内外三時抄（束帯）

朝云。只如尋常聊高く可着之。前のふくらの下をすこし帶にはさむ也。直衣々冠同之。下襲の裾をばふまれぬほどに。うはてに懸て。不落之樣に計べし。有口傳。
劔は撤して鞠場に出べし。笏檜扇同之。韈は常時の絹韈なるベし。又鞠韈をも用事恒のこと也。結緖は例革なり。無用意之時は。車の後の簾のあげ皮を可用。
夕云。大底初に畢※。但下襲裾に有秘曲。帶につよく下うらをはさむ也。人に不可見。爲不落也。韈同初段。但絹韈もまりの韈の形にたちて。うらに白革を付也。絹ばかりはすべりて惡也。白革の韈は束帶之時着べしと云說あれど。大臣の可令着之由。旣に庭訓抄に書れぬれば。たはやすく難用歟。又相公は無苦之様に被記畢。可有時儀。且申入などして着せん事勿論也。結緖も白革云々。但實尋が記には。諒闇也と難じたる事あり。凡諸事吉凶通用のことのみて歟※。常の結緖また更若なし。

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