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テンプレート:文学『獄門島』(ごくもんとう)は、横溝正史原作の長編推理小説、および、それを原作とした映画・テレビドラマ作品である。1947年1月から1948年10月までの計17回、雑誌「宝石」に掲載された。2005年12月現在までに、映画2作品・テレビドラマ4作品が制作されている。
テンプレート:ネタバレ
終戦から1年経った昭和21年9月下旬。金田一耕助は、引き揚げ船内で死んだ戦友・鬼頭千万太(きとう ちまた)の故郷、瀬戸内海に浮かぶ獄門島へと向かった。そこは封建的な古い因習の残る孤島で、島の漁師たちの元締めである鬼頭家の本家・本鬼頭と分家・分鬼頭が対立していた。金田一には、彼が息絶える前に残したある言葉が気に掛かって仕方がなかった。
「俺が生きて帰らなければ、3人の妹達が殺される…。」
金田一が島を訪れたその日を境に、その島で凄惨な連続殺人事件が次々と巻き起こり始める。
この作品のヒロイン鬼頭早苗は、金田一耕助が生涯愛した女性の一人として知られる。
金田一は獄門島を離れる際、早苗に「島を出て一緒に東京へ行きませんか」とプロポーズとも取れる言葉を掛けている。しかし、早苗は島に残る決意を固めており、金田一は振られてしまうという結果に終わっている。
発表当初より高い評価を受けた本作は、後の本格推理派作家などに大きな影響を与えている。横溝作品の中でも「見立て殺人」ものとして高い人気がある。
また、この事件の謎を解くのに極めて重要な鍵として、俳句用語である「季違い」と、「気違い」の聞き間違いというものがあるが、最近のテレビ放送においては過度の自主規制が行われているため、下記の1970年代製作のドラマや映画が後年テレビ放送された際、「キチガイ」という音声が消されたり「ピー音」がかぶせられたりしてテンプレート:要出典、原作未読の視聴者にとっては何故金田一が謎を解けたのか、訳の分からない展開となってしまった事がある(DVD等ではオリジナルのまま収録されている)。近年のドラマ化作品では、謎解きを原作と異なる形にすることでキーワードが登場しないように改変されている。
2007年5月1日、NHK-BS2「衛星映画劇場」で市川崑監督作品が放送された際には、上記のような音声処理はまったく行なわれなかった。本編終了後、現代からすれば不適切な用語・表現等が含まれるが、作品のオリジナリティーを尊重してそのまま放送した旨の断りが表示された。
モデルとなった島は笠岡諸島最南端という設定から、六島と思われる。
ジュブナイル『夜光怪人』でも、目的地であるとなりの島への経由地点として、獄門島は終盤何ページか登場(ただし読みは「ごくもんじま」)。瀬戸内海の島という地理関係、その昔海賊が跋扈していた地という設定も『獄門島』に準じたもので、島の駐在である清水巡査も再登場する。
この作品は、探偵役として『蝶々殺人事件』などで活躍する由利麟太郎が登場する作品だったが、ソノラマ文庫版および角川文庫版、角川スニーカー文庫版では山村正夫の手により、その部分が金田一耕助に書き換えられている。そのため、清水巡査が金田一のことを知らないという描写がなされており、また金田一の描写もろくに推理をせずピストルをぶっぱなすという風に、通常の作品とは大きくかけ離れている。
由利シリーズのジュブナイル作品は、1作ごとに世界観がリセットされるため、この作品も特に『獄門島』との整合性を考慮して執筆されてはいないようだ。
テンプレート:Lit-stub
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