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Rot.png | この記事はネタバレを多く含みます。「The Screecher」をプレイするにあたって面白さを著しく損なう事に注意してください。 |
ゲーム内に登場する「The Screecher」の姿
The Screecher(ザ・スクリーチャー)は開発元であるKlei Entertainmentによって作られたDon't Starveの改変ホラーMODです。同じくホラーゲームである「Slender」(後に「Slender: The Eight Pages」と改題)と似たコンセプトであり、主人公のWilliam "Bill" Moran(ウィリアム・ビル・モラン:以下ビル)を操作しモンスターの追撃を避けながらキャンプ場の脱出を試みる内容となっています。
ゲーム画面は三人称視点で、カメラはビルの頭のすぐ後ろに位置しています。そのためビルの顔を見ることはできませんがゲームファイルに正面グラフィックが存在しているためそこから確認することができます。ビルを操作してPillet Creek(ピレット・クリーク)周辺にあるキャンプ地の荷物を調べるとアイテムを入手できます。探索可能な荷物の種類はクーラーボックス、ダッフルバッグ、ジャケット、ゴミの山などです。ほとんどは使えないものばかりで時折ビルが荷物の中の物が腐っていたりバラバラに引き裂かれている、という旨を呟きます。しかし、このピレット・フリークで生き残るためには荷物を調べることは非常に重要な事なのです。
まずゲーム開始地点の荷物を調べることでビルは最も重要なアイテムである懐中電灯を入手します。これは持ち運び可能な唯一の光源であり、以後キャンプ地を探索しながら懐中電灯のバッテリーを補充していく必要があります。もしバッテリーが切れたり電源をオフにした状態で完全な暗闇の中に立っていると数秒後に死んでしまいます。(この時に聞こえる音はCharlieに襲われた時に似ています)
そして少し進んだ所に置かれているランダムな種類の荷物を調べるとピレット・クリークの地図を見つけることができます。これは懐中電灯に次ぐもう一つの重要アイテムで、キャンプ地における現在地および周辺の状況を示してくれます。そしてさらに探索を進めるとメモの切れ端が見つかります。メモは9枚あり、全て集めなくてもエンディングまでいくことはできます。一部のメモは特殊な役割を持ちます。
Don't Starveのシステムと同様にビルも特定のオブジェクトに対して何かしらのアクションを行えます。例えば、看板を調べる、焚き火に着火、アマチュア無線による通信、発電機の起動、などです。
ある特定の地点にたどり着くとThe Screecher(以下スクリーチャー)が姿を現し、以後ビルが道沿いを移動しているとランダムな確率で目の前に現れます(視界に入ってくる時はいつも立った状態です)。スクリーチャーと出くわしてしまった場合は直ちに視線を逸らすか、もしくは懐中電灯の電源を切ってください。そのまま数秒待つとスクリーチャーは姿を消します。もし長時間見つめてしまった場合はスクリーチャーは直ちに襲い掛かり明かりが消えた後暗闇の中で殺されてしまいます。
Bill Moran(ビル・モラン)とSarah Beacon(サラ・ビーコン)の2人組は1986年1月9日に一週間のキャンプ旅行のためピレット・クリークにある深い森に覆われたキャンプ地へヘリコプターで訪れた。到着後少し経ってから、ブラジル人の夫婦が姿を消し、以降何者かが夜間にキャンプを荒らすようになる。ビルは夫婦を探しに出て行ったが2日間も帰ってこないビルにサラはパニックを起こしメモと懐中電灯をキャンプ地に残してヘリポートを探しに出かけてしまう。ビルが帰ってきたのは14日の夜で、辺りは真っ暗であった。森の中から何か奇妙な叫び声が聞こえた後、彼は野外炉に火を灯しサラの懐中電灯を回収してから森の探索へ出かけたのだった。
ビルがピレット・クリークの道を通り抜けた頃、懐中電灯が時折チカチカと明滅し遠くから雄叫びが聞こえるようになる。何か良くないことが起こると察したビルはヘリポートへ向かうことに決めた。道中、放棄されたキャンプ地から懐中電灯のバッテリーや周辺の地図、いくつかのメモを発見する。メモにはその日の出来事や手紙から始まり、ヘリコプターの乗客名簿、無線の緊急連絡用の周波数のメモ、中には不気味な警告が書かれた紙切れがあった。
しばらく進むとビルは道沿いでちぢこまっている女性を発見した。話しかけようとするものの、彼女は光を恐れて森の中へ逃げてしまった。さらに進むと今度は別のキャンプ地と、どこか動揺したような男性を発見した。男はフードをかぶりなにかモゴモゴと唸っては椅子を揺らし、ビルに背を向けて座っていた。話しかけると男は叫び声をあげながらおどろおどろしい顔をこちらに向け、死んでしまう。その顔は表面がはぎ取られており、血まみれの筋肉部が露出してしまっていた。
やがてビルは地面に大きな血痕が残されたキャンプ地へたどり着く。そこで見つけたメモには血で「ヤツは自分を見たものを追い回す」と書かれていた。メモを読み終えると焚き火(着火していた場合)が消え、懐中電灯も点滅した後に切れてしまう。完全な真っ暗闇の中、再び電源を入れなおすと女性がスクリーチャーに殺されているのを目撃する。その残忍な怪物は成人男性の体にフクロウの頭という見た目をしていた。ビルが怪物を見つめていてると相手は口を大きく開けて叫び声をあげるとともに女性の死体を置いて姿を消してしまう。女性は先ほど会った男性と同じように顔をはぎ取られていた。
ここからスクリーチャーはビルを追い回すようになり、ヘリポートへの道を移動していると目の前に現れるようになる。もしビルが奴らを再び見つめようものならたちまち殺されてしまうだろう。
そこから先の道のりでは血まみれになったさまざまな人物の死体を目にすることになる。中にはサラと思われる女性の死体もいた。ようやくヘリポートにたどり着いたビルは無線機を発見する。(緊急用周波数のメモを見つけていなくても使用可能)通信先では「君は死んだと思っていたよ、ビル。迎えに行こう。発電機を使ってランプを点けてくれ!」と言われ、指示に従い発電機を稼働させて救助を待った。が、突然ランプと懐中電灯の明かりが消えてしまう。(このイベントには拾ったメモの数は関係ない)もう一度懐中電灯を点けると赤くなった画面の中で大量のスクリーチャーたちに周囲を囲まれていることがわかる。(うち何体かは懐中電灯めがけて攻撃を仕掛けてくる)そして一斉に叫びながらビルめがけて這いずって襲い掛かるところでゲームは終了する。
ピレット・クリークでは9枚のメモが見つかります。全部で15種類のメモがありそのうち9枚がランダムに出現する、というシステムになります。サラの置手紙のようにいくつかのメモは確定で出現します。
1月9日のメモ:
1月9日やっとヘリコプターが到着したわ。ここは素敵な場所だし、ツアーガイドさんも良い感じ!数マイル周辺は人がいないせいか、すごく静かね。1月12日のメモ:
1月12日昨夜、何者かにキャンプを荒らされた。ブラジル人の夫婦もここ数日見かけてないし、なんだか不気味…。かなり冷え込むし、ひとまずビルは発電機の修理から取り掛かってるわ。1月14日のメモ:
1月14日ビルがブラジル人の夫婦を探しに行ったきりまだ戻らない。本当に怖い。森の向こうに何かいる。ここから逃げなきゃ。ガイドを見つけなきゃ。サラのメモ:
これ以上待てないからヘリコプターを呼びに行ってきます。懐中電灯を置いておくわ。またあとでね。 サラ緊急用周波数のメモ:
緊急用周波数1640.4 AMヘリコプターの乗客名簿:
ヘリコプター 乗客名簿血で書かれた警告メモ:
「ヤツ」 を 見るな !頼みの綱:
懐中電灯を使え それが頼みの綱だ母へのメモ:
母さんへいなくなった子たちは見つからず、残ったのは数人だけ。けどまだ奴らの声が響いてくる。どうか祈っていて。大好きだよ[これより下はノートが破れていて名前が読めなくなっている]スクリーチャーのスケッチ:
赤色の背景に黒色でスクリーチャーのシルエットと4本の松の木が描かれている。血で書かれた警告メモ2:
ヤツは自分を見たものを追い回す救助隊のメモ:
アダムサラ 死亡リー -発見ケンダルルネ モンスターマウロ -発見グレッグ 死亡ドナルド | クリスチーネミカエラ -発見 死亡ビル 死亡ライアン モンスターマイク 死亡クリス -顔無し 死亡ディー 死亡ホセ |
「何か」についてのメモ:
「何か」を見た。背が高くてギョロ目で毛むくじゃら。すぐにいなくなってしまったけどまだこの辺にいる。死ぬ前にクリスは「フクロウだ」って言ってたけど、あれは違う。火の近くなら安全だし、心配ない。何も書かれていないルーズリーフ:
白紙のルーズリーフ。紙はしわくちゃで汚れている。何も書かれていない無地の紙:
白紙の無地紙。こちらも上記と同じ状態。名前が列挙されたメモは2種類あり、1つは上部に「Helicopter Manifest(ヘリコプター乗客名簿)」と書かれたメモで、11人の名前がフルネームで載っている。
もう1つは救助隊のメモとして書かれたキャンプ地にいる人のリストである。16人分の名前が載っているがほとんどの名前は打ち消し線が引かれ横に「DEAD(死亡)」と書かれており、その人物が死亡した状態で発見されたことを示している。数人は横に「-FOUND(発見)」と書かれており、こちらは救助隊に発見、保護されたことを示している。打ち消し線が引かれ横に「MONSTER(モンスター)」と書かれている2人はスクリーチャーに変身してしまったものと考えられる。何も印がついていない名前の人物たちはまだ生死もしくはスクリーチャー化したかどうか確認できていない状態であることを示している。
ヘリコプターの乗客はビルとサラ2人を除いて全員スクリーチャーの襲撃を受ける前に救助隊によって脱出できた。(逆にビルとサラは脱出できなかったため救助隊のメモに名前が書かれている)そして脱出してから少なくとも1月9~14日の5日間以内にスクリーチャーは襲撃を始めたことになる。
ビルとサラがキャンプ地へ旅行しに来たのはほぼ間違いないが、他の旅行者は別の方法で到着したとも考えられる。そもそもヘリコプターの乗客リストに載っていた名前の一部は旅行者ではなく搭乗員、さらに言うと救助隊だった可能性もある。
主人公となる人物はビル(これは無線機でもビルと呼ばれたことから確定)であり、フルネームはウィリアム・ビル・モランである。ヘリコプターの乗客リストにはウィリアム・モラン、救助隊のメモではビル表記で記述されている。ビルは生きているにもかかわらず救助隊のメモでは死亡扱いされていた。これは無線機での会話より救助隊サイドの勘違いであったことが説明されている。ビルと並んで名前が載っているサラ・ビーコンは置き手紙でビルにヘリコプターの所へ向かうことを伝えていた。サラはビルの彼女であり、一緒にヘリコプターへ乗り込んだと考えられる。
1月9、12、14日のメモを書いた人物はキャンプ地に旅行するためビルと同じヘリコプターで到着したという内容から察するにサラで間違いないと思われる。1枚目は彼女がピレット・クリークとガイド(名前は不明)を気に入っていたという内容、2枚目は何者かが自分たちのキャンプ地を荒らしたことと、ブラジル人の夫婦がいなくなったという内容、そして最後はビルが夫婦を探しに行ったきり帰ってこないこと、彼女自身がパニックを起こし、ビルがまだいないままであるのにもかかわらずガイドを探してピレット・クリークから脱出しようとしていたことが記述されている。だからこそ彼女はビルに置き手紙を残したのかもしれない。救助隊のメモによると彼女は死亡と判断されていた。ビル自身もヘリポートまでの道中で女性の死体を見つけていることからその死体はサラの可能性がある。
サラのメモにも書かれていた「ブラジル人の夫婦」はスクリーチャーの襲撃が起こる前に行方が分からなくなっている。この夫婦の詳細はほとんど明らかにされていないが、救助隊のメモに書かれているポルトガル語の名前「Jose(ホセ)」がその夫である可能性が高い。同じくメモにいる「Michaela(ミカエラ)」は西欧の珍しい名前であり、もしかしたらこちらは妻の可能性がある。ミカエラの名前の横に「FOUND(発見)」とあるが上から打ち消し線が引かれ、「DEAD(死亡)」と書き直されている。これは彼女が発見されたにもかかわらず避難が完了する前に死んでしまったことを表している。一方でヘリコプター乗客名簿の方には同姓同士のマルコとベラの2人組(おそらくこちらも夫婦)が確認できるが、こちらの名前はイタリア系のものであるため確率は低い。
救助隊のメモにあるChris(クリス)は「-NO FACE(顔無し)」とかかれさらに打ち消し線が引かれ、「DEAD(死亡)」と書き直されている。これはビルがキャンプ地で見かけたモゴモゴと唸っていた顔無し男である可能性が高い。ビルが話しかける前までは確かに生きていた。(が、救助隊側で手遅れと判断し死亡と書き直したものと見られる)
ビルが道中声をかけたものの逃げてしまい、後にスクリーチャーに殺されてしまった女性はKristine(クリスチーネ)だと考えられる。救助隊のメモで生死もしくはモンスターの判定がなされておらず、かつ女性の名前はクリスチーネ一人しかいないためである。ヘリコプター乗客リストに載っている女性の可能性もあるがその場合はスクリーチャーの襲撃から避難しているため救助隊のメモには載らないはずである。
1月9日のメモに記載されていたツアーガイドも救助隊のメモにあった人物のいずれかである可能性が高い。しかしこのガイドが男か女か、最終的にどうなったかについての詳細は一切不明である。
スクリーチャーの起源は不明だが、救助隊のメモにてRene(ルネ)とRyan(ライアン)の名前の横に「MONSTER(モンスター)」と書かれてあるところから元々は人間であるが別のスクリーチャーに襲われることでもう一度「再生」しスクリーチャーとして生まれ変わるものであると考えられる。その過程などは不明である。
ピレット・クリークで見つかる死体は全て顔が剝ぎ取られている。(顔の見えない死体もあるが、おそらく同様である)これはスクリーチャーに襲われた人物に共通するものであり、おそらくクリスチーネが殺された時と同じようにその鳥のくちばしのような口によって引きちぎられたものと考えられる。上記のようにスクリーチャーに襲われた人物がスクリーチャー化するという可能性を考えれば顔を剝ぎ取るのは相手をスクリーチャー化させる手段の一過程であるとも考えられる。被害者の顔面に新たにフクロウのような顔を貼り付けることで新たなスクリーチャーとして生まれ変わると仮定される。ただ、多くの被害者が死体のまま転がっているところを見るにスクリーチャー化させる人間は必ずしも生きている必要は無く、空の媒体さえあればそれで十分であると思われる。(スクリーチャー自身の体がやや腐った死体のような、老朽化したような見た目である事が裏付けとなる)従って救助隊が捜索を完了させるまでにスクリーチャー達はできる限り多くの旅行者を殺し、変貌させる必要があった。
クリスチーネはビルの介入によってスクリーチャーに変貌させられるのを一時的に免れた。だが、その時点で彼女はもう手遅れの状況であった。同じくクリスも最初のうちはスクリーチャーの襲撃から生き延びることができた。(これも殺される前に救助隊の介入があったためと思われる)そしてまだ生きてはいるため救助隊は他の死体のようにすぐに死亡判定を下さず「顔無し」と表記したのだと思われる。
上記に書かれている通り救助隊のメモではルネとライアンの名前の横に「MONSTER(モンスター)」と書かれてはいるが変貌している状態では顔や服装の判別は不可能なはずである。どのようにして個人を特定したかは不明であるが恐らくもともとあった傷跡やタトゥー、ほくろなどから判断したものと考えられる。ゲーム中ではスクリーチャーのグラフィックは全て共通している(おそらく開発側の仕様)が、実際にはそれぞれの元となった人間の特徴が残されているはずである。ゲームの最後に出てくる大勢のスクリーチャーはルネやライアン以外にも、救助隊のメモで生死の判定がなされていない人物(AdamやKendal)やメモの枠外にも書かれている人物がスクリーチャー化したものと考えられる。もしかしたらビルが発見した死体もヘリポートにたどり着くまでに変貌を遂げたのかもしれない。そうなるとブラジル人の夫婦(ホセとミカエラ)もその中にいた可能性も高い。ビルが道中見つけた男女の死体をその夫婦と仮定すると、2人の死体の位置が近いことから生前は一緒に行動し、片方が殺されたため逃げ出したがすぐに捕まり殺されたものと考えられる。
ブラジル人の夫婦の名前がルネとライアンの可能性についてはこの名前はポルトガル語ではないためほぼ無いと言ってもいいだろう。(ルネはフランス、ライアンは英語圏の名前である)さらに言うとルネは男女ともにみられる名前であり、男性か女性かの区別もつけにくい。スクリーチャーの体は胸がなく男性体形であるがクリスチーネが襲われたことからスクリーチャー化は男女関係なく行われると考えられる。ただし女性をスクリーチャー化させるのは時間がかかるためあえて男性を優先的に変貌させているとも考えられる。
結局のところ、人間のスクリーチャー化を行うにはオリジナルとなるスクリーチャーが必要だが、誰がどのようにオリジナルへと変貌したのかは不明である。ただ、ビルが懐中電灯を消した時にだんだんとうめき声が近づいて来てそのまま明かりをつけないと攻撃を加えてくるところはCharlieとよく似ており、またスクリーチャーは人に姿を見られることを嫌うという性質も同様である。何よりThe Screecherの開発元がKlei EntertainmentであることからDon't Starveの設定と何かしらリンクしている可能性も十分に考えられる。
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