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テンプレート:漫画『ダメおやじ』は、週刊少年サンデーの1970年43号から1982年30号までに連載されていた古谷三敏の漫画作品。また、それを原作としたテレビアニメと映画。
1999年には『ダメおやじ~平成版~』が週刊少年サンデーに読み切りで掲載された。
第24回(昭和53年度)小学館漫画賞受賞。
ダメおやじこと雨野ダメ助(以降ダメおやじと記す)は、ドジでおバカとまるでいいところが無い。会社では無能と蔑まれ、家に帰れば稼ぎが悪いとオニババこと妻冬子(以降オニババと記す)に虐待され、挙句息子タコ坊にまで馬鹿にされる。娘ユキ子はオニババと一緒に虐待するか、相手にしないかのどちらかだ。
彼は帰宅するたびに玄関の戸に祈る…「神さま、お願いです。この戸のむこうに平和がありますように!!」と。だが彼が望むのは、家族の安全や幸福では無い。彼自身の安全と安息である。ただ、その余りにも哀れな願望は、ひとたび玄関の敷居をまたぐとあっという間に打ち砕かれ、いつものようにオニババらから虐待される。
食事抜きなど当たり前、殴る蹴るも日課の如く、車にはねられればオニババらから「いっそ死んでくれれば金ががっぽり取れたのに!」と言われてしまう。会社の出張で北海道に行って自由を満喫していると、いじめる対象がいなくなって虚脱感を覚えたオニババらが押し掛けて来て、やっぱり虐待される。
だがそれでも、ダメおやじは家族のために働くのを止めようとしない。辞めればどんな酷い虐待が待っているか知れたものでは無いからだ。必死になって働くが、それでも家族が欲しがる大型カラーテレビが買えない。挙句に町の相撲大会でカラーテレビが優勝賞品に出ていると知るとオニババはダメおやじの体格を省みずにむりやり出場させるが他の参加者にメタメタにのされてしまい激怒をしたオニババはダメおやじのマワシをわし掴んでは虐待しつつ「おまえの安月給では一生色のついたテレビは見られないんだ!」と罵るが、ダメおやじは「勝ち負けは時の運、参加することに意義があるんだ」と言えば、オニババは「勝つことに意義があるんだ!」とやり返し、そのオニババ自らが相撲大会に出場してみごと優勝、カラーテレビをモノにした。オニババいわく「情け無いおやじにくらべてなんとたのもしい母ちゃんではないか」と得意満面にかたったあと家族でカラーテレビを見るがダメおやじに対しては両目をクリップでとめて一切見せずに「おまえには見る資格は無い!」とオニババは言い、ダメおやじは「そんなこと言わずに見せてください」と言っては部屋を徘徊させていた、そんなダメおやじの話である。
ダメ生活から会社は倒産。失業し再雇用されるが、競馬競輪に嵌り知床に左遷され原野を放浪-気が狂い、再び失業。あれだけ痛めつけてきたオニババも哀れむようになる。しかし、大財閥令嬢大和ヒミコにその心の温かさを買われ、人生のパートナーとして大会社ダメおやじ株式会社の社長に抜擢され一大転機を迎える。
以降社長就任後は、大和じいさんとアウトドアや豆腐作りをしながら、ダメ時代とは打って変わって成功の連続に。それも彼の人間性による。途中猛勤務により3ヶ月の休暇を取り、山小屋を自らの手で建設。家族を呼び寄せる。家族が帰ると、サダオらが転がり込み楽しい山小屋生活が続くが会社から呼び出しがかかり、社長業に戻るがネクタイの締め方が分からず重役に叱咤される。さらに左遷される役員の代わりに社長辞任しておんぼろ会社「大躍進株式会社」の所長となる。それを小躍進させ、(株)おてつだいを起業。といっても売り上げはわずかだが、そこでは様々なくだらない依頼により「人間」を描く。それを足がかりに「HOTELダメおやじ」を開業。初めてのお客様に嬉しさのあまり過剰な接待をし激怒させる。ホテル業が軌道に乗ったころヒミコから「ユートピア」について相談を受ける。人類の幸福について考えを及ばせ、最愛の家族にもわけを話さずに放浪の旅に出る。その後は「奥山村」のある空き家に居つき、迷犬大左エ門との奇妙な生活に入る。ここでは「2種類語」として鳥や牛も人語をしゃべりまくる。そんな時、ヒミコから連絡が・・・。
近年の日本では、親父は単なる家庭の男の側に過ぎない。このため、ドメスティックバイオレンスでは、女性に男性が虐待されているケースも見られる。しかし同作品が発表された1970年代には、まだ「親父の威厳」が存在しており、本作品ではこれを徹底的に扱き下ろす事で、実際にはありえないダメダメっぷりを描くというギャグ性が成立していた。
しかし連載が続く内に、仕事中毒から家庭不在が続いて権威が落ち始めた親父像が実社会に出てくるに従って、作品内容にも若干の変化があった模様で、小学館単行本4巻以降では、その暖かい人間性から大会社社長に雇われることで内容は大転換する。性格的なダメっぷりは相変わらずだが、人生の機微を扱ったり、アウトドア薀蓄が顔を見せるなど、後の薀蓄漫画の原型とも言える動向も見られた。だが、作者自身曰く、作品の内容が変わった事については、「連載が始まって10年程経った時、妻から『まだ、(ダメおやじを)描いてたの?』と言われ、10年間全く変わらなかったダメおやじ一家の設定を変えてみようと思った」と発言している。
以降社長を休業、放浪、いつしかナンセンスギャグ漫画に戻り、最後に素晴らしい仲間たちと大団円、という良い意味で奇異な漫画として成立した。
テンプレート:前後番組
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