もぢり棋歌百人一首

ページ名:もぢり棋歌百人一首

小倉百人一首の歌をもじった囲碁の狂歌集。古月庵には「かう打てばなどとヘボ棊のまけおしみ」の川柳もある。
001.敵の手 さぐりの石の さをにらみ わがみぎの手は 棋笥にふれつつ (天智天皇)
002.程すぎて 待ったもいへず うろたえの こころぼそてふ あたまかくやま (持統天皇)
003.駆け引きの 石取りの手の さぐり手の はらはらしさを ひとり黙然 (柿本人丸)
004.盤のうへに のび出でて見れば 死に石の ふしぎや持に ごまかされつつ (山辺赤人)
005.人の地に 無理に取りかけ ゆく石の とらるる時ぞ われはかなしき (猿丸太夫)
006.角番の 負けたるために 涌く胸の つらきを見れば 手ぞふるへける (中納言家持)
007.敵の腹 割り裂き見れば おろかなる すみすみ山に 打ちし筋かも (安部仲麿)
008.わが腕は みやこの仕込み こころ澄む 棋を打ちますと 人はいふなり (喜撰法師)
009.顔の色は かはりにけりな 打つほどに わすれて死ぬる 石を見し間に (小野小町)
010.あれやこの 死ぬも活きるも 缺かれては 打つもうたぬも おほかたは持 (蝉丸)
011.敵の腹 桂馬をかけて つきとめぬと 覗きはつげよ あとを思ひね (参議篁)
012.まごつかせ 敵の逃げ道 おとしめよ 勝棋の姿 しばしながめむ (僧正編昭)
013.うつ石の そばより切れる ものとかは 誰れぞをしへて 愚痴となりぬる (陽成院)
014.打つ癖の きのふ見しより それがゆゑに うたれ取られし 石ならなくに (河原左大臣)
015.君がため 椽に乗り出でて 棋を囲む わが思ふ手に わこはのりつつ (光孝天皇)
016.勝ちわかれ 籬根の外の 影に吠ゆる 犬とし聞かば いまかへりこむ (中納言行平)
017.力振る かけ手もきかず 化の皮 わづかのうちに 首くくるとは (在原業平朝臣)
018.君の手の 奥にたくらみ 取るすべや ゆめも忘れじ こころおらむ (藤原敏行朝臣)
019.思ふ方 みじかき冬の 暮の間も 打たでその日を 過ごしてよとや (伊勢)
020.まちぬれば 今方見えし かたきなる 夜をとほしても 打たんとぞおもふ (元良親王)
021.いざこいと 打ちしばかりに 留めおきの ありたけの酒を 飲まれけるかな (素性法師)
022.ふくからに 彼の打つ手の 裏かけば うべ山師手を あやしといふらむ (文屋康秀)
023.敵見れば とみに胸こそ 躍りけれ こたびは白の 番にはあらねど (大江千里)
024.この度は 石もとりあへず こけの山 思へばおしき 口のまにまに (菅家)
025.控へをらば とりかへす手の ありながら 敵につられて 勝つよしもがな (三条右大臣)
026.時は今 かくして打たば 打ち込まば いまひと時の 相手またなむ (貞信公)
027.敵の腹 割って見らるる 化けの皮 いつも来る手か をかしかるらん (中納言兼輔)
028.こすみとは 知恵のさもしさ わかりける 桂馬も押しも 出来ぬと思へば (源宗千朝臣)
029.ちからあてに 切らばや切らぬ 初顔の 気をまどはせる まね出しの端 (凡河内躬恒)
030.うちかけの 勝ちなく見えし わかれより 打ち継ぐばかり 憂きものはなし (壬生忠岑)
031.朝ねぼけ わが運の尽きと 見るまでに よべの徹夜に あたまものうき (坂上是則)
032.山師棊に 賭物をかけたる いきさつは よすによされぬ 涙なりけり (春道列樹)
033.おほかたの 打手の強き その中に 恥づ色もなく われのをるらむ (紀友則)
034.たれをかも 知る人にせん 棋仲間の 誰れも昔の 友ならなくに (藤原興風)
035.あとはいざ 勝負もつかず 立去るは これぞ負棋の 習ひなりける (紀貫之)
036.負けの棋は まだ半ばながら 投げぬるを はたの人だに 惜しと見るらむ (清原深養父)
037.白石に 黒のはげしく せまる手は しのぎもつかぬ さまぞ見えける (文屋朝秀)
038.かすらるる 手をば気づかず 下してし 石のいのちの 惜しくもあるかな (右近)
039.あさ智恵の 敵の黒腹 見破れど 何のゑにしか 彼れの恋しき (参議等)
040.しのぶれど 顔にでにけり わが胸は 勝ちや思ふと はたのいふまで (平兼盛)
041.だますてふ その手はばれて しまひけり くるしみてこそ 打ちし手なるが (壬生忠見)
042.打ちてきな ありたけ脳を しぼりつつ 末のひと山 どんなものかは (清原元輔)
043.劫立ての 種はあたりに かずあれば たつべきものを きかでやみけり (中納言敦忠)
044.あの人の たえて来なくば かくまでに 時をもかねも つかはざらまし (中納言朝忠)
045.変われども 勝つべき筋は うちたえて あないたづらに をはるべきかな (謙徳公)
046.愚図の手を 選ぶその人 不心得 めさきも見えぬ うつけものかな (曽根好忠)
047.八重桜 しげれる山の にぎはいに 相手も見えぬ 時は来にけり (恵慶法師)
048.劫をいどみ はねうつ敵の 顔をのみ ながめてものを おもふけふかな (源重之)
049.高きより 低く打つ手の あだなして すみはとりつつ 負けをこそ思へ (大中臣能宣朝臣)
050.劫のため 棄ててしまひし 石でさへ なほ手もがなと 惜しみけるかな (藤原義孝)
051.投げるだに 惜しき思ひの このいくさ 石のみなみな 活きあるものを (藤原実方朝臣)
052.打ちぬれば 勝負ありとは 知りながら なほうらめしき 負けいくさかな (藤原道臣朝臣)
053.かこちつつ 相手待つ日の 淋しさは いかにもつらき 心地にぞある (右近大将道綱母)
054.あの時の うれしき勝は 忘れねど けふの手合の 憂きこともがな (儀同三司母)
055.君がことは かねて久しく 恋ひつれど うちて習ひて なおしたひけれ (大納言君公任)
056.いざ勝たむ これぞ番棋の おもひでに いまひといきの 考えもがな (和泉式部)
057.つつきあひて あとや負けとも わかぬ間に 逃げかくれにし 弱き敵かな (紫式部)
058.敵の山 その黒き腹 見破れば いかでか胆を とらでやはなる (大弐三位)
059.寝不足で 打つまじものを 夜の更けて みにくきまでの 負けを見しかな (赤染衛門)
060.見ればいま いくさの道の 多ければ まだ棄てもせず 隅の劫立て (小式部内侍)

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