかたに當りて右へのく也。或は外へちがひて。足の內かどにあたりて。まりは左へきるる也。足を持あぐる程は。鞠の目ほどをすぐる時。足をあぐる也。足高はみぐるし。失錯も出來也。鞠の失は所詮足のはやきより出來也。足のひきくて失はなし。但あまりひききは物氣なくぞみゆるを。ひえ足も時々出來にや。只足ごとに心を入力を入。つよくねばくはねて。やがておこたらず。足をかろめ腰をぬきて踏かふる也。走等は一度に用意する事なれ。とかくになればヶ樣に前後出くる也。足踏は所々によりてふむ事なれども。大㫖は同事也。右の足に付て左は必ふみかふる也。鞠をけたる足をば本所にはをかず。構にすゝめて置て。やがて左を猶すゝめまして。右足を置事きはめたる僻事也。努々有まじき事也。一寸一歩をもすゝめむと思ふべし。右ばかりをすゝむれば片合になる也。左を頓而すゝむべき也。是は眞實事也。上手はたゞこれにあり。書云。一寸といふともしり足踏べからずと云々。能々蹴可心得よ。左足すりこそめかすこと下手の所行也。左足うかばずしてしかり。上手は左足うかびて。いかなる時も拍子合て踏よき也。ふみわろき事あらば。いまだ左足しつかうかばずかなはぬ分を可知。足踏は第一の大事也。拍子合不合も上手は別の事也。下手は拍子合はかたはらいたく。不合ば亂かまびすし。只あざやかにうかびて。大くれにしかも拍子合て面白也。入たゝぬ人の儀に膝をつよくすくめぬればこはくて惡と云々。是きはめたる僻事也。先達のいはく。沓のきびすより踏て。はなにいたりいたり踏べしと云々。是膝のつよくてくつはかぬ故也。只人のあゆむは皆膝を折て步也。鞠足は膝をすゝめて步あいだ。沓にてあやつりて。きびすよりはなへ踏は此故也。態きびすよりはなへ踏とすづからず。只膝だにつよくたてゝくつろがさねば。自然にさふまるゝなり。膝をくつろげずして步人は。俄に鞠膝にあたる時。くつろぐる隙なくて。えけぬ程におとす也。これはいつも膝をつよく持たれば。俄にあたる折も。本より用意したれば。ながれてよくけらるゝ也。たゞ鞠は膝のかゞまらで。すぐにつよきが。いかなる鞠もけられて。尤第一の秘術也。身にそふまり自在也。人は多少遠き鞠はけれども。身にそふまりかなはぬ也。膝だにすぐなれば。身にかゝるまり相違なし。當家には殊に身にそふ鞠をよくけるは。只膝によりて也。如此心得身體をつよくしつけて踏習べし。釣下たる鞠㝡初に尤よし。後々もなへ枝にもたれよとむ鞠時足踏大事也。それをし習には。枝にてはさのみさやうには心にまかせねば練しがたし。鞠を釣てければ。あちこちふらめきてよどむを。彼枝に准じて拍子を合てふみならふ也。尤秘事也。
釣鞠にて身體足踏等能々しつけて。後すみの員鞠を蹴べし。或胸或腰之程膝之程なるに鞠をけるべし。角に向て一方に立ふさがりて。手をさしひろげ立おほひて。物にけかくれば。其鞠かへりて身にかゝるを。いそがずして足を踏かへて。足本までながしかけて。はね/\すれば。身にそふ鞠自在也。姿も立おほはれて習なり。立おほふ程は。柱に後を當てたちそひて。頭身踵等を柱に付て其程をしつくる也。これは全く立おほふ程にはあらず。只すしに立分なし。さて其よりはおほはんとおもふべし。きびすをふみつむべからず。たちうかぶべし。身にそふ鞠のはしりながれぬは。皆くせの有と知ベし。鞠にて身をため直す也。矢細工のゝためといふものにて。のゝゆがみをば直すやうに。鞠にてたむる也。胸の程より腹腰もゝ膝はぎ足のくびまで。うつくしく身にそひながれ落る也。腰かゞまりぬれば腰にはなれて。鞠のきて弓の張が本のやうにある也。膝かゞみぬれば膝につかれて。鞠にこよりながれすはしかりのく也。いづくにも鞠をつけんとおもふ所にては。鞠のすひつくなり。されば自在に見て人にこと也。歸足の時ことに大切事也。すこしも相違なく思ふ程にし習べし。鞠をすいつくる人は樣々に有故實由をいへども。腹などこそ鞠あたる所をばたはめて下をさしふくらかしなどもすれ。殘所はいかでか如此事あらん。只心にとゞめむとおもへば。切入ぬればとゞまるなり。常にしならふべし。かなはずとて物うくする事なかれ。すいつくを期とすべし。數は千にならばたらぬべし。但角の小鞠も只なをざりにすく/\とやはらかに蹴て。身につよくかゝらずば。縱何方をけるとも。身にそふ鞠は自在なるベからず。一二百にてもよく蹴て。何に當る鞠も我物に覺て。たゞの鞠よりは身にそふはやすく有べし。身にそふ鞠不叶のけはるくせあらば。膝の下のまり角にて好べし。次第に立おほはるゝ也。此事返々なをざりにすべからず。中の小鞠は我身を懸にて。身に蹴かけ/\してけるべし。さしのけてける人あれども。それはわろき也。風の吹日くらき夜などけるにわろし。身をばかゝふとしてこそ分際はおぼゆる物なれば。時々は懸をむすび。時々は遠く蹴ゆき。緣の上に蹴のぼり蹴くだり。或は障子やり戶など蹴てあけたて。家の中を蹴ゆき。みすすだれなどけて卷おろし。ごすご六盤の上。圓座上。或輿之中。車の下。門のくわの木などの上をけてとをり。馬塲弓塲を行かへり。如此事どもをして可持。又ひきく天井につよく蹴當/\して員鞠有。腰の切入事なり。大事也。能々しつくべし。是はひきく大枝の下の料。又はつよく身にそふ鞠の料也。又鞠は長の數鞠このむベし。木の外の鞠中の鞠自在に覺ゆ。後鳥羽院の御書にもそのやうのせられたり。かやうの類多し。いづれもをも練習して持べし。居ながら數鞠ける事有。延足若はゑんの下懸の邊に。橘柑子椿やうの枝しげくひきなる木など有所にて。件木にかゝりたる鞠の木づたい落るを。下へくゞりて膝つきながら蹴などする時大切事也。
又先段にいふがごとく。何足も練習內鞠に過たる事なしと。每人に逢ていへども。しばしこそわ(あ?)れ。ことにくるしく倦ことなれば。これがげに第一の練習にて有けりとまで蹴知人大かたなし。たゞ萬の事はさりげなるとばかりにて。眞實の骨髓の氣味を人はさぐりしらず。無本意事なり。若は獨若はあまた立ても同事なり。ひきゝ天井あらくければ。早歸身にかゝり。身をうちけづり。おちつきてのくをば突延に蹴つきて。かへるをばくゝ歸に蹴。急に當てつよく落るをば。はやく枝の下に入。障子などにそひおつるが。上はそひて下ははなれ。上はのきて下はそひ。上下ともにはなれ。又上下ともにそひおつるは木のそふ鞠の大事に准ずる也。常に是を練習すれば。更に木の恐なし。身もくるしく力も入事なれば。しつくるに庭の鞠は無下にやすし。凡身たはやかに足ふみうきて。左足もたやすくなり。種々の曲等是にて蹴習はる。第一の稽古これに有。懸はさのみ心に任て。枝にあたり/\せむる事有がたし。されど常にも練習せられず。內鞠は思ふ樣に其足此曲蹴らるゝ事也。能々この氣味をけしるべし。未此氣味をしらぬ人は。させることなしと思へり。只身をかろく足をうかべて。虛空を步やうに心をかゝやく身は本所にて足計をさし出て蹴事返々わろき事也。身のけはられをもくもなる。かた/゛\惡き事也。
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