ガメラ_大怪獣空中決戦

ページ名:ガメラ_大怪獣空中決戦

『ガメラ 大怪獣空中決戦』(ガメラ だいかいじゅうくうちゅうけっせん)は、1995年3月11日に東宝系公開された日本の怪獣映画。大映製作の平成ガメラシリーズ第一作で、特撮シーンでは人間の目の高さから見上げたカメラアングルにこだわり、怪獣の巨大さを強調した事で有名である。1996年第27回星雲賞映画演劇部門・メディア部門賞受賞。

目次

怪獣映画の王道[]

監督の金子修介は、大映の要請で監督を快諾したものの、当初の製作予算が5億円という事実に落胆し、ギャグかコメディー映画にすることを覚悟したという。しかし脚本に伊藤和典、特技監督に樋口真嗣を獲得したことで、「怪獣映画の王道」を作ろうということになった。

撮影にあたり自衛隊へ協力を要請したところ陸と海は承諾したが、航空自衛隊(空自)は難色を示した。理由は、ギャオスとの空中戦でF-15が「墜落」するという展開を空自が嫌がったため。幾度かの折衝の結果、戦車が爆発し陸自隊員が吹き飛んでも航空機は一機も落ちないという展開になった。この後、ガメラ全作品で航空機は落ちていない(模型戦闘機が飛び回るのを嫌った製作者側の意図もあった)。映画内容とはあまり関係ないが、これについて左派メディアは「自衛隊が映画に介入した」と批判した。


観客動員は約90万人、配給収入6億円。目標は10億円だったが、製作陣はガメラのキャラクターは世間に浸透したと判断し、シリーズ化が決定した。

低予算のため、特撮シーンの多くはスタジオでなく自然光下で撮影された。結果的に完成度が増している。


平成ガメラシリーズの制作には日本テレビも関わっていたため、ガメラ2の公開に合わせて1996年7月に金曜ロードショーで放映された。また、作品中は同局系列のアナウンサーやテレビ番組が劇中に登場している。この作品ではニュースプラス1が登場し、また長崎国際テレビ・福岡放送・静岡第一テレビが登場している。ちなみに長崎国際テレビは、ギャオスが発見された島から中継するリポーターのマイクについた「社名ロゴ」のみ(リポーター役は女優)、福岡放送は古賀之士アナウンサーが福岡ドームからリポートした他、同社が契約使用している取材ヘリが登場するシーン、さらに静岡第一テレビは田辺稔アナウンサーが同社報道スタジオで臨時ニュースを読むシーンへの協力となっていた。


テンプレート:ネタバレ

あらすじ[]

太平洋上に謎の巨大漂流環礁が発見された。その環礁は黒潮の流れに乗って、だんだん日本に近づいているという。民間保険会社の草薙と海上保安庁の米森は、環礁の調査に乗り出した。その結果、環礁の上からは、不思議な石版と大量の勾玉が発見された。さらに、この環礁が生物であるということが明らかになる。

同じ頃、九州の五島列島・姫神島で、島民が「鳥!…鳥!…」という無線を最後に消息を絶つという事件が発生。調査に呼ばれた鳥類学者の長峰真弓はそこで、島民を喰らった巨大な怪鳥を発見する。政府は希少な生物であるとして、怪鳥の捕獲を決定。福岡ドームに怪鳥を誘い込む作戦を決行する。その時、博多湾にあの環礁=巨大生物が上陸。怪鳥の一匹を倒し、周りの建物を破壊しながら、ドームに向かって行く。予期せぬ事態に周囲は大混乱に陥る。怪鳥も鉄格子を強力な光線で切断し、脱出、捕り逃してしまった。巨大生物も円盤のような姿となって、怪鳥を追って飛び去っていった。

――最後の希望・ガメラ、時の揺りかごに託す。災いの影・ギャオスと共に目覚めん。――

石板に記された碑文から、巨大生物をガメラ、怪鳥はギャオスと呼ばれることになった。政府はギャオスの捕獲にこだわる一方でガメラを危険視し、ギャオスを追うガメラを攻撃する。短期間で、成長を遂げたギャオスは、餌となる人間を求め、大都市・東京向かう。ようやく政府はギャオス捕獲を中止、攻撃の命令を下したものの、ギャオスは自衛隊の発射したミサイルを誘導し、東京タワーを破壊。その上で、ギャオスは巣を作ってしまう。ギャオスは性転換する事が分かり、そのため単体での繁殖が可能なため、このまま卵が孵化すれば爆発的な勢いでギャオスが増えることになってしまう。しかし産卵直後にガメラが地中から出現し、巣を東京タワーごと焼却する。ここに東京の空を舞台に大怪獣空中決戦が始まった。

怪獣[]

ガメラ[]

テンプレート:Mainアトランティス大陸の高度な技術によって人為的に創られた巨大な亀の様な姿の怪獣。最後の希望と呼ばれている。西暦1995年に地球の危機を察知し、長い眠りから目覚めた。元々は、ギャオスに対抗するために、緊急に創られたが、間に合わずアトランティス大陸は滅んでしまった。その一方で、ガメラは次の文明のために残された物であるとも言われている。危機を察知する能力を持ち、手足を引っ込めて円盤状になって高速回転して飛ぶことが出来る。口から吐き出す球状の火球「プラズマ火球」は、山を1つ崩せるほどの破壊力を持つ。視力は人間なら30.0である。人間など、小さな生物に対しては優しく接する。また、生物兵器として創られたため、環境に適応して短期間で進化することが出来る。次作の『ガメラ2 レギオン襲来』以降では姿がかなり違っている。尚、このシリーズの世界では「亀」という生物は恐竜と共に絶滅していると言う裏設定があり、劇中でガメラを「海の怪獣」と称する事はあっても、誰も「巨大な亀が」等と言わないのはこのため。

ギャオス[]

テンプレート:Main

スタッフ[]

  • 監督:金子修介
  • 脚本:伊藤和典
  • 特技監督:樋口真嗣
  • 音楽:大谷幸
    • 主題歌『神話』
      • 作詞:サンプラザ中野
      • 作曲:ファンキー末吉、斉藤かんじ、井上鑑
      • 編曲:井上鑑、爆風スランプ
      • 唄:爆風スランプ

キャスト[]

  • 米森良成:伊原剛志
  • 長峰真弓:中山忍
  • 草薙浅黄:藤谷文子
  • 斎藤環境庁審議官:本田博太郎
  • 草薙直哉:小野寺昭
  • 大迫 力(おおさこ つとむ):螢雪次朗
  • ガメラ:真鍋尚晃、鈴木潤
  • ギャオス:亀山ゆうみ

受賞歴[]

  • 第27回星雲賞 
    • 映画演劇部門・メディア部門賞
  • 第17回ヨコハマ映画祭 
    • 監督賞(金子修介)
    • 助演女優賞(中山忍)
    • 脚本賞(伊藤和典)
    • 技術賞(樋口真嗣)
  • 第38回ブルーリボン賞 
    • 助演女優賞(中山忍)
  • 第19回日本アカデミー賞 
    • 優秀助演女優賞(中山忍)

豆知識[]

  • 映画内で、米森と長峰とが「XXだけでなくYYの染色体も見つかった」、「YYと言うのは雄の染色体…」というやり取りをするシーンがあったが、YYという染色体は遺伝学的にありえないため、YY=雄と言うのは間違いである。(ヒトの場合、男性はXY)
  • 作品中で環境省が希少動物としてギャオスの保護を決定しているが、あからさまに被害が多い動物に関しては保護が形式的なもので終わったり、見送られる事も多く、希少動物でも駆除が決まる事もあり、現実的には有り得ない選択である(トド#人間との関わりも参照)。
  • 映画『大怪獣東京に現わる』には、勾玉のペンダントをつけた女性が中絶手術を彼氏に訴えたり(浅黄は巫女=処女なのでガメラと共感できる)、亀型怪獣を報道で「亀です!どこからどう見ても亀です!」と訴えたり、本作を大幅に意識したギャグが多い。

外部リンク[]

  • ガメラ公式ホームページ

テンプレート:先代次代2

テンプレート:ガメラ

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