銀河英雄伝説の歴史上の人物

ページ名:銀河英雄伝説の歴史上の人物

銀河英雄伝説の歴史上の人物(きんかえいゆうてんせつのれきしじょうのじんぶつ)では、田中芳樹の小説、およびそれを原作としたアニメ『銀河英雄伝説』に登場する、架空の人物の内、歴史上の人物について記述する。

目次

ゴールデンバウム王朝歴代皇帝(即位順)[]

  1. ルドルフ1世(大帝)(声:大塚周夫)帝国暦(以下同)元年即位。

    詳細はルドルフ・フォン・ゴールデンバウムを参照

  2. ジギスムント1世ルドルフ1世の長女カタリナの子。父は帝国宰相ヨアヒム・フォン・ノイエ・シュタウフェン公爵。42年、25歳にして即位。当初は父の補佐を受けながら反乱勢力を鎮圧し、一方で巧みな施政を行い帝国の基礎を固める。なお、ジギスムント1世即位の時点でゴールデンバウム王朝における皇祖ルドルフ大帝の男系子孫は途絶えている。
  3. リヒャルト1世ジギスムント1世の長男。帝国の支配体制が安定するなか、政治よりも美女と狩猟と音楽に没頭したが、専制君主として足を踏み外すことなく無難な一生を終える。
  4. オトフリート1世リヒャルト1世の長男。禁欲的で散文的で「灰色の皇帝」と呼ばれる。陰気な保守主義者でスケジュールを神聖視するが、自分で立案する能力はなく政務秘書エックハルトの専横を招く。
  5. カスパー1世オトフリート1世の子。青年皇帝であり、その時の叔父が70を越える老人であったため(当然父親はさらに高齢である)、父帝オトフリート1世がかなり高齢になってから作った子と思われる。123年即位。同性愛者であり、カストラートのフロリアン少年を寵愛。自分の娘を皇妃にしようと目論んだエックハルトはフロリアンを殺そうとするが逆に皇帝の意を受けたリスナー男爵に誅殺される。騒動の後、退位宣言書を玉座に残してフロリアン少年と駆け落ちし行方不明になった。在位わずか1年。
  6. ユリウス1世先帝カスパーの叔父で、先々帝オトフリート1世の弟。124年、76歳にして即位。先帝の行方不明による130日の空位の後の即位であった。彼自身よりむしろその息子フランツ・オットーの才覚が期待され、中継ぎとしての即位であったが、周囲の期待(?)に反して長生きし、ついにはフランツ・オットーの方が先に死んでしまう。144年、96歳で急死。皇太曾孫カール大公による暗殺だったことが公表されるのはゴールデンバウム朝滅亡後のこととなる。あまりの即位期間の長さに重臣たちはうんざりしており、その葬儀は盛大ながら心のこもらぬものとなった。
  7. ジギスムント2世(痴愚帝)先帝ユリウスの皇太子であったフランツ・オットーの次男の息子。つまり、ユリウスの曾孫である。元ブローネ侯爵。従兄弟で、本来の皇位継承者である皇太曾孫カール大公を宮廷工作の末追い落とし、144年即位。「史上最悪の黄金狂」で徴税権の売却や金銭による免罪に走り国政を大混乱させ、ついには159年、皇太子オトフリートによって廃位・軟禁された。
  8. オトフリート2世(再建帝)ジギスムント2世の子。159年、浪費を繰り返し、財政を破綻せしめた父帝を軟禁し即位。国政の立て直しに精勤し、おそらくは過労のため6年後、165年前後に早世。特に独創的な改革を実施したわけではなく、時計の針を父ジギスムント2世の即位前に逆回転させただけだが、それだけで名君と称されており、先帝の治世がどれほど凄まじかったかをうかがい知る事ができる。なお、アーレ・ハイネセンら共和主義者が流刑星アルタイル第7惑星からの脱出に成功したのはこの頃にあたる。
  9. アウグスト1世先帝の死を受け、165年前後に即位。節度ある統治者と放蕩な私生活の2つの顔を持つ「後宮の凡君、国政の名君」。女性の長髪に偏執し、寵姫の死を悼むあまりその髪を食べ、これが胃壁に刺さって大騒ぎになった事も。
  10. エーリッヒ1世
  11. リヒャルト2世
  12. オットー・ハインツ1世
  13. リヒャルト3世後述のアウグスト2世の父帝。247年没。
  14. アウグスト2世(流血帝)リヒャルト3世の子。247年即位。ゴールデンバウム王朝史上最悪の暴君とされ、ルドルフのような信念からではなく、単なる保身と快楽のために実母から皇族、臣民、民衆まで無差別に虐殺を行なった。犠牲者の数は最大2億〜最低600万と言われている。自力で立って歩く事もできないほどの極度の肥満体で、「溶けかけたラードの塊」などと形容される。痛風を患っている。253年、エーリッヒ2世による叛乱の最中、部下に殺される。「アウグストの注射針」なる拷問方法を考案した。
  15. エーリッヒ2世(止血帝)先帝の従兄弟。元リンダーホーフ侯爵。アウグスト2世の出頭命令に対し253年にやむを得ず叛乱を起こすが、自軍への寝返りが相次ぎトラーバッハ星域会戦で皇帝軍を破り即位する事に。叛乱に従った者の中に当時のローエングラム伯爵がいた。先帝の恐怖政治の影を一掃し人心を安定させた。
  16. フリードリヒ1世
  17. レオンハルト1世
  18. フリードリヒ2世
  19. レオンハルト2世後述のフリードリヒ3世の伯父。自身の後継者をフリードリヒ3世に決めた経緯は皇后の強い働きかけがあったため、とされている。
  20. フリードリヒ3世(敗軍帝)330年前後即位。先帝の甥。先帝の皇后の勧めで先帝の養子となるが、その直後に先帝が急死したため、その暗殺と、皇后との不倫関係を疑われる。帝国が自由惑星同盟の存在を初めて知る事となった時の皇帝。ダゴン星域会戦における歴史的な大敗から後世「敗軍帝」と呼ばる。その後336年前後に没。死後、帝位争いが激しくなる。銀河帝国史上、もっとも腐敗が進み、皇帝暗殺などの陰謀が繰り返された「灰色の時代」の皇帝。
  21. マクシミリアン・ヨーゼフ1世336年前後に即位。フリードリヒ3世の兄弟。帝位争いの混乱を収拾するために一時的に帝位に就いた後、先帝の長男であるグスタフ1世に帝位を譲った。
  22. グスタフ1世(百日帝)フリードリヒ3世の長子。生まれつき病弱で、即位後まもなく暗殺された。
  23. マクシミリアン・ヨーゼフ2世(晴眼帝)フリードリヒ3世の庶子で、先帝の異母兄弟。同名のマクシミリアン・ヨーゼフ1世は叔父である。337年即位。宮廷陰謀渦巻くなか暗殺未遂事件で毒を飲まされてほぼ失明するが、元侍女で皇后のジークリンデと司法尚書ミュンツァーに補佐されて善政を敷く。劣悪遺伝子排除法を有名無実化し、同盟への侵攻を行わず内政に専念するなど、ゴールデンバウム王朝きっての名君との評価も高い。また貴族社会の裏表に精通するグリンメルスハウゼンをして「御落胤騒ぎの起きない数少ない皇帝」と評するなど、私生活でも評価が高い。
  24. コルネリアス1世(元帥量産帝)350年代に即位。先帝マクシミリアン・ヨーゼフ2世の従兄弟であるが、その叔父であるマクシミリアン・ヨーゼフ1世の子であるかは不明。内政面では先帝の方針を引き継ぎ、なかなかの治績をおさめたが、名君と称される先帝の実績を超えるべく、359年、同盟領に対してゴールデンバウム王朝唯一の親征を企てるが失敗。元帥号を量産したことでも知られており、親征には58人の元帥を動員、うち35人が戦死した。もっとも、この親征についても事前準備を入念に行うなど、軍事面においても能力があったようであり、事実、親征の途上において帝都でクーデターが発生するまでは順調に侵攻を進めていた。
  25. マンフレート1世
  26. ヘルムート1世
  27. マンフレート2世(亡命帝)先帝の庶子。政争を逃れ、同盟領で育てられた。398年に即位すると、幼少期の経験を基に同盟との融和政策を図ろうとするが、即位1年後の399年に暗殺された。背後にはフェザーンが暗躍していたとされる。
  28. ウィルヘルム1世
  29. ウィルヘルム2世
  30. コルネリアス2世
  31. オトフリート3世皇太子時代は有能で人望もあり、帝国軍三長官を兼任して帝国軍最高司令官となり、更に帝国宰相をも兼任したが、相次ぐ宮廷陰謀に次第に猜疑心が強まり、皇后を三度替え、帝位継承者を五度替え、最後は毒殺を恐れるあまり食事をろくにとらなくなり衰弱死した。なお、劇中480年代の約一世紀前の皇帝として登場しているため、在位期間は380年代前後と思われるが、4代も前の皇帝であるマンフレート2世の即位が398年のため、作者のミスであると思われるテンプレート:要出典。
  32. エルウィン・ヨーゼフ1世アルフレット・フォン・ランズベルクの台詞にあるゲオルグ2世の記述において、その当時の皇帝であるエルウィン・ヨーゼフ2世から5代前の皇帝が同名のエルウィン・ヨーゼフ1世であるため、彼がアルフレッドの祖先である当時のランズベルク伯に、皇宮地下の脱出用通路の建設を命じた可能性がある。
  33. オトフリート4世(強精帝)5千人(一説には1万人)もの女性を後宮にかかえ、皇太子オットー・ハインツの他624人の庶子がいたと伝えられる。ベッドの上で頓死。在位5年。後宮に入れた女性の内、3分の1が処女のままであったと言われる。
  34. オットー・ハインツ2世
  35. オトフリート5世フリードリヒ4世の父。大変な吝嗇家で、イゼルローン要塞の建設費用が予定を大幅に超過した事に激怒し責任者に死を賜る。放蕩を重ねるフリードリヒを勘当同然にしていたが、他に帝位継承者がいなくなり後事を託す。456年没。オーベルシュタインの台詞において登場するルードヴィッヒ3世はエルウィン・ヨーゼフ2世から数えて先々帝となっているが、実際の先々帝はこのオトフリート5世である。アニメ版では、オーベルシュタインの台詞は「先々帝オトフリート5世〜」と修正されている。
  36. フリードリヒ4世先帝オトフリート5世の次男。456年即位、487年没。近年に無い長期にわたる在位期間を誇ったが、政治的な功績は特にない。
  37. エルウィン・ヨーゼフ2世先帝フリードリヒ4世の皇太子ルードヴィヒ大公の子。487年即位、489年退位。
  38. カザリン・ケートヘン1世489年即位、490年退位。女帝。皇族に連なるペクニッツ子爵の子。

皇族[]

ルドルフ1世の妻。ゴールデンバウム王朝初代皇后。名前のみ登場。ルドルフとの間に4人の子供をもうけるが、全員が女子であり、後継者たる男子を得る事ができなかった。ルドルフの死後、長女カタリナの子ジギスムントが帝位を継ぐ事になる。
  • マグダレーナ
ルドルフ1世の晩年の寵姫。ルドルフにとって待望の男児を出産するが、これは先天的障害児だったとされる。これに関して帝国の公式記録は沈黙を守っているが、この後マグダレーナとその家族、さらには出産に立ち会った医師や看護婦ら関係者までもが死を賜った事から、巷に広まるこの噂はほぼ真実であろうとされる。それは、劣悪遺伝子排除法を発布し、自らの遺伝子の優秀性を信じて疑わなかった(にも関わらず障害児をもうけたという事で)ルドルフをおおいに苦しめたとされる。
  • カタリナ
ルドルフ1世と妻エリザベートの間に生まれた長女。ルドルフの死後、自分の子ジギスムントがゴールデンバウム王朝第2代皇帝となった。
  • ヨアヒム・フォン・ノイエ・シュタウフェン
カタリナの夫でジギスムント1世の父。第2代皇帝として即位した息子を帝国宰相として補佐し、沈着冷静な指導力でルドルフの死に乗じた反乱勢力の蜂起を粉砕した。反乱に参加した5億人が処刑され、その親族など100億人が農奴階級に落とされたとされる。
  • フランツ・オットー
ユリウス1世の嫡子。優れた能力と人望が次期皇帝として期待されるが、ユリウス1世が長命を保った結果「史上最年長の皇太子」として74歳で死去。子供も亡くなっており、皇太子の地位は孫の(ユリウス1世からは曾孫の)カールに引き継がれた。なお、現実に「史上最年長の皇太子」の例については、サウジアラビアの現国王アブドゥッラーの方が年長である(ただしマスコミ等の「皇太子」という表記は正確とは言えず、前国王の異母兄弟である事から「王太弟」というべきであるが、この誤用は彼に限った話ではない。また銀河英雄伝説の執筆当時は年少である)。今上天皇は、1933年12月23日生まれ。1989年1月、55歳で即位。チャールズ皇太子(こちらも本当は王太子)は、1948年11月14日生まれ、2007年11月の誕生日を迎えて59歳となる。
  • カール
フランツ・オットーの孫でユリウス1世の皇太曾孫。特に神秘主義的な人物ではなかったのだが、「物心ついた時にはもう老人で、現在も老人」なユリウスに恐怖を抱いて暗殺を謀る。それには成功するも事後処理の不手際から皇位継承はならず、ジギスムント痴愚帝に追い落とされる。以後表に出ることなく精神病院で生涯を終える。
  • ヘルベルト大公
フリードリヒ3世の子。グスタフ1世、マクシミリアン・ヨーゼフ2世の弟。次期皇帝を目指し同盟領遠征軍総司令官となるが、傲慢な性格で幕僚の進言を無視しダゴン星域会戦で歴史的大敗北を喫する。帝都に帰還した後幽閉されるが、その後も陰謀を弄して帝位を狙い当時の宮廷を混乱させた。
  • ジークリンデ
マクシミリアン・ヨーゼフ2世の皇后で、元侍女。失明した夫を支えた名皇后として知られる。気が強い女性だったらしく、侍女時代に口説こうとしてきたヘルベルト大公に肘鉄を食らわせたり、皇后即位後は常に銃を携帯して夫に付き添ったと言われている。

貴族その他[]

エルンスト・ファルストロング[]

ルドルフ1世の腹心で、内務尚書。ゴールデンバウム王朝による恐怖政治の象徴である社会秩序維持局の初代局長。帝国暦9年に悪法名高い劣悪遺伝子排除法が発布され、議会が永久解散された後、翌年ルドルフの命で内務省内に社会秩序維持局を創設し、その初代局長に就任。共和派を始めとする反体制派の弾圧、「遺伝的に優秀でない」人間の排除の指揮に辣腕をふるうが、それは局員の主観と暴力による事実上の大量虐殺だった。その犠牲者は40億人の多数に及んだが、「(当時の)人口3000億の1.3%に過ぎず、人類社会の安寧のために一握りの異分子を排除したに過ぎない」と強弁。ルドルフが貴族階級を設けた時、功により伯爵号を与えられるが、直後に共和派のテロに遭い中性子爆弾で死亡(アニメでは爆殺された事が描かれている)。ルドルフはその死を悼み、容疑者として2万人を処刑して功臣の霊を慰めた。社会秩序維持局の組織と活動はその後も受け継がれ、最後の局長となったのがハイドリッヒ・ラングである。

アルブレヒト・フォン・クロプシュトック[]

ファルストロングとともにルドルフ1世の腹心で、クロプシュトック家初代当主。後に「クロプシュトック事件」を起こすウィルヘルム・フォン・クロプシュトック侯爵の始祖にあたる。銀河連邦の議員時代からルドルフに与し、国家革新同盟の書記長として共和制打倒に貢献。銀河帝国成立後は要職を歴任し、「血のローラー」と呼ばれる共和派の粛清を行なった。その功で貴族に叙せられたと思われるテンプレート:要出典。

クレーフェ[]

ルドルフ1世の時の財務尚書。ルドルフが自分の身長と体重を基準に「カイゼル」単位を社会に導入しようとした時、単位の書換えにかかる膨大な経費を提示して、最終的に施行を断念させる事になった。しかしその見積もりは必要以上に過大だったとされており、これは温和なだけが取り柄とされた彼が、ルドルフ1世の際限のない自己神聖化に対して無言の抵抗を行なったのではないかという見方も、歴史研究者の間にはある。

エックハルト[]

子爵。当初はオトフリート1世の皇帝政務秘書官。その後枢密顧問官と皇宮事務総長、御前会議の書記を兼任。実質的に帝国のトップとなった。次の皇帝カスパー1世の時代には伯爵となり、追従者から「準皇帝陛下」と呼ばれていた。さらに皇帝に自分の娘を嫁がせようと企んだが、カスパーが同性愛者であった事から同意しなかった。その為カスパーの愛人であるカストラートのフロリアン少年を暗殺を企んだが、実行しようとした時、カスパーの意を受けたリスナーによって逆に射殺された。なお、原作小説では晩年には肥満し、結婚させようとした自分の娘も若い頃ではなく晩年の父親に似た容姿だと記述されているが、アニメ版では特に肥満してはおらず、娘も美少女と呼称される程度の容貌に描かれている。

リスナー[]

男爵。カスパー1世の意を受け、一隊を率いて、フロリアン少年を暗殺しようとするエックハルトとその兵士を野イバラの間で射殺した。

シャンバーク[]

「流血帝」アウグスト2世の腹心。近衛旅団長で階級は准将。皇帝の「直感」に従い、多くの人々を殺害するが、叛乱軍が優勢とみるや皇帝を殺害して投降する。その功績で大将に昇進するが、同時に虐殺の罪を問われて処刑された。

ゴットリーブ・フォン・インゴルシュタット[]

中将。ダゴン星域会戦でヘルベルト大公の補佐を務めた。有能と称せられる程度の戦闘指揮能力は持ち合わせており、同会戦においても巧妙な戦術でリン・パオ率いる同盟軍を苦しめたが、戦闘は素人のヘルベルトが勝手に兵力を動かしたため敗北。冤罪同様の責任を取らされ銃殺された。

オスヴァルト・フォン・ミュンツァー[]

マクシミリアン・ヨーゼフ2世時代の司法尚書。ミュンツァーが持論とする「距離の暴虐」を容れた皇帝は自由惑星同盟への侵攻を破棄し、その後20年間は外征が行われなかった。元は帝国軍中将。この当時、インゴルシュタットとは犬猿の仲とされていたが、それにもかかわらずダゴン星域会戦敗北後の軍事法廷において、正論だが過激かつ権力者の利益を考慮しない言動で彼を弁護し(その結果辺境に左遷され、現地において予備役編入となる。事実上の流刑)、後に「弾劾者ミュンツァー」と呼ばれる様になった。マクシミリアン・ヨーゼフ2世の死後、元帥の濫造で知られる次代のコルネリアス1世からの元帥号授与を辞退し、上級大将のまま引退する。

第2次ティアマト会戦[]

  • マルティン・オットー・フォン・ジークマイスター (声:なし[螺])
帝国暦373年(宇宙暦682年)、男爵家の分家出身。父親は内務省社会秩序維持局勤務。この父親に対する反感と、父親が研究の為に家に持ち込んだ共和主義思想の文献に接した事で共和主義者となる。父親の死後ミヒャールゼンとともに反国家的スパイ網を形成。46歳、大将の階級の時に長年の憧れであった自由惑星同盟に亡命し、そこで諜報活動に従事するが、やがて同盟政治の現実に失望する。その後、アッシュビーを頂点とする730年マフィアに優先的に情報を渡す事で同盟が改革される事を画策したが、第二次ティアマト会戦でアッシュビーが戦死した為に挫折し、失意の内に引退、宇宙暦747年に肺炎で死亡。65歳。
  • クリストフ・フォン・ミヒャールゼン (声:なし[螺])
帝国暦379年(宇宙暦688年)、伯爵家の次男として生まれる。自身も男爵号を有しているが、財産争い等から貴族社会に不信を感じた事と、芸術的喜びをもってジークマイスターとともに反国家的スパイ網を形成。ジークマイスター亡命の後は最高責任者として活動。帝国暦435年に、部下として赴任してきたケーフェンヒラーと知り合う。帝国暦442年、軍務省の自分の執務室で射殺体として発見される。63歳。死亡時の階級は中将。暗殺された当日シュタイエルマルクと口論をしている。当日は非常に多くの軍人への人事が発令される日で、しかもいったん発令された人事が取り消されて再度発令されるという混乱状況にあった為、容疑者は特定されていない。
  • ケルトリング (声:豊川潤[螺])
元帥。会戦直前の時期の帝国軍務尚書。ウィルヘルム・フォン・ミュッケンベルガーの叔父(或いは伯父)。ヘルマンとカール・ハインツという二人の息子がいたが、両者ともブルース・アッシュビー率いる同盟軍との戦いで戦死しており、個人的にアッシュビーを憎悪していた。会戦に先立って病気にたおれ、見舞いに来たウィルヘルム・フォン・ミュッケンベルガーにアッシュビーの討伐を託して後に死亡。本編に登場する演説(叱咤)自体は、原作小説では時期が特定されていないが、アニメ版では帝国暦433年の記録とされている。
  • ツィーテン (声:青森伸[螺])
元帥。第二次ティアマト会戦時の宇宙艦隊司令長官。軍務省や統帥本部での経験が長く、第二次ティアマト会戦で余程の失態が無ければ次期軍務尚書の座は確実視されていたが、ブルース・アッシュビーのために大惨敗することとなる。会戦後の消息は不明。乗艦はアウドムラ。
  • ウィルヘルム・フォン・ミュッケンベルガー (声:川原和久[螺])
中将。帝国軍艦隊司令官の一人。会戦の前に病死したケルトリング軍務尚書の甥。グレゴール・フォン・ミュッケンベルガーの父親。軍人として有能という評価を得ているが、ケルトリング及びその二人の息子の敵討ちという個人的な事情を本会戦に持ち込んだ事で、シュタイエルマルク中将らから批判された。帝国暦436年12月6日、コープの第11艦隊を挟撃するも一歩及ばず逆に同艦隊の反撃により、乗艦していた旗艦が撃沈され戦死。妻の名はウィルヘルミナ。その子グレゴールの旗艦の名前である。乗艦はクーアマルク。
  • ハウザー・フォン・シュタイエルマルク(声:中村大樹[螺])
帝国軍艦隊司令官の一人。少壮の戦術家として知られた。開戦前にミュッケンベルガー中将の激励を批判し、帝国軍の現状に嘆く発言をする。多くの同僚が平民出のコーゼルを軽蔑の目で見る中、彼だけは偏見を抱いていなかった。第二次ティアマト会戦時の艦隊司令官で唯一善戦、最後まで戦い、しんがりを務めた。戦後アッシュビーの死を知り、実名を堂々と公表して彼の死を悼む弔電を同盟軍に送ったがそのため軍幹部から忌避を買う。ミヒャールゼンが暗殺された時に彼と最後に対面した人物で、激しい口論を行っていたと言われるが真相は不明。60歳で上級大将、軍務次官として(つまり元帥にも帝国軍三長官にもなれぬまま)退役。乗艦はヴァナディース。退役後に戦術に関する本を出版しており、ラインハルトもそれを読んでいる。
  • カイト中将 (声:後藤哲夫[螺])
帝国軍艦隊司令官の一人。第二次ティアマト会戦では麾下の艦隊に大損害を受け、自身も重傷を負う。先だって副官のバルヒヴィッツ少将も戦死していたため、艦隊は壊走した。その後の消息は不明。乗艦はエムブラ。
  • バルヒヴィッツ少将 (声:なし[螺])
カイト艦隊副司令官。カイトが負傷する直前に戦死。
  • カルテンボルン中将 (声:なし[螺])
帝国軍艦隊司令官の一人。第二次ティアマト会戦で麾下の艦隊に大損害を受けて自身も戦死する。乗艦はダグダ。
  • シュリーター大将 (声:なし[螺])
帝国軍艦隊司令官の一人。第二次ティアマト会戦で麾下の艦隊に大損害を受けて自身も戦死する。乗艦はベルゲルミル。
  • コーゼル大将(声:坂口芳貞)
第二次ティアマト会戦に参加した帝国軍艦隊司令官の1人。当時にしては珍しい平民出身の大将であった。猛将としても知られており同盟軍からは警戒されていた。貴族嫌いではあったが、貴族出身のシュタイエルマルクとは仲が良く、彼の識見と能力を高く評価していた。第二次ティアマト会戦直前、ケーフェンヒラーにミヒャールゼンについて問いただした。同盟軍の最後の攻勢でアッシュビー、そしてジャスパーとウォーリックの連携に抗し切れず戦死する。なお彼はもし生還していたら上級大将に昇進・統帥本部次長に就任の上、ジークマイスターとミヒャールゼンのスパイ網問題に取り組む予定だった。乗艦はディアーリウム。

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