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ダスティ・アッテンボロー Dusty Attemborough | |
Dasty | |
所属: | 自由惑星同盟 |
階級: | 中将 |
生年月日: | 宇宙暦769年11月23日 |
搭乗艦: | トリグラフ マサソイト |
声優: | 井上和彦 横堀悦夫 |
表・話・編・歴 |
ダスティ・アッテンボロー(Dusty Attemborough)は、銀河英雄伝説の登場人物。
宇宙暦769年11月23日生まれ(コミック版のデータより)。学生時代はジャーナリストを志望していたが、ジャーナリストである父親が結婚する際、父親と祖父が交わした「最初に生まれた男子を軍人にする」という約束により、通常の学校と同時に半ば無理矢理士官学校を受験させられ、後者だけに合格した為仕方なく入学する。
1年生の時に門限破りをして塀を乗り越えた際に、2年先輩で当夜巡回中だったヤン・ウェンリーが見てみぬふりをしてくれたため懲罰を免れたことをきっかけに、ヤンと親しくなる。コミック版では、ヤンを実家に招いた時「(ごく一部の課目の)成績が優秀な士官学校の先輩」と家族に紹介している。ヤンがエル・ファシルの英雄となった788年はまだ士官学校に在籍中であり、翌789年に惑星エコニアから戻ってきたヤンを出迎え、キャゼルヌの家に向う車の中で士官学校を卒業する話題が出ている。
物語本編の登場の仕方は、原作/アニメ/コミックで異なっている。
アニメ版では劇場版第1作及びOVA第1話から砲術士官として登場し、司令官代理となったヤンの補佐を務めた(原作ではラオがその役割を勤めた。主な作中の台詞も彼の台詞をアッテンボローがアニメ中で演じている)ほか、ドーリア星域会戦に際しては、ヤン艦隊分艦隊司令として旗艦トリグラフに座乗、救国軍事会議側の部隊(第11艦隊)の分断・各個撃破に重要な役割を果たすなど、早い時期から活躍を見せている。しかし、原作での登場は遅く、ドーリア星域の会戦の作戦計画に名前がわずかに出たのが最初であり、アニメ版でアッテンボローが務めた役割を担ったのはフィッシャーであった。実際に本人が活躍するのは第3巻(雌伏編)冒頭のアイヘンドルフ艦隊との戦いで分艦隊司令として登場してからである。
道原かつみによるコミック版では、帝国領侵攻の時に第10艦隊所属の大佐として登場し、ビッテンフェルト艦隊との戦闘時に、撤退の先頭に位置する事をウランフから命じられている(尚、原作黎明篇(西暦1982年発表)の後に発表された原作外伝第2巻(同1987年発表)では、第10艦隊が全滅を免れたのは彼の活躍による、との評をユリアンが日記に記している。またOVA版でも第6話で登場した際には、識別にしくいが制服の左上腕部に第10艦隊のワッペンを付けている)。
798年1月のイゼルローン回廊帝国側宙域の遭遇戦で分艦隊2200隻を率いて帝国軍と戦ったのが、原作小説を含めての本格的な登場であり、以降はヤン艦隊の一翼を担う存在として常に戦闘に参加している。800年のバーラトの和約に伴い退役するが(最終階級は中将)、7月のヤンの逮捕に関連して自分達も罠にかけられると悟ると、シェーンコップやバグダッシュと連携してヤンを奪回、ともにハイネセンを去り、独立したエル・ファシルに身を寄せた。イゼルローン再占領作戦では、ヤンの思惑で後方から戦局を見守ることを学ぶため居残り組となったが、それ以降の艦隊戦には常に参加した。
800年6月のヤンの死後、政治的指導者としてフレデリカを推挙する政治的な配慮をしている。イゼルローン軍の司令官に推挙する声があったが、「自分は黒幕でいたい」という意思を表してこれをユリアンに譲り、帝国軍対イゼルローン革命軍による回廊の戦いやシヴァ星域会戦でも引き続き分艦隊司令官(旗艦マサソイト)として戦闘に参加した。帝国との戦いが終了した後もユリアンとフェザーンに同行している。
若いながら非凡な能力を備えた用兵家。26歳で准将に昇進しており、ヤンの28歳より早かった。もし自由惑星同盟が存続していたら、30歳代での元帥昇格も間違いなく、ヤンよりもより剛柔の均整の取れた元帥になったであろうと作中に記述されている。ヤンから受け継いだ一点集中攻撃法のほか、ゲリラ的な戦術が得意で、中でも偽装退却を主とした戦術の巧妙さは他の追随を許さないと言われている。コミック版ではアムリッツァ前哨戦時の上官ウランフに「敗走させたら右に出るものはいません」と自身で述べており、第10艦隊の半数を脱出させる事に成功している。
OVA版においては、第11艦隊とヤン艦隊との艦隊決戦において、第11艦隊を半数に二分し、半数の本隊をヤン艦隊の大部分で包囲殲滅し、残り半数をアッテンボローの分艦隊が撹乱するという作戦で、勝利を収めている。ヤン艦隊の大部分が数的優勢に戦闘する中において、アッテンボローの分艦隊は少数で持ちこたえて、その能力を発揮している。
原作の回廊の戦いにおける記述で、帝国軍のバイエルラインの能力がアッテンボローと互角と書かれている。PCゲームなどでの艦隊司令としての能力値は高く設定されている。
「独身主義」で、ポプランやシェーンコップの漁色ぶりには決して同調しないが、それ以外の点ではむしろ体制に反抗することを存在意義とするが如しである。士官学校時代にも、禁止されている本を密かに回し読みする組織を主催していた(組織活動に熱中しすぎてあまり本は読んでいないはず、とはヤンの評)。同盟軍より離反した後は「伊達と酔狂で」革命戦争を遂行する[1]、と公言しており、ユリアンも、彼は常に反体制派で、多数派に属する彼の姿は全く想像もできない、という。ヤン艦隊の主要人物に共通する毒舌家であり、ポプランやシェーンコップとは会議でも私生活でも毒舌の応酬が絶えないが、基本的に仲が悪いわけではない。上司であるヤンのことは、普段は「ヤン先輩」と呼んで慕っている。回廊の戦いの直前にビッテンフェルトから送られてきた挑発的な通信文の返答を担当した。その内容は、ビッテンフェルトを「連年失敗続きであるにも関わらず、その都度階級が上昇しつづける奇蹟の人」と揶揄するものであり、ビッテンフェルトを激怒させた。なおこれは第三稿であり、初稿と第二稿はさらに過激、あるいは下品なものであったと自己評価している。
外見的特徴は「鉄灰色」の髪とそばかす。口癖は「それがどうした!」(彼曰く「宇宙で最強の台詞」)。
ジャーナリスト志望だったため、回想録のためのノートを取っている(フィッシャーもアッテンボローに倣って艦隊運用についての本でも書いてみようかと冗談を言ったが、その直後に戦死している)。余談だが同じ田中芳樹作品の『カルパチア綺想曲』に「アッテンボロー」姓の人物が登場するが、血縁があるかどうかについては、作者の田中曰く「ご想像におまかせします。」との事(ただし姓名が決まってからキャラクターが活き活きとしたとの事であり、作者の田中の創作姿勢には何らかの影響があった様子)。
ユリアンがフェザーンに旅立つときに、錆びついた青銅製の「幸運の鍵」をプレゼントした。この鍵は、アッテンボローの父親が息子の一般大学不合格を念じた(呪いをかけた)ものだったが、アッテンボローはこの鍵のおかげで、上述の様にヤンに門限破りを見逃してもらえたという。
革命運動家的な描写が多いが、上述の通り表向きに公言している行動原理は「伊達と酔狂」であり、革命家としての思想を述べた例は乏しい。その珍しい例である「人間は主義や思想のためには戦わず、主義や思想を体現した者のため戦う。革命のために戦うのではなくて、革命家のために戦う。」という、いささかヤンの思想とは異なる見解は、ヤンの死後にフレデリカとユリアンを後継者として推した時の主張である。この点はヤンが否定する事は承知の上で、ヤンに対して同盟の独裁者となるべくけしかけていたシェーンコップとは対照的である。
なお、独身主義とは言っても、特に女性が嫌い、あるいは苦手というわけではないらしく、フレデリカのヤンへの心遣いを見て「独身主義を放棄しようかな」と発言したり、カリンの存在を知った際にもヤン夫妻に独身主義の返上の意思を尋ねられ検討してみる様子が描かれている。しかし、シェーンコップを岳父とする楽しからざる未来予想図により断念(もともと冗談半分の発言であった様子だが)。
独身。物語本編には登場しなかったが、少なくともジャーナリストの父親(外伝の回想に登場)と、3人の姉がいる。他の家族については不明。なお、彼の「ダスティ」という名は、戦死した母方の祖父から受け継いだものである。2007年に発表された道原かつみの漫画版で鍵にまつわるエピソードとアッテンボローの家族が登場している。
アニメにおいて声を担当した声優は井上和彦。ただし外伝の「黄金の翼」だけは横堀悦夫が担当している。
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