狐姫の守り人
キュウビソフトウェア最高傑作
飽くまでも2022年現在の私感なんですけどね。
自分としては、稲荷狐と交易路を買ったのも、そもそもこの作品と同じシナリオライターだったからなんです。
ぶっちゃけ表紙買いだったんですが、いい出会いだったと思ってます。まさか没ゲームの派生とは思いませんよ。
この記事書いてる時点で未だに販売数1300ちょいなのは個人的には首を傾げる所です。キュウビソフトのゲームが良し悪し激しいのは理解してるつもりなんですけどね。交易路以上に売れててもおかしくなくね?って。
「ようこそ妖狐荘」が1000超えたなら2000は売れて欲しい作品だったりはします。
で、どんなゲーム?
正式にゲームジャンルを言うならタワーディフェンスで、12人のユニットを配置して山ほどやってくる敵を全て駆逐するゲームです。申し訳程度の成長要素もあるよ!
後述する主人公がアホほど頭が切れると言ういつものキュウビソフトパターンのため、アクシデントやインシデントは基本的になく、敵は決まった道を走ってくるので、割と真っ当にタワーディフェンスが出来ます。
面白かった?
コツさえ覚えてしまうと実質ADVです。ゲーム部分がミニゲーム染みてるのは最早何も言うまい。一番骨があるゲームはやっぱり稲荷狐と葡萄酒です。
面白いのはシナリオ。日常をゆるゆると書いて非日常にメリハリ良く切り替わり、しっかりインフレさせながら大団円(?)に持っていく。タグは感動、レビューもほぼシナリオ言及。日常があるからこそ非日常にのめりこみ、非日常が起こるから日常を愛しく思えるスパイラルが完成している。
そして守りたい貴女のために。いざ、倒れ逝くその時まで。
王道ですよね。
ちなみに自分は周回要素もないのに蜂蜜酒片手にシナリオ3周しています。
以降簡単な解説。
当たり前のようにネタバレする予定なので、オッケーな人だけ下の隠し扉開けてくださいな。
概要
勝利条件:九奇山天蓮寺僧正・雪虎の討伐
粗筋:出雲国(現 島根県)にて君主の下、軍師として仕えていた主人公は、勢力を拡大して版図を広げる僧兵の勢力、天蓮寺との闘いの中、味方の裏切りに合い敗走する。天蓮寺は虎頭明王の加護を旗頭に、女子供ものべつ幕無く皆殺しにして蹂躙を極める鬼のような所業の勢力として有名で、味方や君主を何とかして逃がしたかった主人公だったが、敗走中に受けた矢傷と、逃走失敗による滝からの落下が原因で一週間以上目が覚めず、目覚めた時には全てを失ってしまっていた。敗走中にたまたま狐を保護して傷の手当てをしたことで、狐達に自分だけ命を助けられた主人公は、狐の里の長である白面金毛の少女狐に、天蓮寺に狙われた里を守るため、今一度、軍師として力を振るう事を乞われるのであった。
登場人物
空那
肌白く金毛を持つ、見た目幼き美少女妖狐。白鉄山にある妖狐の里の二代目里長である。
先代が貴族的な生活を嗜んでいたらしく、クソ田舎の山の中でも人らしい文化的な生活をしており、人間とも言葉が通じる。回復魔法の術系統に明るいらしく、満身創痍の主人公を介抱して回復までこぎつけた。ただ、自分には使えないのか、山中で天蓮寺に負わされた傷は主人公に手当てしてもらっている。
里から降りない割にどういう訳か天蓮寺の情報を知っており、敗残した主人公に里の防衛を乞う。山の中に結界を張って人がまともに進めないように細工しており、主人公の里防衛の一助を担っているだけでなく、結界の状態を常に監視しているらしく、敵襲を真っ先に感知する斥候の役割も果たしている。
作中記述上、主人公と最も身体を重ねた妖狐でもある。濡れ場でスキップ機能を使うとひたすら「あるじさま、あるじさま!あるじさま…あるじさま!」と連呼されるので、そう言うのが好きな人はやってみても面白いかもしれない。ボクはむず痒くなるのでちょっと難しいけど。
キュウビソフト世界線で玉藻を除けば『白面金毛九尾の狐』の血筋が確定している唯一の狐で、現存するキュウビソフトウェアの狐の中では最も才覚高いと思われる。実際に使われた秘術もキュウビソフトウェア作品群中最大の秘術を扱っている。
主人公
先述の通り、出雲の国にて軍師を務めていた男。日ノ本の天下に『八雲の麒麟』と仇名されるほどの名将だったが、同僚への信頼が厚すぎたため疑う事を知らず、天蓮寺との戦いで裏切りにあった時の対応が後手に回ってあっさりと瓦解。敗走どころか壊走とも言える惨敗を経験した挙句、君主と同僚、一族郎党を全て失ってしまう。
敗走先にて命を救われたのち、国土と民を思って憂え、自らを傷つけた種族である人間の敗残者にすら頭を下げて助力を希う里長の姿を見て、かつての君主の器をその幼き身に感じ取って狐姫の守り人となる。
文武両道良く治める生粋の猛将にして賢将と言うナチュラルチート枠だが、それでも妖怪の中では唯の人間であり、苦戦苦境に百も千も立たされ、命の瀬戸際を数えきれないほど経験することになる。
永久
かつて蝦夷島を飛び出して遥か南まで旅してきたキタキツネ。空那の従者にして義理の姉狐と言う立ち位置にある。
先代の里長である天那によって、実の母親から与えられなかった愛情を受けて育てなおされており、実の母以上に天那を慕っていた。天那の実娘である空那は産湯の頃から知る最愛の妹であり、今も尚、誰よりもその身を案じている。
また、里の狐の中で最も人間に対して不信感を持っている。元々は人間に対して友好的な狐だったのだが、自分に優しく接していてくれた女性が天那を毒殺し投身自殺した事件を受けて、愛憎と不信が非常に苛烈なものとなってしまった。
本来の性状は家庭的でややお茶目だが、上述から来る空那を守りたいが故の警戒感と牽制球が相まって、主人公視点ではツン9:デレ1くらいのキツめのツンデレに見えていた。
が、皮肉な事にその警戒感から主人公の事を誰よりも良く観察しており、最終的には理解者として振る舞うようになっていく。妊娠を告げながら、主人公のためにその子供を手放す選択をするほどに。
攻略情報に似た何か
ざっくりユニットを妄想込みで説明。どの辺が妄想なのかはプレイして理解してください。
特に攻略に差し支えるような嘘は吐いてないので気にしなくても大丈夫です。
キタキツネ 【スミ・ツミ・クロ】 |
効果:鈍足 |
威力:低 |
最も近い敵一体に対して氷塊を飛ばす。氷塊は数秒判定が残り、後続の敵が氷解に触れると鈍足の効果を受ける。 事実上の範囲攻撃ではあるが、実際はせいぜい2人。地形を考えてまとめ当てしても3~4人掛かればいい方。 最大の恩恵は後続の敵が前の敵に追いついてしまうことで、これにより貫通攻撃などのまとめ当てがしやすくなる。 かなり優秀な補助ユニットなので、最優先でレベルを上げてしまって問題ない。 |
アカギツネ 【ベニ・アケ・シュウ】 |
効果:なし |
威力:中 |
最も近い敵一体に対して炎弾を飛ばす。一撃の威力はさほどでもないのだが連射が効くのでDPSは悪くない。 所謂基本ユニットではあるのだが、アカギツネだけでは押し切られる場面が非常に多く、主戦力としてはほぼ期待できない。反面、最初から小回りが利くので、他の狐を余り置きたくない分岐路などに置いても動きが悪くなる事はない。 その性質上、育成優先度は低い。ただ最終局面のボス相手だとこのアカギツネの火力も貴重になる。他の狐をあまり入れたくない箇所の穴埋め要員だったり、押されたレーンの後列に緊急配置してこぼれ球拾いをさせる運用が比較的楽。 |
ギンギツネ 【ミツネ・トリコ・ナノハ】 |
効果:貫通 |
威力:中 |
最も近い敵一体に対してレーザーを飛ばす。狙うのは飽くまでも至近の敵だがその奥にも当たり判定がある。 四隅に近い場所に配置しておくと、敵を狙った光線が満遍なくあちこちに広がるので被害を拡大する事が出来る。但し当たり判定が無限長でも感知距離自体は無限ではないので、自分の居る所に通りがからないと何も出さない上に、奥の敵には短い時間しか当たらない場合も多く、射程の長さはオマケ程度と考えた方が良い。 使う場合は密集地帯やカーブ際の外側に配置してなるべく直線状に敵が配置されるように考慮する必要がある。が、大抵ギンギツネの攻撃がまともに当たる射程自体は後述のホンドギツネと被っているケースも多く、育成優先度は低い。せめて感知射程が長ければ…。 |
ホンドギツネ 【コウ・シロネ・ハナ】 |
効果:範囲 |
威力:大 |
最も近い敵一体に対して爆砕の術を飛ばす。威力がデカい上に周囲をまとめ撃ち出来る。単体のDPSですら下手するとアカギツネよりも上なので、ほとんどの敵をこいつで始末する事になる。 反面一撃が大振りなため、分岐路に配置すると身体が振れたりして効率が悪い事が多い。合流地点や出現地点の周囲に配置して、取り敢えず手痛い一撃を与える。或いはその場で仕留める。と言った運用法がベター。レベルが上がると連射も利くようになるため分岐路置きでも使えるようになってくる。 ぶっちゃけると最終局面以外はキタキツネとホンドギツネをペアにして要所に配置しておけばそれだけで大体片が付く。育成は勿論最優先。この組み合わせを使うと他の狐を出さなくて良い展開が結構あるので霊力の温存にもなり余計に攻略が楽になる。 |
基本的に配置にも育成にも霊力が必要になるので、育成で霊力使い切って次のMAPで必要数の配置が出来なくなると詰んでしまう。獲得霊力はどれだけ倒したかによって増えるので、後ろに通す敵の数が増えるとそれだけ後半にどんどん響いてくる。その意味でも育成と配置のバランスは大事になってくる。
結果として、序盤と最終局面が一番難しいゲームスタイル。だが、可能な限り全てのMAPでパーフェクトを叩き出した方がいい。幸いにも難易度はさほど高くない。順調なら全体の2/3くらい進めば全員カンストする。
一つだけ本当に注意してほしいのは、稲荷狐と交易路とは違い、一度詰むと救済は無いと言う事。
コンティニューで挽回出来る程度の詰みなら良いが、抜本的に戦力が足りてない。と言う事になると、シナリオを最初からやり直す羽目になる。軌道にさえ乗ってしまえば後はただのADVなので、ケアレスミスだけは気を付けて。
ユニットのレベルは1~3まであり、配置の際レベル×100の霊力を消費する。
ざっくり必要な霊力を表にすると以下のような状態。
配置数 \ レベル | LV1 | LV2 | LV3 |
---|---|---|---|
ホンドギツネ・キタキツネペア × 3組 | 600 | 1200 | 1800 |
ホンド・キタペア×3 アカ×3 | 900 | 1800 | 2700 |
キタ・ギンペア×3 ホンド×3 | 900 | 1800 | 2700 |
全員出動 | 1200 | 2400 | 3600 |
【背水陣節約配置】ホンド×キタペア ×2 | 400 | 800 | 1200 |
だいたいは以上。思いついたらまたなんか書きます。
蛇足
この下、かなりどうでも良い情報。くだらないので開けるのは自己責任で。
プレイ時に呑む酒のスゝメ
本作はシナリオがかなり長い。
加えて戦いがメインのシナリオになっているためか、戦勝の際に酒が振る舞われ、盃を傾けるシーンが頻繁に起こる。
特に『永久』シナリオの場合それが顕著。
自分は酒宴のシーンを読んでいるとついつい一緒に呑んでみたくなるアル中なので、今回も割と呑みながら読んでいる事がちょいちょいあった。と言う訳で、同じことをするタイプの人向けの話。
本作の狐が飲んでいるのは蜂蜜酒である。蜂蜜に水を混ぜるだけで出来るためか、実際蜂蜜酒は世界史上初の酒精であると思われているらしい。本来は該当する蜜酒と言えばミードネクターなのだが、ミードネクター思ったより美味しくない上に入手難度も価格も高いので、今回は市販のハニーリキュールをご案内。
一応念のために言っておくと、アフィリは特にやってないんで購入の際は安い所見つけて買ってください。
結論を先に言う。
(クリックでビックカメラの酒販サイトにジャンプします。)
市販流通のハニーリキュールは主にワイルドターキー、ジムビーム、ジャックダニエルの三種。
このうちジムビームは甘みもあるけどバーボン感が凄まじく、割と率直に焼けるので適宜果実水で割って飲む方が良い。普段からジムビームをストレートで呑むような人ならワイルドターキーよりもこちらに択が上がる。
ジャックダニエルは全く癖がなくアルコールシロップ状態なので、ホットケーキに掛けて食べるのが一番美味しいのでは?と言う疑いすらある。カクテル利用とかなら美味しくいただけると思うので、得意な人はチャレンジしてみてもらいたい。
ワイルドターキーはその辺バランスが良く、ウィスキーの香りと焼ける感じを残しながらも蜂蜜の甘味と風味を潤沢に残していて、ロックやソーダ割など手軽な呑み方で美味しく飲める。冷凍庫に入れてトロトロにしてストレートと言う、ウォッカみたいな呑み方でも美味しい。値段は安くないが居酒屋で飲むことを考えればお手頃なので、興味が出たら是非一度試してもらいたい。
注意点として、ワイルドターキーもかなり甘みが強い。強い甘みが苦手な人はソーダ割などで適宜調整したほうが良い。
尚、本格派の方は2022年現在、山田養蜂場がドイツ産のミードネクターを扱っているほか、養命酒酒造もはちみつのお酒を取り扱っている。山田養蜂場のミードネクターについては東京駅八重洲口改札外の地下商店街の店舗にて実際に一度自分が買っているので、実店舗で即欲しい人は行ってみて欲しい。
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