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『宇宙大怪獣ドゴラ』(うちゅうだいかいじゅうドゴラ、英題:Dogora-the Space Monster)は、1964年、日本の東宝が製作した怪獣映画、および劇中に登場する怪獣の名称。
テンプレート:ネタバレ
日本上空のテレビ中継衛星に、原因不明の消失事件が起こった。時を同じくして世界各国の宝石店が襲われ、多量のダイアモンドが盗まれる事件が頻発する。ダイアモンド盗難事件は全世界に指名手配されている宝石強盗団一味の仕業と考えられていたが、実は衛星消失事件と大きな関係があったのだ。
国連科学委員会の調査によって、両事件とも突然変異した宇宙細胞の仕業だとわかる。日本の上空は放射能だらけで、その影響で宇宙細胞が突然変異し、炭素をエネルギー源としている宇宙細胞は、エネルギー補給のためダイアモンドや石炭を必要としたのだった。巨大化した宇宙細胞は、ドゴラと命名された。ドゴラは次々と世界各国を襲撃し始める…。
本作に強く感じられるのは、宝石強盗団とそれを追うダイアGメンや刑事とのアクションシーン等に見られる、当時大流行していた『007』シリーズの影響である。本作の前年にはシリーズ第2作の『007 危機一発』が製作されている。そういう意味で、人間ドラマというか登場人物の動きに大きな魅力を感じる作品であるかもしれない。
だがそのためか、史上初の「宇宙大怪獣」のドゴラがいささか物足りない(ドゴラに遅れること4ヶ月、キングギドラが誕生する)と評価されることもある。ドゴラ自身の造型はクラゲのようでいま一つはっきりしないが、当初の予定ではもっとハッキリと姿を現す予定であった。当時の宣伝用ポスターでは、建物やF-104を宙に巻き上げるドゴラの姿が描かれていたが、実際にはそのような場面はなかった。
ドゴラのミニチュアには、まだ開発段階で市場に出ていなかったソフトビニールを素材に使った。この軟らかい素材のミニチュアを水槽の中に吊り下げ、水槽下部にすえつけたバルブからの水流でフワフワとした宙を舞う不安定な「宇宙大怪獣」を表現した。が、水道局の毎週のカルキ投入日には水道水が白く濁ってしまって、水槽の水を透明に保つのに苦労し、あまり特撮カットが稼げなかった。この為、姿が不明瞭な怪獣とならざるを得ず、人間アクションに重点を置いている理由にはこのような面もあった。とは言え、石炭(コーヒーがらを使った)をドゴラが吸い込んでいくカットや、小倉上空をドゴラが滑空するシーンなどは、見事な出来栄えであった。単細胞状態のドゴラは、有機ガラスをガラスに挟んで表現された。
また、このドゴラのイメージデザインを担当したのが『海底軍艦』や『地球防衛軍』のデザインを担当した小松崎茂氏であることもあり、不定型であることによって不気味さが際だっているという意見もある。
本作は、五市合併と政令指定都市化間もない北九州市を舞台のひとつとしており、当時の北九州市のランドマークがいくつも映画に登場する。ドゴラに破壊される「東洋一の吊り橋」若戸大橋や皿倉山頂の展望台などであるが、中でも物語に大きく関わる筑豊炭田の石炭積出港としての若松港の情景は、その後急速にエネルギー転換が進み、過去のものとなっていく筑豊産炭地区に関する貴重な記録のひとつとなっている。さらに、本作に真木役で出演している天本英世はこの北九州市の出身である。
尚、関連文献には「博多に出現」という記述が見られるが、博多が存在するのは福岡市であり、劇中には福岡市が登場する描写は一切無いのでこの記述は誤りである。
ドゴラは特撮テレビ番組『ゴジラアイランド』にも登場する。人語を話す死霊界からやってきた死神という設定で、ゴジラにスペースゴジラの霊を憑依させた。武器はエロエロアザラシの呪文、名刺手裏剣など。スペースゴジラが倒された後に天国から天使の輪が飛んできて昇天させられた。造形物はマーミットのソフビ人形。声は山口勝平。映像作品で念願の全身初登場を果たした。
FC版ゴジラではゴジラやモスラの敵として登場したが、ゲーム中では直接戦うことはなく(背景として登場)、分身と思わしき小さなお邪魔キャラ(外見は似ていない)が登場した。
このように同じ東宝怪獣のバラン程ではないものの、ドゴラの扱いは悪い。
テンプレート:Movie-stub
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